収縮定理(極小モデル理論)(contraction theorem)とは、複素数体上の滑らかな射影多様体 $X$ の $K_X$ 負の端射線 $R$ に対して、類が $R$ に入る曲線だけを点に潰す正規射影多様体への射 $\varphi_R\colon X\to Y$($\varphi_{R*}\mathcal{O}_X=\mathcal{O}_Y$)が一意に存在するという定理である。Picard 数は $1$ 減り、錐定理と基点自由定理から導かれる。収縮は森ファイバー空間、因子収縮、小収縮の 3 種類に分かれ、小収縮では $K_Y$ が $\mathbb{Q}$ Cartier でなくなるのでフリップが必要になる。曲面では $(-1)$ 曲線の縮約、$\mathbb{P}^1$ 束の射影、$\mathbb{P}^2$ から 1 点への射に限られる。
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Collatz予想(Collatz conjecture)とは、正の整数に「偶数なら $2$ で割り、奇数なら $3$ 倍して $1$ を足す」操作を繰り返すと、どの数から始めても必ず $1$ に到達するという予想で、$3x+1$ 問題、角谷の問題などとも呼ばれ、2025 年の時点で未解決である。最初の $k$ 回の偶奇の並びは $n$ を $2^k$ で割った余りと 1 対 1 に対応し、これからほとんどすべての $n$ で軌道が $n$ を下回ることが証明できる。$1$ を含まない周期軌道があれば $\log_23$ の非常によい有理数近似が得られるので、非常に長くなければならない。Tao は、対数密度の意味でほとんどすべての軌道の最小値が、無限大に発散する任意の関数より小さいことを示した。
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分類トポス(classifying topos)とは、各トポス $\mathcal F$ の中のある種の構造のモデルの圏 $\mathbb T(\mathcal F)$ が、$\mathcal F$ から自分への幾何学的射の圏と $\mathcal F$ について自然に同値になるトポスであり、同値を除いて一意に定まる。恒等射に対応する普遍モデルがあり、どのモデルもそれを逆像関手で引き戻して得られる。小さい圏 $\mathcal C$ 上の前層のトポスは $\mathcal C$ 上の平坦関手を分類し(Diaconescu の定理)、群 $G$ の前層のトポスは $G$ トーサーを分類する。有限的な幾何学的理論はすべて分類トポスをもち、任意の Grothendieck トポスは一般化された幾何学的理論の分類トポスである。
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Calabi予想(Calabi conjecture)とは、連結なコンパクト Kähler 多様体の各 Kähler 類の中で、第 1 Chern 類の $2\pi$ 倍を代表する閉じた実 $(1,1)$ 形式は、ただ 1 つの Kähler 形式の Ricci 形式になる、という定理である。一意性は Calabi が、存在は Yau が複素 Monge–Ampère 方程式を解いて証明した。とくに第 1 Chern 類が実係数で消えるとき、各 Kähler 類に Ricci 平坦な Kähler 計量がただ 1 つある。
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Brill–Noether理論(Brill–Noether theory)とは、種数 $g$ の代数曲線の上の次数 $d$、切断 $r+1$ 次元以上の可逆層の全体 $W^r_d(C)$ を調べる理論である。$W^r_d(C)$ は行列の階数の条件で定まり、空でなければ各成分の次元は Brill–Noether数 $\rho=g-(r+1)(g-d+r)$ 以上である。$\rho\ge0$ ならすべての曲線で空でなく、一般の曲線では $\rho< 0$ なら空、$\rho\ge0$ なら次元はちょうど $\rho$ である。接空間は Petri 写像で記述され、超楕円曲線などの特別な曲線では期待を超える線形系が現れる。
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Brauer–鈴木の定理(Brauer–Suzuki theorem)とは、有限群 $G$ の Sylow $2$-部分群が一般化四元数群であるとき、そのただ 1 つの対合 $t$ について、$tO(G)$ が $G/O(G)$ の中心に属するという定理である。ここで $O(G)$ は $G$ の位数が奇数の最大の正規部分群を表し、$O(G)=1$ なら $G$ の中心は $\langle t\rangle$ で位数 $2$ になる。とくに、Sylow $2$-部分群が一般化四元数群である単純群は存在しない。一般の場合には指標の理論による証明が知られているが、可解群の場合は極小正規部分群から初等的に示され、一般の場合は Glauberman の $Z^*$ 定理からも従う。
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Bloch–加藤予想(玉河数予想)(Bloch–Kato Tamagawa number conjecture)とは、モチーフ $M$ の $L$ 関数の $s=0$ での零点の位数を Selmer 群 $H^1_f$ と $H^0$ の次元の差で与え、最初の係数を周期とレギュレーターおよび Galois コホモロジーの格子で記述する予想である。解析的類数公式と Birch–Swinnerton-Dyer 予想を特別な場合として含み、一般には未解決である。Dirichlet モチーフなどの場合が知られている。Milnor の $K$ 群のノルム剰余同型も同じ名前で呼ばれることがあるが、別の主題である。
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巨大因子(big divisor)とは、射影多様体 $X$ の上の因子 $D$ で、倍数 $mD$ の大域切断の個数が無限に多くの $m$ で $m^{\dim X}$ の定数倍以上になるものである。小平の補題により、$D$ の倍数が豊富な因子と有効な因子の和に線形同値であることと同値で、巨大性は数値的同値類だけで決まる。ネフな因子では体積は $D^{\dim X}$ に等しく、巨大性は $D^{\dim X}>0$ と同値である。巨大性は双有理射の引き戻しで保たれ、川又–Viehweg の消滅定理や極小モデル理論の基本の仮定になる。
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曲げ折り法(bend-and-break)とは、代数多様体の曲線の点を固定したまま曲線を動かすと族が退化して有理曲線が折れて分かれることを使い、有理曲線を作る方法で、森重文が導入した。射影多様体への曲線の族が点を固定して像を動かすなら固定点を通る有理曲線があり、有理曲線の 2 点を固定して動かすと、その類は 2 個以上の有理曲線の和と数値的に同値になる。滑らかな射影多様体で標準因子との交点数が負の曲線には、正標数の Frobenius 写像を合成してそのような族を作れる。こうして Fano 多様体 $X$ のすべての点を $-K_X$ 次数 $\dim X+1$ 以下の有理曲線が通る。
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基点自由定理(base point free theorem)とは、複素数体上の正規射影多様体 $X$ と klt 対 $(X,B)$、ネフな Cartier 因子 $L$ について、ある $a>0$ で $aL-(K_X+B)$ が豊富なら、十分大きなすべての整数 $m$ で $\lvert mL\rvert$ が基点をもたないことを述べる定理である。Kawamata–Shokurov の基点自由定理とも呼ばれ、数値の条件であるネフ性から射を作る極小モデル理論の基本定理で、錐定理の端射線を潰す収縮はこの定理から得られる。$\mathbb{Q}$ 因子の klt 対では、豊富の仮定はネフかつ巨大に弱められる。
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