3次曲面(cubic surface)とは、射影空間 $\mathbb{P}^3$ の中で 3 次斉次多項式 1 つの零点として定まる曲面である。代数閉体上で特異点をもたない 3 次曲面は、方程式によらずちょうど 27 本の直線を含み、滑らかさ・次数 3・代数閉体のどれを外してもこの数にはならない。標数 2 でなければ、直線 $L$ を含む平面のうち曲面との交わりが 3 本の直線に分かれるものはちょうど 5 枚で、$L$ と交わる直線は 10 本あり、このことから直線を 1 本含めば全部で 27 本であることが従う。滑らかな 3 次曲面は平面の 6 点(どの 3 点も同一直線上になく、6 点が同一の 2 次曲線上にない)のブローアップとして得られ、27 本の直線の配置の対称性の群は Weyl 群 $W(E_6)$ である。
3 次曲面(cubic surface)は、射影空間 $\mathbb{P}^3$ の中で 4 変数の 3 次斉次多項式 1 つの零点として定まる曲面である。2 次曲面 $xy=zw$ には直線が無数にあるが、3 次曲面では、特異点をもたない限り、直線の本数が方程式によらずちょうど 27 本に決まる。1849 年の Cayley と Salmon によるこの発見は、代数幾何学の古典的な出発点の 1 つである。
この記事では、代数閉体 $k$ の上で 3 次曲面と滑らかさを定義し、Fermat の 3 次曲面などの例を見たあと、$k$ の標数が 2 でないときに次の 2 つを証明する。
$0\ne F\in S_3$ について、$X=V_+(F)\subset\mathbb{P}^3$ を($F$ を定数倍の違いを除いて固定して)3 次曲面という。$p\in X$ が特異点であるとは、$\partial_0F,\dots,\partial_3F$ がすべて $p$ で $0$ になることをいう。特異点をもたない 3 次曲面を滑らか(非特異)という。滑らかな点 $p\in X$ で、平面
$$
T_pX:=V_+\Bigl(\sum_{i=0}^3\partial_iF(p)\,x_i\Bigr)
$$
を $X$ の $p$ での接平面という。$\mathbb{P}^3$ の直線 $M$ が $M\subset X$ をみたすとき、$M$ を $X$ の直線という。
斉次多項式の Euler の等式 $\sum_ix_i\partial_iF=3F$ により、$p\in X$ なら $\sum_ip_i\partial_iF(p)=0$ なので、$p\in T_pX$ である。この特異点の定義は、超曲面 の特異点の計算(Jacobiの判定法)を 3 次曲面に当てはめたものである。
$X$ を 3 次曲面、$p\in X$ を滑らかな点、$M\subset X$ を $p$ を通る直線とすると、$M\subset T_pX$ である。
$M$ の $p$ 以外の点 $[v]$ をとると、$M$ の点は $[p+tv]$($t\in k$)と $[v]$ である。$F(p+tv)=0$ が $t$ の多項式として恒等的に成り立つので、$t$ の 1 次の係数 $\sum_iv_i\partial_iF(p)$ は $0$ である。よって $[v]\in T_pX$ であり、$p\in T_pX$ と合わせて、$p$ と $[v]$ を通る直線 $M$ は平面 $T_pX$ に含まれる。$\square$
$X=V_+(F)$ が滑らかな 3 次曲面ならば $F$ は既約多項式であり、とくに $X$ は平面を含まない。
$F=GH$($\deg G,\deg H\ge1$)と分解したとする。$V_+(G)$ と $V_+(H)$ は $\mathbb{P}^3$ の 2 次元の代数的集合なので、射影次元定理により交わる(Har77 I, Theorem 7.2、p. 48)。交点 $p$ では $\partial_iF(p)=G(p)\partial_iH(p)+H(p)\partial_iG(p)=0$ なので、$p$ は特異点である。平面 $V_+(h)$ を含むなら $h\mid F$ となるので、この場合に当たる。$\square$
$k$ の標数が 3 でないとき、$X:=V_+(x_0^3+x_1^3+x_2^3+x_3^3)$ は滑らかである。実際、$\partial_iF=3x_i^2$ がすべて $0$ になるのは $x_0=\dots=x_3=0$ のときだけである。
