特性類(characteristic class)とは、空間 $B$ 上のベクトル束 $E$ ごとにコホモロジー類 $c(E)\in H^k(B;R)$ を対応させる規則で、同型な束に同じ類を与え、引き戻しと両立する($c(g^*E)=g^*c(E)$)もののことである。自明束では正の次数の特性類がすべて $0$ になるので、特性類はベクトル束のねじれを測る物差しになり、Stiefel–Whitney 類・Chern 類・Pontryagin 類・Euler 類が代表例である。分類定理により、階数 $n$ の束の特性類は Grassmann 多様体 $\mathrm{Gr}_n(\mathbb{K}^\infty)$ のコホモロジー類と一対一に対応し、$\bmod 2$ の特性類は Stiefel–Whitney 類の、複素ベクトル束の整係数の特性類は Chern 類の多項式で表される。
前提知識: ベクトル束, 特異コホモロジー, Grassmann多様体
特性類(characteristic class)は、空間 $B$ の上のベクトル束 $E$ ごとに $B$ のコホモロジー類 $c(E)$ を対応させる規則で、束の引き戻しと両立するものである。束が自明なら正の次数の特性類はすべて $0$ になるので、特性類が $0$ でないことは束がねじれていることの証拠になる。Stiefel–Whitney 類・Chern 類・Pontryagin 類・Euler 類が代表例である。
特性類の全体は、Grassmann 多様体 $\mathrm{Gr}_n(\mathbb{R}^\infty)$ あるいは $\mathrm{Gr}_n(\mathbb{C}^\infty)$ のコホモロジー環と一対一に対応する(cc-thm-universal)。この対応は、ベクトル束が Grassmann 多様体の上のトートロジー束の引き戻しとして分類されることから従う。したがって「どのような特性類があるか」という問いは Grassmann 多様体のコホモロジーを計算する問題になり、その答えが「$\bmod 2$ の特性類は Stiefel–Whitney 類の多項式である」「複素ベクトル束の整係数の特性類は Chern 類の多項式である」という形にまとまる。特性類は多様体の接束に当てはめると多様体の不変量を与え、はめ込みや平行化可能性の障害、同境の不変量、曲率の積分としての表示などに使われる。
この記事では、$\mathbb{K}=\mathbb{R}$ または $\mathbb{C}$ とし、底空間はパラコンパクト Hausdorff 空間(パラコンパクト空間)とする。$B$ の上の階数 $n$ の $\mathbb{K}$ ベクトル束(ベクトル束)の同型類の集合を $\mathrm{Vect}^n_{\mathbb{K}}(B)$ と書く。連続写像 $g\colon B'\to B$ による引き戻し $E\mapsto g^*E$ は同型類の写像 $g^*\colon\mathrm{Vect}^n_{\mathbb{K}}(B)\to\mathrm{Vect}^n_{\mathbb{K}}(B')$ を定め、$(g\circ h)^*E\cong h^*g^*E$、$\mathrm{id}^*E\cong E$ を満たす(ベクトル束 の命題「Whitney 和と引き戻し」)。$R$ は可換環とし、$H^k(B;R)$ は特異コホモロジー(特異コホモロジー)を表す。
$k\ge0$ とする。階数 $n$ の $\mathbb{K}$ ベクトル束の、$R$ 係数で次数 $k$ の 特性類 とは、パラコンパクト Hausdorff 空間 $B$ の上の階数 $n$ の $\mathbb{K}$ ベクトル束 $E$ ごとにコホモロジー類 $c(E)\in H^k(B;R)$ を対応させる規則 $c$ で、次の 2 条件を満たすものをいう。
2 つの特性類の和とカップ積 $(c+c')(E):=c(E)+c'(E)$、$(c\smile c')(E):=c(E)\smile c'(E)$ もまた特性類である(引き戻し $g^*$ がコホモロジー環の準同型であることによる)。こうして特性類の全体は次数付き環をなす。次数ごとの特性類をまとめた $c=c_0+c_1+c_2+\cdots\in\prod_kH^k(B;R)$ を 全特性類 ということもある。
ベクトル束は、各点に同じ次元のベクトル空間を「ねじれを許して」並べたものである。ねじれがまったくない束、すなわち自明束 $B\times\mathbb{K}^n$ は、1 点の上の束 $\mathbb{K}^n$ を $B$ 全体に引き戻したものである。特性類は引き戻しと両立するので、自明束の特性類は 1 点の上の特性類の引き戻しになり、1 点の正の次数のコホモロジーは $0$ だから、正の次数の特性類は $0$ になる(cc-prop-trivial)。逆にいえば、特性類はねじれを測る物差しである。
