Steiner系(Steiner system)とは、$v$ 個の点の集合から $k$ 個ずつの部分集合(ブロック)を選び、どの $t$ 個の点もちょうど 1 つのブロックに含まれるようにした配置 $S(t,k,v)$ である。$i\le t$ 個の点を含むブロックの個数は $\binom{v-i}{t-i}/\binom{k-i}{t-i}$ で点によらず、ここから $S(2,3,v)$ なら $v\equiv1,3\pmod 6$ などの条件が出る。Fano 平面 $S(2,3,7)$ や有限射影平面が $t=2$ の例で、$t\ge2$、$k< v$ ならブロックの個数は点の個数以上である(Fisher の不等式)。拡大 Golay 符号の重み $6$ と $8$ の符号語の台は $S(5,6,12)$ と $S(5,8,24)$ をなし、その自己同型群が Mathieu 群である。
7 人の中から 3 人ずつの班を作り、どの 2 人もちょうど 1 つの班で一緒になるようにしたい。班を $\{1,2,4\},\{2,3,5\},\{3,4,6\},\{4,5,7\},\{5,6,1\},\{6,7,2\},\{7,1,3\}$ の 7 つにすると、これが実現できる。このように、$v$ 個の点の集合から $k$ 個ずつの部分集合(ブロック)を選び、どの $t$ 個の点もちょうど 1 つのブロックに含まれるようにした配置を Steiner 系 $S(t,k,v)$ という。上の例は $S(2,3,7)$ で、Fano 平面と呼ばれる。
$t$ 個の点を任意に選んでもブロックがただ 1 つに決まるという条件は強く、ブロックの個数や 1 点を含むブロックの個数はパラメータだけで決まってしまう。そこから $v$ に対する割り算の条件が出て、たとえば $S(2,3,v)$ があるなら $v$ を $6$ で割った余りは $1$ か $3$ である。$t=5$ の自明でない例としては $S(5,6,12)$ と $S(5,8,24)$ がよく知られている。どちらも Golay 符号から作られ、その自己同型群が Mathieu群 になる。
この記事では、Steiner 系を定義し、$i$ 個の点を含むブロックの個数の公式(thm-stein-lambda)とそこから出る割り算の条件(cor-stein-divisibility)、1 点で切った系(prop-stein-derived)、Fano 平面が $S(2,3,7)$ であること(ex-stein-fano)、拡大三元 Golay 符号から $S(5,6,12)$ が得られること(thm-stein-s5612)、Fisher の不等式(thm-stein-fisher)を証明し、$S(5,8,24)$ とその導来系のパラメータを表にする。
$t,k,v$ を $1\le t\le k\le v$ をみたす整数とする。$v$ 個の元からなる有限集合 $X$ と、$X$ の $k$ 元部分集合からなる集合 $\mathcal B$ の組 $(X,\mathcal B)$ が、次をみたすとき Steiner 系 $S(t,k,v)$ という。
$t=k$ なら $\mathcal B$ は $X$ の $k$ 元部分集合の全体、$k=v$ なら $\mathcal B=\{X\}$ で、これらは自明な Steiner 系である。ふつう $2\le t< k< v$ の場合を考える。
「ちょうど 1 つ」を「ちょうど $\lambda$ 個」に置き換えたものを $t$-$(v,k,\lambda)$ デザイン という(BH11 §4.8, p. 77)。Steiner 系 $S(t,k,v)$ は $\lambda=1$ の $t$-$(v,k,1)$ デザインである。$t=2$ のデザインを ブロックデザイン(balanced incomplete block design)ともいう。
$X=\{1,\dots,7\}$ とし、$\mathcal B$ を $\{1,2,4\}$ の各元に $0,1,\dots,6$ を足して $7$ を法として($1,\dots,7$ の範囲で)読んだ 7 つの集合
$$
\{1,2,4\},\ \{2,3,5\},\ \{3,4,6\},\ \{4,5,7\},\ \{5,6,1\},\ \{6,7,2\},\ \{7,1,3\}
$$
