加群の拡大

同義語:一次拡大加群の一次拡大

概要

加群の拡大(module extension)とは、$R$ 加群 $C$ を $A$ によって拡張する短完全列 $0\to A\to E\to C\to0$ である。両端を固定した拡大の同値類の全体は $\operatorname{Ext}_R^1(C,A)$ と一対一に対応し、Baer 和によってアーベル群になり、その零元は分裂する拡大 $E\cong A\oplus C$ の類である。例えば $0\to\mathbb{Z}/2\to\mathbb{Z}/4\to\mathbb{Z}/2\to0$ は分裂しない拡大であり、素数 $p$ について $\mathbb{Z}/p$ の $\mathbb{Z}/p$ による拡大の類は $p$ 個あって、そのうち $p-1$ 個は中項がどれも $\mathbb{Z}/p^2$ である。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 加群, 短完全列, 核, 余核

定義

本稿では単位的環 $R$ 上の左加群を考える。環は可換とは限らない。$\operatorname{Hom}_R(M,N)$ は $R$-線形写像全体のアーベル群を表す。

加群の拡大

加群 $C$ の $A$ による拡大(extension)、または一次拡大とは、短完全列
$$ 0\longrightarrow A\xrightarrow{i}E\xrightarrow{p}C\longrightarrow0 $$
のことである。すなわち $i$ は単射、$p$ は全射、$\ker p=i(A)$ である。加群 $E$ だけでなく、二つの射 $i,p$ も拡大のデータに含める。
二つの拡大 $(E,i,p)$ と $(E',i',p')$ が同値であるとは、$ti=i'$、$p't=p$ を満たす同型 $t:E\to E'$ があることをいう。両端の $A,C$ は恒等写像で固定する。
$$ \xymatrix{ 0 \ar[r] & A \ar[r]^{i} \ar@{=}[d] & E \ar[r]^{p} \ar[d]^{t} & C \ar[r] \ar@{=}[d] & 0\\ 0 \ar[r] & A \ar[r]_{i'} & E' \ar[r]_{p'} & C \ar[r] & 0 } $$
図式が可換であるとは、$t\circ i=i'$ かつ $p'\circ t=p$ ということである(Wei94 §3.4, p. 76)。

拡大の射は自動的に同型

二つの拡大 $(E,i,p)$、$(E',i',p')$ について、線形写像 $t\colon E\to E'$ が $t\circ i=i'$、$p'\circ t=p$ を満たせば、$t$ は同型である。したがって、拡大の同値は同値関係である。

$(1_A,t,1_C)$ は二つの短完全列の間の射で、両端は同型である。五項補題の記事の系「短五項補題」により $t$ は同型である。同値関係であることについて、反射律は $t=1_E$、対称律は $t$ の逆写像 $t^{-1}$ が $t^{-1}i'=i$、$pt^{-1}=p'$ を満たすこと、推移律は二つの同型の合成による。$\square$

分裂する拡大

拡大が分裂するとは、$ps=1_C$ となる線形写像 $s:C\to E$ が存在することをいう。このとき、$A\oplus C\to E$、$(a,c)\mapsto i(a)+s(c)$ は二つの射と両立する同型である。逆に、そのような直和分解があれば拡大は分裂する。

この写像で $i(a)+s(c)=0$ なら $p$ を適用して $c=0$、さらに $i$ の単射性から $a=0$。任意の $e\in E$ について $e-s(p(e))\in\ker p=i(A)$ なので全射でもある。逆向きは、直和の第2成分の入射を同型で送ればセクションを得る。$\square$

直感:商を戻す際の違いを記録する

拡大は、部分加群 $A$ と商 $C$ から $E$ を組み立てる仕方を記録する。$C$ の元の代表を $E$ で選ぶこと自体と、その選択が加法・スカラー倍を保つことは違う。後者が可能なのが分裂である。Ext¹ は、この線形な組み立て方の違いを測る。

例と反例

分裂する標準例

$0\to A\to A\oplus C\to C\to0$ を標準入射と射影で作ると、$c\mapsto(0,c)$ がセクションを与える。任意の $A,C$ に対して少なくとも一つの拡大は存在する。

