一般化されたSchoenfliesの定理(generalized Schoenflies theorem)とは、$n\ge2$ のとき、$S^n$ の中の $S^{n-1}$ と同相な部分集合 $\Sigma$ が局所平坦なら、$\Sigma$ から赤道への任意の同相写像が $S^n$ 全体の同相写像に延びるという定理である。とくに $S^n\setminus\Sigma$ の 2 つの成分の閉包はどちらも閉球体 $D^n$ と同相になる。Brown の証明は、局所平坦な球面の両側カラーの内側にある 2 つの芯を極に潰す写像から、各芯が入れ子の閉球体の共通部分であることを導き、芯だけを 1 点に縮める写像で各側を閉球体と同一視する。局所平坦の仮定は外せず、Alexander の角付き球面では片側の閉包が閉球体にならない。
前提知識: n次元球面, Jordan曲線定理, 領域不変性, 境界付き多様体, 商空間(位相)
一般化されたSchoenfliesの定理(generalized Schoenflies theorem)は、$n\ge2$ のとき、$n$ 次元球面 $S^n$ の中の $S^{n-1}$ と同相な部分集合 $\Sigma$ が局所平坦(各点の近くで超平面のように埋め込まれていること)なら、$S^n$ の同相写像で $\Sigma$ を赤道に移せる、という定理である。とくに $S^n\setminus\Sigma$ の 2 つの成分の閉包は、どちらも閉球体 $D^n$ と同相になる。Mazur は埋め込みに追加の条件を課して同じ結論を示し、Brown がその条件を外した(Brn60 p. 74 の序文)。Brown–Mazurの定理とも呼ばれる。
Jordan曲線定理 の定理「Jordan–Brouwerの分離定理」が教えるのは、$S^n\setminus\Sigma$ がちょうど 2 つの成分をもち、各成分のホモロジーが一点と同じことまでである。実際、$S^3$ の中の Alexander の角付き球面では、片側の成分が単連結でなく、その閉包は閉球体でない(gs-ex-horned)。局所平坦の仮定はこの種の埋め込みを除き、そのもとで結論はすべての次元で成り立つ。$n=2$ では局所平坦の仮定なしに同じ結論が成り立ち、これが Schoenfliesの定理 である。
証明は Brown による。まず、局所平坦な球面は両側に積の形の近傍(両側カラー)をもつ。次に、その近傍の内側に残る 2 つの「芯」をそれぞれ 1 点に潰す写像 $S^n\to S^n$ を作る。この写像から各芯が入れ子の閉球体の共通部分(胞体的集合)であることを導き、芯を 1 点へ縮めて各側が閉球体であることを示す。引用する定理は Jordan–Brouwer の分離定理・領域不変性・カラーの存在の 3 つである。
以下、$S^n=\{x\in\mathbb{R}^{n+1}\mid\lvert x\rvert=1\}$ には $\mathbb{R}^{n+1}$ の距離を入れ、$D^n$ は閉単位球体、$\operatorname{int}D^n$ は開単位球体とする。$S^n$ の赤道 $E=S^n\cap(\mathbb{R}^n\times\{0\})$ を $S^{n-1}$ と同一視し、北極 $a=(0,\dots,0,1)$、南極 $b=-a$、閉半球 $D_\pm=\{x\in S^n\mid\pm x_{n+1}\ge0\}$ とおく。
$n\ge1$ とし、$\Sigma\subset S^n$ を $S^{n-1}$ と同相な部分集合とする。$\Sigma$ が局所平坦(locally flat)であるとは、各点 $x\in\Sigma$ に、$x$ を含む $S^n$ の開集合 $U$ と同相写像 $\varphi\colon U\to\mathbb{R}^n$ で $\varphi(U\cap\Sigma)=\mathbb{R}^{n-1}\times\{0\}$ を満たすものが存在することをいう。
$\Sigma\subset S^n$ を $S^{n-1}$ と同相な部分集合とする。$\Sigma$ の両側カラー(bicollar)とは、埋め込み $c\colon\Sigma\times[-1,1]\to S^n$ で、すべての $x\in\Sigma$ について $c(x,0)=x$ を満たし、$c(\Sigma\times(-1,1))$ が $S^n$ の開集合であるものをいう。
$S^n$ の部分集合 $B$ が閉 $n$ 胞体であるとは、埋め込み $\psi\colon D^n\to S^n$ で $\psi(D^n)=B$ となるものがあることをいう。$\mathring B:=\psi(\operatorname{int}D^n)$ は、領域不変性 の補題「閉球体の内部の像は開集合」($B$ の外の 1 点からの立体射影で $\mathbb{R}^n$ に移して当てる)により $S^n$ の開集合である。境界の点 $\psi(z)$($\lvert z\rvert=1$)が $B$ の内部にあれば、その点の近くで $\psi^{-1}$ に同じ補題を当てて $z$ の近傍が $D^n$ に含まれることになり矛盾するので、$\mathring B$ は $B$ の $S^n$ での内部に一致する。とくに $\mathring B$ と $\partial B:=B\setminus\mathring B=\psi(S^{n-1})$ は $\psi$ の選び方によらない。
