Tietzeの拡張定理(Tietze extension theorem)とは、正規性条件を満たす位相空間 $X$ の閉集合 $A$ の上の連続関数 $f\colon A\to[a,b]$ が、値の範囲を保ったまま連続関数 $g\colon X\to[a,b]$ に延長できるという定理である。値が $\mathbb{R}$ や開区間の関数も同じ値域のまま延長でき、成分ごとに延長すれば $\mathbb{R}^n$ や区間の積に値をとる写像も延長できる。証明では Urysohn の補題で誤差を $2/3$ 倍ずつ縮める関数を作り、それらの一様収束する和をとる。$A$ が閉でない場合や値域が円周の場合には延長できないことがある。逆に、この延長の性質は正規性条件と同値である。
前提知識: 正規空間, Urysohnの補題, 一様収束, 連続写像
空間の一部分 $A$ の上でだけ定義された連続関数を、空間全体の連続関数に延ばせるか。実数直線なら、閉集合 $A$ の外側は互いに交わらない開区間の集まりなので、各区間の上で両端の値を直線でつなげば(端が無限の区間では一定の値にすれば)延長が作れる。一般の位相空間には「直線でつなぐ」手段がない。Tietze の拡張定理(Tietze extension theorem)は、正規空間の閉集合の上の連続関数は、実数値でも、閉区間や開区間に値をとるものでも、値の範囲を保ったまま空間全体に延長できることを主張する。
証明の考え方は、延長を一度に作るのではなく、誤差を 3 分の 2 ずつ縮めながら少しずつ作ることである。各段では Urysohnの補題 で「大きい値をとる所と小さい値をとる所を分ける」関数を作り、それを足して誤差を減らす。足し合わせた級数は一様収束するので、極限は連続な延長になる。
位相空間 $X$ の部分集合 $A$ には相対位相を入れる。$A$ 上の関数 $f$ に対し、$X$ 上の関数 $g$ が $f$ の延長(extension)であるとは、$g|_A=f$、すなわちすべての $x\in A$ で $g(x)=f(x)$ となることをいう。$X$ が正規性条件を満たすとは、互いに素な任意の閉集合 $P,Q$ に対して $P\subset U$、$Q\subset V$、$U\cap V=\emptyset$ となる開集合 $U,V$ があることをいう(正規空間)。
位相空間 $X$ が正規性条件を満たすとし、$A\subset X$ を閉集合とする。
$A$ が閉集合であることは外せない。$X=\mathbb{R}$、$A=(0,1]$ 上の連続関数 $f(x)=1/x$ は、$0$ の近くで有界でないので、$\mathbb{R}$ 上の連続関数に延長できない。また 1 と 2 は有界性の有無だけが違い、3 は値域を開区間にしたまま延長できるという主張である。
1 は、延長しても値の範囲が広がらないことを言っている。とくに有界な $f$ は、上限・下限を変えずに延長できる。延長は一般に一つではない($X=\mathbb{R}$、$A=\{0\}$、$f(0)=0$ なら、$g(x)=0$ も $g(x)=x$ も延長である)。
逆に、どの閉集合 $A$ の上のどの連続関数 $f\colon A\to[0,1]$ も延長できる空間は、正規性条件を満たす。互いに素な閉集合 $P,Q$ に対して、$P$ 上で $0$、$Q$ 上で $1$ となる関数は閉集合 $P\cup Q$ の上で連続であり、その延長が $P$ と $Q$ を分離するからである(正規空間の記事の注意「Tietze の拡張定理の証明の所在と注意」、同じ記事の命題「関数による分離は正規性を導く」)。したがって、Tietze の拡張定理の 1 が成り立つことも、正規性条件の言い換えになっている。
$X$ が正規性条件を満たし、$A\subset X$ が閉集合であるとする。$c>0$ と連続関数 $h\colon A\to[-c,c]$ に対し、連続関数 $u\colon X\to[-c/3,c/3]$ であって
$$
\lvert h(x)-u(x)\rvert\le\frac{2c}{3}\qquad(x\in A)
$$
を満たすものが存在する。
$A$ の中で値の大きい所と小さい所を
$$
P:=h^{-1}\bigl([-c,-c/3]\bigr),\qquad Q:=h^{-1}\bigl([c/3,c]\bigr)
