演習問題解答:Jech「Set Theory」

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本稿では、集合論の教科書であるJech「Set Theory」の演習問題の解答を掲載する。解答の改善点もしくは別解答を発見された方はmathpediaまでご連絡ください。

1. Axioms of Set Theory

1.1.

$(a,b)=\{\{a\},\{a,b\}\}$ より、$x \in (a,b)$ ならば $x=\{a\}$ または $x=\{a,b\}$ が成り立つ。また同様に $x \in (c,d)$ ならば $x=\{c\}$ または $x=\{c,d\}$ が成り立つ。

このとき $(a,b)=(c,d)$ であり $a\neq c$ であったとすると、$\{a\} \neq \{c\}$ かつ $\{a\} \in (c,d)$ より $\{a\}=\{c,d\}$ が成り立つが、これは $a=c=d$ を導くため矛盾する。よって $a=c$ が成り立つ。

次に $b \neq d$ を仮定する。このとき、$\{a,b\}\neq \{c,d\}$ ならば $\{a,b\}=\{c\}$ かつ $\{c,d\}=\{a\}$ が成り立ち、$a=b=c=d$ が導かれるので矛盾する。従って $\{a,b\}=\{c,d\}$ である。よって $b\neq d$ であるから $b=c$ かつ $d=a$ が成り立つが、$a=c$ より $b=d$ となり矛盾する。従って $b=d$ が成り立つ。

1.2.

$Z=\{Y \notin Y|Y \in X\}$ とおくと、$Z \in Z$ ならば $Z\notin Z$ が成り立つため、$Z \notin Z$ が成り立つ。このとき $Z \in X$ ならば $Z \notin Z$ より $Z \in Z$ が導かれてしまうため、$Z \notin X$ が成り立つ。ここで $Z\subset X$ より $Z\in \mathcal{P}(X)$ であったため、$\mathcal{P}(X) \subset X$ とはならない。

1.3.

帰納的集合 $X$ について、$\emptyset \subset X$ であるため、$\emptyset \in \{x \in X|x\subset X\}$ が成り立つ。また、$y \in \{x \in X|x\subset X\}$ について、$y \subset X$ であり、かつ $y \in X$ であるため、$y \cup \{y\} \subset X$ が成り立つ。また $X$ は帰納的集合であるため $y \cup \{y\} \in X$ が成り立ち、従って $y \cup \{y\} \in \{x \in X|x\subset X\}$ が成り立つ。よって $ \{x \in X|x\subset X\}$ は帰納的集合である。

1.4.

明らかに $\emptyset$ は推移的集合である。また $x$ が推移的集合であるとき、$x\cup \{x\}$ は推移的集合である(実際、$z \in y \in x\cup \{x\}$ ならば、$y=x$ ならば $z \in x \subset x\cup \{x\}$ であり、また $y \in x$ ならば $x$ の推移性により $z \in x$ が成り立つ)。

1.5.

明らかに $\emptyset \notin \emptyset$ でありこれは推移的集合である。また $x$ が推移的集合でありかつ $x\notin x$ を充たすとき、$x\cup \{x\}$ は推移的集合である。また、$x\cup \{x\} \in x\cup \{x\}$ であると仮定すると、$x\cup \{x\} \in x$ ならば $x \in x$ より矛盾するため、$x\cup \{x\} \in \{x\}$ が成り立つが、これは $x\cup \{x\}=x$ を導き、$x \in x$ が成り立ってしまうため矛盾である。よって $x\cup \{x\}\notin x\cup \{x\}$ である。

1.6.

$\emptyset$ は明らかに推移的であり、さらに任意の $\emptyset$ の非空な部分集合について(そのようなものは存在しない !)、$\in$-極小な元が含まれる。

$x$ が推移的でありかつ任意の非空な $z\subset x$ について $z$ が $\in $-極小な元を含むとする。このとき、$x\cup \{x\}$ は推移的集合である。

もし $x \in x$ が成り立つならば、$\{x\}\subset x$ より $\{x\}$ は $\in$-極小元を持つ。よって $x\notin x$ が成り立つが、この場合にも $\{x\}$ は $x$ を $\in$-極小元として持つ。

$z \subset x\cup \{x\}$ について、$z = \{x\}$ の場合は $\in$-極小元が存在することを確認した。$z\neq \{x\}$ ならば、$z\cup x$ は非空であるため、$\in$-極小元 $a$ が存在する。このとき $a$ が $z$ の $\in$-極小元でないならば、$x \in z$ かつ $x \in a$ が成り立つ。ここで $a\in x$ と $x$ の推移性より $x\in x$ が成り立ってしまうがこれは矛盾である。よって $a$ は $z$ の $\in$-極小元である。

1.7.

