有限支配空間(finitely dominated space)とは、有限 CW 複体 $K$ と連続写像 $s\colon X\to K$、$d\colon K\to X$ で $d\circ s$ が恒等写像とホモトピックになるものが存在する位相空間 $X$ のことであり、コンパクトな絶対近傍レトラクトはその例である。有限支配空間のホモロジー群は有限生成で、単連結なら有限 CW 複体とホモトピー同値になり、円周との直積はつねにそうなる(Mather の定理)。一般には、基本群の群環の被約射影類群に値をとる Wall の有限性障害が $0$ であることが、有限 CW 複体とホモトピー同値であるための必要十分条件である。
有限 CW 複体と同じホモトピー型をもつ空間は扱いやすいが、その判定は難しい。そこで少し弱く、「有限 CW 複体 $K$ を経由して恒等写像をホモトピーの意味で分解できる」空間を考える。$X\to K\to X$ の合成が恒等写像とホモトピックになるとき、$X$ は $K$ に支配されるといい、$K$ を有限にとれる空間を 有限支配空間 という。コンパクトな ENR やコンパクトな絶対近傍レトラクトはこの意味で有限支配であり、有限支配空間のホモロジー群は有限生成である。
有限支配空間は有限 CW 複体とホモトピー同値だろうか。単連結なら答えは肯定的だが、一般には否定的である。C. T. C. Wall は、有限支配空間 $X$ に対して基本群の群環の射影類群 $\tilde K_0(\mathbb{Z}[\pi_1(X)])$ の元 $\sigma(X)$ を定め、$\sigma(X)=0$ が $X$ が有限 CW 複体とホモトピー同値であるための必要十分条件であることを示した。これが Wall の有限性障害 である。一方で、有限支配空間と円周の直積は、障害によらず常に有限 CW 複体とホモトピー同値になる(Mather の定理)。
この記事では、有限支配空間を定義し、コンパクトな絶対近傍レトラクトが有限支配であること(prop-fd-compact-anr)、Mather の定理(thm-fd-mather)、単連結な場合の有限性(thm-fd-simply-connected)を証明する。Wall の障害の定義と主な性質は、所在を示して述べる。
位相空間 $X$ と CW 複体 $K$ について、連続写像 $s\colon X\to K$、$d\colon K\to X$ で $d\circ s\simeq\operatorname{id}_X$(ホモトピー)となるものが存在するとき、$X$ は $K$ に支配される(dominated)という。有限 CW 複体に支配される空間を 有限支配空間(finitely dominated space)という。
$X$ が $Y$ にホモトピー同値で、$Y$ が $K$ に支配されるなら、$X$ も $K$ に支配される(ホモトピー同値写像と合成すればよい)。とくに有限支配であることはホモトピー型だけで決まる。また $X$ が $K$ のレトラクト(レトラクト)なら、包含とレトラクションを $s$、$d$ として $X$ は $K$ に支配される。支配は「ホモトピー型の意味でのレトラクト」である。
コンパクトな絶対近傍レトラクト(ANR)は有限支配である。より詳しく、ある有限 CW 複体 $P$ と、$s\colon X\to P$、$d\colon P\to X$ で $d\circ s\simeq\operatorname{id}_X$ となるものがある。
$X$ はコンパクト距離化可能なので、Hilbert立方体 $Q=[0,1]^{\mathbb{N}}$($\mathbb{N}=\{0,1,2,\dots\}$)の閉集合とみなせる(位相空間の埋め込み定理の系「コンパクト距離化可能空間」)。$Q$ は距離化可能なので、ANR の定義により、$X$ を含む $Q$ の開集合 $W$ とレトラクション $r\colon W\to X$ がある。$Q$ には距離 $\rho(x,y):=\sum_n2^{-n}\lvert x_n-y_n\rvert$ を入れる(同記事の命題「Hilbert 立方体の距離」)。
$X$ はコンパクトなので、$\delta>0$ を、$X$ からの距離が $\delta$ 未満の点がすべて $W$ に入るようにとれる。$2^{-N}<\delta$ となる $N$ をとり、$\pi\colon Q\to Q$ を $\pi(x):=(x_0,\dots,x_N,0,0,\dots)$ で定める。$x\in Q$ と $t\in[0,1]$ について、点 $(1-t)x+t\pi(x)$ は $Q$ に属し、最初の $N+1$ 座標が $x$ と同じなので
