Davenport定数(Davenport constant)とは、有限アーベル群 $G$ の元の列で、和が $0$ になる空でない部分列をもたないものの長さの最大値に $1$ を足した数 $D(G)$ である。$D(G)\le\lvert G\rvert$ と、不変因子 $n_1,\dots,n_r$ による下界 $D(G)\ge1+\sum_i(n_i-1)$ があり、巡回群 $C_n$ では $D(C_n)=n$ となる。$p$ 群では下界が等号になり(Olson の定理)、$\mathbb{F}_p$ 係数の群環である長い積が $0$ になることから示されるが、$C_2^4\times C_6$ のように等号が成り立たない群もある。代数体の整数環で既約元が分解する素イデアルの個数の最大値として整数論にも現れる。
前提知識: 有限アーベル群の基本定理, 群環, p群
$n$ 個の整数があれば、その中から 1 個以上を選んで和を $n$ で割り切れるようにできる(鳩の巣原理 の命題「連続する項の和の整除」)。$n$ で割った余りの群 $\mathbb{Z}/n\mathbb{Z}$ を一般の有限アーベル群 $G$ に取り替えて、「何個の元を並べれば、和が $0$ になる空でない部分列が必ず見つかるか」を問う。その最小の個数が Davenport 定数 $D(G)$ である。
$D(G)$ には、$G$ の不変因子 $n_1,\dots,n_r$ から決まる下界 $1+\sum_i(n_i-1)$ がある。巡回群と $p$ 群ではこの下界がちょうど $D(G)$ に等しい。$p$ 群の場合は Olson の定理と呼ばれ、標数 $p$ の体の上の群環で、ある積が $0$ になることから示される。一方、$C_2^4\times C_6$ のように等号が成り立たない群もあり、この量は一般には下界にとどまる。Davenport 定数は、代数体の整数環で既約元が何個の素イデアルの積になりうるかという問題にも現れる。
以下、$G$ は有限アーベル群で、演算を加法で書く。位数 $n$ の巡回群を $C_n$ と書く。
$G$ の元の有限列 $S=(g_1,\dots,g_\ell)$(重複を許し、並べ方は問わない)を $G$ 上の列、$\ell$ をその長さという。添字の部分集合 $J\subset\{1,\dots,\ell\}$ について $\sigma(J):=\sum_{j\in J}g_j$($\sigma(\emptyset)=0$)とおき、$(g_j)_{j\in J}$ を $S$ の部分列という。
長さ $0$ の列は零和自由なので、零和自由な列はつねにある。長さが $\lvert G\rvert-1$ 以下に限られることは prop-davenport-upper で示すので、最大値は存在する。自明群 $\{0\}$ では、長さ $1$ の列 $(0)$ がすでに零和部分列をもつので $D(\{0\})=1$ である。
$D(G)$ と比べる量を、有限アーベル群の基本定理 の不変因子で定める。$G\neq\{0\}$ は
$$
G\cong C_{n_1}\times\cdots\times C_{n_r},\qquad n_1\ge n_2\ge\cdots\ge n_r\ge2,\quad n_{i+1}\mid n_i
$$
と表され(同じ記事の定理「不変因子分解の存在」)、列 $(n_1,\dots,n_r)$ は $G$ から一意に決まる(同じ記事の定理「不変因子分解の一意性」)。
上の不変因子を使って
$$
D^*(G):=1+\sum_{i=1}^r(n_i-1)
$$
とおく。$D^*(\{0\}):=1$ とする。
$D(G)\le\lvert G\rvert$ である。すなわち、長さ $\lvert G\rvert$ の列はつねに零和部分列をもつ。
$n:=\lvert G\rvert$ とし、列 $(g_1,\dots,g_n)$ をとる。$s_0:=0$、$s_k:=g_1+\dots+g_k$($1\le k\le n$)は $n+1$ 個の $G$ の元なので、鳩の巣原理 によりある $0\le i< j\le n$ で $s_i=s_j$ である。このとき $J:=\{i+1,\dots,j\}$ は空でなく、$\sigma(J)=s_j-s_i=0$ である。$\square$
$D(G)\ge D^*(G)$ である。