物差しの目盛りはコホモロジーで刻まれる。Möbius の帯の形の直線束は、円周を 1 周するとファイバーの向きが反転する。このねじれを $H^1(S^1;\mathbb{Z}/2)$ の $0$ でない元として記録したものが第 1 Stiefel–Whitney 類である。2 次元球面の接束は、球面上の至るところ $0$ でないベクトル場がとれないというねじれをもち、それを $H^2(S^2;\mathbb{Z})\cong\mathbb{Z}$ の生成元の $2$ 倍として記録したものが Euler 類である。
すべての束は Grassmann 多様体の上のトートロジー束の引き戻しとして得られる。だから特性類は、トートロジー束での値、すなわち Grassmann 多様体の 1 つのコホモロジー類で完全に決まる。特性類の理論は「普遍的な束 1 つを調べれば足りる」という形をしている。
実直線束 $E\to B$ に対し、$E$ が自明なら $t(E):=1$、自明でなければ $t(E):=0$ として、$t(E)\in H^0(B;\mathbb{Z}/2)$ を定める。$t$ は同型不変性を満たすが、自然性を満たさない。実際、$B=\mathbb{RP}^1$ の上のトートロジー直線束 $\gamma_1$ は自明でない(Stiefel–Whitney類 の定義「Stiefel–Whitney 類の公理」の正規化 $w_1(\gamma_1)\ne0$ と cc-prop-trivial による)ので $t(\gamma_1)=0$ である。1 点 $\mathrm{pt}$ から $\mathbb{RP}^1$ への写像 $g$ をとると、$g^*\gamma_1$ は 1 点の上の直線束なので自明であり、$t(g^*\gamma_1)=1$ となるが、$g^*t(\gamma_1)=g^*0=0$ である。
$c$ を次数 $k\ge1$ の特性類とする。どの底空間 $B$ についても、自明束 $\varepsilon^n_B:=B\times\mathbb{K}^n$ について $c(\varepsilon^n_B)=0$ である。したがって $c(E)\ne0$ となる束 $E$ は自明でない。
$\pi\colon B\to\mathrm{pt}$ を 1 点への写像とすると、$\varepsilon^n_B$ は 1 点の上の束 $\mathbb{K}^n$ の引き戻し $\pi^*(\mathbb{K}^n)$ と同型である。1 点はパラコンパクト Hausdorff なので、自然性と同型不変性により
$$
c(\varepsilon^n_B)=c\bigl(\pi^*(\mathbb{K}^n)\bigr)=\pi^*c(\mathbb{K}^n)
$$
である。$c(\mathbb{K}^n)\in H^k(\mathrm{pt};R)$ であり、$k\ge1$ なので $H^k(\mathrm{pt};R)=0$ である(特異コホモロジー の例「一点と離散空間」)。よって $c(\varepsilon^n_B)=0$ である。$E$ が自明なら $E\cong\varepsilon^n_B$ なので、同型不変性により $c(E)=0$ である。$\square$
たとえば、$\mathbb{RP}^n$($n\ge1$)の上のトートロジー直線束は $w_1\ne0$ なので自明でない(実射影空間 の例「トートロジー直線束」)。偶数次元の球面 $S^{2m}$ の接束は Euler 類が $0$ でない(Euler類 の例「球面の接束」)ので自明でない。Euler 類は向き付けられた束の特性類であり、自明束に標準的な向きを入れたものについて同じ証明が通る。
ベクトル束に自明束を足しても変わらない特性類は、とくに扱いやすい。
各 $n\ge0$ について、階数 $n$ の束の次数 $k$ の特性類 $c^{(n)}$ が与えられ、すべての束 $E$(階数 $n$)について $c^{(n+1)}(E\oplus\varepsilon^1)=c^{(n)}(E)$ が成り立つとき、族 $c=(c^{(n)})_n$ を 安定な特性類 という。また、同じ底空間の上の束 $E$、$F$ について、ある $a,b\ge0$ で $E\oplus\varepsilon^a\cong F\oplus\varepsilon^b$ となるとき、$E$ と $F$ は 安定同型 であるといい、$F$ が自明束のとき $E$ は 安定的に自明 であるという。