$$
\rho\bigl(x,(1-t)x+t\pi(x)\bigr)\le\sum_{n>N}2^{-n}=2^{-N}<\delta
$$
である。よって $x\in X$ なら $x$ と $\pi(x)$ を結ぶ線分は $W$ に含まれる。
$F:=\{y\in Q\mid y_n=0\ (n>N)\}$ は立方体 $[0,1]^{N+1}$ と同相で、$\pi(X)$ はそのコンパクト集合、$W\cap F$ は $F$ の開集合である。$F$ を辺の長さ $2^{-m}$ の格子で小立方体に分け、$\pi(X)$ と交わる小立方体の和を $P$ とすると、$m$ が十分大きければ $\pi(X)\subset P\subset W\cap F$ である。$P$ は有限個の立方体の和で、それらの開いた面を胞体とする有限 CW 複体である。
$s:=\pi|_X\colon X\to P$、$d:=r|_P\colon P\to X$ とおく。$H(x,t):=r\bigl((1-t)x+t\pi(x)\bigr)$ は線分が $W$ に含まれるので $X\times[0,1]$ 上で定義された連続写像で、$H(x,0)=r(x)=x$、$H(x,1)=d(s(x))$ である。よって $d\circ s\simeq\operatorname{id}_X$ である。$\square$
この命題は Borsuk による(FR00 Example 1.2, p. 2。そこでは有限次元の場合に Euclid 空間への埋め込みで説明している)。上の証明は、有限次元を仮定しない代わりに Hilbert 立方体の有限個の座標への射影を使った。
$X$ が $k$ 次元の有限 CW 複体 $K$ に支配されるとする。
1:ホモトピー不変性により $d_*\circ s_*=(d\circ s)_*=\operatorname{id}$ なので、$s_*$ は単射で $H_i(X)$ は $H_i(K)$ の直和因子と同型である。$H_i(K)$ は胞体ホモロジーと同型で、有限生成であり $i>k$ で $0$ である(胞体ホモロジー群)。有限生成アーベル群の直和因子は有限生成である。$H_0(X)$ は弧状連結成分の数を階数とする自由アーベル群である。
2:$h\colon d\circ s\simeq\operatorname{id}_X$ をとり、$\gamma(t):=h(x,t)$ を $d(s(x))$ から $x$ への道とする。基点の動くホモトピーについての等式 $(d\circ s)_*=\beta_\gamma\circ(\operatorname{id}_X)_*$($\beta_\gamma\colon\pi_1(X,x)\to\pi_1(X,d(s(x)))$ は $\gamma$ に沿った基点の取り替えの同型。Hat02 Lemma 1.19, p. 37)により $d_*\circ s_*=(d\circ s)_*$ は同型なので、$d_*\colon\pi_1(K,s(x))\to\pi_1(X,d(s(x)))$ は全射である。有限 CW 複体の基本群は、1 骨格(有限グラフ)の基本群が有限生成な自由群であること(Hat02 Proposition 1A.2, p. 84)と同書 Proposition 1.26(p. 50)により有限生成なので、$\pi_1(X,d(s(x)))\cong\pi_1(X,x)$ も有限生成である。$\square$
実際には $\pi_1(X,x)$ は有限表示である。有限表示群のレトラクトは有限表示だからである(FR00 Theorem 3.1 (iii) の証明の概略, p. 7)。この記事ではこれを証明しない。
CW 複体に支配される空間は、CW 複体とホモトピー同値である。とくに有限支配空間は CW 複体とホモトピー同値である。
