直辺四面体

同義語:垂心四面体orthocentric tetrahedronMongeの点Monge point

概要

直辺四面体(orthocentric tetrahedron)とは、向かい合う 3 組の辺がどれも垂直な四面体であり、垂心四面体ともいう。四面体 $ABCD$ で $AB\perp CD$ は $AC^2+BD^2=AD^2+BC^2$ と同値なので、直辺四面体であることは $AB^2+CD^2=AC^2+BD^2=AD^2+BC^2$ と同値で、2 組が垂直なら残りの 1 組も垂直である。各頂点から向かいの面に垂直な 4 本の直線が 1 点で交わるための必要十分条件は、直辺四面体であることである。その交点 $H$ は、外心 $O$ と重心 $G$ について $\overrightarrow{OH}=2\overrightarrow{OG}$ を満たし、どの四面体でも各辺の中点を通り向かい合う辺に垂直な 6 枚の平面が交わる点(Mongeの点)と一致する。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 三角形の垂心, ベクトルの内積(高校数学), 空間の平面と法線ベクトル, 空間図形の計量, 四面体の外接球と内接球

高校での出発点:四面体の 4 本の高さ

三角形では、3 つの頂点から向かいの辺に下ろした 3 本の垂線は、いつも 1 点(垂心)で交わる(三角形の垂心)。四面体でも、各頂点から向かいの面に垂線を下ろすと 4 本の直線ができる。この 4 本も 1 点で交わるだろうか。

直角をもつ四面体の高さ

$A(0,0,0)$、$B(3,0,0)$、$C(0,4,0)$、$D(0,0,5)$ とする。$A$ で 3 本の辺 $AB$、$AC$、$AD$ が互いに直交している。
(1) $D$ から面 $ABC$ への垂線。面 $ABC$ は平面 $z=0$ なので、垂線は $D$ を通り $z$ 軸に平行な直線 $x=0$、$y=0$ である。この直線は $A(0,0,0)$ を通る。
(2) $B$ から面 $ACD$ への垂線。面 $ACD$ は平面 $x=0$ なので、垂線は $B$ を通り $x$ 軸に平行な直線 $y=0$、$z=0$ で、$A$ を通る。$C$ から面 $ABD$(平面 $y=0$)への垂線も、同じく $A$ を通る。
(3) $A$ から面 $BCD$ への垂線は、$A$ を通る。
よって 4 本の垂線はどれも $A$ を通り、$A$ で交わる。

いつもこうなるわけではない。三角形の垂心 の反例「四面体の 4 本の垂線」では、4 点 $(0,0,0)$、$(1,0,0)$、$(0,1,0)$、$(1,1,1)$ の四面体で、2 本の垂線が交わらないことを確かめている。そこでは、向かい合う辺の向き $(1,0,0)$ と $(1,0,1)$ が垂直でないことが原因だと注意されていた。ex-oct-start では、向かい合う辺 $AB$ と $CD$ の向きは $(3,0,0)$ と $(0,-4,5)$ で内積は $0$ であり、ほかの 2 組も垂直である。この記事では次の問いに答える。

  1. 向かい合う辺が垂直かどうかを、辺の長さだけで判定できるか。→ thm-oct-edges
  2. 4 本の垂線が 1 点で交わるのはいつか。その点はどこか。→ thm-oct-altitudes
  3. 1 点で交わる四面体は、どうやって作れるか。→ prop-oct-foot
    三角形 $ABC$四面体 $ABCD$
    垂線頂点から向かいの辺へ 3 本頂点から向かいの面へ 4 本
    1 点で交わる条件いつも交わる向かい合う辺がどれも垂直(thm-oct-altitudes)
    外心 $O$ を原点としたときの交点 $H$$\vec a+\vec b+\vec c$$\dfrac12(\vec a+\vec b+\vec c+\vec d)$(直辺四面体のとき)
    重心 $G$、外心 $O$ との関係$\overrightarrow{OH}=3\overrightarrow{OG}$$\overrightarrow{OH}=2\overrightarrow{OG}$(直辺四面体のとき)

言葉の準備:高さの直線と直辺四面体

以下、点 $A,B,C,D$ の位置ベクトルを $\vec a,\vec b,\vec c,\vec d$ と書く。空間の 2 直線は、ねじれの位置にあっても、方向ベクトルの内積が $0$ のとき 垂直 であるという(空間の四角形の中点と四面体 と同じ)。

高さの直線と直辺四面体

四面体 $ABCD$ の頂点 $A$ を通り、向かいの面 $BCD$ を含む平面に垂直な直線を、$A$ からの 高さの直線 という。$B$、$C$、$D$ からも同じように定める。
向かい合う 3 組の辺がどれも垂直、つまり
$$ AB\perp CD,\qquad AC\perp BD,\qquad AD\perp BC $$
である四面体を 直辺四面体 という。thm-oct-altitudes により、直辺四面体は 4 本の高さの直線が 1 点で交わる四面体と同じものなので、垂心四面体(orthocentric tetrahedron)ともいう。

