一般化Riemann予想(generalized Riemann hypothesis)とは、すべての Dirichlet 指標 $\chi$ について、Dirichlet L 関数 $L(s,\chi)$ の帯 $0<\mathrm{Re}\,s<1$ にある零点がすべて直線 $\mathrm{Re}\,s=\frac12$ の上にあるという予想で、法 $1$ では Riemann 予想にあたる。各指標について $\mathrm{Re}\,s>\frac12$ に零点がないことと同値で、原始指標の場合に帰着する。すべての法 $q$ について $\psi(x;q,a)$ の誤差が各 $\varepsilon>0$ で $O(x^{1/2+\varepsilon})$ なら予想が成り立つ。未解決だが、Artin の原始根予想や Miller の素数判定法など多くの条件付きの結果を支える。
前提知識: Dirichlet L関数, Riemann予想, Dirichlet指標, von Mangoldt関数
一般化Riemann予想(generalized Riemann hypothesis)は、Riemann予想 を Dirichlet $L$ 関数に広げた予想で、どの Dirichlet 指標 $\chi$ についても、$L(s,\chi)$ の帯 $0<\operatorname{Re}s<1$ にある零点がすべて直線 $\operatorname{Re}s=\frac12$ の上にあると主張する。法 $1$ の指標では Riemann 予想そのものである。数体の Dedekind ゼータ関数や、より一般の $L$ 関数についての同じ形の予想も、同じ名前でよばれることが多い。どの場合も未解決である。
Riemann 予想が素数の分布の誤差の大きさを決めるのと同じく、一般化 Riemann 予想は算術級数の中の素数の分布の誤差と結びつき、成り立てば多くの問題に条件付きの答えを与える。Hooley による Artin の原始根予想の条件付きの証明、Miller の決定的な素数判定法、算術級数の中の最小の素数の評価などがその例である。
この記事では、予想を述べ、半平面での言い換えと、原始指標に帰着できることを証明し、算術級数の中の素数の個数の誤差が十分小さければ予想が成り立つことを完全に証明する。あわせて Dedekind ゼータ関数の場合の形と、予想から知られている帰結を述べる。
$s=\sigma+it$($\sigma,t$ は実数)と書く。$q$ を正の整数、$\chi$ を法 $q$ の Dirichlet指標 とし、$L(s,\chi)$ を Dirichlet L関数 とする。$\chi$ が主指標でなければ $L(s,\chi)$ は $\mathbb{C}$ 上の整関数に延び、主指標なら $s=1$ だけに極をもつ有理型関数に延びる(Dirichlet L関数 の定理「Dirichlet L関数の解析接続と関数等式」の 3)。
すべての Dirichlet 指標 $\chi$ について、$L(s,\chi)$ の $0<\operatorname{Re}s<1$ にある零点は、すべて直線 $\operatorname{Re}s=\frac12$ の上にある。
原始指標 $\chi$ では、帯 $0<\operatorname{Re}s<1$ の零点は Dirichlet L関数 の非自明な零点のすべてである(同記事の定理「直線 $\operatorname{Re}s=1$ 上の零点」の後の段落)ので、この予想は同記事の予想「一般化Riemann予想」と同じ主張である。原始的でない指標では、prop-grh-reformulations の証明の段 1 で見るように、直線 $\operatorname{Re}s=0$ の上に余分な零点が現れうるので、帯を開いた帯 $0<\operatorname{Re}s<1$ にとっている。
$L$ 関数を数体に広げた形もある。代数体 $K$ の Dedekindゼータ関数 $\zeta_K(s)$ は全平面に有理型に延び、その $0<\operatorname{Re}s<1$ の零点がすべて $\operatorname{Re}s=\frac12$ の上にあるという予想を、$K$ についての Riemann 予想という(Mor12 §3.1、p. 6)。$K=\mathbb{Q}$ では Riemann 予想である。Bombieri は、Euler 積と関数等式をもつ一般の「大域 $L$ 関数」についても Riemann 予想が期待されると述べている(Bom06 p. 111)。呼び名は文献によって揺れがあり、Pol09 p. 143 は Dirichlet $L$ 関数についての予想を拡張 Riemann 予想(extended Riemann hypothesis)とよんでいる。
