2次方程式の判別式の正体は、$ax^2+bx+c=0$($a\ne0$)の判別式 $D=b^2-4ac$ が、2 つの解 $\alpha,\beta$ の差の 2 乗に $a^2$ を掛けた $a^2(\alpha-\beta)^2$ に等しいことである。この等式は係数が複素数でも成り立ち、$D=0$ と重解をもつことが同値になる。係数が実数なら、異なる実数の差の 2 乗は正、共役な虚数の差の 2 乗は負なので、$D>0$、$D=0$、$D<0$ がそれぞれ異なる 2 つの実数解、実数の重解、共役な 2 つの虚数解に対応する。放物線 $y=ax^2+bx+c$ の頂点の $y$ 座標は $-\frac{D}{4a}$ で、$D>0$ のとき $x$ 軸との 2 交点の距離は $\frac{\sqrt{D}}{|a|}$ である。放物線と直線が接する条件も判別式で表せる。
33秒前
判別式(高校数学)とは、2 次方程式 $ax^2+bx+c=0$($a\ne0$)の判別式 $D=b^2-4ac$ の正体と、ほかの判別式を扱う 3 本の記事への案内である。$D$ は 2 つの解 $\alpha,\beta$ の差の 2 乗に $a^2$ を掛けた $a^2(\alpha-\beta)^2$ に等しく、実数係数なら差が実数か純虚数かで符号が決まる。① 2次方程式の判別式の正体ではこの等式と符号の意味を、② 3次方程式と多項式の判別式では解の差の 2 乗の積としての $n$ 次式の判別式($x^3+px+q$ では $-4p^3-27q^2$)と終結式を、③ 2次形式と2次曲線の判別式では $ax^2+bxy+cy^2$ の判別式が符号・因数分解・2 次曲線の漸近線の向き・整数の 2 次形式に果たす役割を証明する。
2分前
階乗の大きさの見積もり(estimating factorials)とは、$n!$ の大きさを扱いやすい式で近似することで、中心となる結果は Stirling の公式 $n!\sim\sqrt{2\pi n}\,(n/e)^n$(比が $1$ に近づく)である。より詳しく、すべての $n\ge1$ で $1<\frac{n!}{\sqrt{2\pi n}(n/e)^n}<e^{1/(12n)}$ が成り立つ。$d_n=\log n!-(n+\frac12)\log n+n$ の隣り合う差を積分で $0<d_n-d_{n+1}<\frac1{12n(n+1)}$ と評価すると $d_n$ の収束が分かり、その極限は Wallis の公式から $\log\sqrt{2\pi}$ と決まる。補正 $\sqrt{2\pi n}$ を落とした $(n/e)^n$ は $n!$ と漸近的に等しくない。
4分前
Wallis積分とガンマ関数(Wallis integrals and the gamma function)は、Wallis 積分 $I_n=\int_0^{\pi/2}\sin^nx\,dx$ の計算がガンマ関数 $\Gamma(s)=\int_0^\infty t^{s-1}e^{-t}dt$($s>0$)の性質の特別な場合であるという関係である。部分積分から $\Gamma(s+1)=s\Gamma(s)$、$\Gamma(n+1)=n!$、Gauss 積分から $\Gamma(\frac12)=\sqrt\pi$ が得られ、$I_n=\frac{\sqrt\pi}2\Gamma(\frac{n+1}2)/\Gamma(\frac n2+1)$ となる。漸化式 $I_n=\frac{n-1}nI_{n-2}$ は関数等式の特別な場合である。
6分前
Gauss積分(高校数学)では、広義積分 $\int_0^\infty e^{-x^2}\,dx$ を扱い、その値が $\frac{\sqrt\pi}2$ であることを高校の積分で示す。$e^{-x^2}$ の原始関数は初等関数で書けないが、$e^t\ge1+t$ から $e^{-nx^2}$ を $(1-x^2)^n$($0\le x\le1$)と $(1+x^2)^{-n}$ で挟み、置換 $x=\sin\theta$、$x=\tan\theta$ で Wallis 積分 $I_m=\int_0^{\pi/2}\sin^m\theta\,d\theta$ に直すと、Wallis の公式 $\sqrt mI_m\to\sqrt{\pi/2}$ から値が決まる。正規分布の密度の定数 $\frac1{\sqrt{2\pi}}$ はこの値から来る。
9分前