$\mathbb{N}$ は最小の帰納的集合であるため、任意の $x \in \mathbb{N}$ についてこれは推移的集合であり、また $\in$-極小な元を持つ。また、$\{y \in \mathbb{N}|x \in y \Rightarrow x\cup \{x\} \in y \lor x \cup \{x\} = y\}$ は帰納的集合であるため、任意の自然数 $n$ について $x \in n$ ならば $x \cup \{x\} \in n$ または $x\cup \{x\}=n$ が成り立つ。

ここで、自然数 $n$ について $\{x \in \mathbb{N}|x\in n \lor x = n \lor n \in x\}$ は帰納的集合であるため、任意の自然数 $n,m$ に対して $m \in n$ または $m=n$ または $n \in m$ が成り立つ。

$X \subset \mathbb{N}$ なる非空な集合について、$n \in X$ なる元を任意に取る。このとき、$n \cap X$ が非空ならば $n \cap X$ には $\in$-極小元が存在する。$m$ をそのような元とする。このとき、$X-n\cap X$ の元は $n$ または $n$ を元として含むようなものであるが、$m \in n$ であることと自然数の推移性より、任意の $x \in X$ について $m \in x$ が示される。このとき $m \notin m$ であるため、$m$ は $X$ の $\in$-極小な元である。$n \cap X$ が空であるとき、任意の $X$ の元 $x$ について $x=n$ または $n\in x$ であり、$n\notin n$ より $n$ は $X$ の $\in$-極小な元であることが示される。

1.8.

補足説明

メタ自然数 $n$ ($0$, $1$, $2$, と数え上げ可能な数、と捉えてよい)について、メタ帰納的に $n$ に対応する集合 $n$ を構成することができる(同じ表記を用いているが、これらは異なる階層の対象である)。ただし、これは任意の集合論的な自然数に対してそれと対応するメタ自然数が存在することを意味しない(このような自然数のことを超準自然数という)。

2. Ordinal Numbers

3. Cardinal Numbers

4. Real Numbers

5. The Axiom of Choice and Cardinal Arithmetic

5.11.

$2^{\aleph_0} \leq \prod_{0\lt n \lt \omega} n \leq \prod_{0 \lt n \lt \omega} 2^{\aleph_0} = 2^{\aleph_0}$ がなりたつ。

5.12.

$\omega$ を $\omega$ 個の無限集合 $\{A_i\}_{i \in \omega}$ に分割する。このとき $$ \prod_{n \lt \omega}\aleph_n = \prod_{i \in \omega}\prod_{n \in A_i}\aleph_n $$ が成り立つが、あきらかに $\prod_{n \in A_i}\aleph_n$ は $\aleph_\omega$ 以上である。

したがって、$\aleph_\omega^{\aleph_0}\geq \prod_{n \lt \omega}\aleph_n = \prod_{i \in \omega}\prod_{n \in A_i}\aleph_n \geq \aleph_\omega^{\aleph_0}$ が成り立つ。

5.13.

$\omega$ を $\omega$ 個の無限集合 $\{A_i\}_{i \in \omega}$ に分割する。このとき $$ \prod_{n \lt \omega}\aleph_{\omega + n} = \prod_{i \in \omega}\prod_{n \in A_i}\aleph_{\omega + n} $$ が成り立つが、あきらかに $\prod_{n \in A_i}\aleph_{\omega + n}$ は $\aleph_{\omega + \omega}$ 以上である。

したがって、$\aleph_{\omega+\omega}^{\aleph_0}\geq \prod_{\alpha \lt \omega + \omega}\aleph_\alpha \geq \prod_{i \in \omega}\prod_{n \in A_i}\aleph_{\omega + n} \geq \aleph_{\omega + \omega}^{\aleph_0}$ が成り立つ。

5.18.