$\chi$ を法 $q$ の指標、$\chi^*$ を $\chi$ を誘導する原始指標、$\overline\chi$ を複素共役の指標とする。次は同値である。
段 1($\operatorname{Re}s>0$ の零点は $\chi$ と $\chi^*$ で同じ).$\chi^*$ の法を $f$ とすると、全平面で
$$
L(s,\chi)=L(s,\chi^*)\prod_{p\mid q}\bigl(1-\chi^*(p)p^{-s}\bigr)
$$
である($\operatorname{Re}s>1$ での等式は Dirichlet L関数 の節「定義」の末尾にあり、両辺の延長は 一致の定理 により一致する)。$\lvert\chi^*(p)p^{-s}\rvert$ は $0$ か $p^{-\sigma}$ なので、$\sigma>0$ では $p^{-\sigma}<1$ となり、各因子は $0$ でない。よって $\operatorname{Re}s>0$ の零点は $L(s,\chi)$ と $L(s,\chi^*)$ で一致する。
段 2(原始指標の零点の対称性).$\chi^*$ を原始指標とし、$\rho$ を $0<\operatorname{Re}\rho<1$ にある $L(s,\chi^*)$ の零点とする。$f>1$ のとき、完備化した $L$ 関数 $\Lambda(s,\chi^*)$(Dirichlet L関数 の定義「完備化した L 関数と根数」)は、$\chi^*(-1)=(-1)^{\kappa}$($\kappa\in\{0,1\}$)として、$L(s,\chi^*)$ に $0$ にならない因子 $(f/\pi)^{(s+\kappa)/2}\Gamma(\frac{s+\kappa}2)$ を掛けたもの($\operatorname{Re}\frac{s+\kappa}2>0$ で $\Gamma$ は有限で $0$ でない)なので $\Lambda(\rho,\chi^*)=0$ であり、関数等式 $\Lambda(s,\chi^*)=\varepsilon(\chi^*)\Lambda(1-s,\overline{\chi^*})$ から $\Lambda(1-\rho,\overline{\chi^*})=0$、したがって $L(1-\rho,\overline{\chi^*})=0$ である。係数が共役なので $\overline{L(\bar s,\overline{\chi^*})}=L(s,\chi^*)$($\operatorname{Re}s>1$ での級数の等式を一致の定理で延ばす)であり、$L(1-\bar\rho,\chi^*)=0$ を得る。$f=1$ のときは $L(s,\chi^*)=\zeta(s)$ で、同じことが Riemannゼータ関数 の系「零点の位置」の (R4) にある。
段 3(1 と 2).$\operatorname{Re}s\ge1$ に零点はない($\operatorname{Re}s>1$ は Euler 積、$\operatorname{Re}s=1$ は Dirichlet L関数 の定理「直線 $\operatorname{Re}s=1$ 上の零点」。主指標の $s=1$ は極である)。1 を仮定すると、$\frac12<\operatorname{Re}s<1$ に零点はなく、$\operatorname{Re}s\ge1$ にもないので 2 が成り立つ。逆に 2 を仮定し、$0<\operatorname{Re}\rho<\frac12$ をみたす零点 $\rho$ があるとする。段 1 により $\rho$ は $L(s,\chi^*)$ の零点で、段 2 により $1-\bar\rho$ も $L(s,\chi^*)$ の零点であり、$\operatorname{Re}(1-\bar\rho)=1-\operatorname{Re}\rho\in(\frac12,1)$ なので、段 1 により $L(s,\chi)$ の零点でもある。これは 2 に反するので、1 が成り立つ。
段 4(2 と 3 と 4).段 1 により($\operatorname{Re}s>\frac12$ は $\operatorname{Re}s>0$ に含まれるので)2 と 3 は同値である。さらに $\overline{L(\bar s,\chi)}=L(s,\overline\chi)$ から、$L(s,\overline\chi)$ の零点は $L(s,\chi)$ の零点の複素共役で、共役は実部を変えないので、2 と 4 は同値である。最後の主張は、すべての指標が原始指標から誘導されることと 2・3 の同値による。$\square$