この定理は Hat02 Proposition A.11(p. 528)である。この記事では証明しない。証明は、$X\xrightarrow{s}K\xrightarrow{d}X$ に対し、$s\circ d$ をくり返す無限個の写像柱をつないだ空間(写像望遠鏡)が $X\times[0,\infty)\simeq X$ とホモトピー同値になることを示すもので、$s\circ d$ を胞体写像に取り替えれば写像望遠鏡は CW 複体になる。$K$ が $k$ 次元の有限 CW 複体なら、$X$ は高々可算個の胞体をもつ $(k+1)$ 次元の CW 複体とホモトピー同値になる(FR00 Proposition 1.4, pp. 2–4)。
写像トーラスは 写像トーラス の記事の定義に従い、連続写像 $h\colon Y\to Y$ に対して $T_h:=(Y\times I)/((y,1)\sim(h(y),0))$($I=[0,1]$)とし、点を $[y,t]$ と書く。恒等写像の写像トーラス $T_{\operatorname{id}}$ は $Y\times S^1$ と同相である(同記事の例「基本的な写像トーラス」の 1)。
1:$\Phi\colon T_{g\circ f}\to T_{f\circ g}$、$\Psi\colon T_{f\circ g}\to T_{g\circ f}$ を
$$
\Phi([a,t]):=[f(a),t],\qquad\Psi([b,t]):=[g(b),t]
$$
で定める。$\Phi$ は同一視と両立する:$(a,1)$ の像 $[f(a),1]=[fgf(a),0]$ は $(gf(a),0)$ の像 $[f(gf(a)),0]$ に等しい。$\Psi$ も同様である。どちらも商空間の普遍性により連続である。合成は $\Psi\Phi([a,t])=[gf(a),t]$、$\Phi\Psi([b,t])=[fg(b),t]$ である。
一般に $h\colon Y\to Y$ について、$\theta_u\colon T_h\to T_h$($u\in I$)を
$$
\theta_u([y,t]):=\begin{cases}[y,t+u]&(t+u\le1),\\ [h(y),t+u-1]&(t+u\ge1)\end{cases}
$$
で定めると、$t+u=1$ で両式は $[y,1]=[h(y),0]$ で一致し、$(y,1)$ と $(h(y),0)$ の像はともに $[h(y),u]$ なので同一視と両立する。$Y\times I\times I$ 上の連続写像から誘導され、$I$ は局所コンパクトなので商写像と $I$ の積は商写像であり(Hat02 Proposition A.17, p. 532)、$\theta$ は $T_h\times I$ 上で連続である。$\theta_0=\operatorname{id}$、$\theta_1([y,t])=[h(y),t]$ である。$h=g\circ f$ と $h=f\circ g$ に使えば $\Psi\Phi\simeq\operatorname{id}$、$\Phi\Psi\simeq\operatorname{id}$ を得る。
2:$T_h$ は、$Y$ に $Y\times I$ を $\varphi_h\colon Y\times\partial I\to Y$、$\varphi_h(y,0)=y$、$\varphi_h(y,1)=h(y)$ で貼り付けた空間 $Y\sqcup_{\varphi_h}(Y\times I)$ と同相である($[y,t]$ と柱の点 $(y,t)$ を対応させる写像が両方向に普遍性で連続に定まる)。$h_0\simeq h_1$ なら $\varphi_{h_0}\simeq\varphi_{h_1}$ である。$I\times I$ は $I\times\{0\}\cup\partial I\times I$ に変位レトラクトするので、$(Y\times I)\times I$ は $(Y\times I)\times\{0\}\cup(Y\times\partial I)\times I$ に変位レトラクトする。このような対については、ホモトピックな貼り付け写像で貼った空間はホモトピー同値である(Hat02 Proposition 0.18, p. 16。その証明がこの条件を満たす対に通用することは同書 p. 528 に注意されている)。$\square$
位相空間 $X$ について、$X$ が有限支配であることと、$X\times S^1$ がある有限 CW 複体とホモトピー同値であることは同値である。
(⇒)$s\colon X\to K$、$d\colon K\to X$ を $d\circ s\simeq\operatorname{id}_X$、$K$ を有限 CW 複体とする。lem-fd-torus により
