時空の因果構造に関する興味の一つとして、その時空に“大域的な時間”を定義できるかという問題である。
“大域的な時間”とは因果的に隔たった事象間の因果的な隔たり具合を測る時空全体で定義された尺度を提供するものであると考えられるから次のように定義をする。
時空 $(M,g)$ 上のスカラー関数 $t:M\rightarrow\mathbb{R}$ は、
任意の未来向きcausal曲線に沿って狭義単調増加となるとき、一般化time functionという。
一般化time functionで連続であるとき、time functionという。
滑らかでかつ $\nabla t$ が過去向きtimelikeベクトル場であるとき、temporal functionという。
(time functionとtemporal functionを訳し分けにくいので英単語のままにする)
上の3種類の時間関数の存在は(今後登場する)いくつかの時空の因果構造の特徴づけに有効である。