$$
とおく。$h$ は連続なので $P,Q$ は $A$ の閉集合であり、$A$ が $X$ の閉集合なので $P,Q$ は $X$ の閉集合でもある($A$ の閉集合は $X$ の閉集合 $C$ によって $A\cap C$ と書けるので)。$h$ の値が $-c/3$ 以下かつ $c/3$ 以上になることはないので $P\cap Q=\emptyset$ である。Urysohnの補題(値域を $[-c/3,c/3]$ に取り替えた形)により、$P$ 上で $-c/3$、$Q$ 上で $c/3$ をとる連続関数 $u\colon X\to[-c/3,c/3]$ がある($P$ や $Q$ が空でも同じ補題が使える)。
$x\in A$ について、3 つの場合に分ける。$x\in P$ なら $h(x)\in[-c,-c/3]$、$u(x)=-c/3$ なので $\lvert h(x)-u(x)\rvert\le2c/3$ である。$x\in Q$ なら同様である。$x\notin P\cup Q$ なら $h(x)\in(-c/3,c/3)$、$u(x)\in[-c/3,c/3]$ なので $\lvert h(x)-u(x)\rvert<2c/3$ である。$\square$
$u$ は $h$ の粗い近似である。$h$ が大きい所では $u$ も大きく、小さい所では $u$ も小さい。誤差 $h-u$ の大きさは、もとの $h$ の大きさ $c$ の $2/3$ 以下になっている。
$a=b$ なら定数関数 $g=a$ でよい。$a< b$ とする。$\ell(t):=2(t-a)/(b-a)-1$ は $[a,b]$ から $[-1,1]$ への同相写像(1 次関数)なので、$\ell\circ f$ を延長して $\ell^{-1}$ を合成すればよい。よって $[a,b]=[-1,1]$ の場合を示せば十分である。
近似の列を作る。$h_0:=f$ とおく。$n\ge0$ について、連続関数 $h_n\colon A\to[-(2/3)^n,(2/3)^n]$ が定まったとする。lem-tietze-step を $c=(2/3)^n$ として $h_n$ に適用し、連続関数
$$
u_n\colon X\to\Bigl[-\frac13\Bigl(\frac23\Bigr)^n,\ \frac13\Bigl(\frac23\Bigr)^n\Bigr],\qquad \lvert h_n-u_n\rvert\le\Bigl(\frac23\Bigr)^{n+1}\ \ (A\text{ 上})
$$
をとり、$h_{n+1}:=h_n-u_n|_A$ とおく。$h_{n+1}$ は $A$ 上で連続で、値は $[-(2/3)^{n+1},(2/3)^{n+1}]$ に入る。帰納法ですべての $n$ について $h_n,u_n$ が定まり、定義を順にたどると
$$
f-\sum_{n=0}^{N}u_n\Big|_A=h_{N+1}\qquad(N\ge0)
$$
である。
級数の和をとる。$\lvert u_n(x)\rvert\le\frac13(\frac23)^n$ で $\sum_n\frac13(\frac23)^n=1$ なので、各 $x\in X$ で級数 $g(x):=\sum_{n=0}^{\infty}u_n(x)$ は絶対収束し、$\lvert g(x)\rvert\le1$ である。部分和 $s_N:=\sum_{n=0}^{N}u_n$ は連続で、すべての $x\in X$ について
$$
\lvert g(x)-s_N(x)\rvert\le\sum_{n>N}\frac13\Bigl(\frac23\Bigr)^n=\Bigl(\frac23\Bigr)^{N+1}
$$
だから、$s_N$ は $g$ に $X$ 上で一様収束する。連続写像の一様極限は連続なので(距離空間の位相の基本的性質の記事の命題「連続写像の一様極限は連続」)、$g\colon X\to[-1,1]$ は連続である。
延長になっていること。$x\in A$ なら、上の等式から $\lvert f(x)-s_N(x)\rvert=\lvert h_{N+1}(x)\rvert\le(2/3)^{N+1}$ であり、$N\to\infty$ として $g(x)=f(x)$ を得る。$\square$
