Alexanderカンドル

同義語:Alexander quandleアレクサンダーカンドル

概要

Alexanderカンドル(Alexander quandle)とは、Laurent 多項式環 $\Lambda=\mathbb{Z}[t,t^{-1}]$ 上の加群 $M$ に演算 $x\ast y=tx+(1-t)y$ を入れたカンドルであり、$\mathbb{Z}/n$ で $t=-1$ とすると二面体カンドルになる。その軌道は部分加群 $(1-t)M$ の剰余類で、連結であることは $1-t$ が全射であることと同値である。結び目の図式の彩色の全体は、$M$ と、Alexander 加群から $M$ への($t$ を $t^{-1}$ に読み替えた)$\Lambda$ 準同型の全体との積に一致するので、彩色の数は Alexander 加群で決まり(巡回加群なら Alexander 多項式で計算でき)、三葉結び目・8 の字結び目・自明な結び目を区別する。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: カンドル, カンドル彩色, Laurent多項式環, Alexander多項式, 半直積

Alexander カンドル(Alexander quandle)は、Laurent 多項式環 $\Lambda=\mathbb{Z}[t,t^{-1}]$ 上の加群 $M$ に
$$ x\ast y:=tx+(1-t)y $$
で演算を入れた カンドル である。$\mathbb{Z}/n$ で $t=-1$ とすれば $x\ast y=2y-x$ となり、二面体カンドル $R_n$ が得られる。
Alexander カンドルによる結び目の図式の彩色(カンドル彩色)は、加群 $M$ の中で解く連立 1 次方程式になる。その解の全体は、$M$ と、結び目の Alexander 加群 $A_K$ から $M$ への($t$ を $t^{-1}$ に読み替えた)$\Lambda$ 準同型の全体との積に一致する。このため Alexander カンドルの彩色の数は Alexander 加群から計算でき(Alexander 加群が巡回加群なら Alexander多項式 から計算できる)、逆に図式の彩色から Alexander 多項式を読み取ることもできる。
この記事では、軌道と連結性の判定($1-t$ が全射であること)、彩色と Alexander 加群の対応を証明し、三葉結び目と 8 の字結び目で彩色の数を計算する。

定義

加群から作るカンドル

$\Lambda:=\mathbb{Z}[t,t^{-1}]$ とし、$M$ を $\Lambda$ 加群とする。$M$ に
$$ x\ast y:=tx+(1-t)y\qquad(x,y\in M) $$
を入れたものを Alexander カンドルという。$\gcd(a,n)=1$ となる整数 $a$ をとり、$t$ を $a$ 倍として $\mathbb{Z}/n$ を $\Lambda$ 加群とみたものを $\mathbb{Z}/n$ の 線形 Alexander カンドルという。

これがカンドルであることは カンドル の命題「主な例」の 5 で確かめられている。逆演算は $x\ast^{-1}y=t^{-1}x+(1-t^{-1})y$ で、これは $t$ を $t^{-1}$ に替えた Alexander カンドルの演算である。

平行移動と加群の自己同型

Alexander カンドル $M$ について、平行移動 $x\mapsto x+c$($c\in M$)と $\Lambda$ 加群の自己同型は、カンドルの自己同型である。

$(x+c)\ast(y+c)=tx+(1-t)y+(t+1-t)c=x\ast y+c$ である。$\Lambda$ 加群の準同型 $h$ は $h(tx+(1-t)y)=th(x)+(1-t)h(y)$ をみたす。どちらも全単射なら自己同型である。$\square$

Alexander カンドルの例
  1. 二面体カンドル $R_n$:$\mathbb{Z}/n$ で $t=-1$。正 $n$ 角形の折り返しの共役と同型である(カンドル の命題「二面体カンドルと正多角形の折り返し」)。
  2. 自明カンドル:$t=1$ とすると $x\ast y=x$ である。
  3. 4 元の Alexander カンドル $S_4$:$\mathbb{F}_4=\mathbb{F}_2[\omega]/(\omega^2+\omega+1)$ で $t=\omega$。$x\ast y=\omega x+(1+\omega)y$ である。
  4. $\Lambda$ 自身、$\Lambda/(f)$($f\in\Lambda$)、有限体 $\mathbb{F}_p$ で $t$ を $0$ でない元 $\omega$ とした線形カンドル。