点 $X$ が $A$ からの高さの直線の上にあることは、$\overrightarrow{AX}$ が平面 $BCD$ の平行でない 2 つの向き $\overrightarrow{BC}$、$\overrightarrow{CD}$ の両方に垂直であること、つまり
$$ (\vec x-\vec a)\cdot(\vec c-\vec b)=0,\qquad(\vec x-\vec a)\cdot(\vec d-\vec c)=0 $$
と同値である(空間図形の計量 の補題「平面の 2 方向に垂直なら平面に垂直」)。

直辺四面体の例
  1. ex-oct-start の四面体:$\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{CD}=(3,0,0)\cdot(0,-4,5)=0$、$\overrightarrow{AC}\cdot\overrightarrow{BD}=(0,4,0)\cdot(-3,0,5)=0$、$\overrightarrow{AD}\cdot\overrightarrow{BC}=(0,0,5)\cdot(-3,4,0)=0$ で、直辺四面体である。1 つの頂点で 3 本の辺が互いに直交する四面体は、いつも直辺四面体である(その頂点を原点、3 本の辺を座標軸にとると、同じ計算になる)。
    (2) 正四面体の場合を開く

    (2) 正四面体 $(1,1,1)$、$(1,-1,-1)$、$(-1,1,-1)$、$(-1,-1,1)$:$(1,1,1)$ と $(1,-1,-1)$ を結ぶ辺の向きは $(0,-2,-2)$、向かいの辺の向きは $(-1,-1,1)-(-1,1,-1)=(0,-2,2)$ で、内積は $0+4-4=0$ である。ほかの 2 組も同じで、正四面体は直辺四面体である。

主定理 1:向かい合う辺の垂直を長さで判定する

向かい合う 3 組の辺の長さの 2 乗の和
$$ S_1=AB^2+CD^2,\qquad S_2=AC^2+BD^2,\qquad S_3=AD^2+BC^2 $$
を考える。ex-oct-start では $S_1=9+41=50$、$S_2=16+34=50$、$S_3=25+25=50$ で、3 つとも等しい。

向かい合う辺の垂直と長さ

どんな四面体 $ABCD$ でも
$$ S_3-S_2=2\,\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{CD},\qquad S_3-S_1=2\,\overrightarrow{AC}\cdot\overrightarrow{BD},\qquad S_2-S_1=2\,\overrightarrow{AD}\cdot\overrightarrow{BC} $$
が成り立つ。したがって次が成り立つ。
(R1) $AB\perp CD$ $\iff$ $S_2=S_3$、$AC\perp BD$ $\iff$ $S_1=S_3$、$AD\perp BC$ $\iff$ $S_1=S_2$。
(R1) 向かい合う辺の 2 組が垂直ならば、残りの 1 組も垂直である。
(R1) $ABCD$ が直辺四面体 $\iff$ $S_1=S_2=S_3$。

