Nielsen–Schreierの定理(Nielsen–Schreier theorem)とは、自由群の任意の部分群は自由群である、という定理である。階数 $n$ が有限の自由群の指数 $k$ が有限の部分群の階数は $k(n-1)+1$ になり(Schreier の指数公式)、部分群の階数はもとの群より大きくなりうる。証明は、右剰余類の代表元を語の頭の部分で閉じるように選んだ Schreier 横断系から部分群の基底を書き下す組合せ的な方法と、被覆空間とグラフの基本群による位相的な方法がある。たとえば階数 2 の自由群の交換子部分群は、可算無限個の元を基底とする自由群である。
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Newton多角形(Newton polygon)とは、付値 $v$ をもつ体上の多項式 $\sum a_ix^i$ について、点 $(i,v(a_i))$ の集まりを下から支える凸な折れ線のことである。分解体への付値の延長をとると、各辺の傾きの $-1$ 倍が根の付値で、辺の横の長さがその付値をもつ根の個数に等しい。延長が一通りの場合(たとえば完備な体の上)には多項式が傾きごとに係数の体の上で分解し、値群が $\mathbb{Z}$ の付値では線分 1 本で、傾きを既約分数で書いた分母が次数に等しければ既約であって、Eisenstein の判定法はその特別な場合である。$p$ 進の根の計算や Frobenius の固有値の付値に使われる。
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Newton–Kantorovichの定理(Newton–Kantorovich theorem)とは、Banach 空間の方程式 $F(x)=0$ について、初期値 $x_0$ での Newton の一歩の長さ $\eta=\|F'(x_0)^{-1}F(x_0)\|$ と、$F'(x_0)^{-1}F'$ の Lipschitz 定数 $K$ が $K\eta\le\frac12$ を満たし、半径 $t^*=(1-\sqrt{1-2K\eta})/K$ の閉球が定義域に入るなら、その閉球に零点 $x^*$ が存在し、Newton 法の点列が $x^*$ に収束することを保証する定理である。一意性の範囲と誤差の上界も、2 次式 $\frac K2t^2-t+\eta$ に Newton 法を当てた数列から得られる。零点の存在を仮定しないので、近似解の近くに解があることの証明に使える。
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New Foundations(New Foundations)とは、Quine が提案した集合論で、外延性と、変数に型を割り当てて $x\in y$ では $y$ の型が $x$ の型より $1$ 大きくなるようにできる成層的な論理式についての内包の図式からなり、NF と略す。$x=x$ が成層的なのですべての集合からなる集合 $V$ が存在し、どの集合も補集合をもつが、$x\notin x$ は成層的でないので Russell の逆理は起こらない。Cantor の定理は一元集合の集合 $\iota[A]$ から冪集合への全射がないという形で成り立ち、写像 $x\mapsto\{x\}$ は $V$ 上では集合でない。NF は選択公理の否定を証明し(Specker)、原子を許す変種 NFU は無矛盾で選択公理と両立する。
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NBG集合論(von Neumann–Bernays–Gödel set theory)とは、集合のほかにクラスを対象として認め、あるクラスの元になるクラスを集合とよぶ集合論の公理系で、集合については ZFC の公理を課し、クラスを作る内包の公理では論理式の量化を集合に限るものである。ZFC のモデルに定義可能な部分集合をクラスとして加えると NBG のモデルになるので、完全性定理により、集合についての文に関して NBG は ZFC の保存拡大であり、両者は等無矛盾である。内包の公理図式は有限個のその例から導けるので、ZF と違って NBG は有限個の公理で書ける。
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自然数対象(natural numbers object)とは、終対象 $1$ をもつ圏の対象 $N$ と射 $0\colon1\to N$、$s\colon N\to N$ の組で、どの $x\colon1\to X$ と $f\colon X\to X$ に対しても $u\circ0=x$、$u\circ s=f\circ u$ を満たす射 $u\colon N\to X$ がただ一つあるものであり、集合では通常の自然数である。余積 $1+N$ があれば $[0,s]$ は同型であり、$0$ を含み $s$ で閉じた部分対象は全体に一致する。終対象を保つ左随伴は自然数対象を保つので、前層と層のトポスでは定数前層 $\Delta\mathbb N$ やその層化が自然数対象になる一方、有限集合の圏には自然数対象がない。Cartesian閉圏ではパラメータ付きの再帰で加法が定義できる。
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長田–Smirnovの距離化定理(Nagata–Smirnov metrization theorem)とは、位相空間が距離化可能であるための必要十分条件は、正則な $T_1$ 空間であって、可算個の局所有限な族の和として書ける開基($\sigma$-局所有限な開基)をもつことである、という定理である。長田潤一と Smirnov が独立に示した。十分性は、開基の各成員の上でだけ正になる関数を並べて距離を直接書き下すことで示され、必要性は、距離空間の開被覆が $\sigma$-離散な開細分をもつことから従う。第 2 可算な場合として Urysohn の距離化定理を含み、開基を $\sigma$-離散にとる Bing の距離化定理も同じ証明から得られる。
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永田のコンパクト化(Nagata compactification)とは、準コンパクトかつ準分離的なスキーム $S$ 上の分離的な有限型スキーム $X$ を、$S$ 上固有なスキーム $\bar X$ の準コンパクトな開部分スキームとして実現すること、またそれが常に可能であるという永田雅宜の定理のことである。逆にコンパクト化をもつ $X$ は分離的で有限型なので、この条件はコンパクト化の存在と同値である。コンパクト化は一意ではないが、スキーム論的像をとれば稠密なものに取り替えられ、どの 2 つも両方へ写る第 3 のコンパクト化をもち、固有な $X$ の稠密なコンパクト化は $X$ 自身に限る。エタールコホモロジーのコンパクト台の順像の定義などで基本となる。
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Mumford–Tate群(Mumford–Tate group)とは、有理 Hodge 構造 $V$ を Deligne トーラスの表現 $h\colon\mathbb{S}\to\mathrm{GL}(V)_{\mathbb{R}}$ とみたとき、$h$ が経由する $\mathrm{GL}(V)$ の $\mathbb{Q}$ 上の代数的部分群のうち最小のものである。$V$ のテンソル積と双対から作った空間の有理部分空間がこの群で安定であることは部分 Hodge 構造であることと同値で、群はそれらの安定化群の共通部分に一致し、不変元は型 $(0,0)$ の有理元、可換子は Hodge 構造の自己準同型になる。群は連結で、簡約であることは $V$ が半単純であることと同値であり、楕円曲線では虚数乗法の有無に応じて 2 次元のトーラスか $\mathrm{GL}_2$ になる。
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多変数微分積分学(multivariable calculus)とは、$\mathbb{R}^n$ の開集合で定義された関数や写像について、微分と積分を調べる分野である。微分は各点で写像を最もよく近似する線形写像(Jacobi 行列)として定義され、連鎖律・Taylor の公式・逆関数定理・陰関数定理・極値の判定がその主な定理である。積分は重積分として定義され、累次積分(Fubini の定理)と Jacobi 行列式を使う変数変換公式で計算し、Green・Gauss・Stokes の積分定理が境界上の積分と内部の積分を結ぶ。有界閉区間上の積分では $f$ と $\partial f/\partial y$ が連続なら積分記号の下で微分できることなど、微分と積分の順序を入れ替える定理も基本的な道具であり、多様体論・微分幾何学・偏微分方程式の土台になる。
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