部分分数分解(partial fraction decomposition)とは、体 $K$ 上の有理関数 $f/g$ を、多項式と、モニックな既約多項式 $p$ の冪 $p^j$ を分母とし分子の次数が $p$ の次数より小さい分数との和に表すことである。任意の体の上でこの表し方はただ 1 通りに存在し、多項式の部分は $f$ を $g$ で割った商になる。分母が 1 次式の積に分解するとき、単根 $\alpha$ に対応する係数は $f(\alpha)/g'(\alpha)$、重根に対応する係数は Taylor 展開の係数で与えられ、そこから Lagrange 補間の公式が得られる。有理関数の積分、母関数による漸化式の解法、和の計算、留数の計算の基本の道具である。
$$
\frac{1}{x^2-1}=\frac{1/2}{x-1}-\frac{1/2}{x+1}
$$
のように、有理関数を「分母が既約多項式の冪で、分子の次数が小さい分数」の和に分けることを 部分分数分解 という。分けた後の各項は扱いやすい。積分では各項の原始関数がすぐ分かり(有理関数の積分)、和では隣り合う項が打ち消し合い、母関数では各項が等比級数の形に展開できる。
この記事では、任意の体の上で部分分数分解がただ 1 通りに存在することを、線形代数の次元の議論で証明する。次に、分母が 1 次式の積に分解するときの係数の公式(単根なら $f(\alpha)/g'(\alpha)$、重根なら Taylor 展開の係数)を導き、そこから Lagrange 補間の公式と、係数の和についての恒等式を得る。計算の手順としての部分分数分解は高校数学の範囲で 有理関数の積分 や 恒等式と未定係数法 でも扱われている。
以下、$K$ は体とし、$K(x)$ を $K$ 上の有理関数体とする。$K(x)$ の元は $f/g$($f,g\in K[x]$、$g\ne0$)の形に書ける。
$p\in K[x]$ をモニックな既約多項式、$j\ge1$ を整数、$a\in K[x]$ を $\deg a< \deg p$ を満たす $0$ でない多項式とするとき、有理関数 $a/p^j$ を部分分数という。
$f,g\in K[x]$、$g\ne0$ とし、$g=b\,p_1^{e_1}\cdots p_r^{e_r}$ を、$b\in K\setminus\{0\}$、相異なるモニックな既約多項式 $p_1,\dots,p_r$、$e_i\ge1$ による分解とする。
$$
\frac fg=h+\sum_{i=1}^{r}\sum_{j=1}^{e_i}\frac{a_{ij}}{p_i^{\,j}}\qquad\bigl(h\in K[x],\ a_{ij}\in K[x],\ \deg a_{ij}< \deg p_i\bigr)
$$
と表すことを、$f/g$ の部分分数分解(partial fraction decomposition)という。ここで $a_{ij}=0$ も許す($0$ の次数は $-\infty$ とする)。
$g$ の分解 $g=b\,p_1^{e_1}\cdots p_r^{e_r}$ は、体上の多項式環の一意分解により、順序を除いてただ 1 通りに決まる(多項式環 の記事の定理「体上の一意分解」)。どの多項式が既約かは体 $K$ による。
分母 $g$ の既約因子ごとに、$f/g$ の「その因子の近くでの振る舞い」を取り出したものが部分分数である。たとえば $K=\mathbb{C}$ で $g$ が $(x-\alpha)^m$ を因子にもつとき、$f/g$ は $x=\alpha$ の近くで $\dfrac{c_m}{(x-\alpha)^m}+\dots+\dfrac{c_1}{x-\alpha}+(\alpha\text{ で値をもつ部分})$ と書け、その「発散する部分」が $\alpha$ についての部分分数の和になる。部分分数分解は、これらを各根について足し合わせると、多項式の部分 $h$ を除いて $f/g$ がちょうど再現される、という主張である。複素解析では、これは有理関数の Laurent展開 の主要部の和として理解できる。
$\dfrac{1}{x^2-1}=\dfrac12\Bigl(\dfrac{1}{x-1}-\dfrac{1}{x+1}\Bigr)$ である(右辺を通分すれば確かめられる。係数は後の thm-pf-coefficients の 2 からも出る)。$x=n$ を代入して $n=2,\dots,N$ について足すと、$\dfrac1{n-1}$ と $\dfrac1{n+1}$ が 2 つずれて打ち消し合い、
