Szpiro予想(Szpiro conjecture)とは、各 $\varepsilon>0$ について定数 $C(\varepsilon)$ があり、有理数体上の半安定なすべての楕円曲線 $E$ の極小判別式 $\Delta_E$ と導手 $N_E$ が $|\Delta_E|\le C(\varepsilon)N_E^{6+\varepsilon}$ をみたすという予想で、未解決である。互いに素な $a+b+c=0$($16\mid abc$)から符号と順序を整えて作る Frey 曲線は半安定で判別式が $(abc/16)^2$ なので、予想からそのような組についての abc 予想を指数 $\frac32$ に弱めた形と Fermat の最終定理の大きい指数の場合が出る。指数 $6$ ちょうどでは成り立たず、$c_4,c_6$ を使って強めた形は abc 予想と同値である。
Szpiro予想(Szpiro conjecture)は、有理数体上の楕円曲線の極小判別式 $\Delta_E$ が、導手 $N_E$ のおよそ $6$ 乗を超えないという予想である。正確には、各 $\varepsilon>0$ について定数 $C(\varepsilon)$ があって、半安定なすべての楕円曲線 $E/\mathbb{Q}$ について $\lvert\Delta_E\rvert\le C(\varepsilon)N_E^{6+\varepsilon}$ が成り立つと予想する。L. Szpiro が 1983 年に Hannover での講演で述べ、関数体での類似を証明した(Oes88 I.2、p. 167)。
判別式も導手も悪い還元をもつ素数を記録する量だが、判別式ではそれらの素数が高い冪で現れうるのに対し、導手では低い冪でしか現れない。Szpiro 予想は、高い冪が現れるのは例外的だと主張する。abc予想 と深く結びついており、$a+b+c=0$ から作る楕円曲線(Frey 曲線)に当てると abc 予想の弱い形が出て、Fermat の最終定理の十分大きい指数の場合も従う。
この記事では、極小判別式と導手を定義して予想を述べ、Frey 曲線の極小モデルと導手を計算し、Szpiro 予想から abc 予想の指数を $\frac32$ に弱めた形($16\mid abc$ のとき)と Fermat の最終定理の大きい指数の場合が出ること、指数 $6$ ちょうどでは予想が成り立たないことを完全に証明する。予想そのものは未解決として扱う。
楕円曲線 $E/\mathbb{Q}$ の Weierstrass 方程式 $y^2+a_1xy+a_3y=x^3+a_2x^2+a_4x+a_6$ について、判別式 $\Delta$ と $c_4,c_6$ を 楕円曲線 の定義「Weierstrass方程式と判別式・$j$ 不変量」のとおりに定める。このとき
$$
1728\,\Delta=c_4^3-c_6^2
$$
が成り立つ(Sil09 §III.1、p. 42)。各素数 $p$ について、$p$ 進付値に関する極小 Weierstrass 方程式と還元の型(良い還元・乗法的還元・加法的還元)は 半安定還元 の定義「極小Weierstrass方程式と還元の型」のとおりとする。
$\mathbb{Q}$ 上では、係数がすべて整数で、すべての素数 $p$ で同時に極小である Weierstrass 方程式(大域極小方程式)が存在する(Sil09 Corollary VIII.8.3、p. 245。この記事では証明しない)。大域極小方程式どうしは $u=\pm1$ の座標変換で移りあい、$\Delta'=u^{-12}\Delta$ なので判別式は等しい。
$E/\mathbb{Q}$ を楕円曲線とする。
ここで $\operatorname{rad}(n)$ は $n$ を割る素数全体の積である(abc予想 の定義「根基」)。加法的還元での指数 $f_p$ は、$p\ge5$ なら $2$ に等しく、$p=2,3$ では $2$ より大きくなりうる(Sil09 p. 256)。この記事の定理はすべて半安定な曲線についてのものなので、$f_p$ の一般の定義は使わない。3 の $N_E=\operatorname{rad}(\Delta_E)$ は、悪い還元をもつ素数が $\Delta_E$ を割る素数にほかならない(半安定還元 の定義「極小Weierstrass方程式と還元の型」)ことからわかる。
任意の $\varepsilon>0$ について定数 $C(\varepsilon)>0$ があって、半安定なすべての楕円曲線 $E/\mathbb{Q}$ について
$$
\lvert\Delta_E\rvert\le C(\varepsilon)\,N_E^{6+\varepsilon}