区間 $[-1,1]$ への延長 $G$ は、$A$ の外で値 $\pm1$ をとってしまうかもしれない。そこで、$G=\pm1$ となる所を Urysohn 関数でもう一度押しつぶす。
3 の証明。1 次関数で移せば $(a,b)=(-1,1)$ としてよい。$f\colon A\to(-1,1)\subset[-1,1]$ に定理の 1(prf-tietze-bounded)を適用し、連続な延長 $G\colon X\to[-1,1]$ をとる。
$$
E:=G^{-1}\bigl(\{-1,1\}\bigr)
$$
は閉集合であり、$A$ 上では $G=f$ の値が $(-1,1)$ に入るので $A\cap E=\emptyset$ である。Urysohnの補題により、$E$ 上で $0$、$A$ 上で $1$ となる連続関数 $\varphi\colon X\to[0,1]$ をとり、
$$
g(x):=\varphi(x)\,G(x)\qquad(x\in X)
$$
とおく。$g$ は連続関数の積なので連続である。$x\in E$ なら $\varphi(x)=0$ で $g(x)=0$、$x\notin E$ なら $\lvert G(x)\rvert<1$ かつ $0\le\varphi(x)\le1$ なので $\lvert g(x)\rvert<1$ である。よって $g$ の値は $(-1,1)$ に入る。$x\in A$ なら $\varphi(x)=1$ なので $g(x)=G(x)=f(x)$ である。
2 の証明。$\psi(t):=t/(1+\lvert t\rvert)$ は $\mathbb{R}$ から $(-1,1)$ への同相写像で、逆写像は $\psi^{-1}(s)=s/(1-\lvert s\rvert)$ である(どちらも連続で、互いに逆であることは $t\ge0$ と $t<0$ に分けて直接確かめられる)。$\psi\circ f\colon A\to(-1,1)$ に 3 を適用して延長 $\tilde g\colon X\to(-1,1)$ をとり、$g:=\psi^{-1}\circ\tilde g$ とおけば、$g$ は連続で $A$ 上で $\psi^{-1}\circ\psi\circ f=f$ である。$\square$
値が $\mathbb{R}^n$ の写像は、成分ごとに延長すればよい。同じことが、区間を任意個並べた積についても言える。
$X$ が正規性条件を満たし、$A\subset X$ が閉集合であるとする。集合 $J$ の各元 $j$ に、$[a_j,b_j]$、$(a_j,b_j)$、$\mathbb{R}$ のいずれかの形の区間 $I_j$ が与えられているとし、$Y:=\prod_{j\in J}I_j$ に直積位相を入れる。このとき、連続写像 $f\colon A\to Y$ は連続写像 $g\colon X\to Y$ に延長できる。とくに値が $\mathbb{R}^n$、立方体 $[0,1]^n$、可算個の閉区間の積 $[0,1]^{\mathbb{N}}$ である連続写像は延長できる。
$\pi_j\colon Y\to I_j$ を第 $j$ 成分への射影とする。$\pi_j\circ f\colon A\to I_j$ は連続なので、thm-tietze-main により連続な延長 $g_j\colon X\to I_j$ がある($J$ が無限なら、$j$ ごとに 1 つ選ぶところで選択公理を使う)。$g(x):=(g_j(x))_{j\in J}$ とおくと、各成分 $\pi_j\circ g=g_j$ が連続なので、直積位相の普遍性(直積位相の記事の定理「直積位相の普遍性」)により $g\colon X\to Y$ は連続であり、$A$ 上で各成分が $\pi_j\circ f$ に一致するので $g|_A=f$ である。$\square$
値域がこのような積のレトラクト(部分空間 $Z\subset Y$ で、$Z$ の各点を動かさない連続写像 $\rho\colon Y\to Z$ があるもの)であっても延長できる。$f\colon A\to Z$ を $Y$ への写像とみて延長 $g$ をとり、$\rho\circ g$ を考えればよい。