$S^n$ のコンパクトな部分集合 $X$ が胞体的(cellular)であるとは、閉 $n$ 胞体の列 $B_1,B_2,\dots$ で、すべての $i$ について $B_{i+1}\subset\mathring B_i$ を満たし、$\bigcap_iB_i=X$ となるものが存在することをいう。
1 点は胞体的である。$X$ が胞体的で $O\supset X$ が開集合なら、コンパクト集合の減少列 $B_i\setminus O$ の共通部分が空なので、十分大きい $i$ で $B_i\subset O$ となる。番号をずらせば $B_1\subset O$ としてよい。
写像 $F\colon Y\to Z$ と $z\in Z$ について、$F^{-1}(z)$ が 2 点以上を含むとき、これを $F$ の非自明なファイバーと呼ぶ。
$n\ge2$ とし、$\Sigma\subset S^n$ を $S^{n-1}$ と同相な局所平坦な部分集合とする。このとき次が成り立つ。
証明は次の節から順に準備し、節「主定理の証明」の gs-prf-main で行う。局所平坦の仮定は、両側カラーの存在(gs-prop-bicollar)を通してだけ使う。Brown の原論文(Brn60 Theorem 5, p. 76)は、両側カラーをもつ $\Sigma$ について、両側の閉包が胞体であることを述べている。
$\Sigma\subset S^n$ が $S^{n-1}$ からのなめらかな埋め込みの像(余次元 $1$ のなめらかな部分多様体)なら、部分多様体の座標近傍で $\Sigma$ は局所的に $\mathbb{R}^{n-1}\times\{0\}$ と書けるので、局所平坦である。たとえば $\mathbb{R}^n$ の中のなめらかな閉曲面 $\Sigma\cong S^{n-1}$ を、無限遠点を足した $S^n=\mathbb{R}^n\cup\{\infty\}$ の中で見ると、gs-thm-main により、$\Sigma$ が囲む有界な領域の閉包は $D^n$ と同相である。得られる同相写像はなめらかとは限らない。
$n=3$ で、局所平坦の仮定を外すと結論 (2)・(3) は成り立たない。Alexander の角付き球面 $\Sigma\subset\mathbb{R}^3\subset S^3$ は $S^2$ と同相で、$S^3\setminus\Sigma$ の成分の一方 $U$ は単連結でない(Alexanderの角付き球面 の定理「外側の基本群」は $\mathbb{R}^3$ の中の外側について述べるが、$U$ はそれに無限遠点を足したもので、3 次元の多様体から 1 点を除いても基本群は変わらない)。一方 $\operatorname{int}D^3$ は単連結である。もし同相写像 $\theta\colon\overline U\to D^3$ があれば、$\overline U$ の点のうち $\overline U$ の中に $\mathbb{R}^3$ と同相な近傍をもつ点の全体は、$\theta$ で $\operatorname{int}D^3$ に写る(境界の点がそのような近傍をもたないことは 領域不変性 による)。$U$ の点はそのような近傍をもち、$\Sigma$ の点はもたない(もてば領域不変性によりその近傍は $S^3$ の開集合になり、点が他方の成分の閉包に入ることに反する)。よって $U\cong\operatorname{int}D^3$ となって矛盾する。とくに $\Sigma$ は局所平坦でない。
$n=1$ では $\Sigma$ は $S^1$ の 2 点で、補集合は 2 つの開いた弧、その閉包は閉区間と同相であり、2 点から $S^0=\{\pm1\}$ への任意の全単射は各弧の上の同相写像を貼って $S^1$ の同相写像に延びる。したがって結論 (1)–(3) は $n=1$ でも成り立つ。$n=2$ では、$S^2$ の中の Jordan 曲線は局所平坦性を仮定しなくても (1)–(3) を満たす(Schoenfliesの定理)。よって局所平坦の仮定が効くのは $n\ge3$ のときである。
| 次元 | $\Sigma\cong S^{n-1}$ への仮定 | 両側の閉包は $D^n$ と同相か |
|---|---|---|
| $n=1$ | なし | 同相(gs-rem-low) |
| $n=2$ | なし | 同相(Schoenfliesの定理) |
| $n\ge2$ | 局所平坦、または両側カラーをもつ | 同相(gs-thm-main) |
| $n=3$ | なし | 同相でないことがある(gs-ex-horned) |
$n\ge2$ とし、$\Sigma\subset S^n$ を $S^{n-1}$ と同相な部分集合とする。$\Sigma$ が局所平坦であることと、$\Sigma$ が両側カラーをもつことは同値である。さらに $c$ が両側カラーなら、$S^n\setminus\Sigma$ の 2 つの成分 $U_\pm$ の名前を適当に付けると $c(\Sigma\times(0,1])\subset U_+$、$c(\Sigma\times[-1,0))\subset U_-$ となる。
要点:両側の閉包が境界 $\Sigma$ のコンパクトな境界付き多様体であることを局所平坦な座標で確かめ、コンパクトな境界がもつカラー(Hat02 Proposition 3.42, p. 253)を両側から貼り合わせる。