$1$ の 3 乗根 $\zeta$ は 3 個ある($t^3-1$ は標数 3 でなければ重根をもたない)。$\{0,1,2,3\}$ を 2 個ずつの組 $\{i,j\},\{k,l\}$ に分ける分け方 3 通りと、3 乗根 $\zeta,\zeta'$ の組 9 通りについて($i< j$、$k< l$ とし、$L^{kl,ij}_{\zeta',\zeta}$ は $L^{ij,kl}_{\zeta,\zeta'}$ と同じものとする)、直線
$$
L^{ij,kl}_{\zeta,\zeta'}:=V_+(x_i+\zeta x_j,\ x_k+\zeta'x_l)
$$
は $X$ に含まれる。$x_i=-\zeta x_j$ から $x_i^3=-x_j^3$、同様に $x_k^3=-x_l^3$ となるからである。これらの $27$ 本は互いに異なる。同じ分け方の中では方程式の係数が違い、分け方が違うと、たとえば $x_0+\zeta x_1$ と $x_2+\zeta'x_3$ の 1 次結合で $x_0+\alpha x_2$ の形のものはないからである。下の thm-cs-27-lines により、これが $X$ の直線のすべてである(標数 2 のときは Vak25 Theorem 27.0.1 による)。
$\{i,j\}$ と $\zeta$ を固定すると、$\zeta'$ を動かした 3 本 $L^{ij,kl}_{\zeta,\zeta'}$ はすべて点 $\{x_i+\zeta x_j=0,\ x_k=x_l=0\}$ を通る。$\{i,j\}$ の選び方 6 通りと $\zeta$ の 3 通りから、3 本の直線が通る点が 18 個得られる。このような点を Eckardt 点という。3 本の直線は、lem-cs-line-tangent によりその点での接平面 $x_i+\zeta x_j=0$ に含まれる。
$X=V_+(F)$ を滑らかな 3 次曲面、$L\subset X$ を直線とする。座標を $L=V_+(z,w)$ となるようにとる。$F$ は $L$ 上で $0$ なので、$x,y$ だけの単項式を含まない。以下 $k$ の標数は $2$ でないとし、
$$
F=Ax^2+2Bxy+Cy^2+2Dx+2Ey+G\qquad(A,B,C\in k[z,w]_1,\ D,E\in k[z,w]_2,\ G\in k[z,w]_3)
$$
と書く。$L$ を含む平面は $\Pi_{(\lambda:\mu)}:=\{\mu z=\lambda w\}$($(\lambda:\mu)\in\mathbb{P}^1$)であり、$[x:y:u]\mapsto[x:y:\lambda u:\mu u]$ により $\mathbb{P}^2\cong\Pi_{(\lambda:\mu)}$ で、$L$ は $u=0$ に当たる。$A,\dots,G$ の斉次性から
$$
F(x,y,\lambda u,\mu u)=u\,Q_{(\lambda,\mu)}(x,y,u),\qquad Q_{(\lambda,\mu)}=Ax^2+2Bxy+Cy^2+2Dxu+2Eyu+Gu^2
$$
(係数は $(\lambda,\mu)$ での値)である。lem-cs-irreducible により $Q_{(\lambda,\mu)}\ne0$ なので、$X\cap\Pi=L\cup C_\Pi$($C_\Pi:=V_+(Q_{(\lambda,\mu)})$ は平面の 2 次曲線)となる。$C_\Pi$ を残りの 2 次曲線という。その対称行列の行列式
$$
\Delta(\lambda,\mu):=\det\begin{pmatrix}A&B&D\\B&C&E\\D&E&G\end{pmatrix}
$$
は、$0$ でなければ $(\lambda,\mu)$ の 5 次の斉次式である(どの項も次数が $1+1+3=1+2+2=5$)。代数閉体上で、$C_\Pi$ が退化する(2 本の直線か二重直線になる)ことは $\Delta(\lambda,\mu)=0$ と同値である(2次形式 の階数による分類)。
標数 $2$ でない代数閉体上の滑らかな 3 次曲面 $X$ と直線 $L\subset X$ について、次が成り立つ。