$\aleph_\omega^{\aleph_1}=\prod_{i \leq \omega}\aleph_i^{\aleph_1}$ が成り立つ。このとき $\aleph_i^{\aleph_1}=\aleph_i\cdot \aleph_{i-1}^{\aleph_1}$ より, 帰納的に $\prod_{i \leq \omega}\aleph_i^{\aleph_1}=\aleph_\omega^{\aleph_0}\aleph_0^{\aleph_1}=\aleph_\omega^{\aleph_0}2^{\aleph_1}$ が成り立つ。

5.19.

$\aleph_\alpha^{\aleph_1}=\aleph_\alpha^{\aleph_0}2^{\aleph_1}$ が成り立たなくなるような可算順序数で最小のものをとる。このとき、$\alpha$ 未満の $\alpha$ に収束する $\omega$-増大列 $\{\alpha_i\}$ を任意にとる。

$\aleph_\alpha^{\aleph_1}=\prod_{i \in \omega}\aleph_{\alpha_i}^{\aleph_1}=\prod_{i \in \omega}\aleph_{\alpha_i}^{\aleph_0}2^{\aleph_1}=\aleph_\alpha^{\aleph_0}2^{\aleph_1}$ より、矛盾する。したがって任意の可算順序数 $\alpha$ について $\aleph_\alpha^{\aleph_1}=\aleph_\alpha^{\aleph_0}2^{\aleph_1}$ が成り立つ。

5.20.

$\aleph_{\omega_1}^{\aleph_2}=\prod_{3\leq i \leq \omega_1}\aleph_i^{\aleph_2}$ が成り立つ。このとき $\aleph_i^{\aleph_2}=\aleph_i\cdot \aleph_{i-1}^{\aleph_2}$ より, 帰納的に $\prod_{i \leq \omega_1}\aleph_i^{\aleph_2}=\aleph_{\omega_1}^{\aleph_1}\aleph_0^{\aleph_2}=\aleph_{\omega_1}^{\aleph_1}2^{\aleph_2}$ が成り立つ。

ここで、$\aleph_\alpha^{\aleph_2}=\aleph_\alpha^{\aleph_1}2^{\aleph_2}$ が成り立たなくなるような濃度 $\aleph_1$ の順序数で最小のものをとる。このとき、$\alpha$ 未満の $\alpha$ に収束する $\omega_1$-増大列 $\{\alpha_i\}$ を任意にとる。

$\aleph_\alpha^{\aleph_2}=\prod_{i \in \omega_1}\aleph_{\alpha_i}^{\aleph_2}=\prod_{i \in \omega_1}\aleph_{\alpha_i}^{\aleph_1}2^{\aleph_2}=\aleph_\alpha^{\aleph_1}2^{\aleph_2}$ より、矛盾する。したがって任意の濃度 $\aleph_1$ の順序数 $\alpha$ について $\aleph_\alpha^{\aleph_2}=\aleph_\alpha^{\aleph_1}2^{\aleph_2}$ が成り立つ。

5.29.

$2^{\mathrm{cf}(\kappa)}<\kappa$ なる基数 $\kappa$ について、ある $\lambda<\kappa$ であって $\kappa\leq \lambda^{\mathrm{cf}(\kappa)}$ なるものが存在するとき、そのような $\lambda$ のなかで最小のものについて $\kappa^{\mathrm{cf}(\kappa)}=\lambda^{\mathrm{cf}(\kappa)}$ が成り立つ。

実際 $\kappa\leq \lambda^{\mathrm{cf}(\kappa)}$ より $\kappa^{\mathrm{cf}(\kappa)}=\lambda^{\mathrm{cf}(\kappa)}$ が成り立つ。

また、任意の $\mu<\lambda$ について $\mu^{\mathrm{cf}(\kappa)}<\lambda$ が成り立つため、$\lambda^{\mathrm{cf}(\kappa)}=\prod_{i<\mathrm{cf}(\lambda)}\lambda_i^{\mathrm{cf}(\kappa)}=\lambda^{\mathrm{cf}(\lambda)}$ が成り立つ。よって $\kappa^{\mathrm{cf}(\kappa)}=\lambda^{\mathrm{cf}(\lambda)}$ が示された。

6. The Axiom of Regularity

6.1.