長さの 2 乗を内積で展開する

方針:$\lvert\vec x-\vec y\rvert^2=\lvert\vec x\rvert^2-2\,\vec x\cdot\vec y+\lvert\vec y\rvert^2$ で 4 つの長さの 2 乗を展開すると、$\lvert\vec a\rvert^2$ などの項が打ち消し合い、内積の項だけが残る。
段 1(1 つ目の式)。展開すると
$$ S_2=\lvert\vec c-\vec a\rvert^2+\lvert\vec d-\vec b\rvert^2=\lvert\vec a\rvert^2+\lvert\vec b\rvert^2+\lvert\vec c\rvert^2+\lvert\vec d\rvert^2-2\,\vec a\cdot\vec c-2\,\vec b\cdot\vec d $$
$$ S_3=\lvert\vec d-\vec a\rvert^2+\lvert\vec c-\vec b\rvert^2=\lvert\vec a\rvert^2+\lvert\vec b\rvert^2+\lvert\vec c\rvert^2+\lvert\vec d\rvert^2-2\,\vec a\cdot\vec d-2\,\vec b\cdot\vec c $$
である。$S_3$ から $S_2$ を引くと、2 乗の項は消えて
$$ S_3-S_2=2\left(\vec a\cdot\vec c+\vec b\cdot\vec d-\vec a\cdot\vec d-\vec b\cdot\vec c\right) $$
となる。一方、分配法則で展開すると
$$ \overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{CD}=(\vec b-\vec a)\cdot(\vec d-\vec c)=\vec b\cdot\vec d-\vec b\cdot\vec c-\vec a\cdot\vec d+\vec a\cdot\vec c $$
で、これは上の括弧と同じ 4 つの項である。よって $S_3-S_2=2\,\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{CD}$ である。
段 2(2 つ目の式)。段 1 の計算は、どんな 4 点でも成り立つ。頂点の名前 $B$ と $C$ を入れかえて段 1 を使うと、$S_1=AB^2+CD^2$ と $S_2=AC^2+BD^2$ が入れかわり、$S_3=AD^2+BC^2$ は変わらない。$\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{CD}$ は $\overrightarrow{AC}\cdot\overrightarrow{BD}$ に変わるので、$S_3-S_1=2\,\overrightarrow{AC}\cdot\overrightarrow{BD}$ である。
段 3(3 つ目の式)。段 1・段 2 から
$$ S_2-S_1=(S_3-S_1)-(S_3-S_2)=2\left(\overrightarrow{AC}\cdot\overrightarrow{BD}-\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{CD}\right) $$
である。括弧の中を位置ベクトルで展開すると
$$ (\vec c-\vec a)\cdot(\vec d-\vec b)-(\vec b-\vec a)\cdot(\vec d-\vec c)=\vec c\cdot\vec d-\vec b\cdot\vec c-\vec a\cdot\vec d+\vec a\cdot\vec b-\vec b\cdot\vec d+\vec b\cdot\vec c+\vec a\cdot\vec d-\vec a\cdot\vec c $$
$$ =\vec c\cdot\vec d+\vec a\cdot\vec b-\vec b\cdot\vec d-\vec a\cdot\vec c=(\vec d-\vec a)\cdot(\vec c-\vec b)=\overrightarrow{AD}\cdot\overrightarrow{BC} $$
である。よって $S_2-S_1=2\,\overrightarrow{AD}\cdot\overrightarrow{BC}$ である。
段 4((i)〜(iii))。垂直は内積が $0$ のことなので、3 つの式から (i) が出る。(ii):たとえば $AB\perp CD$ かつ $AC\perp BD$ なら、(i) から $S_2=S_3$、$S_1=S_3$ で $S_1=S_2$ となり、$AD\perp BC$ である。ほかの組も同じである。(iii) は (i) から出る。$\square$

3 つの和を比べる
  1. ex-oct-start の四面体:$S_1=S_2=S_3=50$ で、thm-oct-edges の (iii) により直辺四面体である。
  2. $A(0,0,0)$、$B(5,1,0)$、$C(2,4,1)$、$D(1,2,6)$:
    $$ S_1=AB^2+CD^2=26+30=56,\qquad S_2=AC^2+BD^2=21+53=74,\qquad S_3=AD^2+BC^2=41+19=60 $$
    で、3 つとも違う。どの組の向かい合う辺も垂直でない。たとえば $S_3-S_2=-14$ なので $\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{CD}=-7$ で、実際 $(5,1,0)\cdot(-1,-2,5)=-5-2+0=-7$ である。
  3. $A(0,0,0)$、$B(2,0,0)$、$C(1,2,0)$、$D(1,0,3)$:$S_1=4+13=17$、$S_2=5+10=15$、$S_3=10+5=15$ で、$S_2=S_3$ だけが成り立つ。$AB\perp CD$ だが、ほかの 2 組は垂直でない。

thm-oct-edges の (ii) は、3 つの内積の和がいつも $0$ になる、という恒等式
$$ \overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{CD}+\overrightarrow{AC}\cdot\overrightarrow{DB}+\overrightarrow{AD}\cdot\overrightarrow{BC}=0 $$
からも分かる(左辺を位置ベクトルで展開すると 12 個の項がすべて打ち消し合う)。2 つの内積が $0$ なら、3 つ目も $0$ である。これは 三角形の垂心 の補題「垂線の方程式の和」の、「3 つの式の和が $0$ なので、2 つが $0$ なら 3 つ目も $0$」という形と同じ仕組みである。

主定理 2:4 本の高さが 1 点で交わる条件

まず、2 本の高さの直線が交わるかどうかを調べる。

2 本の高さの直線が交わる条件

四面体 $ABCD$ で、$A$ からの高さの直線と $B$ からの高さの直線が交わる $\iff$ $AB\perp CD$。ほかの 2 頂点の組についても同じである。

辺 $CD$ に垂直な平面の中で考える

要点:2 本が点 $H$ で交われば、$\overrightarrow{AH}\cdot\overrightarrow{CD}=0$ と $\overrightarrow{BH}\cdot\overrightarrow{CD}=0$ を引いて $\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{CD}=0$ となる。逆に $AB\perp CD$ なら、$A$ を通り直線 $CD$ に垂直な平面 $\pi$ は $B$ も通り、2 本の高さの直線はどちらも $\overrightarrow{CD}$ に垂直なので $\pi$ に含まれる。2 本は平行でない(平行なら平面 $BCD$ と $ACD$ が一致してしまう)ので、$\pi$ の中で交わる。

