Peter–Weylの定理(Peter–Weyl theorem)とは、コンパクト群 $G$ の有限次元表現の行列係数の線形結合が連続関数全体 $C(G)$ で一様に稠密で、$L^2(G)$ でも稠密であるという定理であり、正規化した既約ユニタリ表現の行列係数は $L^2(G)$ の正規直交基底をなす。その結果 $L^2(G)$ は既約表現 $\pi$ ごとの $V_\pi\otimes V_\pi^*$ の直交直和に分かれ、無限次元の Hilbert 空間の上のユニタリ表現も有限次元の既約表現の直交直和に分かれるので、既約なユニタリ表現は有限次元である。証明には畳み込みで作ったコンパクトな自己共役作用素のスペクトル分解を使う。円周群では Fourier 級数の完全性にあたり、コンパクト Lie 群が行列の群の閉部分群として実現できることも従う。
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Voevodskyのモチーフ圏(Voevodsky's category of motives)とは、完全体 $k$ 上の滑らかな多様体に共変なモチーフ $M(X)$ を対応させる三角圏 $\mathbf{DM}^{\mathrm{eff}}_-(k)$ と、その中の幾何的モチーフの三角圏などの総称である。射を有限対応から作り、移送つきの Nisnevich 層の導来圏を $\mathbb{A}^1$ 弱同値で局所化して得る。Mayer–Vietoris の三角形とホモトピー不変性から $M(\mathbb{P}^1)\cong\mathbb{Z}\oplus\mathbb{Z}(1)[2]$ が従い、モチーフ的コホモロジーが表現されて Chow 群や Milnor の $K$ 群を含む。Voevodsky はこの枠組みで Bloch–Kato 予想を証明した。
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一様分布(mod 1)(uniform distribution modulo one)とは、実数列 $(x_n)$ の小数部分が $[0,1)$ に偏りなく散らばること、すなわち $[0,1)$ のどの区間についても、最初の $N$ 項のうち小数部分がその区間に入る項の割合が、$N\to\infty$ で区間の長さに近づくことである。Weyl の判定法により、これは $0$ でないすべての整数 $h$ について $e^{2\pi ihx_n}$ の平均が $0$ に近づくことと同値である。この判定法から、$(n\theta)$ が一様分布するのは $\theta$ が無理数のとき、かつそのときに限ること、差の列がすべて一様分布する列は一様分布することが示され、次数 1 以上で最高次の係数が無理数の実係数多項式の値の列も一様分布する。
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正則環準同型(regular ring homomorphism)とは、Noether環の準同型 $A\to B$ で、$B$ が $A$ 上平坦であり、各素イデアル $\mathfrak p\subset A$ のファイバー $B\otimes_A\kappa(\mathfrak p)$ が $\kappa(\mathfrak p)$ 上幾何学的に正則であるものをいう。$k[\epsilon]/(\epsilon^2)$ の恒等写像は正則だが、正則環どうしの $\mathbb Z\to\mathbb F_p$ は平坦でないため正則でない。局所化写像は正則で有限表示とは限らず、商写像 $A\to A/I$ が正則であることは $I$ が冪等元で生成されることと同値である。Noether局所環の完備化写像は平坦なので、その正則性は形式ファイバーの幾何学的正則性に帰着し、G環の基礎となる。
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プラス構成(plus construction)とは、連結な CW 複体 $X$ と基本群の完全部分群 $H$(正規でなくてよい)に対し、$X$ に胞体を貼って基本群を $H$ の正規閉包で割り、ホモロジーは変えない CW 複体 $X^+$ を作る構成である。包含 $X\to X^+$ は基本群に全射を誘導してその核は $H$ の正規閉包であり、任意のアーベル群を係数とするホモロジーとコホモロジー、および $\pi_1(X^+)$ 加群を係数とする局所係数のホモロジーとコホモロジーに同型を誘導し、$X^+$ はホモトピー同値を除いて一意である。$H$ が完全でないと一般には作れず、Quillen は環 $R$ の代数的 $K$ 群を $K_n(R)=\pi_nB\mathrm{GL}(R)^+$($n\ge1$)と定義するのに用いた。
