Legendreの定理(連分数)

同義語:Legendre's theorem on continued fractions

概要

Legendreの定理(連分数)(Legendre's theorem on continued fractions)とは、無理数 $\alpha$ と互いに素な整数 $p,q$($q\ge1$)について、$|\alpha-p/q|<1/(2q^2)$ ならば $p/q$ は $\alpha$ の連分数展開の収束子であり、$p,q$ はその分子と分母に等しい、という定理である。隣り合う 2 つの収束子の少なくとも一方はこの不等式をみたし、定数 $1/2$ はより大きな定数に置き換えられない。応用として、平方数でない正の整数 $d$ と互いに素な正の整数 $x,y$ について $|x^2-dy^2|<\sqrt d$ なら $x/y$ は $\sqrt d$ の収束子であり、Pell 方程式 $x^2-dy^2=\pm1$ の正の解は収束子の中から見つかる。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 連分数, Diophantus近似, 無理数

無理数 $\alpha$ の連分数展開を途中で打ち切って得られる分数(収束子)は、$\alpha$ の非常によい近似である。逆に、ある分数が $\alpha$ を十分よく近似していれば、それは収束子でなければならない。Legendre の定理は、この「十分よく」を具体的な不等式で与える:既約分数 $p/q$($q\ge1$)が
$$ \left|\alpha-\frac pq\right|< \frac1{2q^2} $$
をみたすなら、$p/q$ は $\alpha$ の収束子である。この判定法により、Pell 方程式 $x^2-dy^2=\pm1$ の正の解や、2 次形式 $x^2-dy^2$ が小さい値をとる組を、$\sqrt d$ の連分数展開の中から探せばよいことが分かる。定数 $\frac12$ はこれより大きくできない。

記号と問題

連分数の記法は 連分数 に従う。無理数 $\alpha$ の連分数展開を $\alpha=[a_0;a_1,a_2,\dots]$($a_0\in\mathbb Z$、$a_k\ge1$)、完全商を $x_k$ とし、第 $n$ 収束子 を $p_n/q_n=[a_0;a_1,\dots,a_n]$ と書く。ここで $p_{-2}=0$、$p_{-1}=1$、$q_{-2}=1$、$q_{-1}=0$、$p_n=a_np_{n-1}+p_{n-2}$、$q_n=a_nq_{n-1}+q_{n-2}$ であり、$p_n,q_n$ は互いに素で $q_n\ge1$、$n\ge1$ で $q_n\ge q_{n-1}$、$n\ge2$ で $q_n>q_{n-1}$ である(連分数 の命題「収束子の漸化式」「隣り合う収束子の行列式」)。さらに
$$ \alpha-\frac{p_n}{q_n}=\frac{(-1)^n}{q_n(x_{n+1}q_n+q_{n-1})},\qquad\left|\alpha-\frac{p_n}{q_n}\right|< \frac1{q_nq_{n+1}}\le\frac1{q_n^2} $$
である(同記事の定理「無理数の連分数展開」)。
整数の組 $(p,q)$($q\ge1$)が「$\alpha$ の収束子である」とは、ある $n\ge0$ について $p=p_n$、$q=q_n$ となることをいう。$p/q$ が既約なら、分数の値として $p/q=p_n/q_n$ であることと同じである。
収束子は $|\alpha-p/q|<1/q^2$ をみたすが、逆は成り立たない:$\sqrt2$ と $\frac43$ は $|\sqrt2-\frac43|< \frac1{3^2}$ をみたすが、$\frac43$ は $\sqrt2$ の収束子でない(連分数 の反例「よい近似がすべて収束子とは限らない」)。右辺を $1/(2q^2)$ に縮めると逆が成り立つ、というのがこの記事の主定理である。

主定理

収束子であるための十分条件

$\alpha$ を無理数、$p,q$ を $q\ge1$、$\gcd(p,q)=1$ をみたす整数とする。
$$ \left|\alpha-\frac pq\right|< \frac{1}{2q^2} $$
ならば、ある $n\ge0$ について $p=p_n$、$q=q_n$ である。