軌道と連結性

軌道と連結性は カンドル の定義「内部自己同型群と連結性」の意味で用いる。

軌道の決定と連結性

Alexander カンドル $M$ の軌道は、部分加群 $(1-t)M$ の剰余類 $x+(1-t)M$ である。とくに、$M$ が連結であることと、$1-t\colon M\to M$ が全射であることは同値である。

$S_y(x)-x=(t-1)x+(1-t)y=(1-t)(y-x)$、$S_y^{-1}(x)-x=t^{-1}(1-t)(x-y)$ はどちらも $(1-t)M$ に入る。よって右移動とその逆は剰余類を保ち、軌道は剰余類に含まれる。逆に $x$ と $m\in M$ について $y:=x+m$ とすると $S_y(x)=x+(1-t)m$ なので、剰余類 $x+(1-t)M$ のすべての元は $x$ から 1 回の右移動で得られる。したがって軌道は剰余類そのもので、軌道が 1 つであることは $(1-t)M=M$ と同値である。$\square$

例の連結性
  1. 二面体カンドル $R_n$ は $n$ が奇数のとき、またそのときに限り連結である(カンドル の命題「二面体カンドルの軌道」と同じ結論)。
  2. $\mathbb{Z}/n$ の線形カンドル($t=a$)は $\gcd(1-a,n)=1$ のとき、またそのときに限り連結である。
  3. $S_4$ と、$\omega\ne1$ とした $\mathbb{F}_p$ の線形カンドルは連結である。

1:$1-t=2$ 倍が $\mathbb{Z}/n$ の全射であるのは $n$ が奇数のときである。2:$1-a$ 倍が全射であることは $1-a$ が $\mathbb{Z}/n$ の単元であることと同値である。3:体の $0$ でない元 $1-\omega$ は単元である($S_4$ では $1-\omega=1+\omega=\omega^2$)。$\square$

有限の Alexander カンドルの同型の判定は、加群 $(1-t)M$ に帰着する。

Nelson の分類

元の個数が等しい有限の Alexander カンドル $M,N$ がカンドルとして同型であることと、$(1-t)M$ と $(1-t)N$ が $\Lambda$ 加群として同型であることは同値である(Nel03 Theorem 2.1、p. 3。この記事では証明しない)。カンドルとしての同型は $\Lambda$ 加群の同型とは限らない。たとえば $\mathbb{Z}/9$ の線形カンドル $t=4$ と $t=7$ はカンドルとして同型だが、$\Lambda$ 加群としては同型でない(同 p. 2)。

彩色と Alexander 加群

$K$ を正則な射影をもつ向き付けられた折れ線の結び目、$D$ をその図式とし、弧を $\alpha_1,\dots,\alpha_n$ とする。彩色は カンドル彩色 の定義「カンドル彩色」のとおり、各交差で $c(\text{左の弧})=c(\text{右の弧})\ast c(\text{上の弧})$ をみたす写像で、Alexander カンドル $M$ では $M$ の中の連立 1 次方程式
$$ c(\text{左})=t\,c(\text{右})+(1-t)\,c(\text{上}) $$
である。Alexander多項式 の記事に従い、$X=\mathbb{R}^3\setminus K$、絡み数による全射 $\varphi\colon\pi_1(X)\to\mathbb{Z}$、$N:=\ker\varphi$、Alexander 加群を $A_K$ とする。$\Lambda$ 加群 $M$ について、同じアーベル群に $t$ を $t^{-1}$ として作用させた $\Lambda$ 加群を $\overline M$ と書く。

半直積による言い換え

$\langle\tau\rangle\cong\mathbb{Z}$ が $\tau\cdot m:=t^{-1}m$ で $M$ に作用する半直積 $G_M:=M\rtimes\langle\tau\rangle$ を考える。元を $(m,\tau^k)$ と書き、積は $(m,\tau^k)(m',\tau^l)=(m+t^{-k}m',\tau^{k+l})$、逆元は $(m,\tau)^{-1}=(-tm,\tau^{-1})$ である。

共役による表示

$x,y\in M$ について
$$ (y,\tau)^{-1}(x,\tau)(y,\tau)=(x\ast y,\tau) $$
である。すなわち、$x\mapsto(x,\tau)$ は Alexander カンドル $M$ から共役カンドル $\operatorname{Conj}(G_M)$($g\ast h=h^{-1}gh$)への単射準同型である。

