幾何的確率(geometric probability)とは、面積が正で有限の図形の中にどこも同じ出やすさで点を選ぶとき、点が部分の図形に入る確率を面積の比で決めるものである(線分なら長さ、空間なら体積の比)。独立に $[0,1]$ の一様分布に従う $X$、$Y$ の組は正方形の中の一様な点で、事象の確率は不等式の表す領域の面積になる。この見方で、$0\le a\le1$ のとき $P(\lvert X-Y\rvert\le a)=1-(1-a)^2$(待ち合わせの問題)、長さ $1$ の棒を独立に一様に選んだ 2 か所で折った 3 本で三角形が作れる確率は $\frac14$ であることを示す。1 か所で折ってから長い方を折ると確率は $2\log2-1$ に変わり、半径を一様に選んだ点は円の中の一様な点でないなど、「無作為」の意味で答が変わる。
47分前
Laplace変換の入口(Laplace transform)とは、$[0,\infty)$ で連続な関数 $f$ に広義積分 $F(s)=\int_0^\infty e^{-st}f(t)\,dt$ を対応させる操作と、その使い方である。$\lvert f(t)\rvert\le Me^{at}$ なら $s>a$ で収束し、$f'$ も連続で同じ形の不等式を満たせば $\mathcal L[f'](s)=sF(s)-f(0)$ となり、微分が $s$ の掛け算に変わる。$\mathcal L[t^n]=\frac{n!}{s^{n+1}}$、$\mathcal L[\sin\omega t]=\frac{\omega}{s^2+\omega^2}$ などの表を使うと、定数係数の線形微分方程式の初期値問題が 1 次方程式と部分分数分解で解ける。得た関数は代入と一意性の定理で確かめる。
51分前
強制振動と共振(forced oscillation and resonance)とは、外力のある振動 $x''+\omega^2x=F\cos\Omega t$($\omega,\Omega>0$)と、外力の角振動数 $\Omega$ が固有角振動数 $\omega$ に等しいとき振れ幅が時間に比例して増える現象である。$\Omega=\omega$ のときの特殊解は $\frac{F}{2\omega}t\sin\omega t$ で、解はこれに単振動を足した形に限る。$\Omega$ が $\omega$ に近いとうなりが起こる。減衰の項 $2\gamma x'$($\gamma>0$)を加えると外力と同じ角振動数の解がただ 1 つあり、その振幅は $\omega^2>2\gamma^2$ なら $\Omega=\sqrt{\omega^2-2\gamma^2}$ で最大になる。
55分前
1階線形微分方程式と積分因子(first-order linear differential equations and integrating factors)とは、区間 $I$ で連続な $p$、$q$ についての方程式 $y'+p(x)y=q(x)$ と、それを解くために掛ける関数 $e^{P(x)}$($P(x)=\int_{x_0}^xp(t)\,dt$、$x_0\in I$)のことである。これを掛けると左辺が $(e^{P}y)'$ になり、解は $y=e^{-P(x)}\left(\int_{x_0}^xq(t)e^{P(t)}\,dt+C\right)$($C$ は定数)の形に限る。$y(x_0)=y_0$ を満たす解は $C=y_0$ のものただ 1 つで、解の全体は特殊解に $Ce^{-P(x)}$ を足した形である。$p$ が連続でない点をまたぐと一意性が崩れうる。
59分前
Euler法(Euler's method)とは、微分方程式 $y'=f(x,y)$、$y(x_0)=y_0$ の解を、刻み $h$ の漸化式 $y_{k+1}=y_k+h\,f(x_k,y_k)$($x_k=x_0+kh$)で近似する方法である。解のグラフを、各点で方程式が指定する傾きの線分をつないだ折れ線でなぞる。$y'=ky$、$y(0)=1$ に刻み $h=\frac xn$ で使うと値は $\left(1+\frac{kx}n\right)^n$ で、$n\to\infty$ で $e^{kx}$ に収束し、$k>0$、$x>0$ なら誤差は $0$ より大きく $\frac{k^2x^2}{2n}e^{kx}$ 以下で、刻みに比例する。$y'=g(x)$ では左端の長方形の区分求積と一致する。刻みが大きすぎると振動・発散し、解の発散や一意性の崩れは見落とす。