法 $1$ の場合($\chi=\chi^*$ が自明な指標)は Riemann予想 の命題「半平面での言い換え」である。段 1 の余分な因子 $1-\chi^*(p)p^{-s}$ は直線 $\operatorname{Re}s=0$ の上に無限個の零点をもちうる(節「反例と注意」の 1 行目)。
$\Lambda$ を von Mangoldt関数 とし、$x\ge1$ について
$$
\psi(x,\chi):=\sum_{n\le x}\chi(n)\Lambda(n),\qquad \psi(x;q,a):=\sum_{\substack{n\le x\\ n\equiv a\ (\mathrm{mod}\ q)}}\Lambda(n)
$$
とおく。$\chi$ が主指標なら $E_\chi:=1$、そうでなければ $E_\chi:=0$ とする。
$\operatorname{Re}s>1$ で、級数 $\sum_n\chi(n)\Lambda(n)n^{-s}$ は絶対収束し、
$$
-\frac{L'(s,\chi)}{L(s,\chi)}=\sum_{n=1}^\infty\frac{\chi(n)\Lambda(n)}{n^s}
$$
が成り立つ。
$\lvert\chi(n)\Lambda(n)n^{-s}\rvert\le\Lambda(n)n^{-\sigma}$ なので、絶対収束は von Mangoldt関数 の定理「$\Lambda$ の Dirichlet 級数」による。$\chi$ は完全乗法的なので、Dirichlet 積について
$$
\bigl(\chi*(\chi\Lambda)\bigr)(n)=\sum_{d\mid n}\chi(d)\chi(n/d)\Lambda(n/d)=\chi(n)\sum_{e\mid n}\Lambda(e)=\chi(n)\log n
$$
である(最後の等式は、$n=\prod_pp^{k_p}$ と素因数分解すると、$\Lambda(e)\ne0$ となる約数 $e$ は $p^j$($1\le j\le k_p$)で値が $\log p$ なので、和が $\sum_pk_p\log p=\log n$ になることによる)。数論的関数 の定理「絶対収束する Dirichlet 級数の積」により、$\operatorname{Re}s>1$ で $L(s,\chi)\sum_n\chi(n)\Lambda(n)n^{-s}=\sum_n\chi(n)(\log n)n^{-s}$ である。右辺が $-L'(s,\chi)$ に等しいことは、von Mangoldt関数 の同じ定理の証明の段 3・4(実数の $s>1$ で項別に微分し、一致の定理 で延ばす)を、実部と虚部に分けてそのまま当てればわかる。$L(s,\chi)$ は $\operatorname{Re}s>1$ で $0$ でない(Dirichlet L関数 の命題「Euler 積」)ので、割って主張を得る。$\square$
$\chi$ を法 $q$ の指標、$0<\Theta<1$ とする。定数 $K$ があって、すべての $x\ge1$ で
$$
\bigl\lvert\psi(x,\chi)-E_\chi x\bigr\rvert\le Kx^{\Theta}
$$
が成り立つなら、$\operatorname{Re}s>\Theta$ で $L(s,\chi)\ne0$ である。とくに、任意の $\varepsilon>0$ について $\psi(x,\chi)=E_\chi x+O(x^{1/2+\varepsilon})$ なら、$\chi$ について conj-grh-main の主張が成り立つ。
段 1(積分表示).$R(t):=\psi(t,\chi)-E_\chi t$ とおく。仮定から $\lvert\psi(t,\chi)\rvert\le(1+K)t$($t\ge1$)である。$\operatorname{Re}s>1$ とし、Abelの級数変形法とその応用 の系「正の整数から始まる和」を $a_n=\chi(n)\Lambda(n)$、$f(t)=t^{-s}$ に当てると
$$
\sum_{n\le x}\frac{\chi(n)\Lambda(n)}{n^s}=\psi(x,\chi)x^{-s}+s\int_1^x\psi(t,\chi)\,t^{-s-1}\,dt
$$