$(-ty,\tau^{-1})(x,\tau)=(-ty+tx,1)$ で、これに $(y,\tau)$ を右から掛けると $(tx-ty+y,\tau)=(tx+(1-t)y,\tau)$ になる。$\square$

Wirtinger表示 の関係式は、交差ごとに $x_{\text{左}}=x_{\text{上}}^{-1}\,x_{\text{右}}\,x_{\text{上}}$ の形に書ける(結び目カンドル の定理「随伴群は結び目群」の証明)。生成元 $x_i$ は弧 $\alpha_i$ のまわりを右ねじの向きに回るループで、$\varphi(x_i)=1$ である。

彩色と Alexander 加群

$\mu:=x_1$ とし、$N$ の可換化 $N^{\mathrm{ab}}\cong A_K$ に $t\cdot[n]:=[\mu n\mu^{-1}]$ で $\Lambda$ 加群の構造を入れる(Alexander多項式 の命題「Alexander 加群は結び目群で決まる」)。$\Lambda$ 加群 $M$ について、全単射
$$ \operatorname{Col}_M(D)\xrightarrow{\ \cong\ }M\times\operatorname{Hom}_\Lambda(A_K,\overline M) $$
で、彩色 $c$ の第 1 成分が $c(\alpha_1)$ であり、$\Lambda$ 加群の準同型 $M\to M'$ について自然なものがある。とくに $M$ が有限なら $\lvert\operatorname{Col}_M(D)\rvert=\lvert M\rvert\cdot\lvert\operatorname{Hom}_\Lambda(A_K,\overline M)\rvert$ である。

彩色と準同型。 彩色 $c$ に、$x_i\mapsto(c(\alpha_i),\tau)$ で定まる写像を対応させる。lem-aq-semidirect により、関係式 $x_{\text{左}}=x_{\text{上}}^{-1}x_{\text{右}}x_{\text{上}}$ が $G_M$ で成り立つことは彩色の条件と同値なので、群の表示 の普遍性と Wirtinger表示 の定理「Wirtinger 表示の定理」から、彩色は群準同型 $\rho\colon\pi_1(X)\to G_M$ で各 $x_i$ を $M\times\{\tau\}$ へ送るものと 1 対 1 に対応する。$\pi_1(X)$ は $x_i$ で生成され $\varphi(x_i)=1$ なので、この条件は「$\rho(g)$ の $\tau$ の指数が $\varphi(g)$ である」ことと同値である。
準同型の分解。 そのような $\rho$ について $\rho(\mu)=(m,\tau)$ と書き、$\rho$ を $N$ に制限すると準同型 $f\colon N\to M\times\{1\}\cong M$ を得る。$M$ は可換なので $f$ は $N^{\mathrm{ab}}$ を経由し、
$$ \rho(\mu n\mu^{-1})=(m,\tau)(f(n),1)(-tm,\tau^{-1})=(m+t^{-1}f(n)-m,1)=(t^{-1}f(n),1) $$
なので $f$ は $\Lambda$ 準同型 $A_K\to\overline M$ である。$\rho\mapsto(m,f)$ が全単射であることを示す。各 $g\in\pi_1(X)$ は $g=n\mu^k$($k=\varphi(g)$、$n=g\mu^{-k}\in N$)と一意に書けるので、$\rho$ は $(m,f)$ で決まる。逆に $(m,f)$ が与えられたとき $\rho(n\mu^k):=(f(n),1)(m,\tau)^k$ と定める。$(m,\tau)^k=(s_k,\tau^k)$ と書くと $(s_k,\tau^k)(v,1)=(t^{-k}v,1)(s_k,\tau^k)$ なので、$f(\mu^an'\mu^{-a})=t^{-a}f(n')$ と合わせて
$$ \rho(n\mu^a)\rho(n'\mu^b)=(f(n)+t^{-a}f(n'),1)(m,\tau)^{a+b}=\rho\bigl(n\cdot\mu^an'\mu^{-a}\cdot\mu^{a+b}\bigr) $$
であり、$\rho$ は準同型で、$\tau$ の指数は $\varphi$ である。
まとめ。 彩色 $c$ について $m=c(\alpha_1)$ である。$\Lambda$ 準同型 $h\colon M\to M'$ は群準同型 $G_M\to G_{M'}$ を引き起こし、$h\circ c$ には $(h(m),h\circ f)$ が対応するので、全単射は自然である。$\square$