詳しい証明を開く

段 1($\Rightarrow$)。2 本が点 $H$ で交わるとする。$H$ は $A$ からの高さの直線の上にあるので、$\overrightarrow{AH}$ は平面 $BCD$ に垂直で、とくに $\overrightarrow{AH}\cdot\overrightarrow{CD}=0$ である。同じく $H$ は $B$ からの高さの直線の上にあるので $\overrightarrow{BH}\cdot\overrightarrow{CD}=0$ である。引くと $(\overrightarrow{AH}-\overrightarrow{BH})\cdot\overrightarrow{CD}=\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{CD}=0$ で、$AB\perp CD$ である($\overrightarrow{AH}-\overrightarrow{BH}=\overrightarrow{AH}+\overrightarrow{HB}=\overrightarrow{AB}$)。

段 2($\Leftarrow$)。$AB\perp CD$ とする。$A$ を通り直線 $CD$ に垂直な平面を $\pi$ とする。$\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{CD}=0$ なので $B$ も $\pi$ の上にある。$A$ からの高さの直線の向きは平面 $BCD$ に垂直なので、平面 $BCD$ の中の向き $\overrightarrow{CD}$ に垂直である。$A$ を通り $\overrightarrow{CD}$ に垂直な向きの直線なので、この直線は $\pi$ に含まれる。同じく、$B$ からの高さの直線も $\overrightarrow{CD}$ に垂直で $B$ を通るので、$\pi$ に含まれる。

段 3(平行でない)。もし 2 本が平行なら、平面 $BCD$ と平面 $ACD$ はどちらもその向きに垂直なので、互いに平行である。2 つの平面は直線 $CD$ を共有するので一致し、$A,B,C,D$ が同じ平面の上にあることになる。これは四面体であることに反する。よって 2 本は同じ平面 $\pi$ の上の平行でない 2 直線で、交わる。$\square$

ex-oct-sums の (3) では $AB\perp CD$ なので、$A$ からと $B$ からの高さの直線は交わり、交点は $\left(1,\dfrac12,\dfrac13\right)$ である。prop-oct-pair は $A,B$ と $C,D$ について対称な形($AB\perp CD$)なので、$C$ からと $D$ からの高さの直線も交わり、交点は $(1,0,0)$ である。2 つの交点は違う点で、ほかの組($A$ と $C$ など)は交わらない。

4 本の高さが 1 点で交わる条件

四面体 $ABCD$ について、次の 2 つは同値である。
(R1) 4 本の高さの直線が 1 点で交わる。
(R1) $ABCD$ は直辺四面体である。
このとき、外心を $O$、重心(4 頂点の平均の点)を $G$ とすると、交点 $H$ は $\overrightarrow{OH}=2\overrightarrow{OG}$ を満たす点である。

外心を原点にとる

方針:(i) から (ii) は prop-oct-pair からすぐ出る。(ii) から (i) は、外心を原点にとり、点 $\dfrac12(\vec a+\vec b+\vec c+\vec d)$ が 4 本の高さの直線の上にあることを確かめる。
段 1((i) $\Rightarrow$ (ii))。4 本が点 $H$ で交われば、どの 2 本も交わる。prop-oct-pair を頂点の組 $(A,B)$、$(A,C)$、$(A,D)$ に使うと、$AB\perp CD$、$AC\perp BD$、$AD\perp BC$ である。
段 2(原点のとり方)。四面体には外接球がただ 1 つある(四面体の外接球と内接球 の定理「外接球の存在と一意性」)。その中心 $O$ を原点にとると、外接球の半径を $R$ として
$$ \lvert\vec a\rvert^2=\lvert\vec b\rvert^2=\lvert\vec c\rvert^2=\lvert\vec d\rvert^2=R^2 $$
である。$\vec h=\dfrac12(\vec a+\vec b+\vec c+\vec d)$ を位置ベクトルとする点を $H$ とする。
段 3($H$ は $A$ からの高さの直線の上)。$\vec h-\vec a=\dfrac12(\vec b+\vec c+\vec d-\vec a)$ である。平面 $BCD$ の 2 つの向き $\vec c-\vec b$、$\vec d-\vec c$ との内積を計算する。
$$ 2(\vec h-\vec a)\cdot(\vec c-\vec b)=(\vec c+\vec b)\cdot(\vec c-\vec b)+(\vec d-\vec a)\cdot(\vec c-\vec b)=\bigl(\lvert\vec c\rvert^2-\lvert\vec b\rvert^2\bigr)+\overrightarrow{AD}\cdot\overrightarrow{BC} $$
で、段 2 から $\lvert\vec c\rvert^2-\lvert\vec b\rvert^2=0$、仮定 $AD\perp BC$ から $\overrightarrow{AD}\cdot\overrightarrow{BC}=0$ なので、$0$ である。同じく
$$ 2(\vec h-\vec a)\cdot(\vec d-\vec c)=(\vec d+\vec c)\cdot(\vec d-\vec c)+(\vec b-\vec a)\cdot(\vec d-\vec c)=\bigl(\lvert\vec d\rvert^2-\lvert\vec c\rvert^2\bigr)+\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{CD}=0 $$
である($AB\perp CD$ を使った)。$\overrightarrow{AH}$ は平面 $BCD$ の平行でない 2 つの向きに垂直なので、平面 $BCD$ に垂直で、$H$ は $A$ からの高さの直線の上にある。
段 4(ほかの頂点)。$\vec h$ の式は 4 つの頂点について対称で、段 3 の計算は頂点の名前を付け替えても同じようにできる(使うのは $\lvert\vec a\rvert^2=\dots=\lvert\vec d\rvert^2$ と、3 組の垂直だけである)。よって $H$ は 4 本の高さの直線のすべての上にあり、4 本は $H$ で交わる。
段 5($O$、$G$ との関係)。原点が $O$ なので $\overrightarrow{OG}=\dfrac14(\vec a+\vec b+\vec c+\vec d)$、$\overrightarrow{OH}=\vec h=2\overrightarrow{OG}$ である。$\square$