両側カラー $c$ があれば局所平坦である:$x\in\Sigma$ の $\Sigma$ での近傍 $V$ で $\mathbb{R}^{n-1}$ と同相なもの($\Sigma\cong S^{n-1}$ から)をとると、$c(V\times(-1,1))$ は $c(\Sigma\times(-1,1))$ の開集合なので $S^n$ の開集合で、$\mathbb{R}^{n-1}\times(-1,1)\cong\mathbb{R}^n$ と同相であり、$\Sigma$ との共通部分は $c(V\times\{0\})$、つまり $\mathbb{R}^{n-1}\times\{0\}$ に対応する。
逆を示す。Jordan–Brouwer の分離定理(Jordan曲線定理、Hat02 Proposition 2B.1, p. 169)により、$S^n\setminus\Sigma$ はちょうど 2 つの成分 $U_1,U_2$ をもち、どちらも開集合で、$\Sigma$ はどちらの境界にも一致する。$x\in\Sigma$ と gs-def-flat の $\varphi\colon U\to\mathbb{R}^n$ をとると、$U\setminus\Sigma$ は 2 つの開いた半空間の逆像 $\varphi^{-1}(H_+)$、$\varphi^{-1}(H_-)$ の和で、それぞれ連結なのでどちらかの成分に入る。両方が同じ $U_i$ に入ると、他方の成分 $U_j$ は $U$ と交わらず、$x$ が $U_j$ の境界にあることに反する。よって $U\cap U_i$ はちょうど一方の半空間の逆像で、$U\cap\overline{U_i}$ はその閉半空間の逆像である。したがって $C_i:=\overline{U_i}=U_i\cup\Sigma$ はコンパクトな $n$ 次元の境界付き多様体で、境界は $\Sigma$ である。
Hat02 Proposition 3.42 により、$C_i$ の開集合 $N_i\supset\Sigma$ と同相写像 $d_i\colon\Sigma\times[0,1)\to N_i$ で $d_i(\Sigma\times\{0\})=\Sigma$ となるものがある。$d_i(\cdot,0)$ は $\Sigma$ の同相写像なので、その逆を第 1 成分に合成して $d_i(x,0)=x$ としてよい。$c(x,t):=d_1(x,t/2)$($t\ge0$)、$c(x,t):=d_2(x,-t/2)$($t\le0$)とおく。2 つの閉集合 $\Sigma\times[0,1]$、$\Sigma\times[-1,0]$ の上で連続で $t=0$ で一致するので $c$ は連続であり、$t>0$ の像は $U_1$、$t<0$ の像は $U_2$ に入るので単射である。コンパクト空間から Hausdorff 空間への連続な単射なので $c$ は埋め込みである。
$N:=c(\Sigma\times(-1,1))=d_1(\Sigma\times[0,\tfrac12))\cup d_2(\Sigma\times[0,\tfrac12))$ が開集合であることを示す。$d_i(\Sigma\times[0,\tfrac12))$ は $C_i$ の開集合なので、$S^n$ の開集合 $O_i$ で $d_i(\Sigma\times[0,\tfrac12))=C_i\cap O_i$ となるものがある。$\Sigma$ の点は $O_1\cap O_2$ に入り、$O_1\cap O_2\subset(C_1\cap O_1)\cup(C_2\cap O_2)=N$ である($S^n=C_1\cup C_2$)。$\Sigma$ の外の点は、$U_i$ の開集合 $d_i(\Sigma\times(0,\tfrac12))$ の中にある。よって $N$ は開集合で、$c$ は両側カラーである。
最後の主張:任意の両側カラー $c$ について、$c(\Sigma\times(0,1])$ は連結で $\Sigma$ と交わらないので一方の成分に入り、$c(\Sigma\times[-1,0))$ も同様である。両方が同じ成分に入ると、他方の成分は開集合 $c(\Sigma\times(-1,1))$ と交わらず、$\Sigma$ がその境界であることに反する。
この節の補題は、胞体的集合が「周りを動かさずに 1 点へ縮められる」集合であることを述べる。以下の構成は Brn60 Theorems 0–4(pp. 74–76)に沿う。
$B\subset S^n$ を閉 $n$ 胞体、$L\subset\mathring B$ をコンパクト集合、$\varepsilon>0$ とする。$S^n$ の同相写像 $\sigma$ で、$S^n\setminus\mathring B$ 上で恒等写像、$\sigma(B)=B$、かつ $\operatorname{diam}\sigma(L)<\varepsilon$ を満たすものがある。
要点:$B$ を $D^n$ と見て、境界を止めたまま半径方向に縮める。