図式から Alexander 加群を読む

弧 $\alpha_1,\dots,\alpha_n$ を生成元とし、各交差の関係 $\alpha_{\text{左}}=t\,\alpha_{\text{右}}+(1-t)\,\alpha_{\text{上}}$ を関係とする $\Lambda$ 加群を $P(D)$ とする。$A_K$ に $t$ を $t^{-1}$ として作用させた加群を $\overline{A_K}$ と書くと
$$ \overline{A_K}\cong P(D)/\Lambda\alpha_1,\qquad P(D)\cong\Lambda\oplus\overline{A_K} $$
である。交差が 1 つ以上あれば交差も $n$ 個あり、交差を行・$\alpha_2,\dots,\alpha_n$ を列とする $n\times(n-1)$ 行列(関係式の各弧の係数を並べたもの)の $(n-1)$ 次小行列式すべての最大公約元は、$\Delta_K(t)$ に単元倍を除いて等しい。

$\operatorname{Hom}_\Lambda(P(D),M)=\operatorname{Col}_M(D)$ であり、$c(\alpha_1)=0$ の彩色の全体は $\operatorname{Hom}_\Lambda(P(D)/\Lambda\alpha_1,M)$ である。$\operatorname{Hom}_\Lambda(A_K,\overline M)=\operatorname{Hom}_\Lambda(\overline{A_K},M)$ なので、thm-aq-alexander-module の全単射は $c(\alpha_1)=0$ の彩色を $\{0\}\times\operatorname{Hom}_\Lambda(\overline{A_K},M)$ へ $M$ について自然に写す。米田の補題 の系「表現可能関手による同型判定」により $P(D)/\Lambda\alpha_1\cong\overline{A_K}$ である。全体の全単射から同様に $P(D)\cong\Lambda\oplus\overline{A_K}$ である。$P(D)/\Lambda\alpha_1$ は $\alpha_2,\dots,\alpha_n$ を生成元とし $n$ 個の関係式で表示されるので、Alexander多項式 の定義「位数と Alexander 多項式」により、小行列式の最大公約元は $\operatorname{ord}(\overline{A_K})$ である。$A_K$ の表示行列の $t$ を $t^{-1}$ に替えると $\overline{A_K}$ の表示行列になるので $\operatorname{ord}(\overline{A_K})\doteq\Delta_K(t^{-1})$ で、これは同記事の命題「対称性」により $\Delta_K(t)$ に単元倍を除いて等しい。$\square$

$A_K$ が巡回加群 $\Lambda/(f)$ なら $\operatorname{Hom}_\Lambda(A_K,\overline M)\cong\{m\in M\mid f(t^{-1})\,m=0\}$ で、$f(t^{-1})$ が $f$ の単元倍なら $\{m\in M\mid f\,m=0\}$ である。$M$ が体 $\mathbb{F}$($t=\omega$)なら、$f(\omega)=0$ のとき $\lvert\mathbb{F}\rvert$ 個、そうでなければ $0$ だけである。

計算例

三葉結び目

結び目カンドル の例「交差のない図式と三葉結び目」の図式では、彩色の条件は $c_0=c_2\ast c_1$、$c_1=c_0\ast c_2$、$c_2=c_1\ast c_0$ である($c_i$ は弧 $\alpha_i$ の色)。Alexander カンドル $M$ で $c_0=0$ とすると、第 2 式は $c_1=(1-t)c_2$、第 3 式は $c_2=tc_1$ で、合わせて $(t^2-t+1)c_1=0$ になる。第 1 式 $0=tc_2+(1-t)c_1=(t^2-t+1)c_1$ も同じ条件である。逆にこの条件をみたす $c_1$ と $c_2=tc_1$ は 3 式をみたす。よって $c_0=0$ の彩色は $\{m\in M\mid(t^2-t+1)m=0\}$ と $M$ について自然に対応し、cor-aq-presentation の証明と同じく $\overline{A_K}\cong\Lambda/(t^2-t+1)$ である。$t^{-2}-t^{-1}+1=t^{-2}(t^2-t+1)$ なので $A_K\cong\Lambda/(t^2-t+1)$ でもあり、Alexander多項式 の命題「三葉結び目の Alexander 加群」と一致する。

