局所同相写像(local homeomorphism)とは、位相空間の間の写像 $p\colon X\to Y$ で、各点が開近傍 $U$ をもち、$p(U)$ が開集合で $U\to p(U)$ が同相写像となるもののことである。連続・開・局所単射の 3 条件で特徴づけられ、合成・開集合への制限・底変換で保たれ、被覆写像、層のエタール空間の射影、微分が各点で同型な写像がその例である。$X$ が Hausdorff 空間なら、閉写像でファイバーが有限であること、ファイバーの点の個数が有限で局所的に一定であること、各点の近くで有限枚のシートに分かれることは同値で、$Y$ が局所コンパクト空間なら固有であることとも同値になる。
円周 $S^1$ を実数直線 $\mathbb R$ で $t\mapsto(\cos t,\sin t)$ と巻き取る写像は、単射でないので同相写像ではない。しかし $\mathbb R$ の各点のまわりの短い開区間だけを見れば、その区間を円周の開弧の上へ同相に写している。このように「各点のまわりでは同相写像に見える」写像が局所同相写像である。
局所同相写像は、被覆空間の射影、層のエタール空間の射影、多様体の間の微分が各点で同型な写像として現れる。大域的には単射でも全射でもなくてよく、どこまでが局所的な性質で決まるかが問題になる。この記事では、局所同相写像の基本性質(連続な開写像であること、合成・制限・底変換で保たれること、局所的な性質が定義域に移ること)を示したあと、主定理として、Hausdorff 空間からの局所同相写像が有限枚の被覆になる条件を 4 通りに言い換える。
位相空間の間の写像 $p\colon X\to Y$ が局所同相写像(local homeomorphism)であるとは、各点 $x\in X$ が開近傍 $U$ で次の 2 条件をみたすものをもつことをいう。
同相近傍 $U$ の開部分集合 $U'$ もまた同相近傍である。実際、$p|_U$ は同相写像なので $p(U')$ は $p(U)$ の相対開集合であり、$p(U)$ が開集合なので $Y$ の開集合である。また $p|_{U'}$ は同相写像 $p|_U$ の制限なので同相写像である。したがって同相近傍は、各点で好きなだけ小さくとれる。
条件 1 は省けない。閉区間の包含 $[0,1]\to\mathbb R$ は、どの点でも $U=[0,1]$ をとれば条件 2 をみたすが、端点 $0$ を含むどの開近傍の像も $\mathbb R$ の開集合でないので、局所同相写像ではない。
写像 $p\colon X\to Y$ について次は同値である。
1 ⇒ 2:$x\in X$ の同相近傍 $U$ をとる。$p|_U$ は単射である。$p$ が連続であることを示す。$Y$ の開集合 $W$ について、$p^{-1}(W)\cap U=(p|_U)^{-1}(W\cap p(U))$ は $U$ の相対開集合、したがって $X$ の開集合である。$p^{-1}(W)$ は、同相近傍 $U$ をすべて動かしたときのこれらの和なので開集合である。$p$ が開写像であることを示す。$X$ の開集合 $V$ と同相近傍 $U$ について、$V\cap U$ は $U$ の開集合で、$p(V\cap U)=p|_U(V\cap U)$ は $p(U)$ の相対開集合、したがって $Y$ の開集合である。同相近傍全体は $X$ を覆うので、$p(V)$ はこれらの和として開集合である。
2 ⇒ 1:$x\in X$ と、$p|_U$ が単射な開近傍 $U$ をとる。$p$ は開写像なので $p(U)$ は開集合で、$p|_U\colon U\to p(U)$ は連続な全単射である。$U$ の開集合は $X$ の開集合なので、その像は $Y$ の開集合、したがって $p(U)$ の相対開集合である。よって $p|_U$ は開写像でもあり、同相写像 の命題「連続全単射に対する開写像・閉写像・同相の同値」により同相写像である。$\square$
連続性も開写像であることも、局所単射性だけからは従わない。包含 $[0,1)\to\mathbb R$ は連続な単射だが開写像でなく、通常の位相の $\mathbb R$ から離散位相の $\mathbb R$ への恒等写像は単射な開写像だが連続でなく、どちらも局所同相写像ではない。
$p\colon X\to Y$ を局所同相写像とする。
1:$x\in p^{-1}(y)$ の同相近傍 $U$ では $p$ は単射なので、$U\cap p^{-1}(y)=\{x\}$ であり、$\{x\}$ はファイバーの相対開集合である。
2:prop-lh-criterion により $p$ は連続な開写像なので、開写像 の命題「単射な連続開写像」による。