座標の取り替え:$L$ を保つ座標の取り替え、すなわち $(z,w)$ の 1 次変換と、$x\mapsto p_{11}x+p_{12}y+r_1(z,w)$、$y\mapsto p_{21}x+p_{22}y+r_2(z,w)$($\det(p_{ij})\ne0$、$r_i$ は 1 次式)で、$\Delta$ は前者では平面の族の径数の 1 次変換を受け、後者では対称行列が $P^{\mathsf T}MP$($P$ の行列式は $\det(p_{ij})$)に変わるので $\Delta$ は $0$ でない定数倍になる。$F$ の定数倍も $\Delta$ を定数倍するだけである。よって、根とその重複度はこのような取り替えで変わらない。
$\Delta$ の根を 1 つとり、取り替えで $(1:0)$、すなわち $\Pi=\{w=0\}$ とする。$\Pi$ の座標を $x,y,z$ とすると $F(x,y,z,0)=z\,Q_0$ で、$Q_0$ は退化した 2 次形式なので 1 次式の積 $Q_0=l_1l_2$ に分解する。
(a) $z,l_1,l_2$ は互いに比例しない。 比例する組があれば $F(x,y,z,0)=l^2m$($l,m$ は $x,y,z$ の 1 次式)と書け、$F=l^2m+wH$($H\in S_2$)となる。直線 $N:=V_+(l,w)$ の上では $w$ 以外の変数についての偏導関数はすべて $0$ で、$\partial_wF=H$ である。$H|_N$ は $N\cong\mathbb{P}^1$ 上の 2 次形式なので $N$ 上に零点をもち、そこは $X$ の特異点になる。これは矛盾である。よって $X\cap\Pi$ は相異なる 3 本の直線 $L=V_+(z,w)$、$V_+(l_1,w)$、$V_+(l_2,w)$ の和集合で、2 が示された。
(b) 根は単根である。 $\Delta(1,t)=\det(M_0+tM_1+t^2M_2+t^3M_3)$($M_j$ は $t^j$ の係数の行列)と展開すると、$\det M_0=0$ で、$t$ の係数は $\operatorname{tr}(\operatorname{adj}(M_0)M_1)$ である($\operatorname{adj}$ は余因子行列)。3 本の直線の位置で場合を分ける。
三角形の場合($z,l_1,l_2$ が 1 次独立):$x,y$ を $l_1,l_2$ に取り替えて $F(x,y,z,0)=xyz$ とできる。このとき $M_0$ は $(1,2)$・$(2,1)$ 成分だけが $\frac12$ で、$\operatorname{adj}(M_0)$ の成分は $(3,3)$ 成分 $-\frac14$ だけである。よって $t$ の係数は $-\frac14(M_1)_{33}=-\frac14g$、$g$ は $F$ の $z^2w$ の係数である。一方 $F=xyz+wH$ と書くと、点 $p=[0:0:1:0]$ で $\partial_xF,\partial_yF,\partial_zF$ は $0$ で、$\partial_wF(p)=H(p)=g$ である。$X$ は $p$ で滑らかなので $g\ne0$ である。
3 本が 1 点を通る場合($z,l_1,l_2$ が 1 次従属):共通の点は $L$ 上にある。$x$ を $l_1$ に取り替え、$z$ を定数倍すれば $F(x,y,z,0)=xz(x-z)$ とできる。このとき $Q_0=x^2-xz$ で、$M_0$ の $0$ でない成分は $(1,1)$ 成分 $1$ と $(1,3)$・$(3,1)$ 成分 $-\frac12$ である。第 2 行と第 2 列が $0$ なので、$\operatorname{adj}(M_0)$ の成分は $(2,2)$ 成分 $-\frac14$ だけで、$t$ の係数は $-\frac14(M_1)_{22}=-\frac14c$、$c$ は $F$ の $y^2w$ の係数である。$F=x^2z-xz^2+wH$ と書くと、点 $p=[0:1:0:0]$ で $\partial_xF,\partial_yF,\partial_zF$ は $0$ で、$\partial_wF(p)=H(p)=c$ である。滑らかさから $c\ne0$ である。
thm-cs-five-planes の仮定のもとで、$L$ と交わる $X$ の直線($L$ 以外)はちょうど 10 本あり、5 組 $\{L_1,L_1'\},\dots,\{L_5,L_5'\}$ に分かれる。$L_i$ と $L_i'$ は交わり、$i\ne j$ のとき $L_i\cup L_i'$ の直線と $L_j\cup L_j'$ の直線は交わらない。