thm-oct-altitudes の交点 $H$ を、直辺四面体の 垂心 という。$\overrightarrow{OH}=2\overrightarrow{OG}$ は、重心 $G$ が線分 $OH$ の中点であることを言っている。三角形では、外心 $O$、重心 $G$、垂心 $H$ が一直線上にあり $\overrightarrow{OH}=3\overrightarrow{OG}$ だった(Euler線)。係数が $3$ から $2$ に変わるのは、平均をとる頂点の数が 3 から 4 に増えるからである($\vec a+\vec b+\vec c=3\overrightarrow{OG}$ と $\dfrac12(\vec a+\vec b+\vec c+\vec d)=2\overrightarrow{OG}$)。

垂心を求める

$A\left(0,\dfrac32,3\right)$、$B(-2,0,0)$、$C(3,0,0)$、$D(0,4,0)$ とする。$S_1=AB^2+CD^2=\dfrac{61}4+25=\dfrac{161}4$、$S_2=AC^2+BD^2=\dfrac{81}4+20=\dfrac{161}4$、$S_3=AD^2+BC^2=\dfrac{61}4+25=\dfrac{161}4$ で、直辺四面体である。
外心は $O\left(\dfrac12,\dfrac54,\dfrac14\right)$、重心は $G\left(\dfrac14,\dfrac{11}8,\dfrac34\right)$ で、$\overrightarrow{OH}=2\overrightarrow{OG}$ から
$$ H=O+2(G-O)=2G-O=\left(\frac12-\frac12,\ \frac{11}4-\frac54,\ \frac32-\frac14\right)=\left(0,\ \frac32,\ \frac54\right) $$
である。$D$ からの高さの直線(面 $ABC$ に垂直)などを直接求めても、4 本はこの点で交わる。

外心の計算と、高さの直線の確かめを開く

外心 $(x,y,z)$ は、$B$、$C$ から等距離なので $x=\dfrac12$、$B$、$D$ から等距離なので $(x+2)^2+y^2=x^2+(y-4)^2$ より $4x+8y=12$、$y=\dfrac54$ である。$A$、$B$ から等距離なので $x^2+\left(y-\dfrac32\right)^2+(z-3)^2=(x+2)^2+y^2+z^2$ で、$x=\dfrac12$、$y=\dfrac54$ を入れると $\dfrac14+\dfrac1{16}+z^2-6z+9=\dfrac{25}4+\dfrac{25}{16}+z^2$ より $-6z=-\dfrac32$、$z=\dfrac14$ である。

$A$ からの高さの直線は $x=0$、$y=\dfrac32$(面 $BCD$ は平面 $z=0$)で、$H$ はその上にある。$\overrightarrow{BH}=\left(2,\dfrac32,\dfrac54\right)$ と、面 $ACD$ の向き $\overrightarrow{CD}=(-3,4,0)$、$\overrightarrow{CA}=\left(-3,\dfrac32,3\right)$ の内積は $-6+6+0=0$、$-6+\dfrac94+\dfrac{15}4=0$ で、$H$ は $B$ からの高さの直線の上にもある。

直辺四面体では、4 本の高さの直線(赤)が 1 点 H で交わる 直辺四面体では、4 本の高さの直線(赤)が 1 点 H で交わる
一般の四面体では、4 本の高さの直線はどの 2 本も交わらない。頂点 (0,0,0)、(5,1,0)、(2,4,1)、(1,2,6) の場合 一般の四面体では、4 本の高さの直線はどの 2 本も交わらない。頂点 (0,0,0)、(5,1,0)、(2,4,1)、(1,2,6) の場合

図 1 は ex-oct-altitudes の直辺四面体で、4 本の高さの直線が $H\left(0,\dfrac32,\dfrac54\right)$ で交わる。図 2 は ex-oct-sums の (2) の四面体で、どの組の向かい合う辺も垂直でないので、prop-oct-pair によりどの 2 本の高さの直線も交わらない。