とする。$D=\{1,2,4\}$ の相異なる 2 元の差 $a'-a$ は、$7$ を法として $1,\dots,6$ をちょうど 1 回ずつとる($2-1,4-2,4-1$ が $1,2,3$、その逆が $6,5,4$)。ブロックは $D+s=\{a+s\mid a\in D\}$($s=0,\dots,6$、和は $7$ を法とする)であり、相異なる 2 点 $p,q$ が $D+s$ に含まれることは、$p-s,q-s\in D$ と同値である。差 $q-p$ を与える $D$ の元の組 $(a,a')$ はただ 1 つなので、$s=p-a$ がただ 1 つに決まり、$p,q$ を含むブロックはちょうど 1 つである。よって $(X,\mathcal B)$ は $S(2,3,7)$ である。射影平面 の例「Fano 平面」の $\mathbb F_2$ の上の射影平面の 7 点と 7 本の直線も、同じ記事の公理「射影平面の公理」の (i) と定理「有限射影平面の位数」により $S(2,3,7)$ をなす。
一般に、位数 $n$ の有限射影平面は、点の集合と直線の集合の組として $S(2,n+1,n^2+n+1)$ である(射影平面 の公理「射影平面の公理」の (i) と定理「有限射影平面の位数」)。逆向きの性質として、$S(2,n+1,n^2+n+1)$($n\ge1$)では異なる 2 つのブロックがちょうど 1 点で交わる。実際、2 点を含むブロックは 1 つなので 2 つのブロックは高々 1 点で交わり、thm-stein-lambda により各点を含むブロックは $\lambda_1=n+1$ 個、ブロックは $\lambda_0=n^2+n+1$ 個ある。ブロック $B$ の $n+1$ 個の点のそれぞれを含む $B$ 以外のブロックは $n$ 個ずつで、これらは互いに異なるから、$B$ と交わる $B$ 以外のブロックは $(n+1)n=\lambda_0-1$ 個、すなわち $B$ 以外のすべてのブロックである。
$(X,\mathcal B)$ を $S(t,k,v)$ とする。$0\le i\le t$ と $X$ の $i$ 元部分集合 $I$ について、$I$ を含むブロックの個数は $I$ によらず
$$
\lambda_i=\frac{\dbinom{v-i}{t-i}}{\dbinom{k-i}{t-i}}
$$
である。とくにブロックの個数は $b=\lambda_0=\dbinom vt\Big/\dbinom kt$、1 点を含むブロックの個数は $r=\lambda_1$ である。
$I$ を固定し、組 $(T,B)$ で、$T$ は $I\subseteq T$ となる $X$ の $t$ 元部分集合、$B$ は $T\subseteq B$ となるブロックであるものの個数 $N$ を 2 通りに数える。
$T$ を先に選ぶ。$T$ は $I$ に $X\setminus I$ の $t-i$ 元を付け加えて得られるので $\binom{v-i}{t-i}$ 通りあり、各 $T$ を含むブロックは定義によりちょうど 1 つである。よって $N=\binom{v-i}{t-i}$ である。
$B$ を先に選ぶ。$I\subseteq T\subseteq B$ となるには $I\subseteq B$ が必要で、$I$ を含むブロック $B$ のそれぞれについて、$T$ は $I$ に $B\setminus I$ の $t-i$ 元を付け加えて得られるので $\binom{k-i}{t-i}$ 通りある。$I$ を含むブロックの個数を $m(I)$ とすると $N=m(I)\binom{k-i}{t-i}$ である。
2 つを比べて $m(I)=\binom{v-i}{t-i}/\binom{k-i}{t-i}$ となり、これは $I$ によらない。$\square$
$S(t,k,v)$ が存在するなら、$0\le i\le t-1$ のすべてについて $\dbinom{k-i}{t-i}$ は $\dbinom{v-i}{t-i}$ を割り切る。
thm-stein-lambda の $\lambda_i$ はブロックの個数なので整数である。$\square$
$S(2,3,v)$ を Steiner の三重系 という。$\lambda_1=\dfrac{v-1}{2}$、$\lambda_0=\dfrac{v(v-1)}{6}$ が整数なので、$v$ は奇数で、$v(v-1)$ は $3$ で割り切れる。$v$ を $6$ で割った余りが奇数 $1,3,5$ のうち、$5$ では $v(v-1)\equiv5\cdot4\equiv2\pmod3$ となるので除かれる。よって $S(2,3,v)$ が存在するなら $v\equiv1,3\pmod6$ である。逆に $v\equiv1,3\pmod6$ ならば $S(2,3,v)$ が存在することを Kirkman が 1847 年に示した(HL13 p. 1。この記事では証明しない)。$v=7$ が Fano 平面、$v=9$ の例は $\mathbb F_3^2$ の 9 点と 12 本の直線 $\{a+sd\mid s\in\mathbb F_3\}$($d\ne0$)で、相異なる 2 点を通る直線はただ 1 本、各直線は 3 点からなる。