$\alpha$ についての超限帰納法により以下の事実を示す。

  • 任意の $x \in \mathbf{V}_{\alpha+1}\setminus \mathbf{V}_\alpha$ について $\mathrm{sup}\{\mathrm{rank}(z)+1|z \in x\}=\alpha$

$\alpha=0$ の場合は $x=\emptyset$ であるため明らか。

$x \in \mathbf{V}_{\alpha+1}$ より、$z \in x$ ならば $z \in \mathbf{V}_\alpha$ であるため、帰納法の仮定により $\mathrm{rank}(z) \lt \alpha$ である。よって $\mathrm{sup}(\mathrm{rank}(z)+1)\leq \alpha$ が成り立つ。

逆に $\mathrm{sup}(\mathrm{rank}(z)+1)=\beta \lt \alpha$ とすると、$z \in \mathbf{V}_\alpha$ であったため帰納法の仮定より $z \in \mathbf{V}_\beta$ が成り立つ。よって $x \in \mathbf{V}_{\beta+1}\subset \mathbf{V}_\alpha$ が成り立ち仮定に反する。従って $\mathrm{sup}\{\mathrm{rank}(z)+1|z \in x\}=\alpha$ が成り立つ。

6.2.

帰納法により任意の $n \in \omega$ について $|\mathbf{V}_n|\lt \aleph_0$ が成り立つため、$|\mathbf{V}_\omega|=|\bigcup_{i \in \omega}\mathbf{V}_i|\leq \aleph_0$ が成り立つ。また $\mathbb{N}\subset \mathbf{V}_\omega$ より、$|\mathbf{V}_\omega|=\aleph_0$ が成り立つ。

次に超限帰納的に $|\mathbf{V}_{\omega+\alpha}|=\beth_\alpha$ を示す。$\alpha=0$ の場合は明らか。次に $\alpha=\beta + 1$ の場合、$\mathbf{V}_{\omega+\alpha}=\mathcal{P}(\mathbf{V}_{\omega+\gamma})$ より $|\mathbf{V}_{\omega+\alpha}|=2^{\beth_\gamma}=\beth_\alpha$ が成り立つ。また極限順序数 $\delta$ に対して、任意の $\alpha$ に対し $\beth_\alpha \leq |\mathbf{V}_{\omega+\delta}|$ が成り立つため $\beth_\delta \leq |\mathbf{V}_{\omega+\delta}|$ であるが、$\mathbf{V}_{\omega+\delta}= \bigcup_{\alpha\lt \delta}\mathbf{V}_{\omega+\alpha}$ より、$|\mathbf{V}_{\omega+\delta}|\leq \sum_{\alpha\lt \delta}\beth_\alpha =\beth_\delta$ が成り立つ。よって $|\mathbf{V}_{\omega+\delta}|=\beth_\delta$ が示される。

6.3.

到達不能基数 $\kappa$ に対して、超限帰納的に任意の $\alpha \lt \kappa$ に対して $|\mathbf{V}_{\omega+\alpha}|\lt \kappa$ が示される。よって $|\mathbf{V}_{\kappa}| \leq \kappa$ であるが、$\kappa \subset \mathbf{V}_\kappa$ より $|\mathbf{V}_{\kappa}| = \kappa$ が成り立つ。

6.4.

$\alpha+1$ を $\beta$ とおく。$x,y \in \mathbf{V}_{\beta}$ ならば $\{x,y\} \in \mathbf{V}_{\beta+1}$, $\{x\} \in \mathbf{V}_{\beta + 1}$, $\langle x,y \rangle =\{\{x\},\{x,y\}\}\in \mathbf{V}_{\beta+2}$ が成り立つ。また $\mathbf{V}_\beta$ は推移的集合であるため(これは $\beta$ に関する超限帰納法により示される)、$x,y\subset \mathbf{V}_\beta$ が成り立つ。従って $x \cup y \in \mathbf{V}_{\beta + 1}$ が成り立つ。同様に $x \in \mathbf{V}_\beta$ について $\bigcup x \in \mathbf{V}_{\beta + 1}$ が成り立つ。

$x \in \mathbf{V}_\beta$ であるとき、任意の $y \subset x$ について $y \in \mathbf{V}_{\beta + 1}$ が成り立つため、$\mathcal{P}(x) \in \mathbf{V}_{\beta + 2}$ が成り立つ。また $x,y \in \mathbf{V}_\beta$ であるとき、任意の $a \in x$, $b \in y$ に対して $\langle a,b\rangle \in \mathbf{V}_{\beta + 2}$ より $x\times y \in \mathbf{V}_{\beta + 3}$ である。従って $\mathcal{P}(x\times y)\in \mathbf{V}_{\beta + 5}$ より $x^y \in \mathbf{V}_{\beta + 6}$ である。

6.5.