高さの足は面の垂心:直辺四面体の作り方

三角形の垂心は 3 本の垂線の交点だった。直辺四面体では、頂点から下ろした垂線の足が、向かいの面の三角形の垂心になる。

高さの足と面の垂心

四面体 $ABCD$ の頂点 $A$ から平面 $BCD$ に下ろした垂線の足を $A'$ とする。$A'$ が三角形 $BCD$ の垂心であることと、$ABCD$ が直辺四面体であることは同値である。

足を経由して内積を分ける

要点:$\overrightarrow{AA'}$ は平面 $BCD$ に垂直なので、$\overrightarrow{BA'}\cdot\overrightarrow{CD}=\overrightarrow{BA}\cdot\overrightarrow{CD}+\overrightarrow{AA'}\cdot\overrightarrow{CD}=\overrightarrow{BA}\cdot\overrightarrow{CD}$ である。よって「$A'$ が三角形 $BCD$ の $B$ からの垂線の上にある」ことは $AB\perp CD$ と同値で、$C$、$D$ からの垂線についても同じである。空間図形の計量 の三垂線の定理の証明と同じ考え方である。

詳しい証明を開く

方針:$\overrightarrow{BA'}=\overrightarrow{BA}+\overrightarrow{AA'}$ と分けて、平面 $BCD$ の中の向きとの内積をとる。空間図形の計量 の三垂線の定理の証明と同じ考え方である。

段 1(1 組の辺)。$\overrightarrow{AA'}$ は平面 $BCD$ に垂直なので、$\overrightarrow{AA'}\cdot\overrightarrow{CD}=0$ である。よって

$$\overrightarrow{BA'}\cdot\overrightarrow{CD}=\overrightarrow{BA}\cdot\overrightarrow{CD}+\overrightarrow{AA'}\cdot\overrightarrow{CD}=\overrightarrow{BA}\cdot\overrightarrow{CD}$$

である。したがって、「$A'$ が三角形 $BCD$ の $B$ からの垂線(直線 $CD$ に垂直な直線)の上にある」ことと「$AB\perp CD$」は同値である。

段 2(3 組)。同じく、「$A'$ が $C$ からの垂線の上にある」ことは $AC\perp BD$ と、「$A'$ が $D$ からの垂線の上にある」ことは $AD\perp BC$ と同値である。

段 3(まとめ)。直辺四面体なら、段 1・段 2 により $A'$ は三角形 $BCD$ の 3 本の垂線の上にあり、垂心である。逆に $A'$ が垂心なら、3 本の垂線の上にあるので、段 1・段 2 により 3 組の辺が垂直である。$\square$

prop-oct-foot から、直辺四面体の作り方が分かる。三角形 $BCD$ をとり、その垂心 $H_0$ を通って平面 $BCD$ に垂直な直線の上に、平面の外の点 $A$ を置けばよい。どの三角形から始めてもよく、鈍角三角形でもよい。

鈍角三角形から作る直辺四面体

$B(0,0,0)$、$C(4,0,0)$、$D(1,1,0)$ とする。$\overrightarrow{DB}\cdot\overrightarrow{DC}=(-1,-1,0)\cdot(3,-1,0)=-3+1=-2<0$ なので、$D$ の角が鈍角の三角形である。
(1) 三角形 $BCD$ の垂心 $H_0$:$D$ からの垂線は $x=1$ である。$B$ からの垂線は $\overrightarrow{DC}=(3,-1,0)$ に垂直な直線 $3x-y=0$ である。交点は $H_0(1,3,0)$ で、三角形の外にある。$C$ からの垂線の上にあることも、$\overrightarrow{CH_0}\cdot\overrightarrow{BD}=(-3,3,0)\cdot(1,1,0)=0$ で確かめられる。
(2) $A(1,3,2)$ とおく。$S_1=AB^2+CD^2=14+10=24$、$S_2=AC^2+BD^2=22+2=24$、$S_3=AD^2+BC^2=8+16=24$ で、thm-oct-edges により直辺四面体である。
(3) 外心は $O(2,-1,4)$、重心は $G\left(\dfrac32,1,\dfrac12\right)$ で、垂心は $H=2G-O=(1,3,-3)$ である。$H$ は $A$ からの高さの直線 $x=1$、$y=3$ の上にあるが、平面 $BCD$($z=0$)の下にあり、四面体の外にある。鈍角三角形の垂心が三角形の外にあるのと同じである。

鈍角三角形 BCD の垂心 H₀ の真上に A を置くと直辺四面体になる。4 本の高さの直線は四面体の外の点 H で交わる 鈍角三角形 BCD の垂心 H₀ の真上に A を置くと直辺四面体になる。4 本の高さの直線は四面体の外の点 H で交わる