である。$\lvert\psi(x,\chi)x^{-s}\rvert\le(1+K)x^{1-\sigma}\to0$ なので、$x\to\infty$ として lem-grh-log-derivative と $s\int_1^\infty t\cdot t^{-s-1}\,dt=\frac{s}{s-1}$ から
$$
-\frac{L'(s,\chi)}{L(s,\chi)}=E_\chi\frac{s}{s-1}+H(s),\qquad H(s):=s\int_1^\infty R(t)\,t^{-s-1}\,dt
$$
を得る。
段 2($H$ の正則性).$\lvert R(t)t^{-s-1}\rvert\le Kt^{\Theta-\sigma-1}$ なので、$\operatorname{Re}s\ge\Theta+\delta$($\delta>0$)では $\int_1^\infty$ が一様に絶対収束する。$H_N(s):=s\int_1^NR(t)t^{-s-1}\,dt$ は $\mathbb{C}$ 上正則($R$ は $[1,N]$ 上で有限個の不連続点しかもたない有界関数なので、区間ごとに積分記号下で微分できる)で、$H_N\to H$ は $\operatorname{Re}s\ge\Theta+\delta$ の有界集合上で一様なので、Riemannゼータ関数 の補題「正則関数の一様極限」により $H$ は $\operatorname{Re}s>\Theta$ で正則である。
段 3(零点がないこと).$\chi$ が主指標でなければ $D:=\{\operatorname{Re}s>\Theta\}$、主指標なら $D:=\{\operatorname{Re}s>\Theta\}\setminus\{1\}$ とおく。$D$ は連結な開集合で、$F(s):=E_\chi\frac{s}{s-1}+H(s)$ と $L(s,\chi)$ は $D$ 上正則である。段 1 から $\operatorname{Re}s>1$ で
$$
L'(s,\chi)=-F(s)\,L(s,\chi)
$$
であり、一致の定理 により $D$ 全体でこれが成り立つ。$s_0\in D$ で $L(s_0,\chi)=0$ と仮定する。$L(s,\chi)$ は恒等的に $0$ ではない($\operatorname{Re}s>1$ で $0$ でない)ので、零点の位数 $m\ge1$ が定まり(零点の位数)、$L'(s,\chi)$ の $s_0$ での零点の位数はちょうど $m-1$ である。ところが右辺 $-F(s)L(s,\chi)$ は $s_0$ で位数 $m$ 以上の零点をもつので矛盾する。$\chi$ が主指標のとき $s=1$ は $L(s,\chi)$ の極なので零点ではない。よって $\operatorname{Re}s>\Theta$ で $L(s,\chi)\ne0$ である。
後半は、$\Theta=\frac12+\varepsilon$ として前半を使い($x$ の小さい範囲は $K$ を大きくとって含める)、$\varepsilon$ を $0$ に近づけて prop-grh-reformulations の 2 から 1 を使えばよい。$\square$
この証明は Riemann予想 の命題「和の大きさと零点」の証明と同じ組み立てで、和 $M(x)$ の代わりに $\psi(x,\chi)$ を使っている。法 $1$ では逆も成り立ち、Riemann 予想は $\psi(x)=x+O(x^{1/2+\varepsilon})$ と同値である(Riemann予想 の定理「誤差項による言い換え」)。
$q$ を正の整数とする。$\gcd(a,q)=1$ をみたすすべての整数 $a$ と任意の $\varepsilon>0$ について
$$
\psi(x;q,a)=\frac{x}{\varphi(q)}+O(x^{1/2+\varepsilon})\qquad(x\to\infty)
$$
が成り立つなら、法 $q$ のすべての指標について conj-grh-main の主張が成り立ち、とくに Riemann予想 が成り立つ。
$\gcd(n,q)>1$ なら $\chi(n)=0$ なので、$n$ を法 $q$ の既約剰余類 $a$ ごとに分けて
$$
\psi(x,\chi)=\sum_{a}\chi(a)\,\psi(x;q,a)
$$
である($a$ は法 $q$ の既約剰余類の代表を動く)。Dirichlet指標 の定理「指標の個数と直交関係」の 3 を主指標 $\chi_0$ と $\chi$ に当てると $\sum_a\chi(a)=\varphi(q)E_\chi$ なので
$$
