Kontsevich–Zagierの周期(Kontsevich–Zagier period)とは、実部と虚部がともに、有理数係数の多項式の不等式で定まる $\mathbb{R}^m$ の領域の上での、有理数係数の有理関数の絶対収束する積分の値として書ける複素数である。$\pi$、代数的数の対数、$\zeta(n)$($n\ge2$)、多重ゼータ値などが周期である。周期の全体は代数的数をすべて含む $\mathbb{C}$ の可算な部分環で、実周期は有理数係数の不等式で定まる集合の体積の差として特徴づけられる。代数多様体の de Rham コホモロジーと特異ホモロジーの対で定まる周期と一致し、$e$ や $1/\pi$ は周期でないと予想されている。
前提知識: 周期(代数多様体), 半代数的集合, Lebesgue測度, Fubiniの定理
$\pi$ は単位円板の面積 $\iint_{x^2+y^2\le1}dx\,dy$、$\log2$ は $\int_1^2dx/x$、$\zeta(3)$ は $\iiint_{0< x< y< z<1}\frac{dx\,dy\,dz}{(1-x)yz}$ である。$\pi$ や $\log2$ は代数的数ではないが、どの数も、有理数係数の多項式の不等式で定まる領域の上で、有理数係数の有理関数を積分した値として書ける。このように書ける実数を実部と虚部にもつ複素数を Kontsevich–Zagier の周期(Kontsevich–Zagier period)、または単に周期という。
周期の全体 $\mathcal{P}$ は、代数的数の全体 $\overline{\mathbb{Q}}$ を含む $\mathbb{C}$ の部分環で、しかも可算集合である。したがって周期でない複素数は非可算個あるが、具体的に「この数は周期でない」と示すのは難しく、$e$ や $1/\pi$ は周期でないと予想されているだけである。周期は、代数多様体の de Rham コホモロジーの元を特異ホモロジーの元の上で積分した値(周期(代数多様体))と同じものであることが知られており、初等的な積分の言葉と、コホモロジーやモチーフの言葉を結んでいる。
この記事では、周期を定義し、実周期が有理数係数の不等式で定まる集合の体積の差に等しいこと、周期の全体が $\overline{\mathbb{Q}}$ を含む可算な環であることを証明し、$\pi$、代数的数の対数、$\zeta(n)$ などの例を確かめる。
半代数的集合 のうち、有理数係数の多項式 $P$ による集合 $\{P=0\}$、$\{P>0\}$ から有限個の和・共通部分・補集合をとって作れるものを、$\mathbb{Q}$ 上で定義される半代数的集合という(半代数的集合 の記事の定義「半代数的集合」の $D=\mathbb{Q}$ の場合)。以下これを $\mathbb{Q}$ 半代数的集合 と略す。$\mathbb{Q}$ 半代数的集合は開集合と閉集合から有限回の操作で作られるので Borel 集合であり、Lebesgue 測度 $\operatorname{vol}$ が定まる。$\mathbb{Q}$ 半代数的集合の直積は $\mathbb{Q}$ 半代数的集合である(同記事の命題「逆像・直積・切り口で閉じること」)。
有理関数の分母の零点集合は測度 $0$ である。
$Q\in\mathbb{R}[x_1,\dots,x_m]$ が $0$ でなければ、$\{x\in\mathbb{R}^m\mid Q(x)=0\}$ の Lebesgue 測度は $0$ である。
$m$ についての帰納法による。$m=1$ では零点は高々 $\deg Q$ 個である。$m\ge2$ とし、$Q=\sum_{k=0}^dq_k(x')x_m^k$($x'=(x_1,\dots,x_{m-1})$、$q_d\ne0$)と書く。$q_d(x')\ne0$ となる $x'$ では、切り口 $\{x_m\mid Q(x',x_m)=0\}$ は高々 $d$ 点で測度 $0$ である。$q_d(x')=0$ となる $x'$ の集合は、帰納法の仮定により $\mathbb{R}^{m-1}$ の測度 $0$ の集合である。よって零点集合の切り口は、測度 $0$ の集合に属する $x'$ を除いて測度 $0$ であり、Fubiniの定理 の記事の系「Euclid空間の零集合と切り口」により零点集合は測度 $0$ である。$\square$