非分裂の反例

$$ 0\to\mathbb Z/2\mathbb Z\xrightarrow{\bar1\mapsto\bar2} \mathbb Z/4\mathbb Z\xrightarrow{\bmod 2} \mathbb Z/2\mathbb Z\to0 $$
は短完全だが分裂しない。右逆は位数2以下の元を $\mathbb Z/4\mathbb Z$ の奇数の剰余類へ送る必要があるが、そのような元は存在しない。代表元として $0,1$ を選ぶことはできても、$1+1$ の計算が両側で合わず、加法を保つ写像にはならない。

商側が射影の場合

加群 $C$ が射影であるとは、任意の全射 $M\to N$ に沿って全ての線形写像 $C\to N$ を持ち上げられることをいう(入射対象・射影対象を参照)。$C$ が射影なら、拡大の $p:E\to C$ に沿って $1_C$ を持ち上げられるため全ての拡大が分裂する(入射対象・射影対象の記事の命題「射影対象・入射対象への(からの)短完全列は分裂する」)。自由加群では、基底の像の逆像を選び線形に延長すれば持上げが作れる。従って自由加群や、基底を持つ体上のベクトル空間を商側とする拡大は分裂する。ここでは選択公理を認めている。

射影表示による分類

拡大類を表す商群

$0\to K\xrightarrow{j}P\xrightarrow{q}C\to0$ を、$P$ が射影である表示とする。このとき $C$ の $A$ による拡大の同値類は、アーベル群
$$ \frac{\operatorname{Hom}_R(K,A)} {\{h\circ j\mid h\in\operatorname{Hom}_R(P,A)\}} $$
と自然に対応する。これを $\operatorname{Ext}_R^1(C,A)$ と書く。後で示すように、Ext関手の一次の右導来関手による定義とも一致する(Wei94 Theorem 3.4.3, p. 77。拡大の類の集合そのものを Ext と書く定義は Sta26Ext Definitions 12.6.1–12.6.2)。

この表示は常に取れる。例えば $C$ の各元 $c$ に基底記号 $[c]$ を置いた自由加群 $P=\bigoplus_{c\in C}R[c]$ から $[c]\mapsto c$ とすれば全射となる。その核が $K$ である。$K$ 自身が射影である必要はない。

まず $u:K\to A$ から
$$ E_u=(A\oplus P)/\{(u(k),-j(k)):k\in K\} $$
を作る。入射 $a\mapsto[a,0]$ と射影 $[a,z]\mapsto q(z)$ によって拡大になる。実際、入射が零になるなら $j$ の単射性から元は零。射影の核で $z=j(k)$ と書けば $[a,j(k)]=[a+u(k),0]$ なので、核はちょうど $A$ の像である。
逆に拡大 $E$ から、$P$ の射影性を用いて $p\ell=q$ となる $\ell:P\to E$ を取る。$\ell j=iu$ となる $u:K\to A$ が一意に存在し、$[a,z]\mapsto i(a)+\ell(z)$ は $E_u\to E$ の拡大の射になる。拡大の射は prop-module-extension-morphism-iso により同型である。

詳細

$u$ の存在:$p\ell j=qj=0$ なので $\ell j$ の値は $\ker p=i(A)$ に入り、$i$ は単射だから $\ell j=iu$ となる線形写像 $u$ がただ一つある。写像 $\varphi[a,z]:=i(a)+\ell(z)$ が矛盾なく定まること:割る部分加群の元 $(u(k),-j(k))$ は $iu(k)-\ell j(k)=0$ に送られる。拡大の射であること:$\varphi[a,0]=i(a)$、$p\varphi[a,z]=p\ell(z)=q(z)$。


持上げを $\ell+ih$ に変えると $u$ は $u+hj$ になる。逆に $u'=u+hj$ なら $[a,z]\mapsto[a-h(z),z]$ が $E_u\to E_{u'}$ の同型を与える。拡大同型がある場合にも、二つの $P$ からの持上げの差は $ih$ となるので、差は必ずこの形である。従って上の商がちょうど同値類を表す。$\square$