$D^2:=\{v\in\mathbb{R}^2\mid\|v\|\le1\}$ を閉円板とする($\|\cdot\|$ は Euclid ノルム)。$\rho(v):=v/\max\{1,\|v\|\}$ は、分母が $1$ 以上の連続関数なので連続で、$D^2$ の点を動かさず、$[-1,1]^2$ を $D^2$ に写す。よって $D^2$ は $[-1,1]^2$ のレトラクトであり、正規空間の閉集合 $A$ 上の連続写像 $f\colon A\to D^2$ は、$X$ から $D^2$ への連続写像に延長できる。高次元の閉球 $D^n$ も同じである。一方、境界の円周 $S^1$ に値をとる写像については、延長できないことがある(ex-tietze-circle)。
$X=\mathbb{R}$、$A:=\{0\}\cup\{1/n\mid n\ge1\}$ とする。$A$ は閉集合である($A$ の外の点 $x$ は、$x<0$、$x>1$、ある $n$ で $1/(n+1)< x<1/n$ のいずれかで、それぞれ $A$ と交わらない開区間に含まれる)。$A$ 上の関数 $f$ が連続であることは、$f(1/n)\to f(0)$ と同値である($A$ の点 $1/n$ は $A$ の中で孤立しているので)。この場合、延長は具体的に書ける。$g$ を、$x\le0$ では $f(0)$、$x\ge1$ では $f(1)$、各区間 $[1/(n+1),1/n]$ の上では両端の値 $f(1/(n+1))$、$f(1/n)$ を結ぶ 1 次関数と定める。$g$ は $x\ne0$ の各点の近くでは連続な 1 次関数をつないだものなので連続である。$x=0$ での連続性は、区間 $[1/(n+1),1/n]$ の上で $g$ の値が $f(1/(n+1))$ と $f(1/n)$ の間にあり、これらが $n\to\infty$ で $f(0)$ に近づくことから従う。値の範囲も広がらない。
たとえば $f(1/n)=(-1)^n/n$、$f(0)=0$ ならこの $g$ はジグザグの折れ線になる。一方 $f(1/n)=(-1)^n$ は $f(1/n)\to f(0)$ を満たさないので $A$ 上で連続でなく、定理の対象外である。
距離空間は正規空間なので(正規空間の記事の定理「距離空間は正規」)、定理がそのまま使える。Tietze はこの場合を最初に扱った。Tie15 は、$\mathbb{R}^n$ の部分集合 $M$ 上の有界関数で閉部分集合 $T$ の各点で連続なものに対し、$T$ 上で一致し $M$ 全体で連続な関数を構成し(Satz 1、p. 10)、同じ主張を Fréchet の「クラス $E$」(距離の入った集合)へ拡げたうえで(§2、pp. 11–13)、距離空間の閉集合上の有界連続関数が全体の連続関数に延長できることを述べている(Satz 3、p. 14)。Tietze の構成は、点 $x$ と $A$ の距離 $d(x,A)$ を使った明示的な式による。本記事の証明は距離を使わず、Urysohn の補題だけで進む。
cor-tietze-product により、距離化可能空間 $Y$ の閉集合 $A$ 上の連続写像 $f\colon A\to\mathbb{R}^n$ は $Y$ 全体に延長できる。このことは、$\mathbb{R}^n$ が絶対レトラクトであることの証明に使われている(絶対近傍レトラクトの記事の命題「Euclid空間は絶対レトラクト」)。定義域が距離化可能なら、値域を局所凸な実位相ベクトル空間の空でない凸集合に広げても延長できる(絶対近傍レトラクトの記事の定理「Dugundjiの拡張定理」)。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| $A$ が閉集合 | $X=[0,1]$、$A=(0,1]$、$f(x)=\sin(1/x)$ | 有界な連続関数 $f$ が $[0,1]$ 上の連続関数に延長できる |
| 正規性条件 | 無限集合上の補有限位相、$A=\{a,b\}$ | $f(a)=0$、$f(b)=1$ で定まる $f$ が $X$ 上の連続関数に延長できる |
| 値域が区間の積(のレトラクト) | $X=D^2$、$A=S^1$、$f=\mathrm{id}_{S^1}$ | $f$ が $D^2$ から $S^1$ への連続写像に延長できる |