$\mathbb{N} \in \mathbf{V}_{\omega + 1}$ であることに注意すると、$\mathbb{Z}$ は集合論的実装としては $\mathbb{N}\times \mathbb{N}$ 上のある同値関係による同値類集合として表現できるため、$\mathbb{Z} \in \mathbf{V}_{\omega + 8}$ が成り立つ。また $\mathbb{Q}$ は集合論的実装としては $\mathbb{Z}\times (\mathbb{Z}-\{0\})$ 上のある同値関係による同値類集合として表現できるため、$\mathbb{Q} \in \mathbf{V}_{\omega + 16}$ が成り立つ。また $\mathbb{R}$ は集合論的実装としては $\mathcal{P}(\mathbb{Q})$ の部分集合として実装できるため、$\mathbb{R} \in \mathbf{V}_{\omega + 19}$ が成り立つ。

補足説明

6.5. における評価は最善のものであるとは限らない(具体的ではあるがかなり大雑把な評価となっている)。

7. Filters, Ultrafilters and Boolean Algebras

7.1.

$X \in \mathcal{P}(X)\cap F$ かつ $\emptyset \notin \mathcal{P}(X)\cap F$ が成り立つ。また $A,B \in \mathcal{P}(X)\cap F$ について $A\cap B \in \mathcal{P}(X)\cap F$ は成り立つ。また $A \subset A'\subset X$ について $A' \in \mathcal{P}(X) \cap F$ が成り立つため $\mathcal{P}(X)\cap F$ は $X$ 上のフィルターとなる。

7.2.

$P \in S$ について $\hat{P}=\bigcap_{p \in P}\hat{\{p\}}$ より。

7.3.

$X\notin U$ ならば $X$ の補集合 $X^c$ について $X^c \in U$ が成り立つ。ここで $(X \cup Y) \cap X^c\subset Y$ より $Y \in U$ が成り立つ。

7.4.

$F=\{X \subset S\times S|\{a \in S|\{b \in S|(a,b)\in X\}\in U\}\in U\}$ とする。このとき明らかに $S\times S \in F$ かつ $\emptyset \notin F$ が成り立つ。また $A \in F$ かつ $A\subset A' \subset S\times S$ ならば $A' \in F$ も明らか。

$A,B \in F$ とする。このとき、$\{a \in S|\{b \in S|(a,b)\in A\}\in U\}\in U$ かつ $\{a \in S|\{b \in S|(a,b)\in B\}\in U\}\in U$ より $J=\{a \in S|\{b \in S|(a,b)\in A\}\in U\}\cap \{a \in S|\{b \in S|(a,b)\in B\}\in U\} \in U$ が成り立つ。ここで $a \in J$ なる $a$ について $\{b \in S|(a,b) \in A\} \in U$ かつ $\{b \in S|(a,b) \in B\} \in U$ より $\{b \in S|(a,b) \in A\cap B\} \in U$ よって $J\subset \{a \in S|\{b \in S|(a,b)\in X\}\in U\}\in U $ より $A\cap B \in F$ が成り立つ。

$A \subset S\times S$ について、$A \notin F$ とすると、$S\setminus \{a \in S|\{b \in S|(a,b)\in A\}\in U\} \in U$ が成り立つ。ここで $a \in S\setminus \{a \in S|\{b \in S|(a,b)\in A\}\in U\} \in U$ であることは $\{b \in S|(a,b) \in A\}\notin U$ と同値である。これは $U$ が超フィルターであることから $\{b \in S|(a,b) \notin A\} \in U$ と同値である。従って $S\setminus \{a \in S|\{b \in S|(a,b)\in A\} \in U\}=\{a \in S|\{b \in S|(a,b) \in S\times S\setminus A\} \in U\}$ より $S\times S\setminus A \in F$ が成り立つ。従って $F$ は超フィルターである。

補足説明

7.4. において $J\subset \{a \in S|\{b \in S|(a,b)\in A\cap B\}\in U\}\in U$ が成り立つと記したが、実際には $J=\{a \in S|\{b \in S|(a,b)\in X\}\in U\}\in U$ が成り立つ。

8. Stationary Sets

8.1.