$G=\{0\}$ なら両辺は $1$ である。$G\neq\{0\}$ とし、$G=C_{n_1}\times\cdots\times C_{n_r}$ と同一視して、$v_i$ を第 $i$ 成分が生成元 $1$、ほかの成分が $0$ の元とする。$v_1$ を $n_1-1$ 個、…、$v_r$ を $n_r-1$ 個並べた長さ $\sum_i(n_i-1)$ の列 $S$ を考える。$S$ の部分列の和は $c_1v_1+\dots+c_rv_r$($0\le c_i\le n_i-1$、$c_i$ は選んだ $v_i$ の個数)の形で、その第 $i$ 成分は $C_{n_i}$ の元 $c_i$ である。和が $0$ なら各 $c_i$ は $n_i$ の倍数なので $c_i=0$ であり、部分列は空である。よって $S$ は零和自由で、$D(G)\ge\sum_i(n_i-1)+1=D^*(G)$ である。$\square$
下界の証明では不変因子でない直積分解を使っても零和自由な列が作れるが、得られる下界は弱くなることがある(ex-davenport-table の $C_6$)。
$n\ge1$ について $D(C_n)=n$ である。
$C_n$ の不変因子は $n$ だけなので $D^*(C_n)=n$($n=1$ でも $1$)である。prop-davenport-lower と prop-davenport-upper から $n\le D(C_n)\le n$ を得る。$\square$
整数の言葉では、$n$ 個の整数から和が $n$ で割り切れる空でない部分列を選べ、$1$ を $n-1$ 個並べた列ではそれができない、ということである。選ぶ個数を $n$ に固定した問いは Erdős–Ginzburg–Zivの定理 であり、そこでは $2n-1$ 個が必要十分になる。
部分群と商群があれば、両方の定数から上界が得られる。
$H$ を $G$ の部分群とすると、$D(H)\le D(G)\le D(H)\,D(G/H)$ である。
要点:$H$ 上の零和自由な列は $G$ 上でも零和自由である。上界は、商群で和が $0$ になる短い部分列を $D(H)$ 個取り出し、その和の列に $H$ での性質を当てる。
左の不等式:$H$ 上の零和自由な列は、部分列の和が $H$ の中でも $G$ の中でも同じなので、$G$ 上でも零和自由である。
右の不等式:$a:=D(H)$、$b:=D(G/H)$ とし、長さ $ab$ の列 $(g_1,\dots,g_{ab})$ をとる。$\pi\colon G\to G/H$ を商写像とする。残っている項が $b$ 個以上ある限り、そのうち $b$ 個の $\pi$ による像は $G/H$ 上の長さ $b$ の列なので零和部分列をもつ。対応する添字の集合 $T$($1\le\lvert T\rvert\le b$)は $\sum_{i\in T}g_i\in H$ を満たす。これを取り除く。$j$ 組を取り除いたあとの残りは $ab-(\text{取り除いた個数})\ge ab-jb$ 個で、$j\le a-1$ なら $b$ 以上である。よって互いに交わらない空でない添字集合 $T_1,\dots,T_a$ で、$h_k:=\sum_{i\in T_k}g_i\in H$ となるものが得られる。$H$ 上の長さ $a=D(H)$ の列 $(h_1,\dots,h_a)$ は零和部分列 $K\neq\emptyset$ をもち、$T:=\bigcup_{k\in K}T_k$ は空でなく $\sum_{i\in T}g_i=\sum_{k\in K}h_k=0$ である。$\square$
素数 $p$ について $C_p^{\,r}=C_p\times\cdots\times C_p$($r$ 個)を考える。これは有限体 $\mathbb{F}_p$ 上の $r$ 次元ベクトル空間の加法群である。この場合は Chevalley–Warningの定理 から直接 $D=D^*$ が出る。
$p$ を素数、$r\ge1$ とすると、$D(C_p^{\,r})=r(p-1)+1$ である。
$C_p^{\,r}$ の不変因子は $p$ が $r$ 個なので $D^*(C_p^{\,r})=r(p-1)+1$ であり、prop-davenport-lower から $D(C_p^{\,r})\ge r(p-1)+1$ である。逆向きを示す。$k:=r(p-1)+1$ とし、列 $(g_1,\dots,g_k)$ の各元を $g_i=(g_{i1},\dots,g_{ir})\in\mathbb{F}_p^{\,r}$ と成分で書く。$k$ 変数の $r$ 本の多項式