$$
\sum_{n=2}^{N}\frac{1}{n^2-1}=\frac12\Bigl(1+\frac12-\frac1N-\frac1{N+1}\Bigr)
$$
となる。$N\to\infty$ として $\displaystyle\sum_{n=2}^{\infty}\frac{1}{n^2-1}=\frac34$ を得る。
$\mathbb{Q}$ の上で
$$
\frac{x+1}{x^2(x-1)}=\frac{2}{x-1}-\frac{2}{x}-\frac{1}{x^2}
$$
である。右辺を通分すると分子は $2x^2-2x(x-1)-(x-1)=x+1$ となり、等しいことが確かめられる。係数の求め方は ex-pf-repeated-coefficients で説明する。
$g=x^3+x=x(x^2+1)$ とする。$\mathbb{R}$ の上では $x^2+1$ が既約なので
$$
\frac{1}{x^3+x}=\frac1x-\frac{x}{x^2+1}
$$
が部分分数分解であり、$\mathbb{C}$ の上では $x^2+1=(x-i)(x+i)$ と分かれて
$$
\frac{1}{x^3+x}=\frac1x-\frac{1/2}{x-i}-\frac{1/2}{x+i}
$$
となる。後の 2 項を足すと $-\dfrac{x}{x^2+1}$ に戻る。
2 元体 $\mathbb{F}_2$ の上では $x^3+x=x(x+1)^2$ であり、
$$
\frac{1}{x(x+1)^2}=\frac1x+\frac{1}{x+1}+\frac{1}{(x+1)^2}
$$
である。実際、右辺を通分した分子は $(x+1)^2+x(x+1)+x=x^2+1+x^2+x+x=1$(係数は $\mathbb{F}_2$ で計算する)である。部分分数分解は極限や絶対値を使わない代数的な操作なので、どの体の上でも同じように成り立つ。
$f,g\in K[x]$、$g\ne0$ とし、$g=b\,p_1^{e_1}\cdots p_r^{e_r}$ を def-pf のとおりとする。このとき、$f/g$ の部分分数分解
$$
\frac fg=h+\sum_{i=1}^{r}\sum_{j=1}^{e_i}\frac{a_{ij}}{p_i^{\,j}}\qquad\bigl(\deg a_{ij}< \deg p_i\bigr)
$$
を与える $h$ と $a_{ij}$ がただ 1 組存在する。$h$ は $f$ を $g$ で割った商であり、特に $\deg f< \deg g$ なら $h=0$ である。
有理関数体 の記事の定理「部分分数分解」と 有理関数の積分 の記事の定理「部分分数分解」にも、Bézout 等式を使って分母を分けていく証明がある。ここでは別の道筋として、一意性を先に示し、存在を次元の比較から導く。
$f$ を $f/b$ に置き換えれば $b=1$、すなわち $g$ はモニックとしてよい。$n:=\deg g$、$d_i:=\deg p_i$ とし、$V_m$ を次数が $m$ 未満の多項式($0$ を含む)のなす $K$ 上のベクトル空間とする($\dim V_m=m$)。$j\le e_i$ なので $g/p_i^{\,j}$ は多項式である。線形写像
$$
\Phi\colon W:=\prod_{i=1}^{r}\prod_{j=1}^{e_i}V_{d_i}\longrightarrow V_n,\qquad (a_{ij})_{i,j}\longmapsto\sum_{i,j}a_{ij}\,\frac{g}{p_i^{\,j}}
$$
を考える。$\deg\bigl(a_{ij}g/p_i^{\,j}\bigr)\le(d_i-1)+n-jd_i\le n-1$ なので、値は確かに $V_n$ に入る。$\dim W=\sum_ie_id_i=\deg g=n=\dim V_n$ である。
段 1:$\Phi$ は単射である。 $\Phi((a_{ij}))=0$ で、ある $a_{ij}\ne0$ があるとする。そのような $i$ を 1 つ固定し、$a_{ij}\ne0$ となる最大の $j$ を $j_0$ とし、$s:=e_i-j_0+1\ge1$、$G_i:=g/p_i^{\,e_i}=\prod_{i'\ne i}p_{i'}^{\,e_{i'}}$ とおく。和 $\sum a_{i'j}g/p_{i'}^{\,j}=0$ の各項を見ると、