$p/q$ を収束子にもつ展開を作る

$\alpha$ は無理数なので $\alpha-p/q\ne0$ である。連分数 の定理「有理数の連分数展開」の 3 により、$p/q$ は長さが $1$ だけ異なる 2 通りの単純連分数で表せる。そのうち $(-1)^n$ が $\alpha-p/q$ と同じ符号になる表示 $p/q=[b_0;b_1,\dots,b_n]$ を選び、この表示の収束子を $P_k/Q_k$ とする。単純連分数の収束子は既約で分母は正なので、$P_n=p$、$Q_n=q$ である。
$\alpha-p/q=(-1)^n\theta/q^2$($0< \theta< \frac12$)と書き、
$$ \omega:=\frac1\theta-\frac{Q_{n-1}}{q} $$
とおく。$Q_{n-1}\le Q_n=q$($n=0$ では $Q_{-1}=0$)なので $\omega>2-1=1$ である。$P_{n-1}Q_n-P_nQ_{n-1}=(-1)^n$(連分数 の命題「隣り合う収束子の行列式」)と $\omega q+Q_{n-1}=q/\theta$ から
$$ \frac{\omega P_n+P_{n-1}}{\omega Q_n+Q_{n-1}}-\frac{P_n}{Q_n}=\frac{P_{n-1}Q_n-P_nQ_{n-1}}{Q_n(\omega Q_n+Q_{n-1})}=\frac{(-1)^n}{q\cdot q/\theta}=\alpha-\frac pq $$
となり、
$$ \alpha=\frac{\omega P_n+P_{n-1}}{\omega Q_n+Q_{n-1}} $$
である。$\omega$ が有理数なら右辺も有理数になるので、$\omega$ は無理数である。
$\omega$ の連分数展開を $\omega=[c_0;c_1,c_2,\dots]$ とすると、$\omega>1$ から $c_0\ge1$ である。$t_k:=[c_0;c_1,\dots,c_k]>0$ とおくと、連分数の定義から $[b_0;\dots,b_n,t_k]=[b_0;\dots,b_n,c_0,\dots,c_k]$ であり、連分数 の命題「収束子の漸化式」により
$$ [b_0;\dots,b_n,c_0,\dots,c_k]=\frac{t_kP_n+P_{n-1}}{t_kQ_n+Q_{n-1}} $$
である。$k\to\infty$ で $t_k\to\omega$ であり、右辺は $t>0$ の関数として連続(分母が正)なので、右辺は $\alpha$ に収束する。したがって $\alpha$ は無限単純連分数 $[b_0;b_1,\dots,b_n,c_0,c_1,\dots]$ の値である($b_1,\dots,b_n\ge1$、$c_0\ge1$ なので単純連分数である)。連分数 の定理「無理数の連分数展開」の 2 により、$\alpha$ の連分数展開の部分商はちょうど $b_0,\dots,b_n,c_0,c_1,\dots$ であり、その第 $n$ 収束子は $[b_0;\dots,b_n]=p/q$ である。収束子は既約で分母が正なので、$p=p_n$、$q=q_n$ である。$\square$

証明の鍵は、$p/q$ を末尾にもつ有限連分数に、$1$ より大きい「残り」$\omega$ を継ぎ足して $\alpha$ が得られることである。$\theta< \frac12$ は $\omega>1$、つまり継ぎ足す部分の最初の部分商が $1$ 以上であることを保証するために使われた。
主定理には、最良近似を使う別の証明もある。

最良近似を経由する

Diophantus近似 の定義「Diophantus 近似の基本用語」の意味で、$(p,q)$ が $\alpha$ の最良近似であることを示す。$1\le q'\le q$、$(p',q')\ne(p,q)$ で $|q'\alpha-p'|\le|q\alpha-p|$ となる整数の組があったとする。$p'/q'=p/q$ なら、$\gcd(p,q)=1$ から $(p',q')=k(p,q)$($k\ge1$ は整数)で、$q'\le q$ から $k=1$ となり矛盾する。よって $p'/q'\ne p/q$ であり、$|p'q-pq'|\ge1$ から $|p/q-p'/q'|\ge1/(qq')$ である。一方
$$ \left|\alpha-\frac{p'}{q'}\right|=\frac{|q'\alpha-p'|}{q'}\le\frac{|q\alpha-p|}{q'}< \frac{1}{2qq'},\qquad\left|\alpha-\frac pq\right|< \frac1{2q^2}\le\frac1{2qq'} $$
なので、三角不等式から $|p/q-p'/q'|<1/(qq')$ となり、矛盾する。よって $(p,q)$ は最良近似であり、同記事の定理「収束子は最良近似である」の 3 により、ある $n\ge0$ について $(p,q)=(p_n,q_n)$ である。$\square$