$$
f_l:=\sum_{i=1}^kg_{il}\,x_i^{\,p-1}\in\mathbb{F}_p[x_1,\dots,x_k]\qquad(l=1,\dots,r)
$$
は次数が $p-1$ 以下で、次数の和は $r(p-1)< k$、定数項はすべて $0$ である。Chevalley–Warningの定理 の系「Chevalley の定理」により、$0$ でない共通零点 $x$ がある。$I:=\{i\mid x_i\neq0\}$ は空でなく、$x_i^{p-1}$ は $i\in I$ なら $1$、それ以外は $0$ なので、$0=f_l(x)=\sum_{i\in I}g_{il}$ がすべての $l$ で成り立つ。すなわち $\sum_{i\in I}g_i=0$ で、$(g_i)_{i\in I}$ は零和部分列である。$\square$
この証明は H. Davenport が示唆したものとされる(vEB69 p. 18)。$r=1$ の場合は thm-davenport-cyclic の $n=p$ である。
一般の $p$ 群でも $D=D^*$ が成り立つ。証明には、$\mathbb{F}_p$ 係数の群環を使う。$G$ の群環 $\mathbb{F}_p[G]$ では $G$ を乗法的に書く必要があるので、$g\in G$ に対応する基底の元を $X^g$ と書き、$X^gX^h=X^{g+h}$、$X^0=1$ とする。$\{X^g\}_{g\in G}$ は $\mathbb{F}_p[G]$ の $\mathbb{F}_p$ 上の基底であり、$G$ がアーベル群なので $\mathbb{F}_p[G]$ は可換環である(群環 の命題「群環は環である」)。$X^g-1$ は 群環 の記事の定義「添加写像と添加イデアル」の添加イデアルに入る。
$p$ を素数、$G\cong C_{p^{e_1}}\times\cdots\times C_{p^{e_r}}$($e_i\ge1$)とし、$N:=\sum_{i=1}^r(p^{e_i}-1)$ とおく。任意の $h_1,\dots,h_{N+1}\in G$ について、$\mathbb{F}_p[G]$ で
$$
\prod_{j=1}^{N+1}\bigl(X^{h_j}-1\bigr)=0
$$
である。
$\varepsilon_i\in G$ を第 $i$ 成分の生成元とし、$x_i:=X^{\varepsilon_i}$、$y_i:=x_i-1$ とおく。$\mathbb{F}_p[G]$ は標数 $p$ の可換環なので、Frobenius写像 $a\mapsto a^p$ は和を保ち、これをくり返して
$$
y_i^{\,p^{e_i}}=(x_i-1)^{p^{e_i}}=x_i^{\,p^{e_i}}-1=X^{p^{e_i}\varepsilon_i}-1=X^0-1=0
$$
を得る。各 $h\in G$ は $h=\sum_ic_i\varepsilon_i$($c_i\ge0$ は整数)と書けるので、
$$
X^h-1=\prod_{i=1}^rx_i^{\,c_i}-1=\prod_{i=1}^r(1+y_i)^{c_i}-1
$$
は $y_1,\dots,y_r$ の整数係数の多項式で、定数項が $0$ である。したがって $X^h-1$ は $y_1,\dots,y_r$ が生成するイデアルに入り、$X^h-1=\sum_iy_iu_i$($u_i\in\mathbb{F}_p[G]$)と書ける。$N+1$ 個のこの形の元の積を展開すると、各項は $y_1^{a_1}\cdots y_r^{a_r}$($a_1+\dots+a_r=N+1$)と $\mathbb{F}_p[G]$ の元の積である。$\sum_ia_i=N+1>\sum_i(p^{e_i}-1)$ なので、ある $i$ で $a_i\ge p^{e_i}$ となり、$y_i^{a_i}=0$ からその項は $0$ である。$\square$
$G$ を有限アーベル $p$ 群とすると、$D(G)=D^*(G)$ である。$G\cong C_{p^{e_1}}\times\cdots\times C_{p^{e_r}}$ なら