1時間前
台形公式とSimpsonの公式(trapezoidal rule and Simpson's rule)とは、区間 $[a,b]$ を $n$ 等分(幅 $h$)し、分点での値から定積分を近似する公式である。台形公式 $T_n$ は各小区間を台形で、Simpson の公式 $S_n$($n$ は偶数)は 2 区間ずつ 3 点を通る放物線で近似し、値に $1:4:1$ の重みを付ける。$f''$ が連続で $\lvert f''\rvert\le M_2$ なら台形公式の誤差は $\frac{(b-a)M_2}{12}h^2$ 以下で、$f''\ge0$ なら $T_n$ は積分以上になる。Simpson の公式は 3 次以下の多項式でちょうど正しく、$S_{2m}=\frac{4T_{2m}-T_m}{3}$ が成り立ち、$f^{(4)}$ が有界なら誤差は $h^4$ に比例して減る。
1時間前
Newton法(Newton's method)とは、方程式 $f(x)=0$ の解を、漸化式 $x_{n+1}=x_n-\frac{f(x_n)}{f'(x_n)}$ で近似する方法で、$x_{n+1}$ は点 $(x_n,f(x_n))$ での接線と $x$ 軸の交点である。$f(\alpha)=0$、$f''$ が連続、区間 $[\alpha,b]$ で $f'>0$ かつ $f''\ge0$ なら、$\alpha<x_0\le b$ から始めた数列は単調に減少して $\alpha$ に収束し、$f'$ の最小値 $m$ と $f''$ の最大値 $M$ で $0\le x_{n+1}-\alpha\le\frac{M}{2m}(x_n-\alpha)^2$ が成り立つ。正しい桁数は 1 回ごとにほぼ 2 倍になる。凸の条件を外すと巡回・発散が起こりうる。
1時間前
相反方程式(reciprocal equation)とは、多項式 $P(x)=a_nx^n+\cdots+a_0$($a_n\ne0$)の係数が $a_k=a_{n-k}$ と左右対称な方程式 $P(x)=0$ である。$x\ne0$ で $x^nP(\frac1x)=P(x)$ となり、$\alpha$ が解なら $\frac1\alpha$ も解である。$x^k+x^{-k}$ は $t=x+\frac1x$ の $k$ 次式なので、$n=2m$ のとき $P(x)=x^mQ(x+\frac1x)$ となる $m$ 次式 $Q$ があり、$Q(t)=0$ と $x^2-tx+1=0$ を順に解く。実数 $t$ から実数の $x$ が出るのは $\lvert t\rvert\ge2$ のときだけである。奇数次なら $x=-1$ を解にもち、$x+1$ で割ると偶数次の相反方程式になる。
1時間前
対称式・交代式と差積(alternating polynomials and the difference product)とは、文字 $a,b,c$ のどの 2 つを入れ替えても変わらない多項式(対称式)と、どの 2 つを入れ替えても $-1$ 倍になる多項式(交代式)の関係を、差積 $\Delta=(a-b)(b-c)(c-a)$ でまとめた話題である。交代式は 2 文字が等しいと $0$ になるので、因数定理により $\Delta$ で割り切れ、商は対称式である。$n\ge2$ のとき $a^n(b-c)+b^n(c-a)+c^n(a-b)=-\Delta\,h_{n-2}(a,b,c)$($h_k$ は次数 $k$ の単項式すべての和)が成り立つ。$\Delta^2$ は対称式で、$a,b,c$ を解とする 3 次方程式の判別式に等しい。
1時間前
等式の証明と比例式(proving identities and proportions)とは、条件つきの等式を、文字の消去・等しい比の値を $k$ とおく・条件を因数に含む恒等式の利用で証明する方法と、比の式の性質をまとめた話題である。$a+b+c=0$ なら $a^3+b^3+c^3=3abc$ である。加比の理:$\frac ab=\frac cd=\frac ef=k$($b,d,f\ne0$)で $pb+qd+rf\ne0$ なら $\frac{pa+qc+re}{pb+qd+rf}=k$ である。中間の分数:$b,d>0$ で $\frac ab<\frac cd$ なら $\frac ab<\frac{a+c}{b+d}<\frac cd$ で、$\frac{a+c}{b+d}$ は重み $\frac b{b+d},\frac d{b+d}$ の加重平均である。
1時間前