3:$z\in Z$ で $s(z)=t(z)=:x$ とし、$x$ の同相近傍 $U$ をとる。$N:=s^{-1}(U)\cap t^{-1}(U)$ は $z$ の開近傍で、$z'\in N$ では $s(z'),t(z')\in U$ かつ $p(s(z'))=p(t(z'))$ なので、$p|_U$ の単射性から $s(z')=t(z')$ である。$\square$
3 の一致集合は閉集合とは限らない。これが、局所同相写像の定義域が Hausdorff にならない現象の源である(ex-lh-two-origins)。
1:$p\colon X\to Y$、$q\colon Y\to Z$ を局所同相写像とし、$x\in X$ の同相近傍 $U$ と $p(x)$ の同相近傍 $V$ をとる。$U':=U\cap p^{-1}(V)$ は $x$ の同相近傍($U$ の開部分集合)で、$p(U')\subset V$ は $V$ の開集合である。よって $q(p(U'))$ は開集合で、$q\circ p|_{U'}$ は同相写像 $p(U')\to q(p(U'))$ と $U'\to p(U')$ の合成なので同相写像である。
2:前半は、$V$ の点の同相近傍を $V$ と交わらせれば $V$ の開集合の同相近傍が得られることによる。後半は、$x\in p^{-1}(W)$ の同相近傍 $U$ を $U\cap p^{-1}(W)$ に取り替えればよい。
3:$x_i$ の同相近傍 $U_i$ の直積 $U_1\times\dots\times U_n$ は、像 $p_1(U_1)\times\dots\times p_n(U_n)$ が開集合で、同相写像の直積は同相写像なので、同相近傍である。
4:$(y',x)\in X'$ とし、$x$ の同相近傍 $U$ をとる。$s\colon p(U)\to U$ を $p|_U$ の逆写像とする。$N:=X'\cap(g^{-1}(p(U))\times U)$ は $(y',x)$ の $X'$ での開近傍であり、$p'(N)=g^{-1}(p(U))$ は $Y'$ の開集合である($y''\in g^{-1}(p(U))$ なら $(y'',s(g(y'')))\in N$)。$N$ の点 $(y'',x'')$ では $x''\in U$、$p(x'')=g(y'')$ なので $x''=s(g(y''))$ である。よって $p'|_N$ は全単射で、逆写像 $y''\mapsto(y'',s(g(y'')))$ は連続である。$p'|_N$ も連続なので同相写像である。$\square$
4 で $g$ を開集合の包含 $W\hookrightarrow Y$ にとると、2 の後半になる。エタール空間 の命題「逆像とファイバー積」は、4 を層のエタール空間に当てたものと見ることができる。
$p\colon X\to Y$ を局所同相写像とする。$\mathsf P$ を、開部分空間に遺伝し、各点が性質 $\mathsf P$ をもつ開近傍をもてば空間全体がもつような位相的性質とする。$Y$ が $\mathsf P$ をもてば $X$ も $\mathsf P$ をもつ。$\mathsf P$ として、局所連結、局所弧状連結、第 1 可算公理をみたすこと、各点が $\mathbb R^n$ の開集合と同相な開近傍をもつこと(局所 Euclid)がとれる。
各点 $x\in X$ の同相近傍 $U$ は $Y$ の開集合 $p(U)$ と同相であり、$p(U)$ は開部分空間として $\mathsf P$ をもつので、$U$ も $\mathsf P$ をもつ。仮定から $X$ は $\mathsf P$ をもつ。挙げた 4 つの性質がこの 2 条件をみたすことは、どれも点ごとの近傍の条件で定義されていることから直ちにわかる。$\square$
Hausdorff 性は、各点の近傍で成り立っても空間全体で成り立つとは限らないので、この形の性質ではない。実際、Hausdorff 性は局所同相写像で定義域に移らない(ex-lh-two-origins)。多様体の被覆空間が多様体であることを示すには、局所 Euclid 性はこの命題から得られるが、Hausdorff 性と第 2 可算公理は別に確かめる必要がある。
$\mathbb R\times\{1,2\}$ に、$t\ne0$ について $(t,1)$ と $(t,2)$ を同一視する同値関係を入れた商空間を $X$ とし、商写像を $q$、$0_i:=q(0,i)$ と書く。$p\colon X\to\mathbb R$ を $p(q(t,i))=t$ で定める。
$U_i:=q(\mathbb R\times\{i\})$ とおく。$q^{-1}(U_1)=(\mathbb R\times\{1\})\cup((\mathbb R\setminus\{0\})\times\{2\})$ は開集合なので $U_1$ は開集合であり、$U_2$ も同様である。$p\circ q$ は射影で連続なので $p$ は連続であり、$p|_{U_i}\colon U_i\to\mathbb R$ は全単射で、逆写像 $t\mapsto q(t,i)$ も連続である。よって $U_1,U_2$ は $X$ を覆う同相近傍であり、$p$ は局所同相写像である。