この計算式の分子は「$C$ の関係式を $A$ にどう送るか」、分母は「$P$ の持上げを変更すれば消せる差」を表す。全拡大がこの一つの商集合で表されるので、中項の大きさを際限なく列挙する必要もない。

Baer和と零元

Baer和

二つの拡大 $E,E'$ に対して、同じ $C$ の元へ写る対
$$ F=\{(e,e')\in E\oplus E'\mid p(e)=p'(e')\} $$
を取り、その部分加群 $\{(i(a),-i'(a)):a\in A\}$ で割る。得られる拡大をBaer和(Baer sum)という。左端の入射は $a\mapsto[(i(a),0)]$、右端の射影は $[(e,e')]\mapsto p(e)$ である(Wei94 Definition 3.4.4, p. 78、Sta26Ext §12.6)。

拡大類の群構造

Baer和は拡大の同値類をアーベル群にする。上の分類式では $[u]+[v]=[u+v]$ となり、零元は分裂する拡大の類である(Wei94 Corollary 3.4.5, p. 78)。

和の射影は全射である。その核の対 $(i(a),i'(b))$ は商で $[(i(a+b),0)]$ に等しく、左端の入射は単射なので短完全列になる。拡大同型はこの構成の同型を誘導する。
二つの拡大の持上げ $\ell,\ell'$ を使うと、和の持上げは $z\mapsto[(\ell(z),\ell'(z))]$。$K$ 上の値は $u+v$ となる。従って商アーベル群の加法に一致し、結合・交換・逆元の公理が従う。$u=0$ のとき $E_0\cong A\oplus C$。逆に分裂があれば $\ell=sq$ と取って $u=0$ にできるので、零元はちょうど分裂類である。$\square$

$\operatorname{Ext}_R^1(C,A)=0$ とは「拡大が存在しない」ことではなく、「全ての拡大が、両端の射を保つ意味で直和の標準拡大と同値になる」ことである。

$\operatorname{Ext}^1$ の計算例

巡回群による計算

$m\ge1$ とアーベル群 $A$ に対し、
$$ \operatorname{Ext}_{\mathbb Z}^1(\mathbb Z/m\mathbb Z,A)\cong A/mA. $$
実際、$0\to m\mathbb Z\to\mathbb Z\to\mathbb Z/m\mathbb Z\to0$ を使うと、$u:m\mathbb Z\to A$ は $u(m)$ で定まり、$\mathbb Z$ 上からの制限は $m$ 倍された元に対応する。
従って $n\ge1$ に対して
$$ \operatorname{Ext}_{\mathbb Z}^1(\mathbb Z/m\mathbb Z,\mathbb Z)\cong\mathbb Z/m\mathbb Z,\qquad \operatorname{Ext}_{\mathbb Z}^1(\mathbb Z/m\mathbb Z,\mathbb Z/n\mathbb Z)\cong\mathbb Z/\gcd(m,n)\mathbb Z. $$
特に $m=n=2$ なら二つの類があり、標準直和と先の $\mathbb Z/4\mathbb Z$ の非分裂拡大がそれらを表す。$m,n$ が互いに素なら全ての拡大は分裂する(Ext関手 の記事の命題「巡回群からの Ext」。ここでの計算は thm-module-extension-presentation をこの表示に当てたもの)。

素数位数の巡回群どうしの拡大

$p$ を素数とする。$\mathbb Z/p\mathbb Z$ の $\mathbb Z/p\mathbb Z$ による拡大の同値類はちょうど $p$ 個あり、分裂する拡大と、$i=1,\ldots,p-1$ について
$$ E^{(i)}:\quad 0\to\mathbb Z/p\mathbb Z\xrightarrow{\ \bar1\mapsto\bar p\ }\mathbb Z/p^2\mathbb Z\xrightarrow{\ \bar1\mapsto\bar i\ }\mathbb Z/p\mathbb Z\to0 $$
で代表される(Wei94 Exercise 3.4.1, p. 76)。中項が同型でも、$p-1$ 個の相異なる類がある。
このことの証明はExt関手の記事の例「位数 $p$ の巡回群の拡大」にある(同記事の代表は $i_u(1)=up$、$\pi(1)=1$ の形で、ここでの $E^{(i)}$ と同じ $p-1$ 個の類を与える)。