$X=[0,1]$、$A=(0,1]$、$f(x)=\sin(1/x)$ とする。$f$ は $A$ 上で連続で、値は $[-1,1]$ に入る。連続な延長 $g\colon[0,1]\to\mathbb{R}$ があったとすると、$0$ に収束する任意の数列 $x_n\in A$ について $g(0)=\lim g(x_n)=\lim f(x_n)$ となる。ところが $x_n=1/(\pi/2+2\pi n)$ では $f(x_n)=1$、$y_n=1/(3\pi/2+2\pi n)$ では $f(y_n)=-1$ であり、極限が一致しない。$A$ は閉でない($0\in\overline{A}\setminus A$)ので、定理の仮定を満たさない。この例は Bass24 Theorem 20.35 の直後にある。値が有界でない例としては $f(x)=1/x$ もある(正規空間の記事の注意「Tietze の拡張定理の証明の所在と注意」)。
$X$ を無限集合とし、補有限位相を入れる。異なる 2 点 $a,b$ に対し $A:=\{a,b\}$ は有限集合なので閉である。$A$ の相対位相では $\{a\}=A\cap(X\setminus\{b\})$ と $\{b\}$ が開なので、$A$ は離散空間であり、$f(a)=0$、$f(b)=1$ で定まる $f\colon A\to[0,1]$ は連続である。しかし $X$ 上の連続な実数値関数は定数だけなので(Urysohnの補題の記事の例「反例:補有限位相」)、$f$ の延長はない。$X$ は $T_1$ だが正規性条件を満たさない。
$X=D^2$(閉円板、コンパクト Hausdorff なので正規)、$A=S^1:=\{v\mid\|v\|=1\}$(閉集合)、$f=\mathrm{id}_{S^1}\colon S^1\to S^1$ とする。$f$ が連続写像 $r\colon D^2\to S^1$ に延長できたとする。すなわち $r$ は連続で、$v\in S^1$ なら $r(v)=v$ である。$F(v):=-r(v)$ とおくと、$F$ は $D^2$ から $S^1\subset D^2$ への連続写像なので、Brouwerの不動点定理の記事の定理「2次元のBrouwerの不動点定理」により不動点 $v=F(v)$ をもつ。このとき $v=-r(v)\in S^1$ なので $r(v)=v$ であり、$v=-v$、すなわち $v=0$ となるが、これは $\|v\|=1$ に反する。よって延長はない。
$S^1$ は $\mathbb{R}^2$ の閉集合で、成分ごとに見れば $f$ の 2 つの座標関数 $D^2\supset S^1\to[-1,1]$ はそれぞれ延長できる。しかし延長を並べた写像の値は $S^1$ からはみ出し、$S^1$ に戻す連続な方法がない。定理の値域を区間(やその積のレトラクト)に限る意味はここにある。ただし定義域が距離化可能なら、$S^1$ に値をとる写像は、$A$ を含むある開集合までは延長できる($S^1$ は位相多様体なので絶対近傍レトラクトであり、絶対近傍レトラクトは絶対近傍拡張子である。絶対近傍レトラクトの記事の例「多様体と局所有限CW複体」と命題「レトラクトと拡張子の一致」)。
延長の問題は、Tietze が証明を伝えた H. Hahn から指摘された問い(閉集合上の連続関数を全体の連続関数に補えるか)として Tie15 の序文(p. 9)に現れ、Tietze は距離空間の場合にこれを肯定的に解いた(ex-tietze-metric)。正規性条件だけを仮定する形は、Urysohnの補題を使うと得られる。本記事の証明(3 分の 1 ずつの近似と一様収束)は Bass24 Theorem 20.35 と同じ筋である。
prf-tietze-bounded では、各段で Urysohnの補題 により関数 $u_n$ を 1 つ選び、次の段の $h_{n+1}$ はその選び方に依存する。この再帰は従属選択公理を使う(Urysohn の補題の証明自身も従属選択を使う)。距離空間では Urysohn 関数が距離の式で与えられるので(Urysohnの補題の記事の例「距離空間での公式」)、選択なしに延長が作れる。
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