Hodgeフィルトレーション

同義語:ホッジ・フィルトレーションHodge filtration

概要

Hodgeフィルトレーション(Hodge filtration)とは、重さ $n$ の Hodge 構造の複素化で Hodge 成分を束ねた減少フィルトレーション $F^p=\bigoplus_{p'\ge p}H^{p',n-p'}$、および滑らかなスキームの代数的 de Rham コホモロジーで、次数 $p$ 以上の微分形式からなる部分複体の超コホモロジーの像として定まるフィルトレーションのことである。$\mathbb{C}$ 上の滑らかな射影多様体では両者が比較同型で一致し、Hodge 構造は $F^\bullet$ が複素共役に関して $n$ 反対であることとして言い直される。代数的な $F^p$ は定義体上で定まり、引き戻しとカップ積に両立し、Poincaré 双対のもとで $F^p$ の直交補空間は $F^{d-p+1}$ になる。周期写像や混合 Hodge 構造の基礎である。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: Hodge構造, de Rhamコホモロジー, Hodge分解, 超コホモロジー

Hodge フィルトレーション(Hodge filtration)は、コホモロジーの上の減少フィルトレーション $\cdots\supset F^p\supset F^{p+1}\supset\cdots$ で、二つの顔をもつ。一つは Hodge 構造の側の顔で、Hodge 分解 $H_{\mathbb{C}}=\bigoplus_{p+q=n}H^{p,q}$ の成分を $p$ の大きい方から束ねた $F^p=\bigoplus_{p'\ge p}H^{p',n-p'}$ である。もう一つは代数幾何の側の顔で、任意の体 $k$ 上の滑らかなスキーム $X$ の代数的 de Rham コホモロジー $H^n_{dR}(X/k)$ に、微分形式の次数で切った部分複体から定まるフィルトレーションである。$\mathbb{C}$ 上の滑らかな射影多様体では両者が一致する(hf-thm-comparison)。
分解ではなくフィルトレーションを基本に据える理由は、分解 $H^{p,q}$ を得るには複素共役が要るのに対し、$F^p$ は微分形式の次数だけで決まり、$X$ の定義体の上で定義されることにある(hf-prop-base-change)。Hodge 構造は $F^\bullet$ とその複素共役の相対的な位置として言い直され(Hodge構造 の命題「Hodge フィルトレーションによる特徴づけ」)、この言い直しが周期写像・混合 Hodge 構造・Hodge 類の扱いの出発点になる。

定義

フィルトレーションの用語

$V$ をベクトル空間とする。$V$ の部分空間の族 $(F^pV)_{p\in\mathbb{Z}}$ で $F^pV\supset F^{p+1}V$ をみたすものを $V$ の減少フィルトレーションという。ある $p_0\le p_1$ について $F^{p_0}V=V$、$F^{p_1}V=0$ となるとき有限であるといい、$\operatorname{gr}^p_FV:=F^pV/F^{p+1}V$ を付随次数という。$V$ が有限次元で $F$ が有限なら $\dim V=\sum_p\dim\operatorname{gr}^p_FV$ である。

Hodge 構造の Hodge フィルトレーション

$H=(H_{\mathbb{Z}},\{H^{p,q}\})$ を重さ $n$ の Hodge 構造(Hodge構造 の定義「重さ $n$ の純 Hodge 構造」)とし、$H_{\mathbb{C}}$ の部分空間 $V$ の複素共役を $\overline{V}$ と書く。

Hodge 構造の Hodge フィルトレーションと $n$ 反対性
  1. 重さ $n$ の Hodge 構造 $H$ について
    $$ F^pH_{\mathbb{C}}:=\bigoplus_{p'\ge p}H^{p',n-p'}\qquad(p\in\mathbb{Z}) $$
    とおく。これは $H_{\mathbb{C}}$ の有限な減少フィルトレーションであり、$H$ の Hodge フィルトレーションという。
  2. 有限次元複素ベクトル空間 $H_{\mathbb{C}}=H_{\mathbb{R}}\otimes_{\mathbb{R}}\mathbb{C}$ の有限な減少フィルトレーション $F^\bullet$ が複素共役に関して $n$ 反対($n$-opposed)であるとは、すべての $p\in\mathbb{Z}$ について
    $$ H_{\mathbb{C}}=F^p\oplus\overline{F^{\,n-p+1}} $$
    が成り立つことをいう。