多項式環上の加群の拡大と冪零行列

$k$ を体、$R=k[x]$ とし、$k$ を $x$ が $0$ として作用する $R$ 加群とみる。$k$ の $k$ による拡大 $0\to k\xrightarrow{i}E\xrightarrow{p}k\to0$ では、$E$ は $2$ 次元の $k$ ベクトル空間で、$e_1:=i(1)$ と、$p(e_2)=1$ を満たす $e_2$ を基底にとると、$x$ の作用は
$$ x\cdot e_1=0,\qquad x\cdot e_2=c\,e_1\qquad(c\in k) $$
の形になる($x\cdot e_1=i(x\cdot1)=0$、$p(x\cdot e_2)=x\cdot1=0$ から $x\cdot e_2\in i(k)$)。$c$ は $e_2$ の選び方によらない($e_2$ を $e_2+se_1$ に替えても $x\cdot(e_2+se_1)=ce_1$)。二つの拡大の間の同値 $t$ は $t(e_1)=e_1'$、$t(e_2)=e_2'+se_1'$ の形で、$x$ の作用と交換することから $c=c'$ が必要十分である。したがって同値類は $c\in k$ と一対一に対応する。群としても $\operatorname{Ext}^1_{k[x]}(k,k)\cong k$ であることは、表示 $0\to k[x]\xrightarrow{x\cdot}k[x]\to k\to0$ に thm-module-extension-presentation を当てはめると分かる:$\operatorname{Hom}_{k[x]}(k[x],k)\cong k$ であり、$h\colon k[x]\to k$ に対し $h(x\cdot f)=x\cdot h(f)=0$ なので分母は $0$ である。分裂するのは $c=0$ のときに限る(切断 $\sigma$ は $x\cdot\sigma(1)=\sigma(x\cdot1)=0$ を満たす必要があるが、$\sigma(1)=e_2+se_1$ なら $x\cdot\sigma(1)=ce_1$)。$c\neq0$ の拡大では $x$ は行列 $\begin{pmatrix}0&c\\0&0\end{pmatrix}$ で作用し、基底を $ce_1,e_2$ に取り替えるとジョルダン細胞 $\begin{pmatrix}0&1\\0&0\end{pmatrix}$ になる。

導来関手の定義との一致

一次コホモロジーによる計算

$P_\bullet\to C$ を射影分解、$A\to I^\bullet$ を入射分解とする。入射加群とは、部分加群からその加群への線形写像を、包含先の加群全体へ必ず延長できる加群である。分解の条件は、各 $P_n$ が射影、各 $I^n$ が入射で、$C$ または $A$ を付け加えた列が完全になることである。このとき
$$ \operatorname{Ext}_R^1(C,A) \cong H^1(\operatorname{Hom}_R(P_\bullet,A)) \cong H^1(\operatorname{Hom}_R(C,I^\bullet)). $$
ここで $H^1$ は「次数1の微分の核」を「次数0からの微分の像」で割った群である。最後の式は $\operatorname{Hom}_R(C,-)$ の一次右導来関手の定義である。加群にはこれらの分解が存在する(射影分解は自由加群から作れ、入射分解の存在は入射加群の記事の定理「加群の圏は十分な入射対象をもつ」による)。

射影分解では $K=\ker(P_0\to C)$ と置く。$P_1\to A$ が1コサイクルであることは、$P_1\to K$ の核を零に送り、一意に $K\to A$ を経由することに等しい。1コバウンダリーは $P_0\to A$ の $K$ への制限に対応するので、先の商群を得る。
入射分解では $Q=I^0/A$ と置くと、$Q$ は $I^1$ の中の $\ker(I^1\to I^2)$ と一致する。従って一次コホモロジーは
$$ \operatorname{Hom}_R(C,Q)/\pi\operatorname{Hom}_R(C,I^0) $$
となる。$v:C\to Q$ を引き戻して $F_v=\{(c,y)\mid v(c)=\pi(y)\}$ を作れば $A$ による $C$ の拡大になる。
逆に任意の拡大 $E$ から、入射性により $A\to I^0$ を $t:E\to I^0$ に延長する。$\pi t$ は $C$ を経由して $v:C\to Q$ を定め、$e\mapsto(p(e),t(e))$ は拡大同型 $E\to F_v$ になる。延長の差は $C\to I^0$ を経由するため、ちょうど分母で消える差である。和は $(c,y,z)\mapsto(c,y+z)$ により $F_{v+w}$ へ送られるので、対応は群同型でもある。
両計算法が同じ拡大類を表すため、一次では分解の選択によらず一致する。$\square$