\psi(x,\chi)-E_\chi x=\sum_a\chi(a)\Bigl(\psi(x;q,a)-\frac{x}{\varphi(q)}\Bigr)=O(x^{1/2+\varepsilon})
$$
となる($\lvert\chi(a)\rvert=1$ で、項は $\varphi(q)$ 個)。thm-grh-sufficient により法 $q$ の各指標で予想の主張が成り立つ。主指標では prop-grh-reformulations の 3 により $\chi^*$ は法 $1$ の指標、$L(s,\chi^*)=\zeta(s)$ なので、Riemann 予想が成り立つ。$\square$
$K=\mathbb{Q}(i)$ では、$\chi_4$ を法 $4$ の自明でない指標として、$\operatorname{Re}s>1$ で $\zeta_K(s)=\zeta(s)L(s,\chi_4)$ が成り立つ(Dedekindゼータ関数 の節「2 次体のゼータ関数」)。右辺は $\mathbb{C}$ 上で $s=1$ だけに極をもつ有理型関数なので、$\zeta_K$ の延長は右辺で与えられる(一致の定理)。帯 $0<\operatorname{Re}s<1$ では両因子とも正則なので、$\zeta_K(s)=0$ であることは $\zeta(s)=0$ または $L(s,\chi_4)=0$ であることと同値である。したがって、$K$ についての Riemann 予想は、Riemann 予想と、$\chi_4$ についての conj-grh-main の主張とを合わせたものと同値である。$\chi_4$ は原始的な奇指標である(Dirichlet L関数 の例「法 $4$ の指標と Leibniz の級数」)。
この例のように、Dedekind ゼータ関数の予想が Dirichlet $L$ 関数の予想に帰着する体もあるが、Hooley が Artin の原始根予想に使ったのは、Kummer 型の体 $\mathbb{Q}(\zeta_k,g^{1/k})$ の Dedekind ゼータ関数についての予想である(節「帰結」)。
一般化 Riemann 予想(Dedekind ゼータ関数の形を含む)を仮定すると、次のことが示されている。どれもこの記事では証明しない。
主張の条件を 1 つ外すと、結論は成り立たなくなる。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 零点を開いた帯 $0<\operatorname{Re}s<1$ に限る | 法 $6$ の指標 $\chi$($\chi(1)=1$、$\chi(5)=-1$)と $s_0=\pi i/\log2$ | 帯 $0\le\operatorname{Re}s<1$ の零点がすべて $\operatorname{Re}s=\frac12$ の上にある |
| 係数が Dirichlet 指標 | $\eta(s)=\sum_{n\ge1}(-1)^{n-1}n^{-s}$ と $s_1=1+2\pi i/\log2$ | $\operatorname{Re}s>\frac12$ で $0$ にならない |
各行の確かめを述べる。
1 行目:$\chi$ は法 $3$ の原始指標 $\chi_{-3}$ から誘導され、$L(s,\chi)=L(s,\chi_{-3})(1+2^{-s})$ で、$s_0$ では $2^{-s_0}=-1$ なので $L(s_0,\chi)=0$ である(Dirichlet L関数 の例「反例の確かめ」の 1 行目)。$\operatorname{Re}s_0=0$ なので、閉じた側を含む帯で数えると予想の形は偽になる。$\chi$ は Dirichlet 指標で、開いた帯に限ることだけを外している。$\chi$ について conj-grh-main が成り立つかどうかは $\chi_{-3}$ の場合と同じで、未解決である。
2 行目:係数 $(-1)^{n-1}$ は完全乗法的でない($n=2$ で $-1$、$n=4$ で $-1\ne(-1)^2$)ので Dirichlet 指標ではない。$\operatorname{Re}s>1$ で $\eta(s)=(1-2^{1-s})\zeta(s)$ であり、$s_1$ では $2^{1-s_1}=e^{-2\pi i}=1$ で $\zeta(s_1)$ は有限で $0$ でないので $\eta(s_1)=0$ である(Riemann予想 の例「反例の確かめ」の 1 行目)。$\operatorname{Re}s_1=1>\frac12$ である。
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