隣り合う収束子と定数の最良性

主定理の条件をみたす分数は収束子に限られるが、すべての収束子が条件をみたすわけではない(下の例)。それでも、隣り合う 2 つの収束子の少なくとも一方は条件をみたす。

隣り合う収束子の一方は条件をみたす

$\alpha$ を無理数とする。各 $n\ge0$ について、$p_n/q_n$ と $p_{n+1}/q_{n+1}$ の少なくとも一方は $|\alpha-p/q|<1/(2q^2)$ をみたす。とくにこの不等式をみたす既約分数 $p/q$ は無限に多くあり、それらはすべて収束子である。

2 つの誤差の和

$\alpha$ は $p_n/q_n$ と $p_{n+1}/q_{n+1}$ の真に間にあるので(連分数 の定理「無限単純連分数の収束」)、命題「隣り合う収束子の行列式」から
$$ \left|\alpha-\frac{p_n}{q_n}\right|+\left|\alpha-\frac{p_{n+1}}{q_{n+1}}\right|=\left|\frac{p_{n+1}}{q_{n+1}}-\frac{p_n}{q_n}\right|=\frac{1}{q_nq_{n+1}} $$
である。どちらも不等式をみたさないとすると、左辺は $\frac1{2q_n^2}+\frac1{2q_{n+1}^2}$ 以上であり、相加平均と相乗平均の不等式からこれは $\frac1{q_nq_{n+1}}$ 以上なので、すべての不等号は等号でなければならない。とくに $|\alpha-p_n/q_n|=1/(2q_n^2)$ となるが、左辺は無理数、右辺は有理数なので矛盾する。後半は前半と thm-ltcf-main による。$\square$

定数 $\frac12$ は、どんな $c>\frac12$ にも置き換えられない。

定数 1/2 は改善できない

任意の $c>\frac12$ について、無理数 $\alpha$ と既約分数 $p/q$($q\ge1$)で、$|\alpha-p/q|< c/q^2$ をみたすが $p/q$ が $\alpha$ の収束子でないものがある。

中間の分数

正の整数 $m,k$ について、部分商が $0,m,2,k,k,k,\dots$ の無理数 $\alpha=[0;m,2,k,k,\dots]$ と $p/q=1/(m+1)$ を考える。収束子の分母は $q_0=1$、$q_1=m$、$q_2=2m+1$ で、$n\ge1$ で増加するので、$m< m+1<2m+1$ から $1/(m+1)$ は収束子でない(既約な収束子の値が $1/(m+1)$ なら分母は $m+1$ である)。第 2 完全商を $x=x_2=[2;k,k,\dots]$ とすると $2< x<2+\frac1k$ であり、$p_0=0$、$p_1=1$、$q_0=1$、$q_1=m$ から $\alpha=\dfrac{x}{xm+1}$ である。よって
$$ (m+1)^2\left|\alpha-\frac1{m+1}\right|=\frac{(x-1)(m+1)}{xm+1}< \frac{(1+\frac1k)(m+1)}{2m+1} $$
で、右辺は $m,k\to\infty$ で $\frac12$ に収束する。$m,k$ を大きくとれば右辺は $c$ より小さい。$\square$

たとえば $m=k=10$ では $\alpha=[0;10,2,10,10,\dots]$ について $11^2|\alpha-\frac1{11}|=0.5497\ldots$ で、$\frac1{11}$ は収束子でない。$\frac1{m+1}=\frac{p_0+p_1}{q_0+q_1}$ は隣り合う収束子の分子と分母をそれぞれ足した分数であり、このような中間の分数が定数 $\frac12$ の限界を与える。逆向きに、定数を小さくすると、条件をみたす分数が無限にあることが保証されるのは $\frac1{\sqrt5}$ までである(Diophantus近似 の定理「Hurwitz の定理」、黄金比 の定理「黄金比の近似の限界」)。