二つの計算方法は、射影側では「商の代表を自由に持ち上げ、関係式のずれを記録する」、入射側では「部分加群の写像を大きな入射加群へ延長し、商へ降ろす」という双対的な手順になっている。

補足:自然性と持上げの障害

$a:A\to A'$ による押し出しは $(A'\oplus E)/\{(a(x),-i(x)):x\in A\}$ であり、$A'$ による $C$ の拡大を作る。$c:C'\to C$ による引き戻しは $E\times_C C'=\{(e,z):p(e)=c(z)\}$ であり、$A$ による $C'$ の拡大を作る。従って $\operatorname{Ext}_R^1(C,A)$ は第1変数で反変、第2変数で共変である。射影表示では引き戻しは $u$ の前合成、押し出しは後合成に対応し、Baer和も保つ。非可換環でもアーベル群値として定義でき、可換環の場合には自然な $R$-加群構造も持つ。

線形な持上げの障害

$0\to A\to E\xrightarrow{p}D\to0$ と $f:C\to D$ を与える。$f$ が線形写像 $g:C\to E$ に持ち上がることは、引き戻し拡大の類 $f^*[E]\in\operatorname{Ext}_R^1(C,A)$ が零であることと同値である。

$pg=f$ なら $c\mapsto(g(c),c)$ が $E\times_D C\to C$ のセクションになる。逆にそのセクションの第1成分が持上げを与える。分裂と零類の同値を使えば結論を得る。$\square$

補足:中項と分裂写像を区別する

同じ中項でも拡大は異なる

左端 $\mathbb Z$、中項 $\mathbb Z$、右端 $\mathbb Z/5\mathbb Z$、入射 $\times5$ を固定し、射影を $p_1(z)=\bar z$ と $p_2(z)=2\bar z$ に変える。両方とも短完全だが同値ではない。入射と両立する $\mathbb Z$ の自己同型は恒等しかなく、それでは二つの射影が一致しないためである。Ext¹ が分類するのは中項の同型類だけではない。

分裂しても選択は一意とは限らない

セクション $s$ を一つ固定すると、他のセクションは一意に $s+ih$($h:C\to A$)と書ける。実際、二つのセクションの差は $p$ で零になるので $A$ を経由し、逆にこの形なら常にセクションになる。
従って零元は一つの拡大類を表すが、その拡大の分裂写像が一つしかないという意味ではない。「分裂するか」は Ext¹ が測り、「分裂した後の選び方の差」は Hom が測る。

条件を外したときの反例

外す条件反例成り立たなくなること
商側 $C$ の射影性$0\to\mathbb Z/2\to\mathbb Z/4\to\mathbb Z/2\to0$すべての拡大が分裂する(ex-module-extension-projective)
中項の同型が両端の恒等写像と両立することex-module-extension-zp の $E^{(1)}$ と $E^{(2)}$($p\ge3$)中項が同型なら拡大は同値
$\operatorname{Hom}_R(C,A)=0$$\mathbb Z\oplus\mathbb Z$($\mathbb Z$ の $\mathbb Z$ による分裂拡大)切断はただ一つ(rem-module-extension-sections)
$\operatorname{Ext}^1_R(C,A)=0$ex-module-extension-polynomial の $c\neq0$すべての拡大が分裂する

関連項目

参考文献

Mathpediaは寄付と、参考文献の書籍リンク(Amazonアソシエイト)の紹介料で運営されています。 支援について / 寄付する