$X$ は Hausdorff でない。$0_1$ と $0_2$ の開近傍はそれぞれ $q((-\varepsilon,\varepsilon)\times\{1\})$、$q((-\varepsilon,\varepsilon)\times\{2\})$ の形の集合を含み、これらは $t\ne0$ の点 $q(t,1)=q(t,2)$ を共有する。一方 $p$ は固有写像である。$K\subset\mathbb R$ がコンパクトなら、$p^{-1}(K)=q(K\times\{1\})\cup q(K\times\{2\})$ はコンパクト集合の連続像 2 つの和なのでコンパクトである。ファイバーの点の個数は $0$ の上で $2$、ほかの点の上で $1$ であり、局所的に一定でない。したがって $p$ は被覆写像でなく、thm-lh-finite-covering の 2・3 をみたさない。$p$ の 2 つの連続な切断 $s_1(u)=q(u,1)$、$s_2(u)=q(u,2)$ の一致集合は $\mathbb R\setminus\{0\}$ であり、prop-lh-basic の 3 のとおり開集合だが、閉集合でない。
局所同相写像は各点の近くでは同相写像だが、底の点 $y$ の近くでファイバー全体がどう振る舞うかは別の問題である。$(0,2)\to S^1$、$t\mapsto(\cos2\pi t,\sin2\pi t)$ は全射な局所同相写像だが、$(1,0)$ の上のファイバーは $1$ 点、すぐ近くの点の上では $2$ 点であり、被覆写像ではない(被覆空間 の注意「反例:局所同相な全射だが被覆写像でない写像」)。次の定理は、このような崩れが起こらない条件を、閉写像・ファイバーの点の個数・局所的な形・固有性の 4 つの言葉で述べる。
$X$ を Hausdorff空間、$p\colon X\to Y$ を局所同相写像とする。次の 3 条件は同値である。
1 ⇒ 3 で閉写像であることを使って、ファイバーの外の点が $y$ の上に近づいてこないようにする。2 ⇒ 3 では、点の個数を数えることで同じことを行う。
1 ⇒ 3。 $y\in Y$ とし、$p^{-1}(y)=\{x_1,\dots,x_r\}$ とする。$X$ は Hausdorff なので、互いに交わらない開集合 $U_1,\dots,U_r$ で $x_j\in U_j$ となるものがとれ(2 点ずつ分離する開集合の有限個の共通部分をとる)、同相近傍の中に縮めて、各 $U_j$ を同相近傍としてよい。$C:=X\setminus(U_1\cup\dots\cup U_r)$ は閉集合なので $p(C)$ は閉集合で、$y\notin p(C)$ である。
$$
W:=\bigl(Y\setminus p(C)\bigr)\cap p(U_1)\cap\dots\cap p(U_r)
$$
($r=0$ なら $W=Y\setminus p(X)$)は $y$ の開近傍である。$p^{-1}(W)$ は $C$ と交わらないので $U_1\cup\dots\cup U_r$ に含まれ、$V_j:=U_j\cap p^{-1}(W)$ とおけば $p^{-1}(W)=V_1\sqcup\dots\sqcup V_r$ である。$W\subset p(U_j)$ なので、同相写像 $p|_{U_j}\colon U_j\to p(U_j)$ を $W$ の逆像に制限した $p|_{V_j}\colon V_j\to W$ は同相写像である。
3 ⇒ 2。 3 の $W$ の各点のファイバーは、各 $V_j$ からちょうど 1 点ずつとった $r$ 点からなる。
2 ⇒ 3。 $y\in Y$、$p^{-1}(y)=\{x_1,\dots,x_r\}$ とし、1 ⇒ 3 と同じく互いに交わらない同相近傍 $U_j\ni x_j$ をとる。$N$ を、ファイバーの点の個数が $r$ である $y$ の開近傍とし、$W:=N\cap p(U_1)\cap\dots\cap p(U_r)$ とおく。$w\in W$ について、各 $U_j$ は $p^{-1}(w)$ の点をちょうど 1 つ含み($w\in p(U_j)$ と $p|_{U_j}$ の単射性)、$U_j$ は互いに交わらないので、これで $r$ 個の点が得られる。$\#p^{-1}(w)=r$ なので、$p^{-1}(w)\subset U_1\cup\dots\cup U_r$ である。よって $p^{-1}(W)=\bigsqcup_j(U_j\cap p^{-1}(W))$ であり、1 ⇒ 3 の最後と同じく各成分は $W$ の上へ同相に写る。
