単体的集合

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単体的集合

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単体的集合(たんたいてきしゅうごう、simplicial set)とは、圏 $\Delta^{op}$ 上の前層、すなわち $\mathsf{sSet}=\mathrm{Funct}(\Delta^{op},\mathsf{Set})$ の対象のことである。 単体的集合についての理論は、JoyalやKanなどの位相幾何学者により整備され、現在高次圏論周辺においての基礎言語のひとつとなっている。 単体的集合について、ある意味でこれを空間であると思うことができ、実際に単体的集合についてホモトピー群などの幾何学的な概念が定まる。また、のちに述べるように単体的集合の圏 $\mathsf{sSet}$ にはモデル圏としての構造が入る。(Joyalモデル構造なども参照されたい。)

定義

圏 $\Delta$ とは、以下で定義される圏のことである。

  • $\Delta$ の対象は、非負整数 $n$ について以下で定まる全順序集合 $[n]$ である
    • 有限集合 $\{0,1,2,\ldots, n\}$ に対し、$j$ が数字として $i$ 以上であるときに $i\leq j$ ($i \leq_{[n]} j$)であると定める
  • $[n]$ から $[m]$ への射とは、集合の射 $f:[n]\to [m]$ であって、$i\leq_{[n]} j$ について $f(i)\leq_{[j]} f(j)$ が成り立つようなもののことをいう。(順序を保つ写像のことをいう。)

明らかに、$\Delta$ は小圏である。(対象・射のクラスがともに集合である。)よって、$\mathrm{Funct}(\Delta,\mathsf{sSet})$ は局所小圏である。この圏を $\mathrm{sSet}$ とおく。

単体的集合とは、$\mathsf{sSet}$ の対象のことをいう。

基本的な例

$\Delta[n]$

$\Delta$ の対象 $[n]$ について、$[m] \mapsto \mathrm{Hom}_{\mathsf{sSet}}([m],[n])$ なる対応は $\Delta^{op}$ から $\mathsf{Set}$ への函手となる。この単体的集合を $\Delta[n]$ と表記する。

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米田埋込 $y:\Delta \to \mathsf{sSet}$ の像 $y([n])$ としても定めることができる。

米田の補題

lifting problem

ジョイン

Hom

関連項目