Hodge構造 の命題「Hodge フィルトレーションによる特徴づけ」により、$H_{\mathbb{Z}}$ を固定したとき、重さ $n$ の Hodge 構造と、$n$ 反対な有限フィルトレーションとは、$\{H^{p,q}\}\mapsto F^\bullet$ と $F^\bullet\mapsto\{H^{p,q}:=F^p\cap\overline{F^{\,q}}\}$ によって 1 対 1 に対応する(Del71 (2.1.9) も同じ対応を実 Hodge 構造について述べる)。とくに
$$ \operatorname{gr}^p_FH_{\mathbb{C}}\cong H^{p,n-p},\qquad\dim F^pH_{\mathbb{C}}=\sum_{p'\ge p}h^{p',n-p'} $$
であり、Hodge 数は Hodge フィルトレーションの各段の次元から読み取れる。

代数的 de Rham コホモロジーの Hodge フィルトレーション

$k$ を体、$X$ を $k$ 上局所有限型で滑らかなスキームとし、$\Omega^\bullet_{X/k}$ をその de Rham 複体、$H^n_{dR}(X/k)=\mathbf{H}^n(X,\Omega^\bullet_{X/k})$ を代数的 de Rham コホモロジー(de Rhamコホモロジー の定義「代数的 de Rham コホモロジー」)とする。整数 $p$ について、$\Omega^\bullet_{X/k}$ の次数 $p$ 以上の項だけを残し、それより下の項を $0$ に置き換えた部分複体
$$ \sigma^{\ge p}\Omega^\bullet_{X/k}\colon\ 0\to\cdots\to0\to\Omega^p_{X/k}\xrightarrow{d}\Omega^{p+1}_{X/k}\xrightarrow{d}\cdots $$
を考える($p\le0$ なら $\sigma^{\ge p}\Omega^\bullet_{X/k}=\Omega^\bullet_{X/k}$)。これらは $\Omega^\bullet_{X/k}=\sigma^{\ge0}\supset\sigma^{\ge1}\supset\sigma^{\ge2}\supset\cdots$ と並び、$\sigma^{\ge p}/\sigma^{\ge p+1}$ は $\Omega^p_{X/k}$ を次数 $p$ に置いただけの複体 $\Omega^p_{X/k}[-p]$ である。

代数的 de Rham コホモロジーの Hodge フィルトレーション

上の記号で、包含 $\sigma^{\ge p}\Omega^\bullet_{X/k}\hookrightarrow\Omega^\bullet_{X/k}$ が誘導する超コホモロジーの写像の像
$$ F^pH^n_{dR}(X/k):=\operatorname{im}\Bigl(\mathbf{H}^n\bigl(X,\sigma^{\ge p}\Omega^\bullet_{X/k}\bigr)\longrightarrow H^n_{dR}(X/k)\Bigr)\qquad(p\in\mathbb{Z}) $$
を $H^n_{dR}(X/k)$ の Hodge フィルトレーションという。

用語と出典
  1. フィルトレーション $\sigma^{\ge\bullet}$ は de Rham 複体の愚かなフィルトレーション(filtration bête)と呼ばれる(Del71 (1.4.7)、p. 21)。$H^n_{dR}(X/k)$ 上の定義は Stacks の de Rham Cohomology の章の Section 50.7(Tag 0FM7)の Definition 50.7.1 と同じである。
  2. 愚かなフィルトレーションから得られる超コホモロジーのスペクトル系列が Hodge–de Rham スペクトル系列 $E_1^{p,q}=H^q(X,\Omega^p_{X/k})\Rightarrow H^{p+q}_{dR}(X/k)$ であり、その到達先のフィルトレーションが $F^\bullet$ で、$\operatorname{gr}^p_FH^n_{dR}(X/k)\cong E_\infty^{p,n-p}$ である(de Rhamコホモロジー の定理「Hodge–de Rhamスペクトル系列」)。
  3. $E_1$ で退化する(すべての $r\ge1$ で $d_r=0$)とき、$\operatorname{gr}^p_FH^n_{dR}(X/k)\cong H^{n-p}(X,\Omega^p_{X/k})$ となる。$X$ が標数 $0$ の体上滑らかで固有なら退化する(de Rhamコホモロジー の注意「有限次元性と Hodge–de Rhamスペクトル系列の退化」の 2。$k=\mathbb{C}$ で射影的な場合は Del71 (2.2.1) の (A)、p. 28)。

