スキームのファイバー積(fibre product of schemes)とは、スキームの射 $f\colon X\to S$、$g\colon Y\to S$ に対し、$S$ 上で両立する $X$ と $Y$ への射の組を普遍的に表すスキーム $X\times_SY$ であり、スキームの圏における引き戻しである。アフィンの場合は環のテンソル積のスペクトル $\operatorname{Spec}(A\otimes_RB)$ で与えられ、任意の射について、アフィンの場合を開被覆に沿って貼り合わせることで存在が示される。点の集合は直積集合でなく、位相も積位相ではない。底変換・ファイバー・分離射の定義の土台になる。
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Fenchel–Youngの不等式(Fenchel–Young inequality)とは、実ノルム空間 $E$ 上の真の関数 $\varphi$ とその Fenchel 共役 $\varphi^*$ について、$\langle f,x\rangle\le\varphi(x)+\varphi^*(f)$ がすべての $x\in E$、$f\in E^*$ で成り立つという不等式である。等号が成り立つのは $f$ が $\varphi$ の $x$ での劣勾配であるときに限り、凸で下半連続な関数では等号条件が $x$ と $f$ について対称になる。増加関数の積分の対に当てると積分の形の古典的な Young の不等式が、ノルムの冪に当てると双対ノルムについての不等式が得られる。凸最適化では、和の最小化問題と双対問題の値の差を 2 つの不等式の差で表し、最適性の判定に使う。
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Fenchel–Rockafellarの双対定理(Fenchel–Rockafellar duality theorem)とは、実ノルム空間 $E$ 上の $+\infty$ を許す凸関数 $\varphi,\psi$ について、一方が両者の有効定義域の共通の点で連続なら、$\inf_x(\varphi(x)+\psi(x))=\max_f(-\varphi^*(-f)-\psi^*(f))$ が成り立ち、右辺の上限が連続双対 $E^*$ の元で達成されるという定理である。右辺は Fenchel 共役で書いた双対問題で、その値が左辺以下であること(弱双対性)は凸性なしで成り立つ。証明はエピグラフの内部と下限から作る凸集合を Hahn–Banach の定理で分離することによる。系として最適性条件と劣微分の和の公式が得られ、連続点の条件を外すと双対ギャップが生じる例がある。
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Fenchel–Moreauの定理(Fenchel–Moreau theorem)とは、実ノルム空間上の $+\infty$ を許す真の関数 $\varphi$ について、Fenchel 共役を 2 回とった $\varphi^{**}$ が $\varphi$ に一致することと、$\varphi$ が凸かつ下半連続であることが同値であるという定理である。凸で下半連続な関数は、その下にある連続アフィン関数全体の上限として復元され、証明はエピグラフが閉凸集合になることと Hahn–Banach の分離定理による。系として、二重共役は元の関数以下の最大の凸で下半連続な関数であり、閉凸集合は閉半空間の共通部分で弱位相でも閉であることが従う。
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Fenchel共役(Fenchel conjugate)とは、実ノルム空間 $E$ 上の $(-\infty,+\infty]$ 値関数 $\varphi$ に、連続双対 $E^*$ 上の関数 $\varphi^*(f)=\sup_{x}(\langle f,x\rangle-\varphi(x))$ を対応させる操作で、$-\varphi^*(f)$ は傾き $f$ のアフィン関数を下から当てたときの最高の切片である。共役は元の関数の形によらず凸で下半連続になり、Fenchel–Young の不等式 $\langle f,x\rangle\le\varphi(x)+\varphi^*(f)$ が成り立つ。微分できる凸関数では共役は勾配の方程式を解いて計算でき、1 変数では共役の導関数が導関数の逆関数になる Legendre 変換に一致し、冪関数の場合から Young の不等式が得られる。
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Feketeの補題(Fekete's lemma)とは、すべての $m,n\ge1$ で $a_{m+n}\le a_m+a_n$ を満たす実数列について、$a_n/n$ の極限が $[-\infty,\infty)$ の中に必ず存在し、$\inf_m a_m/m$ に等しいという定理である。証明は $n$ を $m$ で割った商と余りに分けるだけでよく、非負の数列で $b_{m+n}\le b_mb_n$ なら $b_n^{1/n}$ が収束するという乗法版、不等号を逆にした優加法版も従う。作用素の冪のノルム $\|T^n\|^{1/n}$ の極限(スペクトル半径)、格子上の自己回避歩行の数の増え方(連結定数)、禁止語をもつ語の数、定常な確率変数列のエントロピー率などの存在をこれ一つで示せる。連続変数の関数でも、局所的に上に有界なら同じ結論が成り立つ。
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Fejér単調列(Fejér monotone sequence)とは、実 Hilbert 空間の点列で、空でない集合 $K$ のどの点からの距離も各段階で増えないものである。$K$ が閉凸なら、点列は有界で、$K$ への射影の列は強収束する。点列そのものは収束するとは限らないが、弱集積点がすべて $K$ に入れば射影の列の極限に弱収束し(Opial の補題)、$K$ が内点をもてば強収束する。距離を増やさない写像の反復や凸集合への交互射影の収束を、Fejér 単調性と集積点の位置の 2 つに分けて示すのに使われる。
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Feit–Thompsonの定理(Feit–Thompson theorem)とは、位数が奇数の有限群はすべて可解群であるという定理であり、1963 年に Feit と Thompson が 255 頁の論文で証明した。位数についての帰納法により、これは可換でない有限単純群の位数がすべて偶数であることと同値であり、とくに可換でない有限単純群は位数 2 の元をもつ。左正則表現の符号を使うと Sylow 2-部分群が自明でない巡回群の有限群は指数 2 の正規部分群をもつので、可換でない有限単純群の位数は 4 で割り切れる。証明は最小反例である極小単純群の解析によって行われ、有限単純群の分類の礎の一つになった。
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曲面の双有理射の分解定理(factorization of birational morphisms of surfaces)とは、代数閉体上の滑らかな射影曲面の間の双有理射 $f$ が、$f$ が点につぶす既約曲線の個数と同じ回数の点のブローアップの合成に分解するという定理である。鍵は、$f^{-1}$ が定義されない点があれば $f$ がその点のブローアップを経由することで、Zariski の主定理と局所環の比較で示される。曲面からの有理写像は点のブローアップを繰り返すと射になるので、曲面の間の双有理写像はブローアップとその逆の合成になり、曲面の算術種数が双有理不変量であることが従う。3 次元以上では点のブローアップへの分解は成り立たない。
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端点(凸集合)(extreme point)とは、凸集合 $K$ の点 $a$ で、$K$ の異なる 2 点を結ぶ線分の内部の点にならないもの、すなわち $a=(1-t)x+ty$($x,y\in K$、$0< t< 1$)なら $x=y=a$ となるものである。中点の形や有限個の正の係数の凸結合の形で言いかえられ、1 点からなる面にあたり、線形汎関数の最大値の集合(露出面)の端点はもとの集合の端点になるが、端点は露出点とは限らない。ノルム空間の単位球では、端点は単位球面にあり、すべての球面の点が端点であることは狭義凸性と同値で、$1< p<\infty$ の $\ell^p$ がその例である。一方 $c_0$ や $L^1(\mathbb{R})$ の単位球には端点がなく、Krein–Milman の定理と合わせると、これらが双対空間と等長同型でないことが分かる。
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