付値判定法(valuative criterion)とは、スキームの射 $f\colon X\to Y$ の分離性と固有性を、付値環 $R$ とその商体 $K$ について射 $\operatorname{Spec}K\to X$ を $\operatorname{Spec}R\to X$ へ延ばす持ち上げの個数で判定する方法である。$X$ が Noether スキームのとき、$f$ が分離的であることは持ち上げがつねに高々 1 つであることと同値であり、さらに $f$ が有限型なら、$f$ が固有であることは持ち上げがつねにただ 1 つ存在することと同値である。証明は、付値環からの射を点と局所環の支配で記述する補題と、準コンパクト射の像が閉であることを特殊化で判定する補題に基づく。
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弱位相(関数解析)(weak topology)とは、ノルム空間 $X$ 上で連続双対 $X^*$ のすべての元を連続にする最も粗い位相 $\sigma(X,X^*)$ である。点列 $x_n$ が $x$ に弱収束することは、すべての連続線形汎関数 $f$ について $f(x_n)\to f(x)$ となることと同値で、弱収束する点列はノルム有界であり、ノルムは弱極限で下半連続になる。有限次元ではノルム位相と一致するが、無限次元では空でない弱開集合がすべて有界でなく、単位球面の弱閉包は閉単位球になる。$\ell^p$ の標準基底や $\sin nt$ のように、ノルムを保ったまま $0$ に弱収束する列があり、凸集合の弱閉性や反射性の理論の土台になる。
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部分空間のなす角(主角)(principal angles between subspaces)とは、Euclid 空間の同じ次元 $n$ の 2 つの部分空間 $X,Y$ の位置関係を表す $n$ 個の角 $0\le\theta_1\le\dots\le\theta_n\le\pi/2$ で、$X,Y$ への直交射影 $P,Q$ について $PQ$ を $X$ に制限した写像の固有値が $\cos^2\theta_i$ である。主ベクトルをとると全体は共有する直線、角 $\theta_i$ の平面、残りの直交和に分かれ、最大の主角の正弦は射影の差の作用素ノルムに等しい。最大の主角は Grassmann 多様体の距離になり、2 つの部分空間を入れ替える直交な対合もある。
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Minkowski汎関数(Minkowski functional)とは、原点を含む集合 $C$ に対し、点 $x$ を含むために $C$ を何倍に広げればよいかを $p_C(x)=\inf\{t>0\mid x\in tC\}$ で測る関数で、ゲージとも呼ばれる。$C$ が凸なら $p_C$ は正斉次で劣加法的であり、ノルム空間で原点を内点にもつ凸集合では $C$ の内部と閉包がそれぞれ $\{p_C<1\}$、$\{p_C\le1\}$ になる。原点を含む開凸集合は連続な非負の劣線形汎関数と 1 対 1 に対応し、対称で有界な凸集合の $p_C$ は同値なノルムになり、閉凸集合の $p_C$ は極集合の支持関数として表される。Hahn–Banach の分離定理や局所凸空間の理論で使われる。
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Oreの定理(Hamilton閉路)(Ore's theorem on Hamiltonian cycles)とは、頂点数 $n\ge3$ の有限単純グラフで、隣接しない相異なる 2 頂点の次数の和がつねに $n$ 以上ならば、すべての頂点をちょうど 1 回ずつ通る閉路(Hamilton 閉路)が存在するというグラフ理論の定理である。次数の和が $n$ 以上の隣接しない 2 頂点を結ぶ操作を繰り返したグラフ(Bondy–Chvátal の閉包)は Hamilton 閉路の有無を変えず、頂点数が 3 以上で閉包が完全グラフならもとのグラフは Hamilton 閉路をもつ。Dirac の定理、辺の本数による条件、次数列についての Chvátal の条件はどれもこの見方から導かれる。
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ゲージ群(主束)(gauge group of a principal bundle)とは、位相群 $G$ を構造群とする主束 $P\to X$ の、底の各点を動かさず $G$ の作用と可換な自己同型(ゲージ変換)のなす群である。ゲージ変換 $u$ は $u(y)=y\,\phi(y)$ によって随伴同変な写像 $\phi\colon P\to G$ と一対一に対応し、ゲージ群はこの写像の各点ごとの積の群、および随伴束の切断の群と同型である。全空間が Hausdorff なら、コンパクト開位相でゲージ群は位相群になり、随伴同変写像の群との同型は位相群の同型になる。自明な束、または可換な $G$ の場合、ゲージ群は群として $C(X,G)$ と同型である。
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Hausdorffの極大原理(Hausdorff maximal principle)とは、任意の半順序集合には、包含についてこれ以上大きくできない鎖(極大鎖)が存在するという原理である。与えられた鎖を含む極大鎖があるという強い形も含めて、ZF の上で選択公理と同値であり、Zornの補題と同じ強さをもつ。整列可能定理を使えば、元を順に調べて比較できるものだけを採ることで極大鎖が作れる。完備束の極大鎖は任意の上限と下限で閉じ、集合 $X$ の冪集合の極大鎖は $X$ 上の全順序と一対一に対応する。
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極小曲面(微分幾何学)(minimal surface (differential geometry))とは、$\mathbb R^3$ の曲面で平均曲率が恒等的に $0$ のもの、すなわち 2 つの主曲率が各点で符号だけ異なる曲面である。台がコンパクトな法方向の変形について面積の 1 次の変化が $0$ になることと同値で、面積の臨界点だが最小とは限らない。等温座標では座標関数が調和関数になり、正則関数の組から曲面を作る Weierstrass–Enneper の表示が得られる。平面・懸垂面・螺旋面・Enneper 曲面・Scherk 曲面が例で、全平面の上の滑らかなグラフになる極小曲面は平面に限る(Bernstein の定理)。
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トーラス結び目(torus knot)とは、$S^3$ の標準的なトーラスに巻きつけた閉曲線 $\theta\mapsto(e^{ip\theta},e^{iq\theta})/\sqrt2$($p,q$ は互いに素な正の整数)を立体射影で $\mathbb{R}^3$ に写した結び目であり、$(2,3)$ 型は三葉結び目である。結び目群は Van Kampen の定理により $\langle a,b\mid a^p=b^q\rangle$ と計算される。$p,q\ge2$ のとき、この群の中心は $a^p$ が生成する無限巡回群で、中心による商は自由積 $\mathbb{Z}/p\ast\mathbb{Z}/q$ であり、その可換化の位数と有限位数の元の位数の最大値から組 $\{p,q\}$ が決まる。とくに組の異なるトーラス結び目($p,q\ge2$)は同値でない。
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Murnaghan–中山の規則(Murnaghan–Nakayama rule)とは、対称群 $S_d$ の既約指標 $\chi^\lambda$ の値を、Young 図形から縁の帯(連結で $2\times2$ の正方形を含まない歪図形)を取り除いて計算する規則である。$\sigma$ が長さ $m$ の巡回置換と残りの置換 $\tau$ の積なら、$\chi^\lambda(\sigma)$ は、$\lambda/\mu$ が大きさ $m$ の縁の帯である $\mu$ についての $(-1)^{\operatorname{ht}(\lambda/\mu)}\chi^\mu(\tau)$ の和に等しい。高さ $\operatorname{ht}$ は帯の行数から $1$ を引いた数である。冪和と Schur 多項式の積の展開と Frobenius の公式から導かれる。
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