実数 $p$ が 実周期 であるとは、ある $m\ge1$、$\mathbb{Q}$ 半代数的集合 $\Delta\subset\mathbb{R}^m$、有理数係数の有理関数 $f=P/Q$($P,Q\in\mathbb{Q}[x_1,\dots,x_m]$、$Q\ne0$)があって、Lebesgue 積分
$$
\int_\Delta f(x)\,dx\qquad\Bigl(\int_\Delta\lvert f(x)\rvert\,dx<\infty\Bigr)
$$
が絶対収束し、その値が $p$ に等しいことをいう($f$ は測度 $0$ の集合 $\{Q=0\}$ の外で定まっていればよい)。実周期の全体を $\mathcal{P}_{\mathbb{R}}$ と書く。実部と虚部がともに実周期である複素数を 周期(Kontsevich–Zagier の意味の周期)といい、その全体を $\mathcal{P}:=\mathcal{P}_{\mathbb{R}}+i\,\mathcal{P}_{\mathbb{R}}$ と書く。
これは Kontsevich と Zagier の定義(KZ01 §1.1、p. 3)と同じである。そこでは、有理関数と有理数係数を、代数関数と代数的数の係数に替えても周期の全体は変わらないと注意されている。$\mathcal{P}$ を 周期(代数多様体) の記事では周期環と呼んでいる(同記事の定義「周期環」。そこでは $\Delta$ を閉じた不等式系の有限和に限るが、$0$ でない多項式の等式で定まる部分と、$\{P>0\}$ と $\{P\ge0\}$ の差はどちらも lem-kz-null により測度 $0$ なので、同じ $\mathcal{P}$ を与える)。環であることは下で示す。
$\mathbb{Q}$ 半代数的集合 $A\subset\mathbb{R}^m$($m\ge1$)で $\operatorname{vol}(A)<\infty$ となるものの体積の全体を $V\subset[0,\infty)$ とおく。
$\mathcal{P}_{\mathbb{R}}=V-V:=\{v-w\mid v,w\in V\}$ である。すなわち、実数が実周期であることは、有限の体積をもつ 2 つの $\mathbb{Q}$ 半代数的集合の体積の差として書けることと同値である。
$V-V\subset\mathcal{P}_{\mathbb{R}}$.$A\subset\mathbb{R}^m$、$B\subset\mathbb{R}^{m'}$ を体積が有限の $\mathbb{Q}$ 半代数的集合とし、$m\le m'$ とする。$A\times[0,1]^{m'-m}$ は $\mathbb{Q}$ 半代数的で体積は $\operatorname{vol}(A)$ なので(Fubiniの定理)、$m=m'$ としてよい。$\mathbb{R}^{m+1}$ の中の集合
$$
\Delta:=\bigl(A\times[0,1]\bigr)\cup\bigl(B\times[2,3]\bigr)
$$
は $\mathbb{Q}$ 半代数的で、2 つの部分は交わらない。$f(x,y):=\frac32-y$ は $\int_0^1f\,dy=1$、$\int_2^3f\,dy=-1$ を満たし、$\Delta$ の上で $\lvert f\rvert\le\frac32$、$\operatorname{vol}(\Delta)<\infty$ なので積分は絶対収束する。Fubini の定理により $\int_\Delta f=\operatorname{vol}(A)-\operatorname{vol}(B)$ である。
$\mathcal{P}_{\mathbb{R}}\subset V-V$.$p=\int_\Delta f$、$f=P/Q$ とする。$P=0$ なら $p=0=\operatorname{vol}(\emptyset)-\operatorname{vol}(\emptyset)$ である。$P\ne0$ とし、
$$
\Delta_+:=\Delta\cap\{PQ>0\},\qquad\Delta_-:=\Delta\cap\{PQ<0\}
$$
