l'Hôpitalの定理(l'Hôpital's rule)とは、$\frac00$ の形の極限を導関数の比の極限で求める定理であり、ここでは高校生向けに証明する。$f,g$ が $[a,b)$ で連続、$(a,b)$ で微分可能で、$f(a)=g(a)=0$、$(a,b)$ で $g'\ne0$、かつ $\lim_{x\to a+0}\frac{f'(x)}{g'(x)}=L$ が存在すれば、$\lim_{x\to a+0}\frac{f(x)}{g(x)}=L$ である。証明は Cauchy の平均値の定理で分母と分子に同じ点 $c$ をとる。$\frac00$ の形でないとき、$\frac{f'}{g'}$ の極限がないとき、$g'$ が $0$ になる点が無数にあるときは、結論が成り立つとは限らない。
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剰余の定理と因数定理(remainder theorem and factor theorem)とは、係数が有理数・実数・複素数のような体 $K$ の多項式 $f(x)$ について、$x-a$ で割った余りが $f(a)$ に等しく(剰余の定理)、特に $f(a)=0$ と $f$ が $x-a$ で割り切れることが同値である(因数定理)という定理である。根拠は、$g\ne0$ で割ったときの商と余り(余りは $0$ か $g$ より低い次数)がただ 1 組に定まる多項式の割り算の定理である。因数定理をくり返すと、$0$ でない $n$ 次多項式の $K$ での根は $n$ 個以下と分かる。係数を $\mathbb{Z}/8\mathbb{Z}$ にすると $x^2-1$ が 4 個の根をもつように、根の個数の主張には「積が $0$ なら一方が $0$」という体の性質が効いている。
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行列のn乗と割り算の余り(matrix powers via polynomial remainders)とは、2 次正方行列 $A$ の $n$ 乗を、$t^n$ を固有多項式 $\chi_A(t)=t^2-(\operatorname{tr}A)t+\det A$ で割った余り $r_nt+s_n$ から $A^n=r_nA+s_nE$ と求める方法である。根拠は 2 次の Cayley–Hamilton の定理 $\chi_A(A)=O$ である。余りの係数は固有多項式の解を代入して求まり、重解のときは微分した式も使う。三項間漸化式 $a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_n$($q\ne0$)では $a_n=r_na_1+s_na_0$ となり、$r_n$ は同じ漸化式を初期値 $0,1$ で解いた数列である。
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常用対数と桁数(common logarithms and number of digits)とは、正の整数 $N$ の桁数と最高位の数字を $\log_{10}N$ から読む方法である。$N$ が $k$ 桁であることは $k-1\le\log_{10}N<k$ と同値で桁数は $\lfloor\log_{10}N\rfloor+1$ である。最高位の数字が $d$ であることは $\log_{10}N$ の小数部分が $\log_{10}d$ 以上 $\log_{10}(d+1)$ 未満であることと同値である。$0<x<1$ なら初めて $0$ でない数字が現れるのは小数第 $-\lfloor\log_{10}x\rfloor$ 位である。$\log_{10}2$ は無理数なので、$2^n$ の最高位の数字が $d$ になる割合は $\log_{10}(1+1/d)$ に近づく。
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粗空間(coarse space)とは、集合 $X$ に対して、$X\times X$ の部分集合のうち「一様に近い点対」とみなすもの(制御集合)の族を指定した構造である。制御集合の族は対角線集合を含み、部分集合・逆・合成・有限和について閉じており、距離空間の有界粗構造がその基本例である。小さいスケールの情報を捨てて空間を遠くから見たときの形を記述し、粗写像と粗同値によって比べると、例えば $\mathbb{Z}$ と $\mathbb{R}$ は粗同値になる。一様空間が小さいスケールの構造であるのに対し、粗空間は大きいスケールの構造である。
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全域木(spanning tree)とは、グラフのすべての頂点を含み、もとのグラフの辺の一部からなる木のことである。全域木をもつことと連結であることは同値で、$n$ 頂点のグラフの全域木の辺はちょうど $n-1$ 本である。辺に重みがあるとき、Kruskal 法は重みの最小な全域木を与える。全域木の個数 $\tau(G)$ はループでない辺 $e$ について $\tau(G)=\tau(G-e)+\tau(G/e)$ を満たし、ループのない連結なグラフでは Laplace 行列の小行列式で表される(行列木定理)。
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方べきの定理(power of a point theorem)とは、点 $P$ を通る直線が中心 $O$、半径 $r$ の円と $A,B$ で交わるとき、内積 $\overrightarrow{PA}\cdot\overrightarrow{PB}$ が直線によらず $OP^2-r^2$($P$ の方べき)に等しいという定理である。接線なら $PT^2$ に等しく、$P$ が円の内部なら値は負になる。円の方程式を $x^2+y^2+Dx+Ey+F=0$ と書くと、方べきは左辺に $P$ の座標を代入した値であり、2 円の方べきが等しい点の集合は方程式の差が表す直線(根軸)である。一方の円の中心の、他方の円に関する方べきが一方の半径の 2 乗に等しいことは、交わる 2 円が直交することと同値であり、反転や、円を 4 次元のベクトルとみる符号 $(3,1)$ の 2 次形式の見方につながる。
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Gergonne点とNagel点(Gergonne point and Nagel point)とは、三角形の内接円の 3 つの接点を向かい合う頂点と結ぶ 3 本が交わる点(Gergonne 点)と、傍接円が辺に接する 3 点で同じことをしてできる点(Nagel 点)である。$s$ を周の長さの半分とすると、重心座標は Gergonne 点が $\left(\frac1{s-a}:\frac1{s-b}:\frac1{s-c}\right)$、Nagel 点が $(s-a:s-b:s-c)$ である。内心 $I$・重心 $G$・Nagel 点 $N_a$ は $G=\frac{2I+N_a}3$ を満たし、$I\ne N_a$ なら一直線上(Nagel 線)で $IG:GN_a=1:2$ である。内接円と傍接円の接点は辺の中点に関して対称で、2 点は等長共役の組である。
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等角共役(isogonal conjugate)とは、三角形 $ABC$ の内部の点 $P$ に対し、直線 $AP,BP,CP$ をそれぞれの頂点の角の二等分線に関して折り返した 3 本が交わる点 $Q$(等角共役点)を対応させる操作である。3 本は 1 点で交わり、$Q$ は $P$ を 3 辺で折り返した 3 点を通る円の中心である。$Q$ の等角共役点は $P$ にもどる。$P$ と $Q$ から 3 辺までの距離の積は 3 辺で等しく、$P$ の重心座標が $(\alpha:\beta:\gamma)$ なら $Q$ は $\left(\frac{a^2}{\alpha}:\frac{b^2}{\beta}:\frac{c^2}{\gamma}\right)$ である。内心は自分自身と、鋭角三角形の垂心は外心と、重心は類似重心と組になる。
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三角関数形のCevaの定理(trigonometric form of Ceva's theorem)とは、三角形 $ABC$ の辺 $BC,CA,AB$ 上の頂点と異なる点 $D,E,F$ について、Ceva 線 $AD,BE,CF$ が 1 点で交わることと $\frac{\sin\angle BAD}{\sin\angle DAC}\cdot\frac{\sin\angle CBE}{\sin\angle EBA}\cdot\frac{\sin\angle ACF}{\sin\angle FCB}=1$ が同値であるという定理である。三角形の面積を 2 通りに書くと、辺の比の積と角の正弦の比の積はいつも等しい。角の二等分線で折り返すと正弦の比が逆数になるので、内部の点には等角共役点がある。鋭角三角形の外心と垂心、重心と類似重心はその対である。
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