$\psi\colon D^n\to B$ を同相写像とする。$\psi^{-1}(L)$ は $\operatorname{int}D^n$ のコンパクト集合なので、ある $0< r<1$ で $\lvert\psi^{-1}(L)\rvert\le r$ となる。$0< t< r$ について、$z\in S^{n-1}$ に対し $\rho_t(sz):=(t/r)s\,z$($0\le s\le r$)、$\rho_t(sz):=\bigl(t+(1-t)(s-r)/(1-r)\bigr)z$($r\le s\le1$)とおくと、半径を単調に写すので $\rho_t$ は $D^n$ の同相写像で、$S^{n-1}$ 上で恒等写像、$\rho_t(rD^n)=tD^n$ である。$\sigma_t:=\psi\rho_t\psi^{-1}$ を $B$ 上で、恒等写像を $S^n\setminus\mathring B$ 上で考えると、2 つの閉集合の共通部分 $\partial B$ で一致するので $S^n$ の連続な全単射を貼り合わせて得る。コンパクト空間から Hausdorff 空間への連続な全単射なので同相写像である。$\sigma_t(L)\subset\psi(tD^n)$ で、$\psi$ は一様連続だから $t\to0$ で $\operatorname{diam}\psi(tD^n)\to0$ となる。小さい $t$ をとればよい。
$X\subset S^n$ を胞体的とし、$B_1\supset B_2\supset\cdots$ を gs-def-cellular の閉 $n$ 胞体の列とする。連続な全射 $G\colon S^n\to S^n$ で、$S^n\setminus\mathring B_1$ 上で恒等写像、$G(B_1)=B_1$、$G(X)$ は 1 点、$G$ は $S^n\setminus X$ 上で単射で $G(S^n\setminus X)\not\ni G(X)$ を満たすものがある。とくに $S^n/X$ は $S^n$ と同相である。
要点:gs-lem-shrink を $B_1,B_2,\dots$ に順に当てて、$h_k(B_{k+1})$ の直径が $1/k$ 未満になる同相写像 $h_k$ を作る。$h_k$ は一様収束し、極限 $G$ は $X$ を 1 点に潰し、$X$ の外では十分先の $h_k$ に一致する。
同相写像の列 $h_0=\mathrm{id},h_1,h_2,\dots$ を帰納的に作る。$h_{k-1}$ ができたとき、閉 $n$ 胞体 $h_{k-1}(B_k)$ の内部にあるコンパクト集合 $h_{k-1}(B_{k+1})$ に gs-lem-shrink を当てて、$h_{k-1}(\mathring B_k)$ の外で恒等写像、$h_{k-1}(B_k)$ を保ち、$\operatorname{diam}\sigma_k\bigl(h_{k-1}(B_{k+1})\bigr)<1/k$ となる $\sigma_k$ をとり、$h_k:=\sigma_kh_{k-1}$ とおく。すると $h_k$ は $\mathring B_k$ の外で $h_{k-1}$ に一致し、$\operatorname{diam}h_k(B_{k+1})<1/k$ である。
$l\ge k$ について、$h_l$ は $\mathring B_{k+1}$ の外で $h_k$ に一致し、$h_l(B_{k+1})=h_k(B_{k+1})$ である。
$j\ge k+1$ のとき $\sigma_j$ は $h_{j-1}(B_j)$ を保ちその外で恒等写像なので、$h_{j-1}(B_j)$ を含む集合 $h_{j-1}(B_{k+1})$ を保つ。また $h_j$ は $\mathring B_j\subset\mathring B_{k+1}$ の外で $h_{j-1}$ に一致する。$j=k+1,\dots,l$ について順に使えばよい。
したがってすべての点 $x$ で($\mathring B_{k+1}$ の外では両者が一致し、$B_{k+1}$ の点では両者とも $h_k(B_{k+1})$ に入るので)$\lvert h_l(x)-h_k(x)\rvert\le\operatorname{diam}h_k(B_{k+1})<1/k$ となり、$h_k$ は一様収束する。極限 $G$ は連続で、$\mathring B_1$ の外で恒等写像である。各 $h_k$ は $B_1$ を保つので $G(B_1)\subset B_1$ であり、$B_1$ 上の全射 $h_k|_{B_1}$ の一様極限なので $G(B_1)=B_1$ である($y\in B_1$ について $h_k(x_k)=y$ となる $x_k$ の収束部分列の極限 $x$ が $G(x)=y$ を満たす)。したがって $G$ は全射である。
$x\notin X$ なら、ある $k$ で $x\notin B_{k+1}$ となり、$l\ge k$ で $h_l(x)=h_k(x)$ だから $G(x)=h_k(x)$ である。$x\in X$ なら、$l\ge k$ で $h_l(x)\in h_k(B_{k+1})$ なので $G(x)\in h_k(B_{k+1})$ である。集合 $h_k(B_{k+1})$ は $k$ について減少し($h_{k+1}(B_{k+2})\subset h_{k+1}(B_{k+1})=h_k(B_{k+1})$)、直径が $0$ に近づくので、共通部分はただ 1 点 $m$ で、$G(X)=\{m\}$ である。$x,y\notin X$ が異なれば、両方が $B_{k+1}$ の外にある $k$ をとると $G(x)=h_k(x)\ne h_k(y)=G(y)$ である。$x\notin B_{k+1}$ なら $G(x)=h_k(x)\notin h_k(B_{k+1})\ni m$ である。