$$
が成り立つ。
これは Oes88 Conjecture 2(Szpiro 予想の強い形、p. 168)である。同じ箇所の Conjecture 1(弱い形、p. 167)は、ある定数 $\alpha,\beta>0$ があって半安定なすべての $E$ で $\lvert\Delta_E\rvert\le\alpha N_E^{\beta}$ となる、という主張である。半安定の仮定を外し、すべての楕円曲線 $E/\mathbb{Q}$ について同じ不等式を予想する形もある(Sil09 Conjecture VIII.11.1、p. 256)。
対数をとると、予想は比 $\sigma(E):=\log\lvert\Delta_E\rvert/\log N_E$($N_E>1$ のとき)が、$N_E$ が大きくなるにつれて $6$ を大きくは超えないことを述べている。この比を Szpiro 比 とよぶことにする。
$a,b,c$ を $0$ でない互いに素な整数で $a+b+c=0$ をみたすものとする。このとき 3 つは 2 つずつ互いに素で、ちょうど 1 つが偶数である(3 つとも奇数なら和は奇数で $0$ にならず、2 つが偶数なら残りも偶数になる)。楕円曲線
$$
E_{a,b,c}:\ y^2=x(x-a)(x+b)
$$
を考える(Oes88 I.1、p. 166)。$a,b,c$ が素数 $p\ge5$ の $p$ 乗の場合が、Y. Hellegouarch が注意し G. Frey が発展させた曲線で(同 p. 165)、この記事では一般の $E_{a,b,c}$ も Frey 曲線 とよぶ。その判別式は $16a^2b^2c^2$ である(Fermatの最終定理 の例「Frey 曲線の判別式」と同じ計算)。
$a,b,c$ を $0$ でない互いに素な整数で $a+b+c=0$ をみたし、$a\equiv-1\pmod4$、$b\equiv0\pmod{16}$ とする。
1:係数の整数性と不変量.$b\equiv0$、$a\equiv3\pmod4$ なので $b-a-1\equiv0\pmod4$ であり、$16\mid b$ なので $ab/16$ は整数である。$x=4X$、$y=8Y+4X$ を $y^2=x^3+(b-a)x^2-abx$ に代入して $64$ で割ると、主張の方程式を得る。新しい方程式は $a_1=1$、$a_2=\frac{b-a-1}4$、$a_3=a_6=0$、$a_4=-\frac{ab}{16}$ なので
$$
b_2=b-a,\qquad b_4=-\frac{ab}{8},\qquad b_6=0,\qquad b_8=-\frac{a^2b^2}{256}
$$
であり、
$$
c_4=(b-a)^2+3ab=a^2+ab+b^2,\qquad \Delta=\frac{(b-a)^2a^2b^2}{256}+\frac{a^3b^3}{64}=\frac{a^2b^2\bigl((b-a)^2+4ab\bigr)}{256}=\Bigl(\frac{abc}{16}\Bigr)^2
$$
となる(最後に $(b-a)^2+4ab=(a+b)^2=c^2$ を使った)。
2:各素数での型.素数 $\ell$ が $\Delta$ を割るとする。$\ell$ は $abc$ を割る。
これは Oes88 I.1 の (6)–(9)(p. 167)の主張である。$v_2(b)=4$ なら $\Delta_E$ は奇数で $E$ は $2$ で良い還元をもち、$v_2(b)\ge5$ なら $2$ で乗法的還元をもつ。どちらの場合も $N_E\le\operatorname{rad}(abc)$ である。Oes88 p. 167 は、$a,b,c$ をどう巡回させても $a\equiv-1\pmod4$、$b\equiv0\pmod{16}$ にできないときは、元の方程式 $y^2=x(x-a)(x+b)$ が極小で、$E$ は $2$ で半安定でないことを注意している。
conj-szpiro-main を認める。このとき、各 $\varepsilon>0$ について定数 $C_1(\varepsilon)$ があって、$a+b+c=0$ をみたし $16\mid abc$ である互いに素な $0$ でない整数 $a,b,c$ について
$$
\lvert abc\rvert\le C_1(\varepsilon)\operatorname{rad}(abc)^{3+\varepsilon},\qquad \max(\lvert a\rvert,\lvert b\rvert,\lvert c\rvert)\le\sqrt{2C_1(\varepsilon)}\,\operatorname{rad}(abc)^{\frac32+\frac\varepsilon2}