ここで $\kappa$ は非可算正則基数であるものとする(より一般に共終数が $\omega_1$ 以上の基数としてよい) 。

normalな関数 $f\colon \kappa \to \kappa$ に対して、$X=\{\lambda\in \kappa|f(\kappa)=\kappa\}$ とおく。このとき、$X$ の増大列 $\{\kappa_i\}_{i \in \alpha}$ について、$f(\mathrm{sup}_{i \in \alpha}\kappa_i)=\mathrm{sup}_{i \in \alpha}f(\kappa_i)=\mathrm{sup}_{i \in \alpha}\kappa_\alpha$ であるため $\mathrm{sup}_{i \in \alpha}\kappa_i \in X$ が成り立つ。よって $X$ はclosedである。

次に、任意の $\beta \lt \kappa$ について $\beta \lt \gamma \in X$ なる $\gamma$ の存在を示す。まず $f$ の増大性より任意の $\alpha \in \kappa$ について $\alpha \leq f(\alpha)$ であることを注意する。このとき、以下のように順序数の列 $\{\beta_n\}_{n \in \omega}$ を再帰的に構成する。

  • $\beta_0=\beta + 1$
  • $\beta_{n+1} = f(\beta_n)$

ここで $\gamma = \mathrm{sup}_{i \in \omega}\beta_i$ とおくと、$\kappa$ の共終数が $\omega_1$ 以上であることからこれは $\kappa$ 未満の値を取る。$f$ の増大性より任意の $\alpha \in \gamma$ についてある $i \in \omega$ であって $\alpha \lt \beta_i$ なるものが存在するため、$f(\alpha)\lt f(\beta_n)=\beta_{n+1}\leq \gamma$ が成り立つ。従って $\gamma$ が極限順序数の場合、$f(\gamma)\leq \gamma$ が成り立つが、$\gamma \leq f(\gamma)$ より $\gamma \in X$ である。$\gamma$ が後続順序数の場合は、ある $i \in \omega$ について $\beta_i = \gamma$ が成り立つため、結局 $f(\gamma)=\gamma$ より $\gamma \in X$ が成り立つ。従って $X$ は非有界である。

8.2.

ここで $\kappa$ は非可算正則基数であるものとする。

$f\colon \kappa \to \kappa$ について、$X=\{\alpha \in \kappa|\xi \lt \alpha \Rightarrow f(\xi) \lt \alpha\}$ とおく。このとき、$X$ の増大列 $\{\kappa_i\}_{i \in \alpha}$ について、$\xi \lt \mathrm{sup}_{i \in \alpha}\kappa_i$ ならばある $i \in \alpha$ について $\xi \lt \kappa_i$ が成り立つため、$f(\xi) \lt \kappa_i \leq \mathrm{sup}_{i \in \alpha}\kappa_i$ が成り立つ。よって $X$ はclosedである。

次に、任意の $\beta \lt \kappa$ について $\beta \lt \gamma \in X$ なる $\gamma$ の存在を示す。以下のように順序数の列 $\{\beta_n\}_{n \in \omega}$ を再帰的に構成する。

  • $\beta_0=\beta + 1$
  • $\beta_{n+1} = \mathrm{max}(\beta_n,\mathrm{sup}_{\xi \leq \beta_n}f(\xi))+1$

この構成は $\kappa$ の正則性より滞ることはない。ここで $\gamma = \mathrm{sup}_{i \in \omega}\beta_i$ とおくと、これは $\kappa$ の正則性より $\kappa$ 未満の値を取る。$\xi \lt \gamma$ ならばある $i \in \omega$ について $\xi \lt \beta_n$ が成り立つため、$f(\xi)\lt \beta_{n+1}\leq \gamma$ が成り立つ。よって $\gamma \in X$ が成り立つ。従って $X$ は非有界である。

8.3.