$$
X\times S^1\cong T_{\operatorname{id}_X}\simeq T_{d\circ s}\simeq T_{s\circ d}
$$
である(2 つ目は 2、3 つ目は 1 を $f=s$、$g=d$ として使う)。胞体近似定理により $s\circ d\colon K\to K$ は胞体写像 $c$ にホモトピックなので、2 により $T_{s\circ d}\simeq T_c$ である。$T_c$ は $K$ の胞体 $e$ と $e\times(0,1)$ を胞体とする有限 CW 複体である。
$T_c$ は $K$ に有限 CW 複体 $K\times I$ を部分複体 $K\times\partial I$ に沿って $\varphi_c$ で貼った空間で、$\varphi_c$ は胞体写像である($c$ と恒等写像が胞体写像なので)。$n$ 骨格を $K^n\times\{0\}\cup K^{n-1}\times I$ の像とすると、$n$ 胞体 $e\times(0,1)$($e$ は $K$ の $(n-1)$ 胞体)の境界は $K^{n-1}\times\partial I\cup K^{n-2}\times I$ の像に入り、$c(K^{n-1})\subset K^{n-1}$ なので $n-1$ 骨格に入る。胞体は有限個で、$T_c$ はコンパクト Hausdorff(写像トーラスの命題「写像トーラスの位相」)なので、位相の条件も満たされる。
この定理は Mather による(FR00 Proposition 1.5, p. 4)。有限支配空間の有限性の問題は、円周を掛けると消える。後で述べる Wall の障害の言葉では、積公式により $\sigma(X\times S^1)=0$ となることにあたる。
$X$ が単連結(とくに弧状連結)な有限支配空間なら、$X$ はある有限 CW 複体とホモトピー同値である。
thm-fd-cw-type により $X$ は CW 複体 $Y$ とホモトピー同値であり、$Y$ も単連結で有限支配である。prop-fd-homology により $H_n(Y;\mathbb{Z})$ はすべて有限生成で、ある $k$ より大きい $n$ では $0$ である。有限生成アーベル群の基本定理により各 $H_n(Y)$ を有限個の巡回群の直和に分解し、生成元を指定する。単連結な CW 複体に対する最小胞体構造の定理(Hat02 Proposition 4C.1, p. 429)により、CW 複体 $Z$ と胞体的なホモトピー同値写像 $Z\to Y$ で、$Z$ の胞体が 1 つの 0 胞体と、各巡回直和因子に対する「生成元」の $n$ 胞体と、位数有限の因子に対する「関係」の $(n+1)$ 胞体だけからなるものがある。直和因子は全体で有限個なので $Z$ は有限 CW 複体である。$\square$
基本群が非自明だと、この議論は通用しない。ホモロジー群が有限生成でも、普遍被覆の胞体鎖複体が自由加群で有限に揃うとは限らないからである。その違いを測るのが次の節の障害である。
$\Lambda$ を(単位元をもつ)環とする。有限生成射影 $\Lambda$ 加群(射影加群)の同型類の直和についての Grothendieck群を $K_0(\Lambda)$ と書き、有限生成自由加群の類 $[\Lambda^m]$ が生成する部分群による商を $\tilde K_0(\Lambda)$(被約射影類群)と書く。$\tilde K_0(\Lambda)$ で $[P]=0$ となるのは、ある有限生成自由加群 $F$ について $P\oplus F$ が自由になる(安定自由である)ときである(FR00 Definition 2.2, p. 5)。
$X$ を弧状連結な有限支配 CW 複体とし、$\pi:=\pi_1(X)$、$\tilde X$ を普遍被覆とする。$\pi$ は被覆変換で $\tilde X$ の胞体に作用し、胞体鎖複体 $C_*(\tilde X)$ は群環 $\mathbb{Z}[\pi]$ 上の自由加群の複体になる。
$X$ を弧状連結な有限支配 CW 複体、$\pi=\pi_1(X)$ とする。