$$
が成り立つ。
正規化.$a,b,c$ のうち偶数はちょうど 1 つで、$16\mid abc$ なのでそれは $16$ で割れる。両辺の量 $\lvert abc\rvert$、$\operatorname{rad}(abc)$、$\max(\lvert a\rvert,\lvert b\rvert,\lvert c\rvert)$ は $a,b,c$ の並べ替えと全体の符号の取り替えで変わらないので、偶数のものを $b$ とし、さらに必要なら $(a,b,c)$ を $(-a,-b,-c)$ に替えて、$a\equiv-1\pmod4$ としてよい($a$ は奇数なので $a$ と $-a$ の一方は $4$ を法として $-1$ に合同である)。
Szpiro 予想を当てる.prop-szpiro-frey により $E:=E_{a,b,c}$ は半安定で、$\lvert\Delta_E\rvert=(abc)^2/2^8$、$N_E=\operatorname{rad}(abc/16)\le\operatorname{rad}(abc)$ である。conj-szpiro-main を $2\varepsilon$ で使うと
$$
\frac{(abc)^2}{2^8}=\lvert\Delta_E\rvert\le C(2\varepsilon)N_E^{6+2\varepsilon}\le C(2\varepsilon)\operatorname{rad}(abc)^{6+2\varepsilon}
$$
であり、平方根をとって $C_1(\varepsilon):=16\,C(2\varepsilon)^{1/2}$ とおけば 1 つ目の不等式を得る。
最大値の評価.$\lvert a\rvert\le\lvert b\rvert\le\lvert c\rvert$ と並べ替えて考える。$\lvert c\rvert=\lvert a+b\rvert\le2\lvert b\rvert$ なので $\lvert b\rvert\ge\frac12\lvert c\rvert$ で、$\lvert a\rvert\ge1$ だから $\lvert abc\rvert\ge\frac12\lvert c\rvert^2$ である。1 つ目の不等式と合わせて $\lvert c\rvert^2\le2C_1(\varepsilon)\operatorname{rad}(abc)^{3+\varepsilon}$ となる。$\square$
1 つ目の不等式は Oes88 Proposition 1(p. 167)の主張である。Sil09 Proposition VIII.11.5(a)(p. 259)は、半安定とは限らないすべての曲線についての予想から、$16\mid abc$ の仮定なしに指数 $\frac32$ の形を述べている。また Oes88 p. 168 の注意(Szpiro による)は、$E_{a,b,c}$ を位数 $2$ の部分群で割った 3 つの曲線にも予想を当てて、指数 $\frac32$ を下げる議論を述べ、強い形の予想から指数 $\frac65+\varepsilon$ の形が出るとしている(同 p. 169。この記事では証明しない)。abc 予想(指数 $1+\varepsilon$)と比べると指数が大きいが、それでも次の帰結が出る。
conj-szpiro-main を認める。このとき整数 $n_0$ があって、$n\ge n_0$ について $x^n+y^n=z^n$ をみたす整数 $x,y,z$($xyz\ne0$)は存在しない。
$n\ge4$ とし、$x^n+y^n=z^n$、$xyz\ne0$ とする。$\gcd(x,y,z)$ で割って $x,y,z$ は互いに素としてよい。$a:=x^n$、$b:=y^n$、$c:=-z^n$ とおくと $a+b+c=0$ で、$a,b,c$ は $0$ でなく互いに素である。$x,y,z$ のうち 1 つは偶数で($a,b,c$ のちょうど 1 つが偶数)、その $n$ 乗は $2^n$ で割れるので $16\mid abc$ である。$\operatorname{rad}(abc)=\operatorname{rad}(xyz)\le\lvert xyz\rvert$ なので、thm-szpiro-abc を $\varepsilon=1$ で使うと
$$
\lvert xyz\rvert^n=\lvert abc\rvert\le C_1(1)\lvert xyz\rvert^{4}
$$