$L$ と交わる直線 $M\ne L$ は、$L$ と $M$ の張る平面 $\Pi$ に含まれ、$X\cap\Pi=L\cup C_\Pi$ の成分なので $C_\Pi$ の成分である。$C_\Pi$ が直線を含むのは $C_\Pi$ が退化するときだけなので、$\Pi$ は thm-cs-five-planes の 5 枚のどれかで、$M$ はその $L',L''$ の一方である。異なる 2 枚の平面は $L$ でしか交わらないので、10 本は互いに異なる。
$\Pi_i\ne\Pi_j$ の直線 $M_i\subset\Pi_i$、$M_j\subset\Pi_j$ が点 $q$ で交わったとする。$q\notin L$ なら $q\in\Pi_i\cap\Pi_j=L$ となって矛盾する。$q\in L$ なら、lem-cs-line-tangent により $L,M_i,M_j\subset T_qX$ で、$T_qX$ は $L$ と $M_i$ を含むので $\Pi_i$ に等しく、同様に $\Pi_j$ にも等しい。これも矛盾である。$\square$
$k$ を標数 $2$ でない代数閉体とする。直線を含む滑らかな 3 次曲面 $X\subset\mathbb{P}^3$ は、ちょうど 27 本の直線を含む。
直線 $L\subset X$ をとり、thm-cs-five-planes の平面 $\Pi$ を 1 枚とって $X\cap\Pi=L\cup L'\cup L''$ とする。
$X$ の直線 $M$ が $\Pi$ に含まれなければ、$M\cap\Pi$ は 1 点で、それは $X\cap\Pi$ の点なので、$M$ は $L,L',L''$ のどれかと交わる。$\Pi$ に含まれる $X$ の直線は $L,L',L''$ だけである。
cor-cs-ten-lines を $L$ に使うと、$L$ と交わる直線は 10 本で、そのうち $\Pi$ に含まれるのは $L',L''$ の 2 本、残りの 8 本は $\Pi$ に含まれない。$L',L''$ についても同じである($L'$ に cor-cs-ten-lines を使うと、$\Pi$ の中で $L'$ と交わる直線は $L,L''$ である)。したがって直線の本数は $3+8+8+8=27$ 以下で、等号は、$\Pi$ に含まれない直線 $M$ が 2 本の辺と同時に交わらないことと同値である。
$M\not\subset\Pi$ が $L$ と $L'$ に交わったとする。交点が異なる 2 点なら、その 2 点を通る $M$ は $\Pi$ に含まれ、矛盾する。同じ点 $q\in L\cap L'$ なら、lem-cs-line-tangent により $L,L',M\subset T_qX$ で、$L$ と $L'$ を含む平面は $\Pi$ だけなので $T_qX=\Pi$、よって $M\subset\Pi$ となって矛盾する。ほかの組も同じである。よってちょうど 27 本である。$\square$
滑らかな 3 次曲面が必ず直線を含むことは、この記事では証明しない。代数閉体上の滑らかな 3 次曲面がちょうど 27 本の直線を含むこと(標数によらない)が Vak25 Theorem 27.0.1(p. 758)にあり、§27.2(pp. 760–763)は標数 3 でない場合に、3 次曲面と直線の組の空間から 3 次曲面の空間への射が滑らかな曲面の上で次数 27 の有限エタール射であることを使って証明している。この存在と thm-cs-27-lines を合わせると、標数 2, 3 でない代数閉体上のすべての滑らかな 3 次曲面がちょうど 27 本の直線を含む。
thm-cs-27-lines の仮定のもとで、$X$ の各直線は、ほかの 10 本の直線と交わり、16 本の直線と交わらない。とくに、互いに交わらない 2 本の直線が存在する。
$27-1-10=16$ である。$X$ の直線はどれも自己交点数 $-1$ の $\mathbb{P}^1$、すなわち $(-1)$ 曲線である(Castelnuovoの収縮定理 の例「3 次曲面の直線」)。
$P_1,\dots,P_6\in\mathbb{P}^2$ を、どの 3 点も同一直線上になく、6 点すべてが同一の 2 次曲線上にはない点とする。$P_1,\dots,P_6$ を通る平面 3 次曲線の線型系は 4 次元のベクトル空間に対応し、それが $\mathbb{P}^2$ の 6 点のブローアップ $X$ を $\mathbb{P}^3$ の滑らかな 3 次曲面として埋め込む(Har77 V, Corollary 4.7、p. 400)。逆に、代数閉体上のすべての滑らかな 3 次曲面はこの形に表せる(Vak25 Theorem 27.0.2(p. 758)、§27.3 で証明。Har77 V, Remark 4.7.1(p. 401)にも言明がある)。とくに滑らかな 3 次曲面は有理多様体である。