3 ⇒ 1。 ファイバーが有限集合であることは 3 ⇒ 2 で見た。$F\subset X$ を閉集合、$y\notin p(F)$ とし、$y$ の開近傍 $W$ と $V_1,\dots,V_r$ を 3 のとおりにとる。$s_j\colon W\to V_j$ を $p|_{V_j}$ の逆写像とすると、$s_j$ は $X$ への連続写像で、$y\notin p(F)$ から $s_j(y)\notin F$ である。
$$
W':=W\cap\bigcap_{j=1}^rs_j^{-1}(X\setminus F)
$$
は $y$ の開近傍である($r=0$ なら $W'=W$)。$w\in W'\cap p(F)$ があったとすると、$w=p(x)$、$x\in F$ と書け、$x\in p^{-1}(W)$ はある $V_j$ に属するので $x=s_j(w)\notin F$ となり、矛盾する。よって $W'$ は $p(F)$ と交わらず、$Y\setminus p(F)$ は開集合である。
1 ⇔ 4($Y$ が局所コンパクト空間のとき)。 完全写像 の命題「固有写像との関係」により、$p$ が固有であることと、$p$ が閉写像で各ファイバーがコンパクトであることは同値である。1 が成り立てば、有限集合はコンパクトなので $p$ は固有である。逆に $p$ が固有なら、$p$ は閉写像で、各ファイバーはコンパクトかつ離散(prop-lh-basic の 1)なので、一点集合による開被覆の有限部分被覆をとって有限集合である。$\square$
3 ⇒ 1 では $X$ の Hausdorff 性を使っていない。Hausdorff 性が要るのは、ファイバーの点を互いに交わらない同相近傍で囲む 1 ⇒ 3 と 2 ⇒ 3 である。
thm-lh-finite-covering の同値な条件が成り立ち、$Y$ が連結で $X\ne\emptyset$ なら、$p$ は全射であり、ファイバーの点の個数はある $n\ge1$ で一定で、$p$ は $n$ 重の被覆写像(被覆空間 の定義「被覆写像と被覆空間」)である。とくに、$X$ がコンパクト Hausdorff 空間、$Y$ が連結な Hausdorff 空間なら、局所同相写像 $p\colon X\to Y$($X\ne\emptyset$)は有限重の被覆写像である。
$y\mapsto\#p^{-1}(y)$ は局所的に一定なので、値ごとの逆像は開集合で、$Y$ はそれらの交わらない和である。$Y$ は連結なので値は一定の $n$ であり、$X\ne\emptyset$ から $n\ge1$、したがって $p$ は全射である。条件 3 の $W$ は $n$ 枚のシートをもつ均一被覆近傍である。後半:$X$ がコンパクトで $Y$ が Hausdorff なら、$p$ は閉写像である(閉写像 の定理「コンパクト空間から Hausdorff 空間への連続写像は閉写像」)。ファイバーは一点集合の逆像としてコンパクト $X$ の閉集合なのでコンパクトであり、離散なので有限集合である。よって条件 1 が成り立つ。$\square$
整数 $n\ge1$ について $p_n\colon\mathbb C^\times\to\mathbb C^\times$、$p_n(z)=z^n$ は局所同相写像で(ex-lh-typical の 4)、固有である。$K\subset\mathbb C^\times$ がコンパクトなら $r\le|w|\le R$($w\in K$)となる $0< r\le R$ があり、$p_n^{-1}(K)$ は $\mathbb C^\times$ の閉集合で、コンパクトな円環 $A=\{r^{1/n}\le|z|\le R^{1/n}\}\subset\mathbb C^\times$ に含まれるので、$A$ の閉部分集合としてコンパクトである。$\mathbb C^\times$ は局所コンパクトで連結だから、thm-lh-finite-covering と cor-lh-connected-base により $p_n$ は $n$ 重の被覆写像である。$S^1$ への制限 $z\mapsto z^n$ は、prop-lh-stability の 4 を包含 $S^1\hookrightarrow\mathbb C^\times$ に当てると局所同相写像であり($X'$ は $z$ への射影で $p_n^{-1}(S^1)=S^1$ と同相)、cor-lh-connected-base の後半からも $n$ 重の被覆写像とわかる(被覆空間 の例「円周の $n$ 重被覆」)。
一方 $\exp\colon\mathbb C\to\mathbb C^\times$ は被覆写像だが、$\exp^{-1}(1)=2\pi i\mathbb Z$ は無限集合なので、条件 1〜4 のどれもみたさない。閉写像でもない。閉集合 $F=\{1/m+2\pi im: m\ge1\}$(虚部が発散するので集積点をもたない)の像 $\{e^{1/m}\}$ は $1$ に収束するが $1$ を含まない。