直感

$p$ 次の微分形式は局所座標で $dz_{i_1}\wedge\cdots\wedge dz_{i_p}$ を含み、「正則な方向の微分を少なくとも $p$ 個含む」量である。$F^p$ は、そうした形式($p$ 次以上の形式)だけで代表できるコホモロジー類の全体であり、$p$ を上げるほど条件が厳しくなる。Kähler 多様体では、型 $(p',q')$ の調和形式のうち $p'\ge p$ のものがちょうど $F^p$ を張る(Hodge分解 の系「Hodge–de Rham スペクトル系列の退化と Hodge フィルトレーション」)。
$H^{p,q}$ そのものを取り出すには、$F^p$ に加えて「反正則な方向の微分を $q$ 個以上含む」という条件 $\overline{F^{\,q}}$ が要り、これは複素共役を通じてしか書けない。複素共役は係数体 $\mathbb{C}$ の構造を使う操作で、$X$ を定める方程式の係数の体だけでは書けない。これに対し $F^p$ は微分形式の次数という純代数的な条件だけで決まり、定義体の上で意味をもつ(hf-prop-base-change)。Hodge フィルトレーションは Hodge 分解のうちの「代数的に見える半分」である。

例と反例

複素射影空間

$\mathbb{P}^m$ を $\mathbb{C}$ 上の射影空間とする。Hodge分解 の例「複素射影空間の Hodge 数」により $H^{2p}(\mathbb{P}^m,\mathbb{C})=H^{p,p}$($0\le p\le m$)で、奇数次のコホモロジーは $0$ である。よって重さ $2p$ の Hodge フィルトレーションは
$$ F^{p}H^{2p}=H^{2p},\qquad F^{p+1}H^{2p}=0 $$
であり、1 段で全体から $0$ に落ちる。$H^{2p}(\mathbb{P}^m,\mathbb{Q})$ のすべての元は $F^p$ に属する有理類、すなわち Hodge 類(Hodge構造 の命題「Hodge 類の特徴づけ」)であり、実際に超平面の類の $p$ 乗の有理数倍として代数的サイクルの類になっている。

曲線の 1 次コホモロジー

$k$ を標数 $0$ の体、$C$ を $k$ 上の滑らかで射影的な幾何的に連結な曲線、$g=\dim_kH^0(C,\Omega^1_{C/k})$ をその種数とする。このとき $F^2H^1_{dR}=0\subset F^1H^1_{dR}\subset F^0H^1_{dR}=H^1_{dR}$ であり、
$$ 0\to H^0(C,\Omega^1_{C/k})\xrightarrow{\ \iota\ }H^1_{dR}(C/k)\to H^1(C,\mathcal{O}_C)\to0 $$
は完全で、$F^1H^1_{dR}(C/k)=\iota\bigl(H^0(C,\Omega^1_{C/k})\bigr)$ である。ここで $\iota$ は正則 1 形式($\Omega^1$ の大域切断は $\Omega^2=0$ なので閉)にその de Rham 類を対応させる写像である。
実際、$\dim C=1$ なので $\sigma^{\ge2}\Omega^\bullet_{C/k}=0$、よって $F^2H^1_{dR}=0$ である。$E_1$ 項は $E_1^{0,q}=H^q(C,\mathcal{O}_C)$、$E_1^{1,q}=H^q(C,\Omega^1_{C/k})$($q=0,1$)だけで、標数 $0$ では $E_1$ で退化する(hf-rem-algebraic の 3)。したがって $F^1H^1_{dR}=\operatorname{gr}^1_FH^1_{dR}\cong E_1^{1,0}=H^0(C,\Omega^1_{C/k})$、$H^1_{dR}/F^1\cong E_1^{0,1}=H^1(C,\mathcal{O}_C)$ である。$E_1^{1,0}$ から到達項への辺写像は閉形式をその類に送る写像 $\iota$ である(de Rhamコホモロジー の定理「Hodge–de Rhamスペクトル系列」の 2)。層コホモロジーの次元は代数閉包 $\bar k$ への平坦な底変換で変わらないので(Har77 III Proposition 9.3、p. 255)、$C_{\bar k}$ で Serre 双対(Har77 III Corollary 7.13、p. 247)を使って $\dim H^1(C,\mathcal{O}_C)=\dim H^0(C,\Omega^1_{C/k})=g$ を得る。よって $\dim H^1_{dR}(C/k)=2g$ であり、$F^1$ はちょうど半分の次元をもつ。
$k=\mathbb{C}$ なら比較定理により $F^1H^1=H^{1,0}$ で、これは Hodge分解 の例「コンパクト Riemann 面」の「正則微分」の部分である。楕円曲線 $E$ では $g=1$ で、$F^1H^1_{dR}(E/k)$ は 0 でない大域的な正則 1 形式(不変微分)の類 1 つで張られる 1 次元の直線である。