$(X,\mathcal B)$ を $S(t,k,v)$($t\ge2$)とし、$p\in X$ とする。$X_p=X\setminus\{p\}$、$\mathcal B_p=\{B\setminus\{p\}\mid B\in\mathcal B,\ p\in B\}$ とおくと、$(X_p,\mathcal B_p)$ は $S(t-1,k-1,v-1)$ である。
$\mathcal B_p$ の元は $k-1$ 元集合である。$X_p$ の $t-1$ 元部分集合 $T'$ について、$p$ と $T'$ を含むブロックは、$T'\cup\{p\}$ が $t$ 元集合なのでちょうど 1 つある。$B\mapsto B\setminus\{p\}$ は $p$ を含むブロックの集合から $\mathcal B_p$ への全単射で、$T'\subseteq B\setminus\{p\}$ と $T'\cup\{p\}\subseteq B$ は同値だから、$T'$ を含む $\mathcal B_p$ の元はちょうど 1 つである。$\square$
$(X_p,\mathcal B_p)$ を $p$ における 導来系 という。
$t=5$ の自明でない Steiner 系として、次の 2 つがよく知られている。どちらも Golay符号 の拡大 Golay 符号の、重みの小さい符号語の 台(成分が $0$ でない座標の集合)から得られる。
$\mathcal G_{12}$ の座標の集合を $X=\{1,\dots,12\}$ とする。
1:台を $Y,Y'$ とし、$\lvert Y\cap Y'\rvert\ge5$ とする。$i\in Y\cap Y'$ では $c_i,c'_i\in\mathbb F_3^\times=\{1,-1\}$ なので、$c'_i=\varepsilon c_i$ となる $\varepsilon\in\{1,-1\}$ が決まる。$5$ 個以上の座標のうち $3$ 個以上で同じ $\varepsilon$ がとれる。$c'-\varepsilon c$ はその $3$ 個以上の座標で $0$ で、台は $Y\cup Y'$($7$ 個以下)に含まれるので、重みは $7-3=4$ 以下である。$c'-\varepsilon c\in\mathcal G_{12}$ の $0$ でない符号語の重みは $6$ 以上だから $c'=\varepsilon c$ である。
2:座標 $j\in X$ を除く写像 $\pi_j\colon\mathcal G_{12}\to\mathbb F_3^{11}$ を考える。$\mathcal G_{12}$ の最小距離は $6$ なので $\pi_j$ は単射で、$\pi_j(\mathcal G_{12})$ は $3^6$ 個の符号語をもち最小距離は $5$ 以上である。$3^6\bigl(1+11\cdot2+\binom{11}2\cdot2^2\bigr)=3^6\cdot243=3^{11}$ なので、半径 $2$ の球は $\mathbb F_3^{11}$ を重なりなく覆い、$\pi_j(\mathcal G_{12})$ は $2$ 個の誤りを訂正する完全符号である($j$ が最後の座標のときが Golay符号 の定理「三元 Golay 符号」の 2 である)。
$\pi_j(\mathcal G_{12})$ の重み $5$ の符号語を数える。$\mathbb F_3^{11}$ の重み $3$ の語 $x$ は $\binom{11}3\cdot2^3=1320$ 個ある。$x$ から距離 $2$ 以下の符号語 $c'$ はただ 1 つで、$d(x,0)=3$ なので $c'\ne0$ であり、$5\le\operatorname{wt}(c')\le\operatorname{wt}(x)+2=5$ となる。$d(x,c')\ge\operatorname{wt}(c')-\lvert\operatorname{supp}c'\cap\operatorname{supp}x\rvert\ge2$ の 2 つの等号が成り立つ。2 つ目の等号から $\lvert\operatorname{supp}c'\cap\operatorname{supp}x\rvert=3=\operatorname{wt}(x)$ すなわち $\operatorname{supp}x\subseteq\operatorname{supp}c'$ であり、1 つ目の等号から $x$ と $c'$ は $\operatorname{supp}c'\setminus\operatorname{supp}x$ の外で一致する。よって $x$ は $c'$ の $0$ でない $5$ 成分のうち $2$ 個を $0$ にした語である。逆に重み $5$ の符号語 $c'$ からはこうして $\binom52=10$ 個の重み $3$ の語ができ、どれも $c'$ から距離 $2$ にある。よって重み $5$ の符号語は $1320/10=132$ 個である。