等面四面体と比べる

等面四面体 は向かい合う辺の「長さ」が等しい四面体、直辺四面体は向かい合う辺の「向き」が垂直な四面体である。向かい合う辺の中点を結ぶ 3 本の線分 $m_1$($AB$ と $CD$)、$m_2$($AC$ と $BD$)、$m_3$($AD$ と $BC$)で見ると、2 つは対になっている。

中点を結ぶ線分の長さ

どんな四面体でも $m_1^{\,2}-m_3^{\,2}=\overrightarrow{AC}\cdot\overrightarrow{BD}$ が成り立つ($m_1$ などは線分の長さも表す)。したがって、$AC\perp BD$ $\iff$ $m_1=m_3$ で、直辺四面体であることは $m_1=m_2=m_3$ と同値である。

中点の平行四辺形の対角線

要点:辺 $AB$、$BC$、$CD$、$DA$ の中点を結ぶ平行四辺形の 2 辺は $\dfrac12\overrightarrow{AC}$、$\dfrac12\overrightarrow{BD}$ で、2 本の対角線が $m_1$ と $m_3$ である。平行四辺形の 2 本の対角線の長さの 2 乗の差は、隣り合う 2 辺の内積の $4$ 倍なので、$m_1^{\,2}-m_3^{\,2}=\overrightarrow{AC}\cdot\overrightarrow{BD}$ となる。

詳しい証明を開く

等面四面体 の命題「中点を結ぶ 3 本の線分が互いに垂直」の証明と同じく、4 点を $A\to B\to C\to D\to A$ の順に結んだ四角形の、辺 $AB$、$BC$、$CD$、$DA$ の中点を $P_1$、$P_2$、$P_3$、$P_4$ とする。$\overrightarrow{P_1P_2}=\dfrac12\overrightarrow{AC}$、$\overrightarrow{P_2P_3}=\dfrac12\overrightarrow{BD}$ で(空間の四角形の中点と四面体)、$m_1=P_1P_3$、$m_3=P_2P_4$ である。$\overrightarrow{P_1P_3}=\overrightarrow{P_1P_2}+\overrightarrow{P_2P_3}$、$\overrightarrow{P_2P_4}=\overrightarrow{P_2P_3}-\overrightarrow{P_1P_2}$ なので

$$P_1P_3^{\,2}-P_2P_4^{\,2}=\lvert\overrightarrow{P_1P_2}+\overrightarrow{P_2P_3}\rvert^2-\lvert\overrightarrow{P_2P_3}-\overrightarrow{P_1P_2}\rvert^2=4\,\overrightarrow{P_1P_2}\cdot\overrightarrow{P_2P_3}=\overrightarrow{AC}\cdot\overrightarrow{BD}$$

である。頂点の名前を付け替えると、$m_1=m_2\iff AD\perp BC$、$m_2=m_3\iff AB\perp CD$ も同じように出る。$\square$

等面四面体直辺四面体
向かい合う辺長さが等しい向きが垂直
中点の平行四辺形(3 つ)どれもひし形どれも長方形
中点を結ぶ 3 本の線分互いに垂直長さが等しい
例直方体の 1 つおきの 4 頂点直角をもつ四面体、面の垂心の真上に頂点
両方を満たすもの正四面体正四面体

表の「中点の平行四辺形」の行は、空間の四角形の中点と四面体 の命題「長方形・ひし形・正方形になる条件」による。

両方を満たすのが正四面体だけであることを開く

最後の行は次のように分かる。等面四面体は 等面四面体 の定理により直方体の 4 頂点 $(0,0,0)$、$(p,q,0)$、$(p,0,r)$、$(0,q,r)$ に置ける。向かい合う辺の内積は $(p,q,0)\cdot(-p,q,0)=q^2-p^2$、$(p,0,r)\cdot(-p,0,r)=r^2-p^2$、$(0,q,r)\cdot(0,-q,r)=r^2-q^2$ で、3 つとも $0$ になるのは $p=q=r$、つまり直方体が立方体で四面体が正四面体のときだけである。

例と反例

外す条件反例成り立たなくなること
向かい合う辺の 2 組が垂直(1 組だけにする)ex-oct-sums の (3)3 組目も垂直、4 本の高さが 1 点で交わる
向かい合う辺のどれかの組が垂直ex-oct-sums の (2)どれか 2 本の高さの直線が交わる
高さの足が面の垂心(外心にする)ex-oct-cx-circum4 本の高さが 1 点で交わる

1 行目は prop-oct-pair の後の段落で確かめた。$A$ からと $B$ からの高さの直線は $\left(1,\dfrac12,\dfrac13\right)$ で、$C$ からと $D$ からの高さの直線は $(1,0,0)$ で交わるが、4 本は 1 点で交わらない。2 行目は図 2 の四面体である。