2 次形式の小さい値と Pell 方程式

主定理の典型的な使い道は、平方根の近似である。$\sqrt d$ と $1/\sqrt d$ の収束子は互いに逆数になっている。

逆数の収束子

$\alpha>1$ を無理数とし、$\alpha$ の収束子を $p_n/q_n$ とする。$1/\alpha$ の連分数展開は $[0;a_0,a_1,a_2,\dots]$ であり、その第 $n+1$ 収束子は $q_n/p_n$($n\ge0$)、第 $0$ 収束子は $0/1$ である。

$a_0\ge1$ なので $[0;a_0,a_1,\dots]$ は無限単純連分数で、有限連分数の定義から $[0;a_0,\dots,a_n]=1/[a_0;\dots,a_n]=q_n/p_n$ である。$n\to\infty$ とすると値は $1/\alpha$ なので、連分数 の定理「無理数の連分数展開」の 2 によりこれが $1/\alpha$ の展開である。$p_n\ge a_0\ge1$ で $\gcd(p_n,q_n)=1$ なので、$q_n/p_n$ は既約な表示であり、収束子の分子と分母そのものである。$\square$

2 次形式の小さい値は収束子に現れる

$d$ を平方数でない正の整数、$x,y$ を互いに素な正の整数とする。
$$ \lvert x^2-dy^2\rvert< \sqrt d $$
ならば、$x/y$ は $\sqrt d$ の収束子であり、ある $n\ge0$ について $x=p_n$、$y=q_n$ である。

符号で場合を分ける

$N:=x^2-dy^2$ とおく。$\sqrt d$ は無理数なので $N\ne0$ である。
$N>0$ のとき:$x>y\sqrt d$ なので $x+y\sqrt d>2y\sqrt d$ であり、
$$ 0< \frac xy-\sqrt d=\frac{N}{y(x+y\sqrt d)}< \frac{N}{2y^2\sqrt d}< \frac1{2y^2} $$
である。thm-ltcf-main により $x/y$ は $\sqrt d$ の収束子である。
$N<0$ のとき:$y\sqrt d>x$ なので $x+y\sqrt d>2x$ であり、
$$ 0< \frac yx-\frac1{\sqrt d}=\frac{y\sqrt d-x}{x\sqrt d}=\frac{|N|}{x\sqrt d\,(x+y\sqrt d)}< \frac{|N|}{2x^2\sqrt d}< \frac1{2x^2} $$
である。$1/\sqrt d$ は無理数で $\gcd(y,x)=1$ なので、thm-ltcf-main により $y/x$ は $1/\sqrt d$ の収束子である。$y\ge1$ なので第 $0$ 収束子 $0/1$ ではなく、lem-ltcf-reciprocal($\alpha=\sqrt d>1$)により $y=q_n$、$x=p_n$ となる $n\ge0$ がある。$\square$

$d\ge2$ なので $1< \sqrt d$ であり、Pell 方程式 $x^2-dy^2=1$ と負の Pell 方程式 $x^2-dy^2=-1$ の正の解はこの系の仮定をみたす($x,y$ の公約数は $\pm1$ を割るので互いに素である)。したがって、どちらの方程式の正の解も $\sqrt d$ の収束子として現れ、収束子を順に調べれば見つかる(Pell方程式 の命題「正の解は収束子である」、循環連分数 の定理「Pell方程式の基本解と周期」)。

例

平方根と円周率の収束子

各収束子について $q_n^2\lvert\alpha-p_n/q_n\rvert$ を計算すると次のようになる(小数第 4 位まで)。$\frac12$ 未満のものが主定理の条件をみたす。

$\alpha$収束子と $q_n^2\lvert\alpha-p_n/q_n\rvert$
$\sqrt2=[1;2,2,2,\dots]$$\frac11$:$0.4142$、$\frac32$:$0.3431$、$\frac75$:$0.3553$、$\frac{17}{12}$:$0.3532$、$\frac{41}{29}$:$0.3536$
$\sqrt3=[1;1,2,1,2,\dots]$$\frac11$:$0.7321$、$\frac21$:$0.2679$、$\frac53$:$0.5885$、$\frac74$:$0.2872$、$\frac{19}{11}$:$0.5781$、$\frac{26}{15}$:$0.2886$
$\pi=[3;7,15,1,292,1,\dots]$$\frac31$:$0.1416$、$\frac{22}7$:$0.0620$、$\frac{333}{106}$:$0.9351$、$\frac{355}{113}$:$0.0034$、$\frac{103993}{33102}$:$0.6332$