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Chern数(Chern number)とは、複素次元 $n$ の閉じた概複素多様体 $M$ について、$n$ の分割 $I=(i_1,\dots,i_r)$ ごとに、接束の Chern 類の積を基本類で評価した整数 $c_I[M]=\langle c_{i_1}\cdots c_{i_r},[M]\rangle$ のことである。Chern 根の単項対称多項式から作る類 $s_I$ は直和と直積について簡単な公式をみたし、$s_n$ は正の次元の 2 つの因子の積の上で $0$ になる。Thom の定理により、複素射影空間の積の上の Chern 数の行列は正則で、Chern 数のあいだにはすべての多様体で成り立つ自明でない 1 次の関係がない。超曲面の $s$ 数は法束と Poincaré 双対から計算できる。
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Hasse–Weilゼータ関数(Hasse–Weil zeta function)とは、$\mathbb{Z}$ 上有限型のスキーム $X$ の閉点 $x$ にわたる Euler 積 $\zeta_X(s)=\prod_x(1-\#\kappa(x)^{-s})^{-1}$ である。ファイバーの合同ゼータ関数の積に分かれ、$\operatorname{Spec}\mathcal{O}_K$ では Dedekind ゼータ関数、$\mathbb{Q}$ 上の楕円曲線の極小方程式のモデルでは $\zeta(s)\zeta(s-1)/L(E,s)$ になる。数体上の滑らかな射影多様体では良い還元の素イデアルにわたって作り、Deligne の定理から $\operatorname{Re}s>\dim X+1$ で収束する。全平面への延長と関数等式は Hasse–Weil 予想である。
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整環(order)とは、有限次元 $\mathbb{Q}$ 代数の部分環で、加法群として有限生成であり $\mathbb{Q}$ 上その代数を張るもののことである。代数体では整数環がただ 1 つの極大整環であり、2 次体の整環は導手と呼ばれる正の整数 $f$ によって $\mathbb{Z}+f\mathcal{O}_K$ とちょうど分類される。2 次体の整環の分数イデアルは乗数環が自分自身のとき、またそのときに限り可逆であり、導手と素なイデアルは整数環のイデアルと一対一に対応し、Picard 群の位数は類数と導手から計算できる。整環は楕円曲線の自己準同型環や二元二次形式の類の言い換えとして現れ、行列環や四元数環では極大整環が一意でない。
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古典群の分類空間のコホモロジー(cohomology of classifying spaces of classical groups)とは、分類空間 $BU(n)$・$BSp(n)$・$BSU(n)$ の整数係数のコホモロジー環のことで、それぞれ $\mathbb{Z}[c_1,\dots,c_n]$、$\mathbb{Z}[q_1,\dots,q_n]$、$\mathbb{Z}[c_2,\dots,c_n]$($\deg c_i=2i$、$\deg q_i=4i$)という多項式環になる。無限 Grassmann 多様体を模型にとり、トートロジー束の Gysin 列で $n$ について帰納すると、最高次の生成元が Euler 類として現れる。生成元 $c_i$ は Chern 類で、極大トーラスの分類空間に引き戻すと対称多項式の環と同型になる。
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Cartesian閉圏(cartesian closed category)とは、有限積をもつ圏で、各対象 $A$ について関手 $-\times A$ が右随伴 $(-)^A$ をもち、自然な全単射 $\mathcal C(X\times A,B)\cong\mathcal C(X,B^A)$ となるものであり、$B^A$ を指数対象という。集合の圏、前層の圏、Heyting 代数が例で、直積をモノイダル積とするモノイダル閉圏である。指数法則 $C^{A\times B}\cong(C^B)^A$ が成り立ち、始対象 $0$ があれば $A\times0\cong0$ なので、零対象をもつ非自明な圏は Cartesian閉でない。弱い点全射 $A\to Y^A$ があれば $Y$ の自己射は不動点をもち(Lawvere の不動点定理)、Cantor の定理はその特例である。
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