$c\in\mathcal G_{12}$ の重みは $3$ の倍数なので、$\pi_j(c)$ の重みが $5$ であることと、$c$ の重みが $6$ で $c_j\ne0$ であることは同値である。よって $j$ を台に含む重み $6$ の符号語は $132$ 個あり、1 により各ヘキサッドはちょうど 2 つの符号語 $\pm c$ の台なので、$j$ を含むヘキサッドは $66$ 個である。ヘキサッドの個数を $h$ とし、組(点、それを含むヘキサッド)を数えると $6h=12\cdot66$、すなわち $h=132$ である。各ヘキサッドは $\binom65=6$ 個の $5$ 元部分集合を含み、1 により異なるヘキサッドが同じ $5$ 元部分集合を含むことはないので、ヘキサッドに含まれる $5$ 元部分集合は $132\cdot6=792=\binom{12}5$ 個で、すべての $5$ 元部分集合が尽くされる。よってどの $5$ 元部分集合もちょうど 1 つのヘキサッドに含まれる。$\square$
thm-stein-lambda で $\lambda_i$ を計算し、prop-stein-derived で 1 点ずつ切っていくと次の表になる。$S(4,7,23)$・$S(3,6,22)$、$S(4,5,11)$ は導来系として得られる。
| 系 | $\lambda_0=b$ | $\lambda_1$ | $\lambda_2$ | $\lambda_3$ | $\lambda_4$ | $\lambda_5$ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| $S(5,8,24)$ | $759$ | $253$ | $77$ | $21$ | $5$ | $1$ |
| $S(4,7,23)$ | $253$ | $77$ | $21$ | $5$ | $1$ | |
| $S(3,6,22)$ | $77$ | $21$ | $5$ | $1$ | ||
| $S(5,6,12)$ | $132$ | $66$ | $30$ | $12$ | $4$ | $1$ |
| $S(4,5,11)$ | $66$ | $30$ | $12$ | $4$ | $1$ |
各行の $\lambda_i$ は次の行の $\lambda_{i-1}$ に等しい。$p$ を含むブロックが導来系のブロックに 1 対 1 に対応するからである。$S(5,6,12)$ と $S(5,8,24)$ は、それぞれ同型を除いてただ 1 つであることが知られている(HL13 pp. 1–2。この記事では証明しない)。その自己同型群が Mathieu群 $M_{12}$、$M_{24}$ である。
$S(5,6,12)$ の相異なる 2 つのヘキサッドが共有する点の個数は $0,2,3,4$ のどれかである。$1$ 個にならないのは、$\mathcal G_{12}$ が自己双対なので 2 つの符号語の内積が $0$ になるのに、台がちょうど 1 点 $i$ で交わると内積が $c_ic'_i\ne0$ になってしまうからである。$5$ 個以上にならないのは thm-stein-s5612 の 1 による。同じように、$S(5,8,24)$ の相異なる 2 つのオクタッド $Y,Y'$ が共有する点の個数は $0,2,4$ のどれかである。対応する 2 つの符号語の和は $0$ でない符号語で、重み $16-2\lvert Y\cap Y'\rvert$ は $4$ の倍数かつ $8$ 以上だからである。どの値も実際に現れることは、すべての符号語を書き出して確かめられる。
$t=2$ の Steiner 系では、ブロックの個数が点の個数を下回らない。これは一般の 2-デザインで成り立つ不等式で、接続行列の階数で示される。
$X$ を $v$ 個の点の集合、$\mathcal B$ を $X$ の $k$ 元部分集合の族(同じ集合が重複してもよい)とし、$2\le k< v$、$\lambda\ge1$ とする。$X$ の相異なる 2 点がちょうど $\lambda$ 個のブロックに含まれる(2-$(v,k,\lambda)$ デザイン)なら、ブロックの個数 $b$ は $b\ge v$ をみたす。とくに $2\le t$、$k< v$ の $S(t,k,v)$ では $b\ge v$ である。