Stiefel–Whitney 類(Stiefel–Whitney類 の命題「基本性質」の 1)、Chern 類(Chern類 の例「自明束と自明な直和因子」)、Pontryagin 類(Pontryagin類 の命題「自然性・安定性・Whitney の和公式」)はいずれも安定な特性類である。
$c$ を安定な特性類とする。$E$ と $F$ が安定同型なら $c(E)=c(F)$ である。とくに $c$ の次数が正で $E$ が安定的に自明なら、$c(E)=0$ である。
$E\oplus\varepsilon^a\cong F\oplus\varepsilon^b$ とする。安定性を $a$ 回、$b$ 回くり返して使い、同型不変性を使うと
$$
c(E)=c(E\oplus\varepsilon^a)=c(F\oplus\varepsilon^b)=c(F)
$$
である。$F$ が自明束 $\varepsilon^m$ なら、cc-prop-trivial により $c(F)=0$ である。$\square$
$m\ge1$ とし、$S^{2m}$ の接束 $TS^{2m}$ に向きを入れる。$TS^{2m}\oplus\varepsilon^1$ は自明である(ベクトル束 の命題「球面の接束は安定的に自明」)ので、$TS^{2m}$ と自明束 $\varepsilon^{2m}$ は安定同型である。一方 $e(TS^{2m})$ は $H^{2m}(S^{2m};\mathbb{Z})\cong\mathbb{Z}$ の生成元の $2$ 倍で $0$ でなく(Euler類 の例「球面の接束」)、$e(\varepsilon^{2m})=0$ である(cc-prop-trivial)。したがって、階数 $2m$ の束の上で Euler 類と一致する安定な特性類は存在しない(あれば cc-prop-stable により両者の値が等しくなる)。また同じ理由で、$TS^{2m}$ のすべての Stiefel–Whitney 類と Pontryagin 類は自明束と同じ値をとる。すなわち $w(TS^{2m})=1$、$p(TS^{2m})=1$ であるが、$TS^{2m}$ は自明束と同型でない。安定な特性類だけでは、安定同型と同型を見分けられない。
$\gamma^n$ を Grassmann 多様体 $\mathrm{Gr}_n(\mathbb{K}^\infty)$ の上のトートロジー束とする(Grassmann多様体 の命題「トートロジー束」)。$\mathrm{Gr}_n(\mathbb{K}^\infty)$ はパラコンパクト Hausdorff 空間である(MS74 §5、p. 66。コンパクト空間の増大列の帰納極限であることによる)。次の分類定理を使う。
パラコンパクト Hausdorff 空間 $B$ の上の階数 $n$ の $\mathbb{K}$ ベクトル束 $E$ には、$E\cong f^*\gamma^n$ となる連続写像 $f\colon B\to\mathrm{Gr}_n(\mathbb{K}^\infty)$ があり、このような $f$ はホモトピーを除いて一意である。
これは ベクトル束 の定理「ホモトピー不変性と分類」の 2 であり、MS74 Theorem 5.6・5.7 と Corollary 5.10(pp. 65–69、実ベクトル束)、Theorem 14.6 とその後の注意(p. 163、複素ベクトル束)にある。この $f$ を $E$ の 分類写像 といい、$f_E$ と書く。
階数 $n$ の $\mathbb{K}$ ベクトル束の $R$ 係数で次数 $k$ の特性類 $c$ に、トートロジー束での値 $c(\gamma^n)\in H^k(\mathrm{Gr}_n(\mathbb{K}^\infty);R)$ を対応させる写像は全単射である。逆写像は、$u\in H^k(\mathrm{Gr}_n(\mathbb{K}^\infty);R)$ に特性類
$$
c_u(E):=f_E^*\,u
$$
を対応させる写像である。この全単射は和とカップ積を保ち、特性類のなす環と $H^*(\mathrm{Gr}_n(\mathbb{K}^\infty);R)$ の環同型を与える。
$c_u$ が特性類であること。 $f_E$ はホモトピーを除いて一意であり、ホモトピックな写像はコホモロジーに同じ写像を誘導する(特異コホモロジー の定理「ホモトピー不変性」)ので、$f_E^*u$ は $f_E$ の選び方によらない。$E\cong E'$ なら $f_E$ は $E'$ の分類写像でもあるので、$c_u(E)=c_u(E')$ である。自然性:$g\colon B'\to B$ について
$$
(f_E\circ g)^*\gamma^n\cong g^*f_E^*\gamma^n\cong g^*E
$$