この定理は Wall(1965、1966)による(FR00 Theorem 3.1・Definition 3.2, pp. 6–8)。この記事では証明しない。有限支配空間 $X$ については、$X$ とホモトピー同値な CW 複体(thm-fd-cw-type)の障害を $\sigma(X)$ とする。$X$ が有限 CW 複体なら、$P_*=C_*(\tilde X)$ は有限生成自由加群からなるので $\sigma(X)=0$ であり、3 の「⇐」はこのことである。
有限性障害は Euler 標数に似た性質をもつ。有限支配な部分複体 $X_0$ に沿った和 $X=X_1\cup_{X_0}X_2$ については $\sigma(X)=i_{1*}\sigma(X_1)+i_{2*}\sigma(X_2)-i_{0*}\sigma(X_0)$(Siebenmann の和公式)、直積については $[X\times Y]=[X]\otimes[Y]$ から Gersten の積公式が従い、とくに $\sigma(X\times S^1)=0$ である(FR00 p. 9)。
prop-fd-compact-anr により、コンパクトな ANR $X$ には障害 $\sigma(X)$ が定まる。Borsuk はコンパクトな距離化可能 ANR が有限多面体のホモトピー型をもつと予想した。これは J. E. West(1977)が T. A. Chapman の Hilbert 立方体多様体の理論を用いて肯定的に解決した(FR00 §8, pp. 14–15)。したがってコンパクトな ANR の障害はつねに $0$ である。一方、ANR でないコンパクト距離空間には、有限支配だが有限 CW 複体とホモトピー同値でないものがある(FR00 p. 8 が挙げる Ferry の構成)。Hilbert 立方体多様体との関係は Hilbert立方体 の節「Hilbert 立方体多様体」で述べる。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 支配する CW 複体の有限性 | 可算個の円周の一点和 $\bigvee_{n\ge1}S^1$(自分自身に支配される CW 複体) | $H_1\cong\bigoplus_{n\ge1}\mathbb{Z}$ が有限生成でないので、有限支配でない |
| ANR であること(prop-fd-compact-anr) | Cantor集合 $C\subset[0,1]$ | コンパクト距離空間だが、弧状連結成分が非可算個で $H_0(C;\mathbb{Z})$ が有限生成でないので、有限支配でない |
| 単連結性(thm-fd-simply-connected) | ex-fd-k0 の 2 の、基本群 $C_{23}$ の有限支配 CW 複体 $X$ | 有限支配だが、有限 CW 複体とホモトピー同値でない |
| 円周との直積(thm-fd-mather) | 同じ $X$ | $X\times S^1$ は有限 CW 複体とホモトピー同値だが、$X$ 自身はそうでない |
1 行目:$\bigvee_nS^1$ の胞体ホモロジーは、0 胞体 1 つと 1 胞体可算個からなり境界写像が $0$ なので、$H_1$ は可算個の $\mathbb{Z}$ の直和である。有限支配なら prop-fd-homology の 1 により $H_1$ は有限生成のはずである。2 行目:Cantor 集合は完全不連結なので、弧状連結成分は一点であり、$H_0(C)$ は非可算個の $\mathbb{Z}$ の直和である。
定義は FR00 Definition 1.1(p. 1)による。Hat02 Appendix(pp. 528–529)は「支配」を同じ意味で定義し、単連結なら有限支配空間が有限 CW 複体とホモトピー同値になることを Proposition 4C.1 から導けると注意して、一般には反例があることを Wall の論文に委ねている。thm-fd-simply-connected の証明はこの注意を書き下したものである。開いた多様体の端を閉じる問題に現れる Siebenmann の端の障害も、端の近傍の基本群が安定するとき、その基本群 $\pi_1(\epsilon)$ について $\tilde K_0(\mathbb{Z}[\pi_1(\epsilon)])$ に値をとり、端の近傍の有限性障害の順極限として定義される(FR00 Theorem 5.1, p. 11)。
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