定常集合 $S$ とclub集合 $C$ について、任意のclub集合 $D$ に対し $C\cap D$ はclub集合であるため、$S\cap C\cap D$ は非空である。従って $S\cap C$ は定常集合である。

8.6.

「$x$ が順序数であり、$x$-到達不能基数となる」という論理式を $P(x)$ とよぶ。ここで $\kappa$ についてこれを、$P(\kappa)$ をみたすような最小の順序数とする。このとき、$\kappa$ がMahlo基数であると仮定して矛盾を導く。

$\kappa$ 未満の到達不能基数全体の集合を $X$ とおくと、$X$ は定常集合となる。このとき、$x \in X$ に対して $f(x)$ を、$x$ が $f(x)$-到達不能となるような最大のもの(このようなものは存在する)をとると、$f$ は $X$ 上のregressiveな関数となる。このとき、$f^{-1}(\alpha)$ が定常集合となるような $\alpha$ が存在する。ここで $\kappa$ 未満の $\alpha+1$-到達不能基数全体の集合を $Y$ とおき、$Y$ の閉包を $Z$ とおくと、$Z$ は $f^{-1}(\alpha)$ と交わるが、$Z$ の元であるような到達不能基数は $\alpha+1$-到達不能基数であるため、$f$ の取り方に矛盾する。

9. Combinatorial set Theory

9.1.

(i) 比較可能であるかないかによって色付けを行うことで、Ramseyの定理より互いに比較不能な無限集合か、もしくは無限全順序集合かのいずれかが得られる。 (ii) 全順序集合を整列づけて、その整列順序ともともとの順序が一致しているか否かにより色付けを行うことで、Ramseyの定理より無限上昇列もしくは無限下降列が構成できる。

9.2.

Erdos-Radoの定理の証明を修正すればよい。

9.3.

$[\omega_1]^2$ の分割 $\{A,B\}$ について、極限順序数 $\alpha$ に対し $K_\alpha\subset \alpha$ であって $K_\alpha \cup \{a\}$ が $B$-同色的集合となるような極大なものを任意に選ぶ。このとき、$K_\alpha$ がすべて有限集合であると仮定してよい。

このとき、$f\colon [\omega_1]^{\lt \omega}\to \omega_1$ なる写像であって、任意の極限順序数 $\alpha$ について $F\subset \alpha$ ならば $f(F)\lt \alpha$ なるような単射 $f$ が構成できる. このとき、Fodorの補題より、ある $\omega_1$ の定常集合 $S$ であって $s \in S$ について $K_s$ が常に定値をとるようなものが存在する。このとき、$K_s$ の極大性より $[S]^2\subset A$ が成り立つ。

9.4.

9.5.

木全体を整列順序付け、$\{y \in T|x \lt y\}$ が無限集合であるような直接接続している $x$ のなかで整列順序についてもっとも小さい頂点を辿っていく方法によって、無限反鎖のない木について無限枝を取れる。

10. Measurable Cardinals

10.4.

$X$ 上の測度 $\mu$ が $\kappa$-additiveであるとする。このとき、$U$ の濃度 $\lambda \lt \kappa$ の部分集合 $\{X_i\}_{i \in \lambda}$ に対して、$X\setminus X_i$ を $Y_i$ とおくと、$Y_i$ の濃度は $0$ であるため、$\bigcup_{i \in \lambda}Y_i$ は濃度 $0$ である。したがって $\bigcap_{i \in \lambda}X_i$ は濃度 $1$ となるため $U$ は $\kappa$-completeである。

逆に、$X$ 上の測度 $\mu$ が $\kappa$-additiveでないとすると、濃度 $\lambda \lt \kappa$ の、測度 $0$ の集合を現にもつ集合族 $\{Y_i\}_{i \in \lambda}$ であって $\bigcup_{i \in \lambda}Y_i$ の濃度が $1$ であるようなものが存在する。このとき $X_i=X\setminus Y_i$ とおけば、$X_i \in U$ かつ $\bigcup_{i \in \lambda}X_i \notin U$ となる。

11. Borel and Analytic Sets

12. Models of Set Theory

information

情報源

  • Thomas Jech. "Set Theory". Springer (2002).