最後に、$G$ は商空間 $S^n/X$ から $S^n$ への連続な全単射を引き起こす(商空間(位相))。$S^n/X$ はコンパクト、$S^n$ は Hausdorff なので、これは同相写像である。
$n\ge1$ のとき、赤道 $E\subset S^n$ は胞体的でない。$S^n/E$ は、2 つの閉半球 $D_\pm\cong D^n$ のそれぞれの境界を 1 点に潰して 1 点で貼り合わせたものなので、2 つの $n$ 次元球面の 1 点和 $S^n\vee S^n$ と同相である。その $n$ 次元ホモロジーは $\mathbb{Z}^2$ で(Hat02 Corollary 2.25, p. 126)、$H_n(S^n)\cong\mathbb{Z}$ と異なるから、$S^n/E\not\cong S^n$ であり、gs-lem-collapse より $E$ は胞体的でない。補題の結論「$S^n/X\cong S^n$」は、仮定「$X$ は胞体的」を外すと成り立たない。主定理の証明で $\Sigma$ そのものではなく、両側カラーの内側の「芯」を潰すのはこのためである。
$K\subset S^n$ をコンパクト集合、$z\in S^n\setminus K$、$p\in S^n\setminus\{z\}$、$W$ を $p$ の開近傍とする。$S^n$ の同相写像 $h$ と $p$ の開近傍 $V\subset W$ で、$h$ は $V$ 上で恒等写像、$h(p)=p$、$h(K)\subset W$ を満たすものがある。
要点:$z$ からの立体射影で $S^n\setminus\{z\}$ を $\mathbb{R}^n$ と見て、$p$ の近くを止めたまま $K$ を半径方向に縮める。
$z$ からの立体射影に平行移動を合成し、同相写像 $s\colon S^n\setminus\{z\}\to\mathbb{R}^n$ で $s(p)=0$ となるものをとる。$s(K)$ は有界なので、ある $R$ で $s(K)$ は開球体 $\{\lvert y\rvert< R\}$ に入る。$0< r< R$ を $s^{-1}(\{\lvert y\rvert< r\})\subset W$ となるようにとる。狭義単調増加な全単射 $\lambda\colon[0,\infty)\to[0,\infty)$ を、$[0,r/3]$ 上で $\lambda(t)=t$、$[r/3,R]$ 上で $r/3$ から $2r/3$ への 1 次関数、$[R,\infty)$ 上で $\lambda(t)=t-R+2r/3$ と定め、$\rho(y):=\lambda(\lvert y\rvert)\,y/\lvert y\rvert$($\rho(0)=0$)とおくと、$\rho$ は $\mathbb{R}^n$ の同相写像である(逆写像は $\lambda^{-1}$ で同じ形に書ける)。$h:=s^{-1}\rho s$、$h(z)=z$ とおく。$\lvert\rho(y)\rvert\ge\lvert y\rvert-R$ なので $h$ は $z$ でも連続で、逆写像も同様に連続である。$V:=s^{-1}(\{\lvert y\rvert< r/3\})$ 上で $h$ は恒等写像で、$s(K)$ の点 $y$ は $\lvert\rho(y)\rvert<2r/3$ を満たすので $h(K)\subset W$ である。$r$ を小さくとれば、$V$ を $p$ の任意の近傍の中にとれる。
gs-lem-collapse の逆向きとして、「$S^n$ への写像で 1 点に潰れている」ことから胞体的であることを導く。ここで $n\ge2$ が効く。
$n\ge2$ とし、$Q\subset S^n$ を閉 $n$ 胞体、$F\colon Q\to S^n$ を連続写像とする。$F$ の非自明なファイバーが有限個で、どれも $\mathring Q$ に含まれるとする。このとき $F(\mathring Q)$ は $S^n$ の開集合で、$S^n\setminus F(\partial Q)$ の連結成分の 1 つである。さらに $S^n\setminus F(Q)$ は空でない開集合である。
要点:$F(\mathring Q)$ は、潰れた有限個の点を除けば領域不変性により開集合で、コンパクト性により閉集合なので、成分全体に一致する。
非自明なファイバーは $\mathring Q$ にあるので、$F$ は $\partial Q$ 上で単射で、$F(\partial Q)\cap F(\mathring Q)=\emptyset$ である。$F(\partial Q)$ は $S^{n-1}$ と同相なので、Jordan–Brouwer の分離定理(Jordan曲線定理)により $S^n\setminus F(\partial Q)$ はちょうど 2 つの開いた成分 $U_1,U_2$ をもつ。連結な $F(\mathring Q)$ はその一方、たとえば $U_1$ に入る。非自明なファイバーの像の有限集合を $P$ とする。