である。偶数の 1 つは $0$ でないので $\lvert xyz\rvert\ge2$ で、$2^{n-4}\le\lvert xyz\rvert^{n-4}\le C_1(1)$ となる。よって $n\le4+\log_2C_1(1)$ であり、$n_0$ をこれより大きい $4$ 以上の整数にとればよい。$\square$
これは Oes88 の Corollaire(p. 168)と Sil09 Proposition VIII.11.2(pp. 256–257)の主張である。Fermat の最終定理そのものは Wiles らによって証明されている(Fermatの最終定理)。abc予想 の定理「abc 予想から Fermat の最終定理(大きい指数)」と同じく、定数 $C(\varepsilon)$ が具体的に分からない限り $n_0$ は具体的に求まらない。
予想の指数 $6+\varepsilon$ の $\varepsilon$ は省けない。Oes88 p. 168 の数列で、このことを確かめる。
$a_0:=16$、$b_0:=1$、$c_0:=-17$ とし、
$$
a_{n+1}:=4a_nb_n,\qquad b_{n+1}:=(a_n-b_n)^2,\qquad c_{n+1}:=-(a_n+b_n)^2
$$
と定める。$\lambda_n:=\lvert a_nb_nc_n\rvert/\operatorname{rad}(a_nb_nc_n)^3$ とおく。
1.$n$ についての帰納法による。$n=0$ では確かめられる($c_0=-17\equiv3\pmod4$)。$n$ で成り立つとする。$a_{n+1}+b_{n+1}+c_{n+1}=4a_nb_n+(a_n-b_n)^2-(a_n+b_n)^2=0$ である。$a_n$ は偶数、$b_n$ は奇数なので $a_n\ne b_n$ で、$b_{n+1}>0$、$a_{n+1}>0$ であり、$a_n\pm b_n$ は奇数なので $b_{n+1}$ は奇数、$c_{n+1}=-(\text{奇数})^2\equiv-1\pmod 8$ である。$16\mid a_n$ から $16\mid a_{n+1}$ である。素数 $\ell$ が $a_{n+1}$ と $b_{n+1}$ をともに割るとすると、$\ell\mid a_n-b_n$ なので $\ell$ は奇数で、$\ell\mid a_nb_n$ である。$\ell\mid a_n$ なら $\ell\mid b_n$ となり $\gcd(a_n,b_n)=1$ に反し、$\ell\mid b_n$ でも同じである。
2.$R_n:=\operatorname{rad}(a_nb_nc_n)$ とおく。$a_{n+1}b_{n+1}c_{n+1}$ を割る素数は $2$、または $a_n$、$b_n$、$a_n-b_n$、$a_n+b_n=-c_n$ のどれかを割る素数で、$2\mid a_n$ なので $R_{n+1}\le R_n\cdot\lvert a_n-b_n\rvert$ である。よって
$$
\lambda_{n+1}=\frac{4a_nb_n(a_n-b_n)^2c_n^2}{R_{n+1}^3}\ge\frac{4a_nb_n(a_n-b_n)^2c_n^2}{R_n^3\lvert a_n-b_n\rvert^3}=4\lambda_n\cdot\frac{\lvert c_n\rvert}{\lvert a_n-b_n\rvert}\ge4\lambda_n
$$
である。最後は $a_n,b_n>0$ から $\lvert c_n\rvert=a_n+b_n\ge\lvert a_n-b_n\rvert$ による。$\lambda_0>0$ なので $\lambda_n\ge4^n\lambda_0\to\infty$ である。
3.1 により $(c_n,a_n,b_n)$ は prop-szpiro-frey の仮定(和が $0$、互いに素、$c_n\equiv-1\pmod4$、$16\mid a_n$)をみたす($\gcd(a_n,b_n)=1$ と和が $0$ から 3 つは 2 つずつ互いに素である)。よって $E_n$ は半安定で、$\lvert\Delta_{E_n}\rvert=(a_nb_nc_n)^2/2^8$、$N_{E_n}\le R_n$ であり、
$$
\frac{\lvert\Delta_{E_n}\rvert}{N_{E_n}^6}\ge\frac{(a_nb_nc_n)^2}{2^8R_n^6}=\frac{\lambda_n^2}{2^8}
$$
となる。$\square$