なので、$f_E\circ g$ は $g^*E$ の分類写像である。よって $c_u(g^*E)=(f_E\circ g)^*u=g^*f_E^*u=g^*c_u(E)$ である。
$c_u(\gamma^n)=u$。 恒等写像は $\gamma^n=\mathrm{id}^*\gamma^n$ の分類写像なので、$c_u(\gamma^n)=\mathrm{id}^*u=u$ である。
$c_{c(\gamma^n)}=c$。 特性類 $c$ と束 $E$ をとる。$E\cong f_E^*\gamma^n$ なので、同型不変性と自然性により
$$
c(E)=c(f_E^*\gamma^n)=f_E^*\,c(\gamma^n)=c_{c(\gamma^n)}(E)
$$
である。
以上より 2 つの写像は互いに逆である。和とカップ積については、$c\mapsto c(\gamma^n)$ が各点ごとの演算を $H^*(\mathrm{Gr}_n(\mathbb{K}^\infty);R)$ の演算に写すことから明らかである。$\square$
実直線束の $\mathbb{Z}/2$ 係数で次数 $k$ の特性類は、$0$ と $w_1^{\,k}$($E\mapsto w_1(E)^k$)の 2 つだけである。
$\mathrm{Gr}_1(\mathbb{R}^\infty)=\mathbb{RP}^\infty$ であり、$H^*(\mathbb{RP}^\infty;\mathbb{Z}/2)\cong(\mathbb{Z}/2)[a]$($\deg a=1$)である(実射影空間 の定理「$\mathbb{Z}/2$ 係数のコホモロジー環」)。したがって $H^k(\mathbb{RP}^\infty;\mathbb{Z}/2)=\{0,a^k\}$ である。$w_1(\gamma^1)$ は、各 $\mathbb{RP}^n\subset\mathbb{RP}^\infty$($n\ge1$)への制限が $\mathbb{RP}^n$ のトートロジー直線束の $w_1$、すなわち $0$ でない元である(Stiefel–Whitney類 の補題「トートロジー直線束」)から $0$ でなく、$H^1(\mathbb{RP}^\infty;\mathbb{Z}/2)$ の唯一の $0$ でない元 $a$ に等しい。よって $w_1(\gamma^1)^k=a^k$ であり、cc-thm-universal により、$\gamma^1$ での値が $0$ の特性類は $0$、$a^k$ の特性類は $w_1^{\,k}$ である。$\square$
Grassmann 多様体のコホモロジー環は次のように計算されている。この記事では証明しない。
cc-thm-universal と組み合わせると、実ベクトル束の $\mathbb{Z}/2$ 係数の特性類はすべて Stiefel–Whitney 類のただ 1 通りの多項式で書け、複素ベクトル束の整係数の特性類はすべて Chern 類のただ 1 通りの多項式で書ける。たとえば $w_1w_2$ や $c_1^{\,2}-2c_2$ も特性類であり、逆に Stiefel–Whitney 類の多項式で書けない $\bmod 2$ の特性類や、Chern 類の多項式で書けない複素ベクトル束の整係数の特性類は存在しない。$\frac12$ を含む整域を係数にすると、向き付けられた実ベクトル束の特性類は Pontryagin 類と(偶数階数では)Euler 類の多項式になる(MS74 Theorem 15.9、p. 179。向き付けられた束を向き付けられた Grassmann 多様体で分類すれば、cc-thm-universal と同じ対応が成り立つ)。cc-cor-line は 1 の $n=1$ の場合を、実射影空間のコホモロジー環だけから示したものである。
滑らかな多様体 $M$ の 特性類 とは、接束 $TM$ の特性類のことで、$w_i(M):=w_i(TM)$、$p_i(M):=p_i(TM)$ などと書く。微分同相な多様体の接束は同型なので、これらは微分同相で変わらない不変量である。$M$ が $n$ 次元の閉多様体のとき、次数の合計が $n$ になる特性類の積を基本類で評価した数を 特性数 という。Stiefel–Whitney 数は多様体が境界になるならすべて $0$ であり(Stiefel–Whitney類 の定理「境界の Stiefel–Whitney 数(Pontryagin)」)、Pontryagin 数は向き付けられた同境で変わらない(Pontryagin類 の系「向き付けられた同境不変性」)。