とおく。残りの $\Delta\cap\{PQ=0\}$ は lem-kz-null により測度 $0$ である。$\Delta_+$ の上では $Q\ne0$ で $f>0$、$\Delta_-$ の上では $f<0$ である。$\Delta_+$ の点では $Q(x)^2>0$ なので、$0\le z\le f(x)$ は $0\le z$ かつ $zQ(x)^2\le P(x)Q(x)$ と同値である。そこで
$$
S_\pm:=\bigl\{(x,z)\in\mathbb{R}^{m+1}\bigm|x\in\Delta_\pm,\ z\ge0,\ zQ(x)^2\le\pm P(x)Q(x)\bigr\}
$$
とおくと、$S_\pm$ は $\mathbb{Q}$ 半代数的で、$x\in\Delta_\pm$ での切り口は区間 $[0,\pm f(x)]$ である。非負関数についての Fubini の定理(Tonelli の定理)により $\operatorname{vol}(S_\pm)=\pm\int_{\Delta_\pm}f$ であり、これは絶対収束の仮定により有限である。よって $p=\int_{\Delta_+}f+\int_{\Delta_-}f=\operatorname{vol}(S_+)-\operatorname{vol}(S_-)\in V-V$ である。$\square$
同じ特徴づけは HMS17 Proposition 12.1.6 にもある。被積分関数を「グラフの下の体積」に置き換えるこの操作により、周期の定義では定数関数 $1$ の積分、すなわち体積だけを考えれば十分である(KZ01 §1.1、p. 3)。
$V$ は和と積で閉じる.$A,B$ を体積が有限の $\mathbb{Q}$ 半代数的集合とし、prf-kz-volumes と同じく次元をそろえる。$A\times[0,1]$ と $B\times[2,3]$ は交わらないので $\operatorname{vol}(A)+\operatorname{vol}(B)=\operatorname{vol}\bigl(A\times[0,1]\cup B\times[2,3]\bigr)\in V$ であり、Fubini の定理により $\operatorname{vol}(A)\operatorname{vol}(B)=\operatorname{vol}(A\times B)\in V$ である。$0=\operatorname{vol}(\emptyset)$、$1=\operatorname{vol}([0,1])$ も $V$ に入る。
$V-V$ は環.$(a-b)+(c-d)=(a+c)-(b+d)$、$(a-b)(c-d)=(ac+bd)-(ad+bc)$、$-(a-b)=b-a$ なので、$V-V$ は和・積・符号の反転で閉じ、$0,1$ を含む。thm-kz-volumes により $\mathcal{P}_{\mathbb{R}}=V-V$ は $\mathbb{R}$ の部分環である。
実代数的数.$\alpha>0$ を実代数的数、$M\in\mathbb{Q}[x]$ をその最小多項式とする。$M$ は $\mathbb{Q}$ 上既約で標数 $0$ なので重根をもたず、$M(x)=(x-\alpha)g(x)$、$g(\alpha)\ne0$ と書ける。有理数 $a,b$ を $0\le a<\alpha< b$ かつ $[a,b]$ が $M$ の他の根を含まないようにとると、$g$ は $[a,b]$ で符号が一定なので、$M$ は $[a,\alpha)$ で $M(a)$ と同じ符号、$(\alpha,b]$ で逆の符号をもつ。よって
$$
[0,\alpha]=[0,a]\cup\{x\mid a\le x\le b,\ M(a)M(x)\ge0\}
$$
は $\mathbb{Q}$ 半代数的で、$\alpha=\operatorname{vol}([0,\alpha])\in V$ である。負の実代数的数は $0-\lvert\alpha\rvert\in V-V$ である。複素代数的数 $z$ の実部 $\frac{z+\bar z}2$ と虚部 $\frac{z-\bar z}{2i}$ は実代数的数なので $\overline{\mathbb{Q}}\subset\mathcal{P}$ である。
$\mathcal{P}$ は環.$p=a+ib$、$q=c+id$($a,b,c,d\in\mathcal{P}_{\mathbb{R}}$)について $p+q=(a+c)+i(b+d)$、$pq=(ac-bd)+i(ad+bc)$ で、実部と虚部は 1 により $\mathcal{P}_{\mathbb{R}}$ に入る。