分岐被覆 の定理「固有な局所同相写像は有限次の被覆」は、$X,Y$ がともに局所コンパクト空間の場合の 4 ⇒ 3 である。固有写像 の命題「固有な局所微分同相写像の像とファイバー」は、多様体の場合の 4 ⇒ 2 の一部と cor-lh-connected-base の全射性にあたる。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 開写像(prop-lh-criterion の 2) | 包含 $[0,1)\to\mathbb R$(連続な単射) | 局所同相写像であること |
| $X$ の Hausdorff 性(thm-lh-finite-covering) | 原点を 2 つもつ直線から $\mathbb R$ への射影(ex-lh-two-origins) | 1・4 から 2・3 が従うこと |
| 局所同相(thm-lh-finite-covering) | $\mathbb C\to\mathbb C$、$z\mapsto z^2$ | 1・4 から 2・3 が従うこと($0$ の上で) |
| 閉写像(thm-lh-finite-covering の 1 の前半) | $(0,2)\to S^1$、$t\mapsto(\cos2\pi t,\sin2\pi t)$ | 2・3(ファイバーの点の個数が局所的に一定であること) |
| ファイバーが有限(thm-lh-finite-covering の 1 の後半) | 離散空間 $\mathbb N$ から 1 点への写像 | 3 の有限枚性と 4(固有性) |
| $Y$ の連結性(cor-lh-connected-base) | 3 点の離散空間 $\{a,b,c\}$ から 2 点の離散空間 $\{0,1\}$ への写像 $a,b\mapsto0$、$c\mapsto1$ | シートの枚数が一定であること |
1 行目:包含は連続な単射で、$[0,1)$ の開集合 $[0,1/2)$ の像は $\mathbb R$ の開集合でない。
3 行目:$z\mapsto z^2$ は $\mathbb C$(Hausdorff)から局所コンパクト空間 $\mathbb C$ への写像で、$|z^2|=|z|^2$ から固有、したがって閉写像でファイバーは高々 2 点である。$0$ のどの近傍でも $z$ と $-z$ が同じ点に写るので、$0$ で局所同相でない。ファイバーの点の個数は $0$ の上で $1$、ほかで $2$ である。
4 行目:局所同相写像であることは $\mathbb R\to S^1$ の開集合への制限(prop-lh-stability の 2)による。ファイバーは 1 点か 2 点で有限である。点の個数は $(1,0)$ の上で $1$、その近くの点 $(\cos2\pi s,\sin2\pi s)$($0< s<1$ が小さいとき)の上で $2$ なので局所的に一定でない。定理から $p$ は閉写像でない(実際、閉集合 $(0,1/2]$ の像 $\{(\cos\theta,\sin\theta): 0< \theta\le\pi\}$ は $(1,0)$ を含まないが $(1,0)$ に集積するので、閉でない)。
5 行目:$\mathbb N$ の各一点集合は開集合で、1 点の空間の上へ同相に写るので局所同相写像である。1 点の空間の部分集合はどれも閉なので閉写像だが、ファイバー $\mathbb N$ は無限で、1 点の空間(コンパクト)の逆像がコンパクトでないので固有でない。
6 行目:離散空間の間の写像は局所同相写像で、閉写像、固有で、ファイバーは有限だが、点の個数は $0$ の上で $2$、$1$ の上で $1$ である。
局所同相写像の定義と、全射な局所同相写像が被覆写像とは限らない例(正の実数の全体から円周への巻き付け)は Mun00 §53, Example 2(p. 338)にある。Hausdorff 空間からの局所同相写像で、ファイバーがどれも同じ個数の有限集合であるものが閉写像であることは Engelking89 Exercise 4.4.D(b)(p. 287)であり、thm-lh-finite-covering の 2 ⇒ 1 はこれを「個数が局所的に一定」に広げたものである。同じ演習の (a) は、Hausdorff 空間からの連続な開写像でファイバーがどれも同じ個数の有限集合であるものが局所同相写像であることを述べる。thm-lh-finite-covering の証明は 2 ⇒ 3 を経由するもので、同書には証明がない。
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