特性類は幾何的な構成の障害を与える。$M$ が平行化可能(接束が自明)なら、cc-prop-trivial により $M$ の正の次数の特性類はすべて $0$ である。$\mathbb{RP}^n$ では $w(\mathbb{RP}^n)=(1+a)^{n+1}$ であり、これが $1$ になるのは $n+1$ が $2$ の冪のときに限るので、それ以外の次元の $\mathbb{RP}^n$ は平行化可能でない(Stiefel–Whitney類 の系「平行化可能な実射影空間の次元(Stiefel)」)。$M$ が $\mathbb{R}^{n+k}$ にはめ込めるなら、法束 $\nu$ は $TM\oplus\nu\cong\varepsilon^{n+k}$ を満たすので、Whitney の和公式から全 Stiefel–Whitney 類について $w(TM)\,w(\nu)=1$($H^*(M;\mathbb{Z})$ に位数 $2$ の元がなければ全 Pontryagin 類についても $p(TM)\,p(\nu)=1$)という制約が生じ、はめ込みの次元の下限が得られる(同記事の命題「Whitney の双対定理とはめ込み」、Pontryagin類 の命題「法束の Pontryagin 類」)。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 自然性(cc-thm-universal) | cc-ex-not-natural の対応 $t$ | $t$ は $\gamma^1$ での値 $t(\gamma^1)$ から決まらない |
| 次数が正(cc-prop-trivial) | $0$ 次の特性類 $w_0$ | 自明束でも $w_0(\varepsilon^n)=1\ne0$ である |
| 特性類の安定性(cc-prop-stable) | Euler 類と $TS^2$ | $TS^2$ は安定的に自明だが $e(TS^2)\ne0$ である |
表の各行を確かめる。
1 行目:$\mathbb{RP}^\infty$ の上の $\gamma^1$ は、$\mathbb{RP}^1$ に制限すると自明でない束 $\gamma_1$ になるので自明でなく、$t(\gamma^1)=0$ である。もし $t=c_u$ と書けたなら、$u=t(\gamma^1)=0$ から $t=0$ となるはずだが、自明束 $\varepsilon^1$ では $t(\varepsilon^1)=1$ である。cc-thm-universal の証明で $c_{c(\gamma^n)}=c$ を示すところに自然性を使っており、そこが成り立たない。
2 行目:Stiefel–Whitney 類の次元の公理により $w_0(E)=1$ はどの束でも成り立つ。cc-prop-trivial の証明は $H^k(\mathrm{pt};R)=0$($k\ge1$)を使っており、$k=0$ では $H^0(\mathrm{pt};\mathbb{Z}/2)=\mathbb{Z}/2$ なので成り立たない。
3 行目:cc-ex-euler-unstable の $m=1$ の場合である。Euler 類は階数ごとに定まる特性類だが、安定な特性類の族に延びないので、cc-prop-stable の仮定が破れている。
曲率による表示(Chern–Weil 理論)。 滑らかな複素ベクトル束に接続を 1 つ選ぶと、その曲率形式に不変多項式を代入した閉微分形式の de Rham 類は接続の選び方によらず、実係数の Chern 類を与える(Chern類 の注意「曲率によるChern類の表示」、接続)。Pontryagin 類と Euler 類も同様に曲率で表され、向き付けられた閉曲面の接束の Euler 数が Gauss 曲率の積分の $\frac1{2\pi}$ 倍に等しいという Gauss–Bonnetの定理 はその最初の例である(MS74 Appendix C、p. 305)。特性類は、位相的に定まる量が曲率の積分として現れる仕組みの源になっている。
主束と分類空間。 一般の位相群 $G$ について、主 $G$ 束の特性類は分類空間 $BG$ のコホモロジー類と一対一に対応する(分類空間 の補足「特性類」)。$G=\mathrm{U}(n)$ では $B\mathrm{U}(n)\simeq\mathrm{Gr}_n(\mathbb{C}^\infty)$ であり(分類空間 の例「ユニタリ群とGrassmann多様体」)、cc-thm-universal の複素の場合と同じ環が現れる。
特性類で決まらないこと。 特性類がすべて一致しても束が同型とは限らない。実ベクトル束では cc-ex-euler-unstable がその例であり、複素ベクトル束でも Chern 類が等しく同型でない束がある(Chern類 の例「反例:Chern類が等しいが同型でない束」)。
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