可解群

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可解群

可解群(かかいぐん、solvable group)とは、因子群がアーベル正規列を持つのことである。「可解」という呼称は、標数0の上の代数方程式においてGalois群がこの性質を持つことが冪根によって解けることと同値であるという事実に由来する。

定義

群 $G$ が可解群であるとは、正規列 $\{e\}=G_0 \unlhd \dots \unlhd G_r=G$ であって次の条件をみたすものが存在することをいう。

  • 各 $i(0\leq i<r)$ について、$G_{i+1}/G_i$ はアーベル群である。

同値な定義

次の命題は同値である。文献によっては、これらの同値な命題をもって定義とされることもある。

  1. 群 $G$ は可解群である。
  2. 群 $G$ は因子群がアーベルな不変正規列を持つ。すなわち、部分群列 $\{e\}=N_0 \leq \dots \leq N_r=G$ であって次の条件をみたすものが存在する。
    • 各 $i(0\leq i<r)$ について、$N_i$ は $G$ の正規部分群である。
    • 各 $i(0\leq i<r)$ について、$N_{i+1}/N_i$ はアーベル群である。
  1. 群 $G$ の導来列は有限の長さで自明群に達する。すなわち、降部分群列 $G=D_0 \geq D_1 \geq D_2 \geq\dots$ であって次の条件をみたすものが存在する。
    • 各 $i \geq 0$ について、$D_{i+1}=[D_i,D_i].$ (導来部分群
    • 自然数 $r$ が存在して、 $i\geq r$ ならば $D_i=\{e\}.$

関連項目