Wallisの公式(高校数学)では、Wallis 積分 $I_n=\int_0^{\pi/2}\sin^nx\,dx$ の大きさ $I_n\sim\sqrt{\pi/(2n)}$(比が $1$ に近づく)と、そこから従う円周率の無限積 $\frac21\cdot\frac23\cdot\frac43\cdot\frac45\cdots=\frac\pi2$ と中央の二項係数の大きさ $\binom{2n}n\sim\frac{4^n}{\sqrt{\pi n}}$ を、積の保存 $nI_nI_{n-1}=\frac\pi2$ と単調性 $I_n<I_{n-1}$ から示す。これらの式をまとめて Wallis の公式とよび、狭い意味では無限積(Wallis の積)を指す。硬貨を $2n$ 回投げて表がちょうど $n$ 回の確率はおよそ $\frac1{\sqrt{\pi n}}$ である。
11分前
Wallis積分(高校数学)では、$n=0,1,2,\dots$ について $I_n=\int_0^{\pi/2}\sin^nx\,dx$ で定まる Wallis 積分を高校の積分で調べる。$\cos^nx$ の積分と同じ値をもつ。部分積分で指数を 2 つ下げると、$n\ge2$ で漸化式 $I_n=\frac{n-1}{n}I_{n-2}$ が得られ、$I_0=\frac\pi2$、$I_1=1$ から $I_{2m}=\frac{(2m)!}{4^m(m!)^2}\cdot\frac\pi2$、$I_{2m+1}=\frac{4^m(m!)^2}{(2m+1)!}$ となる。偶数番目は $\pi$ の有理数倍、奇数番目は有理数だが、隣り合う 2 項の積は $nI_nI_{n-1}=\frac\pi2$($n\ge1$)で一定であり、$I_n$ は $n$ について狭義単調減少する。
13分前
行列のn乗と割り算の余り(matrix powers via polynomial remainders)とは、2 次正方行列 $A$ の $n$ 乗を、$t^n$ を固有多項式 $\chi_A(t)=t^2-(\operatorname{tr}A)t+\det A$ で割った余り $r_nt+s_n$ から $A^n=r_nA+s_nE$ と求める方法である。根拠は 2 次の Cayley–Hamilton の定理 $\chi_A(A)=O$ である。余りの係数は固有多項式の解を代入して求まり、重解のときは微分した式も使う。三項間漸化式 $a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_n$($q\ne0$)では $a_n=r_na_1+s_na_0$ となり、$r_n$ は同じ漸化式を初期値 $0,1$ で解いた数列である。
14分前
重解とJordan細胞(double roots and Jordan blocks)とは、三項間漸化式 $a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_n$($q\ne0$)の特性方程式が重解 $\alpha$ をもつとき、一般項に $n$ が掛かって $(A+Bn)\alpha^n$ となる理由を、行列で説明する見方である。このときコンパニオン行列 $C=\begin{pmatrix}p&q\\1&0\end{pmatrix}$ は固有ベクトルが 1 方向しかなく対角化できないが、$P^{-1}CP=\begin{pmatrix}\alpha&1\\0&\alpha\end{pmatrix}$(Jordan 細胞)と変形できる。Jordan 細胞の $n$ 乗の右上の成分 $n\alpha^{n-1}$ が、一般項の $n$ の正体である。
16分前
漸化式の行列表示(matrix form of a linear recurrence)とは、三項間漸化式 $a_{n+2}=pa_{n+1}+qa_n$($q\ne0$)を、隣り合う 2 項を並べた $v_n=(a_{n+1},a_n)^{\top}$ とコンパニオン行列 $C=\begin{pmatrix}p&q\\1&0\end{pmatrix}$ により $v_{n+1}=Cv_n$、$v_n=C^nv_0$ と書くことである。特性方程式 $t^2=pt+q$ は、$C$ の固有多項式 $\det(tE-C)$ を $0$ とおいた方程式で、解 $\lambda$ に対し $(\lambda,1)^{\top}$ が固有ベクトルになる。異なる 2 解 $\alpha,\beta$ をもつとき $C$ は対角化でき、一般項 $A\alpha^n+B\beta^n$ が得られる。
18分前