$$
D(G)=1+\sum_{i=1}^r(p^{e_i}-1)
$$
である。
$G=\{0\}$ なら両辺は $1$ である。$G\neq\{0\}$ とする。$e_1\ge\dots\ge e_r$ と並べれば $(p^{e_1},\dots,p^{e_r})$ は不変因子の条件を満たすので、$D^*(G)=1+N$($N$ は lem-davenport-nilpotent のもの)である。prop-davenport-lower により $D(G)\ge D^*(G)$ なので、長さ $k:=N+1$ の列 $(g_1,\dots,g_k)$ が零和部分列をもつことを示せばよい。
積 $P:=\prod_{j=1}^k(1-X^{g_j})$ を考える。lem-davenport-nilpotent により $P=(-1)^k\prod_j(X^{g_j}-1)=0$ である。一方、積を展開すると
$$
P=\sum_{J\subset\{1,\dots,k\}}(-1)^{\lvert J\rvert}X^{\sigma(J)}
$$
である。基底の元 $X^0$ の係数を比べると、$P=0$ から
$$
\sum_{J:\ \sigma(J)=0}(-1)^{\lvert J\rvert}=0\quad(\mathbb{F}_p\text{ で})
$$
となる。列が零和自由なら、左辺の和に現れる $J$ は $\emptyset$ だけで、左辺は $1\neq0$ である。これは矛盾なので、列は零和部分列をもつ。$\square$
この主張は J. E. Olson と D. Kruyswijk が独立に得たものである(vEB69 Theorem (2.1)、p. 18 と p. 2)。上の証明で使った展開式は、零和部分列の個数についての情報も与える。
$G$ を有限アーベル $p$ 群とし、$S=(g_1,\dots,g_k)$ を長さ $k\ge D^*(G)$ の列とする。このとき
$$
\sum_{\substack{J\neq\emptyset\\ \sigma(J)=0}}(-1)^{\lvert J\rvert}\equiv-1\pmod p
$$
である。
$k\ge N+1$ なので、lem-davenport-nilpotent を $g_1,\dots,g_{N+1}$ に当てれば $\prod_{j=1}^k(1-X^{g_j})=0$ である。prf-davenport-olson と同じく $X^0$ の係数を比べると $1+\sum_{J\neq\emptyset,\ \sigma(J)=0}(-1)^{\lvert J\rvert}\equiv0\pmod p$ である。$\square$
$G=C_3$($D^*=3$)で、列 $(1,2,1)$ の零和部分列は添字 $\{1,2\}$ と $\{2,3\}$ の 2 つで、符号付きの個数は $1+1=2\equiv-1\pmod3$ である。列 $(1,1,1)$ では零和部分列は $\{1,2,3\}$ だけで、$(-1)^3=-1$ である。基本アーベル群では、prf-davenport-elementary の多項式 $f_1,\dots,f_r$ の共通零点を台ごとに数えて Chevalley–Warningの定理 の定理「Chevalley–Warningの定理」(共通零点の個数は $p$ で割り切れる)を当てると、$\sum_{I:\ \sigma(I)=0}(p-1)^{\lvert I\rvert}\equiv0\pmod p$($I=\emptyset$ を含む)となり、$(p-1)^{\lvert I\rvert}\equiv(-1)^{\lvert I\rvert}$ から同じ合同式が得られる。
$p$ 群でない群では、$D(G)=D^*(G)$ は一般には成り立たない。この節の主張はこの記事では証明しない。
1 により、たとえば $C_4\times C_2$ や $C_6\times C_6$ では $D=D^*$ である。2 の群はどちらも 4 個以上の巡回群の直積で、prop-davenport-lower の列が最長の零和自由な列にならない。
次の表で、$D^*(G)$ は不変因子から計算し、$D(G)$ の値は表の右端の根拠による。