可算性.実周期は、自然数 $m$、有理数係数の多項式 $P,Q$、および $\Delta$ を作る有限個の有理数係数の多項式と和・共通部分・補集合の有限の手順という、有限個の有理数で書けるデータで決まる。そのようなデータの全体は可算なので $\mathcal{P}_{\mathbb{R}}$ は可算で、$\mathcal{P}$ も可算である。$\mathbb{C}$ は非可算なので、周期でない複素数は非可算個ある。$\square$
整数 $n\ge2$ について、$\Delta_n:=\{t\in\mathbb{R}^n\mid0< t_1< t_2<\cdots< t_n<1\}$ とおくと
$$
\zeta(n)=\sum_{m\ge1}\frac1{m^n}=\int_{\Delta_n}\frac{dt_1\,dt_2\cdots dt_n}{(1-t_1)\,t_2\cdots t_n}
$$
であり、右辺は絶対収束する。とくに $\zeta(n)$ は実周期である。
被積分関数は $\Delta_n$ の上で正なので、絶対収束は積分が有限であることと同じであり、Tonelli の定理により内側から順に積分してよい。$0\le t<1$ で $\frac1{1-t}=\sum_{k\ge0}t^k$ は非負の項の級数なので、単調収束定理 により項ごとに積分できて
$$
\int_0^{t_2}\frac{dt_1}{1-t_1}=\sum_{m\ge1}\frac{t_2^m}m
$$
である。次に $\frac1{t_2}$ を掛けて $0$ から $t_3$ まで積分すると、やはり項ごとに $\sum_{m\ge1}\frac{t_3^m}{m^2}$ を得る。これを $t_n$ まで繰り返すと、$\int_0^{t_n}\cdots\,\frac{dt_{n-1}}{t_{n-1}}=\sum_{m\ge1}\frac{t_n^m}{m^{n-1}}$ となり、最後に $\frac1{t_n}$ を掛けて $0$ から $1$ まで積分すると
$$
\int_0^1\sum_{m\ge1}\frac{t_n^{m-1}}{m^{n-1}}\,dt_n=\sum_{m\ge1}\frac1{m^n}=\zeta(n)<\infty
$$
である。$\Delta_n$ は $\mathbb{Q}$ 半代数的で、被積分関数は有理数係数の有理関数なので、$\zeta(n)$ は実周期である。$\square$
同じ形の反復積分で、多重ゼータ値 $\zeta(s_1,\dots,s_k)$($s_k\ge2$)も周期である(KZ01 §1.1、(3)、p. 5)。$n=1$ では $\int_0^1\frac{dt}{1-t}=\infty$ で、$\zeta(1)$ に当たる値は得られない。
正の整数 $p,q$ について $\Gamma(p/q)^q$ は周期である。これはベータ関数による表示から従い、たとえば $\Gamma(\frac12)^2=\pi$ である(KZ01 §1.1、(6)、p. 5)。また $\mathbb{Q}$ 係数の Laurent 多項式 $P(x_1,\dots,x_n)$ について、積分 $\int_{\lvert x_1\rvert=\cdots=\lvert x_n\rvert=1}\log\lvert P(x)\rvert\frac{dx_1}{x_1}\cdots\frac{dx_n}{x_n}$ は周期である(同 (4)、p. 5)。$x_k=e^{i\theta_k}$ とおくとこれは $P$ の(対数)Mahler 測度 $\frac1{(2\pi)^n}\int\log\lvert P(e^{i\theta})\rvert\,d\theta$ の $(2\pi i)^n$ 倍である。1 変数の Mahler 測度は、Jensenの公式 の例「多項式と Mahler 測度」により代数的数の対数の和になる。この記事では証明しない。
楕円の周の長さを与える楕円積分 $2\int_{-b}^b\sqrt{1+\frac{a^2x^2}{b^4-b^2x^2}}\,dx$($a,b\in\mathbb{Q}_{>0}$)も周期である(KZ01 §1.1、p. 4。被積分関数は代数関数で、代数関数を許しても周期の全体が変わらないことによる。この記事では証明しない)。楕円曲線の周期と Legendre の関係は 周期(代数多様体) の記事で扱っている。