段 2:$\Phi$ は全単射である。 段 1 と $\dim W=\dim V_n$ から、単射な線形写像 $\Phi$ は全単射である(線形写像 の記事の定理「次元定理の言明」により、核が $0$ なら像の次元は $\dim W=\dim V_n$ に等しい)。
存在。 $f$ を $g$ で割って $f=hg+r$($\deg r< n$)とする(多項式 の記事の定理「多項式の除法」)。段 2 により $r=\Phi((a_{ij}))$ となる $(a_{ij})\in W$ がある。両辺を $g$ で割れば $f/g=h+\sum_{i,j}a_{ij}/p_i^{\,j}$ である。
一意性。 2 つの表示 $h+\sum a_{ij}/p_i^{\,j}=h'+\sum a'_{ij}/p_i^{\,j}$ があれば、両辺に $g$ を掛けて $(h-h')g=\Phi((a'_{ij}-a_{ij}))\in V_n$ を得る。$h\ne h'$ なら左辺の次数は $n$ 以上なので、$h=h'$ である。すると $\Phi((a'_{ij}-a_{ij}))=0$ であり、段 1 により $a_{ij}=a'_{ij}$ である。
最後に、存在の構成で $h$ は $f$ を $g$ で割った商だったので、一意性によりどの部分分数分解の $h$ もこの商である。$\deg f< \deg g$ なら商は $0$ である。$\square$
一意性から、係数をどの方法で求めても(通分して係数を比べる、値を代入する、次の節の公式を使う)同じ答えになる。また、未知の係数の個数 $\sum_ie_i\deg p_i$ は $\deg g$ に等しい。証明の段 2 はこの個数の一致を使っている。
分母が 1 次式の積に分解するとき($K=\mathbb{C}$ なら常に)、部分分数の係数は通分せずに求められる。
$g=b\prod_{i=1}^{r}(x-\alpha_i)^{m_i}$($b\in K\setminus\{0\}$、$\alpha_1,\dots,\alpha_r\in K$ は相異なる、$m_i\ge1$)とし、$f\in K[x]$ は $\deg f< \deg g$ を満たすとする。thm-pf-main による部分分数分解を
$$
\frac fg=\sum_{i=1}^{r}\sum_{k=1}^{m_i}\frac{c_{ik}}{(x-\alpha_i)^k}\qquad(c_{ik}\in K)
$$
と書き、$G_i:=g/(x-\alpha_i)^{m_i}$ とおく($G_i(\alpha_i)\ne0$)。
2 の公式は、$f/g$ の分母から因子 $(x-\alpha_i)^{m_i}$ を取り除いた $f/G_i$ に $x=\alpha_i$ を代入する計算であり、手計算では通分よりずっと速い。
ex-pf-repeated の $\dfrac{x+1}{x^2(x-1)}$ で確かめる。単根 $1$ では $G=x^2$ なので、係数は $f(1)/G(1)=2/1=2$ である。重根 $0$($m=2$)では $\varphi(x)=\dfrac{x+1}{x-1}$ で、$\varphi(0)=-1$、$\varphi'(x)=\dfrac{-2}{(x-1)^2}$ から $\varphi'(0)=-2$ である。thm-pf-coefficients の 3 により $\dfrac1{x^2}$ の係数は $\varphi(0)=-1$、$\dfrac1x$ の係数は $\varphi'(0)=-2$ となり、$\dfrac{2}{x-1}-\dfrac{2}{x}-\dfrac{1}{x^2}$ を得る。
ex-pf-finite-field のように標数が正の体では 3 の微分の公式は使えないが、1 の合同式は使える。$\mathbb{F}_2$ の上の $\dfrac{1}{x(x+1)^2}$ の重根 $1$($=-1$)では $G=x$ で、$x\cdot x=x^2=(x+1)^2+1$ より $x^2\equiv1\pmod{(x+1)^2}$ である。よって $1\equiv x\cdot P$ を満たす $P$ は $P=x=1+(x+1)$ で、$\dfrac1{(x+1)^2}$ と $\dfrac1{x+1}$ の係数はどちらも $1$ である。