$\lambda_0\approx0.0069$、$\lambda_3\approx2.38$、$\lambda_4\approx13.3$、$\lambda_5\approx3639$ である(Python による計算)。Oes88 p. 168 は、同じ列から $\beta=6$ の弱い形も、thm-szpiro-abc の $\lvert abc\rvert$ についての不等式の指数 $3$ ちょうども成り立たないことを導き、この意味で強い形の予想が最も楽観的な形だと述べている。
Szpiro 予想は、不変量 $c_4,c_6$ を使った形に強めると abc予想 と同値になる。
任意の $\varepsilon>0$ について定数 $C'(\varepsilon)>0$ があって、すべての楕円曲線 $E/\mathbb{Q}$ について、大域極小方程式の $c_4,c_6$ と導手 $N_E$ が
$$
\max\bigl(\lvert c_4\rvert^3,\lvert c_6\rvert^2\bigr)\le C'(\varepsilon)\,N_E^{6+\varepsilon}
$$
をみたす。
これは Oes88 Conjecture 4(p. 169)である。
conj-szpiro-modified を認めると、すべての楕円曲線 $E/\mathbb{Q}$(半安定とは限らない)について $\lvert\Delta_E\rvert\le\frac{C'(\varepsilon)}{864}N_E^{6+\varepsilon}$ が成り立つ。とくに conj-szpiro-main が成り立つ。
大域極小方程式で $1728\Delta_E=c_4^3-c_6^2$ なので、$1728\lvert\Delta_E\rvert\le\lvert c_4\rvert^3+\lvert c_6\rvert^2\le2\max(\lvert c_4\rvert^3,\lvert c_6\rvert^2)\le2C'(\varepsilon)N_E^{6+\varepsilon}$ である。$1728/2=864$ で割ればよい。$\square$
逆向きの関係として、次のことが知られている(どれもこの記事では証明しない)。
主張の仮定を 1 つ外すと、結論は成り立たなくなる。確かめは表の下にある。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 予想:$\varepsilon>0$ | $E_{c_n,a_n,b_n}$(prop-szpiro-exponent-six) | $\lvert\Delta_E\rvert\le CN_E^6$ |
| Frey 曲線:$b\equiv0\pmod{16}$ | $(a,b,c)=(-1,-8,9)$ | 変換後の方程式が整数係数 |
| Frey 曲線:$a,b,c$ が互いに素 | $(a,b,c)=(3,48,-51)$ | $E_{a,b,c}$ は半安定 |
| thm-szpiro-abc:$a,b,c$ が互いに素 | $(2^n,2^n,-2^{n+1})$($n\ge4$) | $\lvert abc\rvert\le C_1\operatorname{rad}(abc)^{3+\varepsilon}$ |
各行の確かめを述べる。
1 行目:prop-szpiro-exponent-six の 3 による。曲線は半安定で、$\varepsilon=0$ にしたことだけが予想の形に反する。
2 行目:$a=-1\equiv3\pmod4$ で、$a+b+c=0$、互いに素だが、$b=-8$ は $16$ で割れない。$ab/16=8/16$ は整数でないので、$x=4X$、$y=8Y+4X$ による方程式は整数係数にならない。
3 行目:$3\equiv-1\pmod4$、$16\mid48$、$3+48-51=0$ だが、$\gcd=3$ である。$y^2=x(x-3)(x+48)$ の不変量は $c_4=16(3^2+3\cdot48+48^2)=16\cdot2457=16\cdot3^3\cdot7\cdot13$ と $\Delta=16\cdot(3\cdot48\cdot51)^2$ で、$3$ は両方を割る。$v_3(c_4)=3<4$ なので、半安定還元 の補題「極小性と型の判定」により方程式は $3$ で極小であり、$v_3(\Delta)>0$、$v_3(c_4)>0$ だから $E$ は $3$ で加法的還元をもち、半安定でない。
4 行目:$\operatorname{rad}(abc)=2$ で右辺は一定だが、$\lvert abc\rvert=2^{3n+1}$ は発散する。$16\mid abc$ と和が $0$ はみたされ、互いに素でないことだけが仮定に反する。
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