$F$ は開集合 $\mathring Q\setminus F^{-1}(P)$($\mathring Q\cong\operatorname{int}D^n$ の開集合)の上で単射で、像は $S^n\setminus\{q\}$($q\in F(\partial Q)$)に入るので、$q$ からの立体射影と 領域不変性 により $F(\mathring Q)\setminus P$ は開集合である。一方 $F(\mathring Q)=F(Q)\cap U_1$ は $U_1$ の閉集合である。$n\ge2$ なので連結な開集合 $U_1$ から有限個の点を除いた $U_1\setminus P$ も連結であり(道が $P$ の点を通るときは、その点のまわりの小さな球体の中で迂回できる)、$F(\mathring Q)\setminus P$ はその空でない開かつ閉な部分集合だから($F^{-1}(P)$ はコンパクト、$\mathring Q$ はコンパクトでないので空でない)、$U_1\setminus P$ 全体に一致する。$F(\mathring Q)$ は $U_1$ で閉じていて $U_1\setminus P$ は $U_1$ で稠密だから $F(\mathring Q)=U_1$ である。最後に $S^n\setminus F(Q)=S^n\setminus(U_1\cup F(\partial Q))=U_2$ である。
$n\ge2$ とし、$Q\subset S^n$ を閉 $n$ 胞体、$F\colon Q\to S^n$ を連続写像で、非自明なファイバーが $\mathring Q$ に含まれる $M$ ただ 1 つであるものとする。このとき、$M\subset O\subset\mathring Q$ を満たす任意の開集合 $O$ に対し、閉 $n$ 胞体 $B$ で $M\subset\mathring B$ かつ $B\subset O$ となるものがある。とくに $M$ は胞体的である。
要点:gs-lem-push の同相写像 $h$ で $F(Q)$ を $F(O)$ の中へ押し込み、$F$ で引き戻した写像 $G$($M$ の近くでは恒等写像)による $Q$ の像を $B$ とする。
$p:=F(M)$ とおく。gs-lem-image により $F(\mathring Q)$ は開集合で、$z\in S^n\setminus F(Q)$ がとれる。$W:=F(\mathring Q)\setminus F(Q\setminus O)$ は $p$ を含む開集合で、$W\subset F(O)$ である($W$ の点 $F(x)$、$x\in\mathring Q$ は $x\notin Q\setminus O$ を満たす)。gs-lem-push を $K=F(Q)$ と上の $z$ に当てて、$p$ の開近傍 $V$ の上で恒等写像で $h(F(Q))\subset W$ となる同相写像 $h$ をとる。
$F$ はコンパクト空間から Hausdorff 空間への写像なので閉写像であり、$Q\setminus M=F^{-1}\bigl(F(Q)\setminus\{p\}\bigr)$ への制限も像の上への閉写像である。よって $F$ の制限 $F_0$ は $Q\setminus M$ から $F(Q)\setminus\{p\}$ への同相写像で、その逆を $F_0^{-1}$ と書く。$G\colon Q\to S^n$ を $$G(x)=x\quad(x\in M),\qquad G(x)=F_0^{-1}\bigl(h(F(x))\bigr)\quad(x\in Q\setminus M)$$ で定める。$x\notin M$ なら $F(x)\ne p=h(p)$ なので $h(F(x))\in W\setminus\{p\}\subset F(O)\setminus\{p\}$ であり、$G$ は定義できて $G(Q\setminus M)\subset O\setminus M$ となる。$M$ の開近傍 $F^{-1}(V)$ の上では $h(F(x))=F(x)$ なので $G$ は恒等写像であり、$G$ は連続である。$G$ は単射なので、閉 $n$ 胞体 $Q$ の埋め込みであり、$B:=G(Q)$ は閉 $n$ 胞体で $B\subset O$ を満たす。さらに $\mathring B=G(\mathring Q)\supset G\bigl(F^{-1}(V)\cap\mathring Q\bigr)=F^{-1}(V)\cap\mathring Q\supset M$ である。
胞体的であること:$O_1:=\mathring Q$ から閉 $n$ 胞体 $B_1$ を作り、$B_k$ ができたら $O:=\mathring B_k\cap\{x\mid\operatorname{dist}(x,M)<1/(k+1)\}$ に当てて $B_{k+1}$ を作ると、$B_{k+1}\subset\mathring B_k$ で $\bigcap_kB_k=M$ となる。
次の補題が証明の要である。2 つの集合を同時に潰す写像からは、一方を潰したまま他方だけを 1 点に送る写像が作れる。
$n\ge2$ とし、$f\colon S^n\to S^n$ を連続な全射で、非自明なファイバーがちょうど 2 つ $K_+,K_-$ であるものとする。このとき $K_+$ と $K_-$ はどちらも胞体的である。