分母が相異なる 1 次式の積のとき、2 の公式は Lagrange 補間の公式そのものになる。
$\alpha_1,\dots,\alpha_n\in K$ を相異なる元、$g:=\prod_{i=1}^{n}(x-\alpha_i)$ とし、$\deg f< n$ とする。このとき
$$
\frac{f}{g}=\sum_{i=1}^{n}\frac{f(\alpha_i)}{g'(\alpha_i)}\cdot\frac{1}{x-\alpha_i},\qquad\text{同じことだが}\qquad f=\sum_{i=1}^{n}f(\alpha_i)\prod_{j\ne i}\frac{x-\alpha_j}{\alpha_i-\alpha_j}
$$
である。
すべての根が単根なので、thm-pf-coefficients の 2 から 1 つ目の式が従う。積の微分により $g'(\alpha_i)=\prod_{j\ne i}(\alpha_i-\alpha_j)$ であり、1 つ目の式の両辺に $g$ を掛けると $g/(x-\alpha_i)=\prod_{j\ne i}(x-\alpha_j)$ なので 2 つ目の式になる。$\square$
2 つ目の式は、次数 $n$ 未満の多項式 $f$ が $n$ 点での値から復元されるという Lagrange補間 の記事の定理「Lagrange 補間」の公式である。和公式(多重ゼータ値) の記事で使われる $c_j=\prod_{i\ne j}(n_i-n_j)^{-1}$ も、この形の係数である。
thm-pf-coefficients の記号で $n:=\deg g\ge1$ とし、$\deg f\le n-1$、$f$ の $x^{n-1}$ の係数を $f_{n-1}$ とする($\deg f< n-1$ なら $f_{n-1}=0$)。このとき
$$
\sum_{i=1}^{r}c_{i1}=\frac{f_{n-1}}{b}
$$
である。
prf-pf-coefficients の 1 の最初の式 $f=\sum_{i,k}c_{ik}\,g/(x-\alpha_i)^k$ で、$g/(x-\alpha_i)^k$ は次数 $n-k$、最高次の係数 $b$ の多項式である。$x^{n-1}$ の係数に寄与するのは $k=1$ の項だけで、その寄与は $c_{i1}b$ である。よって $f_{n-1}=b\sum_ic_{i1}$ である。$\square$
$\alpha_1,\dots,\alpha_n\in K$($n\ge1$)を相異なる元、$g:=\prod_{i=1}^n(x-\alpha_i)$ とすると、$0\le k\le n-1$ について
$$
\sum_{i=1}^{n}\frac{\alpha_i^{\,k}}{g'(\alpha_i)}=\begin{cases}0&(0\le k\le n-2)\\ 1&(k=n-1)\end{cases}
$$
である。
$f=x^k$ とすると $\deg f\le n-1$ である。すべての根が単根なので、thm-pf-coefficients の 2 により $c_{i1}=\alpha_i^{\,k}/g'(\alpha_i)$ である。prop-pf-residue-sum で $b=1$ とすると、和は $x^k$ の $x^{n-1}$ の係数、すなわち $k=n-1$ なら $1$、そうでなければ $0$ に等しい。$\square$
たとえば $g=x^3-x$(根 $0,1,-1$)では $g'=3x^2-1$ の値が $-1,2,2$ で、$\sum1/g'(\alpha_i)=-1+\frac12+\frac12=0$、$\sum\alpha_i/g'(\alpha_i)=0+\frac12-\frac12=0$、$\sum\alpha_i^2/g'(\alpha_i)=0+\frac12+\frac12=1$ である。ex-pf-real-complex の $g=x^3+x$ でも、$1/g'(\alpha)$ の値 $1,-\frac12,-\frac12$ の和は $0$ である。$K=\mathbb{C}$ では $c_{i1}$ は微分形式 $(f/g)\,dx$ の $\alpha_i$ での留数であり、prop-pf-residue-sum は「有限の点での留数の和に無限遠点での留数を足すと $0$」という留数定理の有理関数の場合にあたる(留数 の記事の定理「射影直線の留数定理」)。