周期(代数多様体) の記事では、体 $k\subset\mathbb{C}$ 上の代数多様体の代数的 de Rham コホモロジーの元を、特異ホモロジーの元に沿って積分した値を周期と呼んだ。$\overline{\mathbb{Q}}$ 上の多様体について、2 つの定義は同じ数の集合を与える。
$\overline{\mathbb{Q}}$ 上の代数多様体 $X$、その閉部分多様体 $D$、整数 $j\ge0$、相対代数的 de Rham コホモロジーの元 $\omega\in H^j_{\mathrm{dR}}(X,D)$、相対特異ホモロジーの元 $\gamma\in H_j(X(\mathbb{C}),D(\mathbb{C});\mathbb{Q})$ をわたらせたときの $\int_\gamma\omega$ の全体は、$\mathcal{P}$ に等しい。$X,D$ を $\mathbb{Q}$ 上のものに限っても同じ集合になる。
この記事では証明しない。左辺の集合は HMS17 Definition 11.3.1 の $P^{\mathrm{eff}}$(effective な周期の全体)であり、一致は同 Theorem 12.2.1 である。その証明は、コンパクトな半代数的集合の上の微分形式の積分(Friedrich による naive period、同 Definition 12.1.1)を仲立ちにする。周期 $\int_\gamma\omega$ から積分表示を得るには、サイクル $\gamma$ を半代数的な単体の和で表して座標に移す。逆に、半代数的集合の上の積分を周期にするには、特異点の解消によって積分領域の境界を正規交叉因子にし、その因子を $D$ にとる(前半の筋は KZ01 §1.1、p. 3 にも述べられている)。
この一致により、たとえば $2\pi i$ は乗法群 $\mathbb{G}_m$ の、$\log2$ は $\mathbb{G}_m$ と 2 点 $\{1,2\}$ の対のコホモロジーの周期として現れる(周期(代数多様体) の命題「乗法群の周期」と例「$\log 2$ と相対コホモロジー」)。
周期は可算個しかないので、ほとんどすべての複素数は周期でない。しかし具体的な数について周期でないことを示すのは難しい。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 積分が絶対収束すること | $\Delta=[-1,1]$、$f(x)=1/x$ | 積分が値を定めること |
| 領域を定める多項式の係数が有理数 | $\Delta=[0,c]$($c$ は任意の正の実数)、$f=1$ | 周期の全体が可算であること |
| 被積分関数の係数が有理数 | $\Delta=[0,1]$、$f=c$($c$ は任意の実数) | 周期の全体が可算であること |
各行は、表の条件だけを外すと結論が破れることを示す。
1 行目:$[-1,1]$ は $\mathbb{Q}$ 半代数的で $1/x$ は有理数係数の有理関数だが、$\int_{-1}^1\lvert1/x\rvert\,dx=\infty$ で、Lebesgue 積分は定まらない。主値 $\lim_{\varepsilon\to0}\bigl(\int_{-1}^{-\varepsilon}+\int_\varepsilon^1\bigr)dx/x=0$ はあるが、$\int_{-1}^{-\varepsilon}+\int_{2\varepsilon}^1$ のように切り方を変えると極限は $-\log2$ になり、値は切り方で変わる。
2 行目:$[0,c]=\{x\mid x\ge0,\ c-x\ge0\}$ は実数係数の多項式で定まり、$\int_{[0,c]}1\,dx=c$ である。こうした積分を許すとすべての正の実数が得られ、その全体は非可算である。被積分関数 $1$ は有理数係数のままである。
3 行目:$\int_{[0,1]}c\,dx=c$ で、区間 $[0,1]$ は $\mathbb{Q}$ 半代数的のままである。すべての実数が得られ、非可算である。
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