この記述で、27 本の直線は次のように書ける(Har77 V, Theorem 4.9、p. 402)。$E_i$ を $P_i$ の例外曲線、$F_{ij}$ を $P_i,P_j$ を通る直線の固有変換、$G_j$ を $P_j$ 以外の 5 点を通る 2 次曲線の固有変換とする。どの 2 本が交わるかは次の表のとおりである(Har77 V, Remark 4.10.1、p. 404)。
| 直線 | 本数 | 交わる直線 |
|---|---|---|
| $E_i$ | 6 | $F_{ij}$($j\ne i$)と $G_j$($j\ne i$) |
| $F_{ij}$ | 15 | $E_i,E_j$、$G_i,G_j$、$\{k,l\}\cap\{i,j\}=\emptyset$ となる $F_{kl}$ |
| $G_j$ | 6 | $E_i$($i\ne j$)と $F_{ij}$($i\ne j$) |
どの直線もちょうど 10 本と交わり、cor-cs-skew と一致する。たとえば $E_1$ と交わる 10 本は 5 組 $\{F_{1j},G_j\}$($j=2,\dots,6$)に分かれ、各組は交わる。これが cor-cs-ten-lines の 5 組で、$E_1$ を含む 5 枚の平面はそれぞれ $E_1,F_{1j},G_j$ を含む。$E_1,\dots,E_6$ と $G_1,\dots,G_6$ の 12 本は、$E_i$ どうし・$G_j$ どうしは交わらず $E_i$ と $G_j$ が $i\ne j$ のときだけ交わる配置をなし、Schläfli の二重六(double-six)と呼ばれる(Har77 V, Remark 4.9.1、p. 403)。
27 本の直線の集合の置換で、交わるかどうかの関係を保つものの全体は位数 $51840$ の群をなす。互いに交わらない 6 本の順序付きの組を選ぶ方法が $27\cdot16\cdot10\cdot6\cdot2$ 通りで、それが群の位数に等しい(Har77 V, Proposition 4.10 と p. 405 の議論)。この群は $E_6$ 型のルート系のWeyl群 $W(E_6)$ に同型である(Har77 V p. 405、Vak25 Remark 27.2.5(p. 764)。この記事では証明しない)。最初の 2 つの因子 $27$ と $16$ は cor-cs-skew の数である。
thm-cs-27-lines の結論「ちょうど 27 本」は、曲面が滑らかであること、次数が 3 であること、体が代数閉であることのどれを外しても成り立たない。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 滑らか | ex-cs-singular の 1 の錐 $x_0^3+x_1^3+x_2^3=0$ | 直線が無数にある |
| 次数が 3 | 滑らかな 2 次曲面 $xy=zw$ | 直線 $V_+(x-az,\ w-ay)$($a\in k$)が無数にある |
| 代数閉体 | $\mathbb{R}$ 上の Fermat の 3 次曲面 | 実数の係数で定義される直線は 3 本しかない |
1 行目の錐は 3 次で、代数閉体上で定義され、頂点と $E$ の点を結ぶ直線を含むが、頂点で特異である。2 行目は滑らかで(偏導関数 $y,x,-w,-z$ が同時に $0$ になるのは原点だけ)、$x=az$、$w=ay$ を代入すると $azy-zay=0$ である。3 行目:$\mathbb{C}$ 上の 27 本は ex-cs-fermat の $L^{ij,kl}_{\zeta,\zeta'}$ で、複素共役は $L^{ij,kl}_{\zeta,\zeta'}$ を $L^{ij,kl}_{\bar\zeta,\bar\zeta'}$ に移す。実数の係数で定義される直線は共役で動かない直線なので、$\zeta,\zeta'$ がともに実数、すなわち $\zeta=\zeta'=1$ のものだけで、分け方ごとに 1 本、計 3 本である。曲面は滑らかで次数は 3 である。
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