整数と多項式は、どちらも割り算と素因数分解ができる環である。そのため有理数にも同じ形の分解がある。たとえば $12=2^2\cdot3$ について
$$
\frac{7}{12}=\frac13+\frac14,\qquad \frac{5}{12}=1-\frac13-\frac14
$$
のように、分母が素数の冪の分数の和に分けられる。一般に、単項イデアル整域 $A$ の素元の代表系を 1 つ固定すると($\mathbb{Z}$ なら正の素数)、商体の元は、各素元 $p$ について 1 つずつの分数 $\alpha_p/p^{j(p)}$($\alpha_p\in A$ は $p$ と互いに素、$j(p)\ge0$ で、有限個の $p$ を除いて $j(p)=0$)の和に書ける。このとき指数 $j(p)$ はただ 1 つに決まり、分子 $\alpha_p$ は $p^{j(p)}$ を法としてただ 1 つに決まる($j(p)=0$ の項をまとめたものが $A$ の元にあたる。Lan02 Chapter IV §5 の Theorem 5.1(pp. 187–188))。この記事では証明しない。多項式環 $K[x]$ の場合には、分子の次数を制限することで、thm-pf-main のように分子そのものがただ 1 つに決まる。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| $\deg a_{ij}< \deg p_i$ | $g=x^2$($p_1=x$、$e_1=2$)で $\dfrac{x}{x^2}=\dfrac1x$ | $a_{12}=x,\ a_{11}=0$ と $a_{11}=1,\ a_{12}=0$ の 2 通りに書け、一意性が崩れる |
| 既約因子が相異なること | $g=x^2$ を $p_1=p_2=x$、$e_1=e_2=1$ と見る | $\dfrac1{x^2}$ を $\dfrac ax+\dfrac bx$($a,b$ は定数)と書けず、存在が崩れる |
| 係数が体であること | $\mathbb{Z}[x]$ で $\dfrac{1}{x(x+2)}$ | 整数 $a,b$ で $\dfrac ax+\dfrac b{x+2}$ と書くと $(a+b)x+2a=1$ となり、$2a=1$ が解けない。存在が崩れる |
| $\alpha_i$ が単根(thm-pf-coefficients の 2 の後半) | $\dfrac1{x^2}$ | $f(0)/g'(0)=1/0$ となり、単根の公式が使えない($\dfrac1x$ の係数は $0$) |
| $\deg f\le\deg g-1$(prop-pf-residue-sum) | $\dfrac{x^3}{x^2-1}=x+\dfrac{1/2}{x-1}+\dfrac{1/2}{x+1}$ | $\dfrac1{x\mp1}$ の係数の和は $1$ だが、$f$ の $x^1$ の係数は $0$ |
2 行目では、$\dfrac ax+\dfrac bx=\dfrac{a+b}{x}$ は分母 $x$ の分数にしかならない。同じ既約因子は 1 つにまとめて冪 $p^e$ にし、$1\le j\le e$ のすべての冪を使う必要がある。5 行目では、$f$ を $g$ で割った商 $h=x$ が分解に現れ、prf-pf-residue-sum で使った等式が $f=hg+\sum_{i,k}c_{ik}\,g/(x-\alpha_i)^k$ に変わる。$hg=x^3-x$ が $x^{n-1}=x^1$ の係数に $-1$ を寄与するので、$x^{n-1}$ の係数の比較から $\sum_ic_{i1}=f_{n-1}/b$ を導くことができない。
単項イデアル整域の商体での分解は Lan02 Chapter IV §5 の Theorem 5.1、体上の 1 変数有理関数体での分解とその一意性は Theorem 5.2、多項式の $g$ 進展開は Theorem 5.3(pp. 187–190)にある。
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