| $G$ | 不変因子 | $D^*(G)$ | $D(G)$ | 根拠 |
|---|---|---|---|---|
| $C_n$ | $n$ | $n$ | $n$ | thm-davenport-cyclic |
| $C_2^{\,r}$ | $2,\dots,2$ | $r+1$ | $r+1$ | thm-davenport-elementary |
| $C_2\times C_4$ | $4,2$ | $5$ | $5$ | thm-davenport-olson |
| $C_3\times C_3$ | $3,3$ | $5$ | $5$ | thm-davenport-elementary |
| $C_6$ | $6$ | $6$ | $6$ | thm-davenport-cyclic |
| $C_2^{\,4}\times C_6$ | $6,2,2,2,2$ | $10$ | $>10$ | rem-davenport-known の 2 |
$C_6\cong C_2\times C_3$ を素因子の形で書いて prf-davenport-lower の構成をすると、$(1,0)$ を $1$ 個、$(0,1)$ を $2$ 個並べた長さ $3$ の零和自由な列しか得られず、下界は $4$ にとどまる。不変因子 $6$ の生成元を $5$ 個並べれば長さ $5$ になる。$D^*$ を不変因子で定めるのはこのためである。
$C_2^{\,2}$ で確かめると、$D^*=3$ で、$(1,0),(0,1)$ は零和自由だが、長さ 3 の列はどれも零和部分列をもつ。実際、3 項に $0$ か同じ元が 2 回あればそれが零和部分列で、そうでなければ 3 項は $(1,0),(0,1),(1,1)$ で、和が $0$ である。
$G=C_4\times C_2$ で prf-davenport-lower の列は $(1,0),(1,0),(1,0),(0,1)$ である。部分列の和は $(c_1,c_2)$($0\le c_1\le3$、$0\le c_2\le1$)で、$0$ になるのは何も選ばないときだけである。この列に元を 1 つ足すと零和部分列ができる。たとえば $(1,1)$ を足すと、5 項全体の和が $3\cdot(1,0)+(0,1)+(1,1)=(4,2)=(0,0)$ になる。$(0,1)$ を足せば $(0,1)+(0,1)=(0,2)=(0,0)$ である。thm-davenport-olson は、この列に限らず長さ 5 のどの列も零和部分列をもつと言っている。
thm-davenport-olson と def-davenport の前提を 1 つずつ外すと、次のようになる。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| $G$ が $p$ 群(thm-davenport-olson) | $C_2^{\,4}\times C_6$ | $D(G)=D^*(G)$ |
| $G$ が有限(def-davenport) | 無限巡回群 $\mathbb{Z}$ で $1$ を $\ell$ 個並べた列 | どの長さでも零和自由な列があり、$D$ が有限の値にならないこと |
1 行目は rem-davenport-known の 2 である($C_2^{\,4}\times C_6$ の位数は $96=2^5\cdot3$ で $p$ 群でない)。2 行目:$1$ を $\ell$ 個並べた列の空でない部分列の和は $1$ 以上 $\ell$ 以下の正の整数で、$0$ にならない。$\ell$ はいくらでも大きくとれる。
H. Davenport は、この量が代数体の整数論と関係することを指摘した(vEB69 p. 3)。
たとえば類数 $1$ なら $D(\{0\})=1$ で、既約元はつねに素元である。類群が $C_2$ なら $D(C_2)=2$ で、既約元の生成する単項イデアルは高々 2 個の素イデアルの積である。$\mathbb{Z}[\sqrt{-5}]$ の $6=2\cdot3=(1+\sqrt{-5})(1-\sqrt{-5})$ では、既約元 $2$ が生成するイデアルが $\mathfrak{p}^2$ と 2 個の素イデアルの積になる(イデアル類群 の導入)。
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