リーマン面の定義

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定義 1 (リーマン面)

リーマン面とは、$1$ 次元複素多様体のことをいう。

定義 2 (正則関数)

リーマン面 $X$ について、関数 $f \colon X \to \mathbb{C}$ が正則関数であるとは、任意の $X$ の開集合 $U$, $\mathbb{C}$ の開集合 $W$ と $X$ の複素構造と同調する chart $\phi \colon W \to U$ について、合成 $f|_U \circ \phi \colon W \to U \to \mathbb{C}$ が正則写像となることをいう。

定義 3 (正則写像)

リーマン面 $X$, $Y$ について、関数 $f \colon X \to Y$ が正則写像であるとは、任意の $X$ の開集合 $U$, $Y$ の開集合 $U'$, $\mathbb{C}$ の開集合 $W$, $W'$ と $X$ の複素構造と同調する chart $\phi \colon W \to U$, $Y$ の複素構造と同調する chart $\phi' \colon W' \to U'$ であって $f(U) \subset U'$ をみたすものについて、 合成 $W \to U \to U' \to W'$ が正則写像となることをいう。

$\mathbb{C}$ に標準的な複素構造を入れたとき、$X$ から $\mathbb{C}$ への関数が正則であるとは正則写像であることと同値である。したがってこれらの用語を大きく区別せずに使用する。

定義 4 (有理関数)

リーマン面 $X$ について、$X$ 上の有理型関数とは、$X$ から $\mathbb{P}^1 = \mathbb{C} \cup \{\infty\}$ への正則写像のことをいう。

リーマン面を対象とし、正則写像を射とする圏は存在して、これを $\mathsf{RiemannSurface}$ と一時的によぶ。