$a:=f(K_+)$、$b:=f(K_-)$ とおく($a\ne b$)。$f$ は全射で $K_\pm$ はそれぞれ 1 点に写るので、$K_+\cup K_-$ の外の点 $w$ がある。$w$ を中心とする小さい開いた球帽を、その閉包が $K_+\cup K_-$ と交わらないようにとり、$Q$ をその補集合とすると、$Q$ は閉 $n$ 胞体で $K_+\cup K_-\subset\mathring Q$ である。gs-lem-image を $f|_Q$ に当てると、$f(\mathring Q)$ は $a,b$ を含む開集合で、$S^n\setminus f(Q)$ は空でない。
$W:=f(\mathring Q)\setminus\{b\}$ は $a$ の開近傍である。gs-lem-push を $K=f(Q)$、$p=a$、$z\in S^n\setminus f(Q)$ に当てて、同相写像 $h$ と $a$ の開近傍 $V$ で、$b\notin V$、$V$ 上で $h$ は恒等写像、$h(f(Q))\subset W$ を満たすものをとる。$f$ は閉写像なので、$f$ の制限 $f_0$ は $S^n\setminus(K_+\cup K_-)$ から $S^n\setminus\{a,b\}$ への同相写像であり、その逆を $f_0^{-1}$ と書く。$G\colon Q\to S^n$ を
$$
G(x)=x\quad(x\in K_+),\qquad G(x)=f_0^{-1}\bigl(h(f(x))\bigr)\quad(x\in Q\setminus K_+)
$$
で定める。$x\in Q\setminus K_+$ なら $f(x)\ne a$ だから $h(f(x))\ne a$ で、$h(f(x))\in W$ だから $h(f(x))\ne b$ である。よって $G$ は定義でき、$Q\setminus K_+$ 上で連続である。$K_+$ の開近傍 $f^{-1}(V)\cap Q$ の上では $h(f(x))=f(x)$ なので $G$ は恒等写像であり、$G$ は連続である。
$G$ は $K_+$ を動かさず、$K_-$ を 1 点 $f_0^{-1}(h(b))$ に写し、ほかでは単射なので、非自明なファイバーは $K_-\subset\mathring Q$ だけである。
$h(b)\in W\setminus\{a\}$ なので $G(K_-)=\{f_0^{-1}(h(b))\}$ は 1 点である。$Q\setminus(K_+\cup K_-)$ 上で $G$ は単射の合成なので単射で、値は $S^n\setminus(K_+\cup K_-)$ にあり、$h(f(x))\ne h(b)$ だから $G(K_-)$ の点とも異なる。$K_+$ 上で $G$ は恒等写像で、その値 $K_+$ は他の点の値と交わらない。
段 1(両側カラーと芯).gs-prop-bicollar により $\Sigma$ は両側カラー $c\colon\Sigma\times[-1,1]\to S^n$ をもち、Jordan–Brouwer の分離定理により $S^n\setminus\Sigma$ はちょうど 2 つの成分をもつ。成分を $U_\pm$ と名付けて $c(\Sigma\times(0,1])\subset U_+$、$c(\Sigma\times[-1,0))\subset U_-$ とし、$C_\pm:=U_\pm\cup\Sigma=\overline{U_\pm}$ とおく。これで (1) が示された。$c(\Sigma\times(-1,1))$ は開集合なので、$C_+\cap c(\Sigma\times(-1,1))=c(\Sigma\times[0,1))$ は $C_+$ の開集合である。そこで
$$
K_+:=C_+\setminus c(\Sigma\times[0,1)),\qquad K_-:=C_-\setminus c(\Sigma\times(-1,0])
$$
とおくと、$K_\pm$ はコンパクトで、$K_+\subset U_+$、$K_-\subset U_-$ である。$c(\Sigma\times[-1,0))\subset U_-$ は $C_+$ と交わらないので $C_+\cap c(\Sigma\times[-1,1])=c(\Sigma\times[0,1])$ となり、
$$
S^n=K_+\cup c(\Sigma\times[-1,1])\cup K_-,\qquad K_\pm\cap c(\Sigma\times[-1,1])=c(\Sigma\times\{\pm1\})
$$
が成り立つ。$K_+$ と $K_-$ は交わらず、それぞれ球面 $c(\Sigma\times\{\pm1\})$ を含むので 2 点以上をもつ。$K_\pm$ をカラーの内側の芯と呼ぶ。
段 2(二つの芯を潰す写像).同相写像 $g\colon\Sigma\to S^{n-1}$ を 1 つ固定し、$f\colon S^n\to S^n$ を
$$
f=a\ \text{($K_+$ 上)},\qquad f=b\ \text{($K_-$ 上)},\qquad f\bigl(c(x,t)\bigr)=\Bigl(\cos\tfrac{\pi t}{2}\,g(x),\ \sin\tfrac{\pi t}{2}\Bigr)
$$