反例:面の外心の真上に頂点を置く

ex-oct-altitudes と同じ $B(-2,0,0)$、$C(3,0,0)$、$D(0,4,0)$ で、三角形 $BCD$ の外心 $\left(\dfrac12,\dfrac54,0\right)$ の真上に $A\left(\dfrac12,\dfrac54,3\right)$ を置く。$AB=AC=AD$ となる四面体である。
$$ S_1=AB^2+CD^2=\frac{269}{16}+25=\frac{669}{16},\qquad S_2=AC^2+BD^2=\frac{269}{16}+20=\frac{589}{16},\qquad S_3=AD^2+BC^2=\frac{269}{16}+25=\frac{669}{16} $$
で、$S_1=S_3$ だけが成り立つ。thm-oct-edges により $AC\perp BD$ だけが垂直で、直辺四面体ではない。thm-oct-altitudes により、4 本の高さの直線は 1 点で交わらない。
満たさない条件:垂線の足 $\left(\dfrac12,\dfrac54,0\right)$ が三角形 $BCD$ の垂心 $\left(0,\dfrac32,0\right)$ でないこと。崩れる主張:4 本の高さの直線が 1 点で交わること。

大学数学で見る:Monge の点

直辺四面体でない四面体には、4 本の高さの直線が交わる点はない。その代わりになる点がある。

Monge の点

どんな四面体でも、各辺の中点を通り、向かい合う辺に垂直な平面を 6 枚つくると、6 枚は 1 点で交わる。この点を Monge の点 という(Wei26)。外心 $O$ を原点にとると、Monge の点は $\vec n=\dfrac12(\vec a+\vec b+\vec c+\vec d)$ である。実際、辺 $AB$ の中点を通り $CD$ に垂直な平面は $\left(\vec x-\dfrac{\vec a+\vec b}2\right)\cdot(\vec d-\vec c)=0$ で、$\vec x=\vec n$ を入れると
$$ \frac{\vec c+\vec d}2\cdot(\vec d-\vec c)=\frac12\bigl(\lvert\vec d\rvert^2-\lvert\vec c\rvert^2\bigr)=0 $$
となる($O$ は外心なので $\lvert\vec c\rvert=\lvert\vec d\rvert$)。ほかの 5 枚も同じである。また、辺 $CD$、$BD$、$BC$ の中点を通る 3 枚の平面の法線ベクトルは $\overrightarrow{AB}$、$\overrightarrow{AC}$、$\overrightarrow{AD}$ で、4 点は同じ平面の上にないので、この 3 つは 1 つの平面に平行でない。3 枚の平面の式は $\vec x$ の成分についての連立 1 次方程式で、その係数の行列式は $\overrightarrow{AB}$、$\overrightarrow{AC}$、$\overrightarrow{AD}$ を並べた行列式($0$ でない。四面体の体積と行列式)なので、共有点はただ 1 つである。したがって 6 枚の共有点は $\vec n$ の 1 点だけである。よって $\overrightarrow{ON}=2\overrightarrow{OG}$ で、外心 $O$、重心 $G$、Monge の点 $N$ は一直線上にあり、$G$ は線分 $ON$ の中点である。
直辺四面体では、thm-oct-altitudes の垂心 $H$ も $\overrightarrow{OH}=2\overrightarrow{OG}$ を満たすので、Monge の点は垂心と一致する。

一般の四面体での Monge の点の数値と、三角形との比較を開く

ex-oct-sums の (2) の四面体 $A(0,0,0)$、$B(5,1,0)$、$C(2,4,1)$、$D(1,2,6)$ では、外心は $O\left(\dfrac{487}{198},\dfrac{139}{198},\dfrac{61}{22}\right)$、重心は $G\left(2,\dfrac74,\dfrac74\right)$ で、Monge の点は $N=2G-O=\left(\dfrac{305}{198},\dfrac{277}{99},\dfrac8{11}\right)$ である。6 枚の平面の式にこの点を入れると、どれも $0$ になる。一方、この点は 4 本の高さの直線のどれの上にもない。

三角形では、辺の中点を通りその辺に垂直な直線(垂直二等分線)は外心 $O$ で交わり、垂心は $\overrightarrow{OH}=3\overrightarrow{OG}$ を満たした(Euler線)。四面体の Monge の点は、「中点を通る垂直な平面」の交点として、垂心の役を一般の四面体でも果たす点である。なお、3 つの円の相似の中心についての Mongeの定理 は、名前は同じだが別の定理である。

さらに先へ

  • ex-oct-start の、1 つの頂点で 3 本の辺が互いに直交する四面体は、直辺四面体の特別な場合である。その 4 つの面の面積の関係は de Guaの定理 で扱う。
  • 外心・重心・垂心の関係 $\overrightarrow{OH}=2\overrightarrow{OG}$ は、三角形の Euler線 の四面体版である。外接球の作り方は 四面体の外接球と内接球 にある。
  • 向かい合う辺の長さが等しい四面体は 等面四面体 で扱った。

関連項目

参考文献

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