まず各点を含むブロックの個数が一定であることを示す。点 $p$ を含むブロックの個数を $r_p$ とし、組 $(q,B)$($q\ne p$、$p,q\in B$)を数えると、$q$ を先に選べば $(v-1)\lambda$、$B$ を先に選べば $r_p(k-1)$ である。よって $r_p=r:=\lambda(v-1)/(k-1)$ は $p$ によらない。$k< v$ なので $r>\lambda$ である。
点を行、ブロックを列とし、$p\in B$ のとき $1$、そうでないとき $0$ を成分とする $v\times b$ 実行列 $N$ を 接続行列 という。$NN^{\mathsf T}$ の $(p,q)$ 成分は $p,q$ をともに含むブロックの個数なので、$J$ を成分がすべて $1$ の $v$ 次正方行列として
$$
NN^{\mathsf T}=(r-\lambda)I+\lambda J
$$
である。$J$ は成分がすべて $1$ のベクトル $\mathbf 1$ を固有値 $v$ の固有ベクトルにもち、$\mathbf 1$ に直交するベクトルを $0$ に移すので、$NN^{\mathsf T}$ の固有値は $r-\lambda+\lambda v$(1 重)と $r-\lambda$($v-1$ 重)であり、行列式 は
$$
\det(NN^{\mathsf T})=(r+\lambda(v-1))(r-\lambda)^{v-1}=rk\,(r-\lambda)^{v-1}>0
$$
である($\lambda(v-1)=r(k-1)$ を使った)。よって $v=\operatorname{rank}(NN^{\mathsf T})\le\operatorname{rank}N\le b$ である。
$S(t,k,v)$($t\ge2$)は、thm-stein-lambda により相異なる 2 点を含むブロックが $\lambda_2\ge1$ 個ずつあるので、2-$(v,k,\lambda_2)$ デザインである。$t\le k$ と $k< v$ から $2\le k< v$ で、前半から $b\ge v$ となる。$\square$
等号 $b=v$ が成り立つデザインを 対称デザイン という。位数 $n$ の射影平面 $S(2,n+1,n^2+n+1)$ は $b=v=n^2+n+1$ で対称である。一方 $S(5,8,24)$ は $b=759>24$、$S(5,6,12)$ は $b=132>12$ で、対称ではない。この不等式は Fisher が 1940 年に示し、Bose が 1949 年に一般化した(Sta13 p. 236)。点とブロックの役割を入れ替え、「相異なる集合のどの 2 つの共通部分も同じ大きさ $\lambda\ge1$」という条件だけで集合の個数を抑える形(非一様 Fisher の不等式)は Sta13 Theorem 12.4(p. 237)にあり、上と同じく行列の階数で示される。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| def-stein-system の「ちょうど 1 つ」(高々 1 つに弱める) | $X=\{1,\dots,7\}$ にブロック $\{1,2,3\}$ だけ | thm-stein-lambda:点 $1$ を含むブロックは $1$ 個、点 $4$ を含むブロックは $0$ 個で、$\lambda_1$ が点によらない |
| thm-stein-fisher の $k< v$ | $X=\{1,\dots,5\}$、$\mathcal B=\{X\}$($S(2,5,5)$) | $b\ge v$:$b=1<5$ |
| thm-stein-fisher の $t\ge2$($t=1$ にする) | $X=\{1,\dots,6\}$、$\mathcal B=\{\{1,2,3\},\{4,5,6\}\}$($S(1,3,6)$) | $b\ge v$:$b=2<6$ |
| thm-stein-lambda の $i\le t$($i=t+1$ にする) | Fano 平面($t=2$)の 3 元集合 | 含むブロックの個数が一定:$\{1,2,4\}$ は $1$ 個、$\{1,2,3\}$ は $0$ 個 |
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