$\sqrt2$ ではすべての収束子が条件をみたすが、$\sqrt3$ では 1 つおきに条件をみたさず、$\pi$ の $\frac{333}{106}$ も条件をみたさない。どの場合も、隣り合う 2 つのうち少なくとも一方は条件をみたしている(thm-ltcf-consecutive)。$\sqrt3$ の収束子の $p_n^2-3q_n^2$ は $-2,1,-2,1,\dots$ と交互に並ぶ。値 $1$ の収束子 $\frac21,\frac74,\frac{26}{15}$ は Pell 方程式 $x^2-3y^2=1$ の解で、cor-ltcf-quadratic の範囲にある。値 $-2$ の収束子 $\frac11,\frac53,\frac{19}{11}$ は $|-2|>\sqrt3$ なので範囲の外で、ちょうど主定理の条件をみたさない側にある。

$\sqrt3$ の値は「$1$ つおきに $\frac1{2\sqrt3}\approx0.2887$ と $\frac1{\sqrt3}\approx0.5774$ に近づく」。一般に、$q_n^2|\alpha-p_n/q_n|$ は完全商 $x_{n+1}$ と $q_{n-1}/q_n$ だけで $1/(x_{n+1}+q_{n-1}/q_n)$ と書ける(記号の節の式)ので、次の部分商 $a_{n+1}$ が大きいほど $p_n/q_n$ は条件をみたしやすい。$a_{n+1}\ge2$ なら $x_{n+1}>2$ でこの値は $\frac12$ 未満になり、$p_n/q_n$ は必ず条件をみたす。

条件を外した反例

外す条件反例成り立たなくなること
thm-ltcf-main の定数 $\frac12$($c>\frac12$ に替える)$\alpha=[0;m,2,k,k,\dots]$、$p/q=\frac1{m+1}$($m,k$ は大きい)$p/q$ が収束子であること
thm-ltcf-main の $\gcd(p,q)=1$$\alpha=\pi$、$(p,q)=(710,226)$$p=p_n$、$q=q_n$ となる $n$ があること
cor-ltcf-quadratic の $\lvert x^2-dy^2\rvert< \sqrt d$$d=2$、$(x,y)=(2,1)$$x/y$ が $\sqrt d$ の収束子であること
確かめ

1 行目:prop-ltcf-sharp の証明のとおりで、外れているのは定数だけである($\alpha$ は無理数、$\frac1{m+1}$ は既約)。

2 行目:$|\pi-\frac{710}{226}|=|\pi-\frac{355}{113}|=2.667\ldots\times10^{-7}< \frac1{2\cdot226^2}=9.789\ldots\times10^{-6}$ である。分数の値 $\frac{710}{226}=\frac{355}{113}$ は収束子だが、収束子の分子と分母は互いに素なので、組 $(710,226)$ はどの $(p_n,q_n)$ とも等しくない。

3 行目:$2^2-2\cdot1^2=2>\sqrt2$ で、$2$ と $1$ は互いに素である。$\sqrt2$ の収束子は $\frac11,\frac32,\frac75,\dots$ で分母 $1$ のものは $\frac11$ だけなので、$\frac21$ は収束子でない。実際 $|\sqrt2-2|=0.5857\ldots>\frac12$ である。

補足

主定理は Legendre の名で呼ばれ、HW60 Theorem 184(§10.15、p. 153)に証明がある。隣り合う収束子についての thm-ltcf-consecutive の前半は同 Theorem 183(p. 152)、収束子が最良近似であることは同 Theorem 182(p. 151)にあたる。thm-ltcf-consecutive の証明では、等号の場合を「無理数と有理数は等しくない」ことで除いた。

関連項目

参考文献

[1]
G. H. Hardy and E. M. Wright, An Introduction to the Theory of Numbers, 4th ed., Oxford, Clarendon Press, 1960, §10.15 Theorem 182(p. 151)、Theorem 183(p. 152)、Theorem 184(p. 153)

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