8 の字結び目

カンドル彩色 の命題「二面体カンドルによる彩色数」の証明で使う 8 の字結び目の 4 交差の図式では、彩色の条件は
$$ c_2=c_1\ast c_3,\quad c_3=c_2\ast^{-1}c_4,\quad c_4=c_3\ast c_1,\quad c_1=c_4\ast^{-1}c_2 $$
である。Alexander カンドルで $c_1=0$ とすると、第 1 式と第 3 式から $c_2=(1-t)c_3$、$c_4=tc_3$ で、第 2 式は
$$ c_3=t^{-1}c_2+(1-t^{-1})c_4=(t^{-1}-1+t-1)c_3, $$
すなわち $t^{-1}(t^2-3t+1)c_3=0$ になる。第 4 式 $0=t^{-1}c_4+(1-t^{-1})c_2=(3-t-t^{-1})c_3$ も同じ条件である。よって $\overline{A_K}\cong\Lambda/(t^2-3t+1)$ で、$t^2-3t+1$ は $t\leftrightarrow t^{-1}$ で単元倍しか変わらないので $A_K\cong\Lambda/(t^2-3t+1)$、$\Delta_K\doteq t^2-3t+1$ である。これは Alexander多項式 の例「$K(1,1)$ と $K(1,-1)$」の $K(1,-1)$ と同じ多項式である。

2 つの例と thm-aq-alexander-module から、彩色の数は次のとおりである(自明な結び目は弧が 1 本で、彩色の数は $\lvert M\rvert$)。

$M$三葉結び目8 の字結び目自明な結び目
$\mathbb{F}_7$、$t=3$$49$$7$$7$
$\mathbb{F}_{11}$、$t=5$$11$$121$$11$
$S_4$($\mathbb{F}_4$、$t=\omega$)$16$$16$$4$

$\mathbb{F}_7$ では $3^2-3+1=7=0$、$3^2-9+1=1\ne0$、$\mathbb{F}_{11}$ では $5^2-5+1=21\ne0$、$5^2-15+1=11=0$、$\mathbb{F}_4$ では標数 $2$ で $\omega^2-\omega+1=\omega^2-3\omega+1=\omega^2+\omega+1=0$ である。$\mathbb{F}_7$ と $\mathbb{F}_{11}$ の彩色の数で、3 つの結び目は互いに区別される。$R_n$($t=-1$)では $f(-1)=3,5$ から $n\gcd(n,3)$、$n\gcd(n,5)$ となり、カンドル彩色 の命題「二面体カンドルによる彩色数」と一致する。

条件を外した反例

外す条件反例成り立たなくなること
$t$ が可逆($\mathbb{Z}[t]$ 加群にする)$\mathbb{Z}/4$ で $t=2$、$x\ast y=2x-y$右移動の全単射性(カンドルであること)
$1-t$ が全射$R_4$($\mathbb{Z}/4$、$t=-1$)連結であること

1 行目:冪等性と右自己分配律は $t$ の可逆性を使わない同じ計算で成り立つが、$S_0(x)=2x$ は $\mathbb{Z}/4$ で単射でない。
2 行目:$1-t=2$ 倍の像は $\{0,2\}$ で、軌道は $\{0,2\}$ と $\{1,3\}$ の 2 つである。

補足

文献

Alexander カンドルの定義と、二面体カンドルがその例であることは Kam02 §2(p. 105)にある。$S_4$ と二面体カンドル $R_4$ を $\mathbb{Z}_2[T,T^{-1}]$ の剰余加群として表すことは CJKLS03 Proposition 6.4(p. 14)にある。二面体カンドル $R_n$ による彩色が Fox の $n$ 彩色にあたることは Kam02 pp. 107–108 にある。

関連項目

参考文献

[1]
Seiichi Kamada, Knot invariants derived from quandles and racks, Geometry & Topology Monographs(Invariants of knots and 3-manifolds, Kyoto 2001), 2002, pp. 103–117(§2(Alexander カンドルと二面体カンドル、p. 105)、§3(二面体カンドルによる彩色と Fox の彩色、pp. 107–108))

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