で定める。3 つの閉集合の上でそれぞれ連続で、共通部分 $c(\Sigma\times\{\pm1\})$ では値が $a$、$b$ に一致するので $f$ は連続である。$S^n$ の極以外の点は $(\cos\theta\,u,\sin\theta)$($u\in S^{n-1}$、$\lvert\theta\rvert<\pi/2$)とただ 1 通りに書けるので、$f$ は $c(\Sigma\times(-1,1))$ を $S^n\setminus\{a,b\}$ の上へ全単射に写す。よって $f$ は全射で、非自明なファイバーはちょうど $K_+=f^{-1}(a)$ と $K_-=f^{-1}(b)$ の 2 つである。gs-lem-two により、$K_+$ と $K_-$ はどちらも胞体的である。
段 3(各側は閉球体).$K_+$ は胞体的で $U_+$ は $K_+$ を含む開集合なので、閉 $n$ 胞体の列 $B_1\supset B_2\supset\cdots$ で $B_1\subset U_+$、$\bigcap_iB_i=K_+$ となるものがある(gs-def-cellular の後の注意)。gs-lem-collapse の写像を $G_+$ とする。$G_+$ は $\mathring B_1$ の外で恒等写像で $G_+(B_1)=B_1\subset C_+$ だから、$G_+(C_+)=C_+$ であり、$C_+$ の外の点は $G_+$ で動かない。したがって制限 $G_+|_{C_+}\colon C_+\to C_+$ は連続な全射で、そのファイバーは $K_+$ と 1 点集合である。同じく制限 $f|_{C_+}\colon C_+\to D_+$ は連続な全射で($f(c(\Sigma\times[0,1]))\cup\{a\}=D_+$)、そのファイバーも $K_+$ と 1 点集合である。よって全単射 $\varphi_+\colon C_+\to D_+$ で $\varphi_+\circ G_+|_{C_+}=f|_{C_+}$ を満たすものがただ 1 つある。$G_+|_{C_+}$ はコンパクト空間から Hausdorff 空間への連続な全射なので閉写像、したがって商写像であり、$\varphi_+$ は連続である。コンパクト空間から Hausdorff 空間への連続な全単射なので、$\varphi_+$ は同相写像である。$\Sigma$ は $\mathring B_1\subset U_+$ と交わらないので $G_+$ は $\Sigma$ 上で恒等写像であり、$x\in\Sigma$ について $\varphi_+(x)=f(x)=(g(x),0)$ となる。同じ議論を $K_-$ に当てて、同相写像 $\varphi_-\colon C_-\to D_-$ で $\Sigma$ 上 $\varphi_-(x)=(g(x),0)$ となるものを得る。$D_\pm$ は $E$ を境界とする閉 $n$ 胞体なので、これで (2) が示された。
段 4(貼り合わせ).$\Phi\colon S^n\to S^n$ を $C_+$ 上で $\varphi_+$、$C_-$ 上で $\varphi_-$ と定める。$C_+\cap C_-=\Sigma$ の上で両者は一致し、$C_\pm$ は閉集合なので $\Phi$ は連続である。$\varphi_\pm$ は全単射で $D_+\cap D_-=E=\varphi_\pm(\Sigma)$ だから $\Phi$ は全単射であり、したがって同相写像で、$\Phi|_\Sigma=g$、$\Phi(C_\pm)=D_\pm$ を満たす。$g$ は任意だったので (3) が示された。
段 2 の写像はカラーを「緯度」と見て芯を極に潰す。2 つの芯を同時に潰す写像は具体的に書けるが、一方だけを潰す写像は書けない(その商が球面であることこそ示したいことである)。gs-lem-two は、潰れた 2 点の一方を押し込み同相写像で動かしてこの対称性を破る。
gs-thm-main の仮定のもとで、$S^n\setminus\Sigma$ の各成分は $\mathbb{R}^n$ と同相である。また、$\mathbb{R}^n$ の中の $S^{n-1}$ と同相な局所平坦な部分集合は、$D^n$ と同相なコンパクト集合の境界になる。
$\Phi$ は $U_\pm=C_\pm\setminus\Sigma$ を開いた半球 $D_\pm\setminus E$ に写し、開いた半球は(射影 $(x_1,\dots,x_{n+1})\mapsto(x_1,\dots,x_n)$ により)$\operatorname{int}D^n\cong\mathbb{R}^n$ と同相である。後半は、無限遠点を足した $S^n=\mathbb{R}^n\cup\{\infty\}$ の中で考え、$\infty$ を含まない側の閉包 $C$ をとればよい(局所平坦性は $\mathbb{R}^n$ の開集合の中の性質なので $S^n$ の中でも成り立つ)。$C$ は $D^n$ と同相で、$\Sigma$ はその境界 $C\setminus(C\text{ の内部})$ である。
gs-thm-main の (3) は、局所平坦な球面どうしが $S^n$ の同相写像で移り合うことを述べる。この形で、アニュラス定理の議論(アニュラス予想と安定同相定理)や高次元の Poincaré 予想の議論(一般次元のPoincaré予想)に使われる。
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