閉包

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閉包

本稿では、位相空間論においての閉包概念について述べる。

定義

位相空間 $X$ の部分集合 $A$ について、$A$ の閉包 $\overline{A}$ とは、$A$ を含む閉集合のなかで最小のもののことである。このようなものは存在する。実際、$A$ を含むすべての閉集合の共通部分をとると、これは $A$ の閉包となっている。

性質

以下 $X$ を位相空間とし, $A$ をその部分集合として固定する。

  • $X$ の点 $x$ について、$x \in \overline{A}$ であることと、「任意の $x$ を含む開集合(近傍)が $A$ と空でない交わりを持つ」ことが同値となる。実際、$x$ の開近傍 $U$ であって $A$ と交わらないものが存在するなら、$\overline{A}$ は $A$ を含む最小の閉集合であったため、$\overline{A} \subset X \setminus U$ が成り立ち、特に $x \notin \overline{A}$ となる。逆に、$x \notin \overline{A}$ ならば、$X \setminus \overline{A}$ は $A$ と交わらない $x$ の開近傍となる。

関連項目