因子

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リーマン面 $X$ について、$X$ の因子とは、$X$ の点の形式的有限和のことをいう。$X$ の因子全体のなす群について、これを $\mathrm{Div}(X)$ と表記することがある。

因子 $D = \sum_{p \in X} n_pp$ について、$\mathrm{deg}(D)$ を $\sum n_p$ として定義すると、これは準同型 $\mathrm{Div}(X) \to \mathbb{Z}$ を定める。

$X$ 上の有理型関数 $f$ について、$((f))$ なる因子を $\sum_{p \in X}\mathrm{ord}_p(f)p$ として定義する。有理型関数 $f$ について $((f))$ と表記できる因子について、これを主因子といい、主因子全体のなす群についてこれを $\mathrm{PDiv}(X)$ と表記する。このとき $\mathrm{Div}(X)/\mathrm{PDiv}(X)$ のことを $X$ の因子類群といい、$\mathrm{Cl}(X)$ と表記すること。

$X$ が閉リーマン面であるときには、$\mathrm{deg}$ 写像は $\mathrm{Cl}(X) \to \mathbb{Z}$ なる準同型を誘導し、この核を $\mathrm{Cl}^0(X)$ と表記する。