次の二つの反例では、コンパクト複素多様体 $X$ についても同じ形の定義、すなわち正則 de Rham 複体 $\Omega^\bullet_X$ の愚かなフィルトレーションから $F^pH^n(X,\mathbb{C}):=\operatorname{im}\bigl(\mathbf{H}^n(X,\sigma^{\ge p}\Omega^\bullet_X)\to H^n(X,\mathbb{C})\bigr)$ と定めたものを使う(正則 Poincaré の補題により $\mathbf{H}^n(X,\Omega^\bullet_X)=H^n(X,\mathbb{C})$。Del71 (2.2.1)。補題は局所的な主張なので Kähler 性は要らない)。

反例:乗法群(固有性を外す)

$X=\mathbb{G}_{m,\mathbb{C}}=\operatorname{Spec}\mathbb{C}[t,t^{-1}]$ とする。de Rhamコホモロジー の例「affine 直線と乗法群(標数 0)」により $H^1_{dR}(X/\mathbb{C})=\mathbb{C}\cdot[dt/t]$ で、これは比較同型により $H^1(\mathbb{C}^\times,\mathbb{C})$ に等しく、$H^1(\mathbb{C}^\times,\mathbb{Q})$ は 1 次元である。
$X$ は affine なので、準連接層 $\Omega^p_{X/\mathbb{C}}$ の正の次数の層コホモロジーは消え、$\mathbf{H}^1(X,\sigma^{\ge1}\Omega^\bullet_{X/\mathbb{C}})$ は大域切断の複体 $0\to\Gamma(X,\Omega^1)\to\Gamma(X,\Omega^2)=0$ の 1 次コホモロジー $\Gamma(X,\Omega^1)$ に等しい(de Rhamコホモロジー の定理「affine スキームの場合」の証明と同じ議論)。その $H^1_{dR}(X/\mathbb{C})=\Gamma(X,\Omega^1)/d\,\Gamma(X,\mathcal{O}_X)$ への写像は商写像で全射だから $F^1H^1=H^1$ である。また $\dim X=1$ なので $F^2H^1=0$ である。

  • 満たす性質:$X$ は滑らかで、$H^1$ は有限次元、$F^\bullet$ は有限なフィルトレーションである。
  • 満たさない性質:$X$ は固有でない。
  • 成り立たなくなること:$(H^1(X,\mathbb{Q}),F^\bullet)$ は重さ $1$ の Hodge 構造にならない。重さ $1$ なら $p=1$ について $H^1_{\mathbb{C}}=F^1\oplus\overline{F^1}=H^1_{\mathbb{C}}\oplus H^1_{\mathbb{C}}$ が要るが、$H^1_{\mathbb{C}}\ne0$ なのでこれは直和にならない。
    一方、$F^\bullet$ は複素共役に関して $2$ 反対である($p\le1$ では $F^p=H^1$、$\overline{F^{\,3-p}}=0$、$p\ge2$ では $F^p=0$、$\overline{F^{\,3-p}}=H^1$)。すなわち $H^1(\mathbb{C}^\times)$ は型 $(1,1)$ の重さ $2$ の Hodge 構造の形をしている。これは滑らかで固有でない多様体のコホモロジーが純でなく混合 Hodge 構造をもつこと(Hodge構造 の定理「代数多様体のコホモロジーの混合 Hodge 構造」)の最も簡単な例である。
反例:Hopf 曲面(Kähler 性を外す)

$X$ を Hodge分解 の例「反例:Hopf 曲面」の Hopf 曲面とする。その例で示されているとおり、$X$ はコンパクト複素曲面で $b_1(X)=1$、$H^0(X,\Omega^1_X)=0$ であり、Hodge–de Rham スペクトル系列は $E_1$ で退化する。$F^2H^1=0$($\sigma^{\ge2}\Omega^\bullet_X$ は次数 $2$ 以上にしか項がない)なので、退化から
$$ F^1H^1(X,\mathbb{C})=\operatorname{gr}^1_FH^1\cong E_\infty^{1,0}=E_1^{1,0}=H^0(X,\Omega^1_X)=0 $$
である。

  • 満たす性質:$X$ はコンパクトで、Hodge–de Rham スペクトル系列は $E_1$ で退化する。
  • 満たさない性質:$X$ は Kähler 計量をもたない。
  • 成り立たなくなること:$(H^1(X,\mathbb{Q}),F^\bullet)$ は重さ $1$ の Hodge 構造にならない。$H^1_{\mathbb{C}}=F^1\oplus\overline{F^1}=0$ が要るが $b_1=1$ である。

二つの反例をまとめる。各行は滑らかな複素代数多様体・コンパクト Kähler 多様体についての「$(H^n,F^\bullet)$ は重さ $n$ の Hodge 構造」という主張の仮定を 1 つだけ外している。

外す条件反例成り立たなくなること
固有性(コンパクト性)乗法群 $\mathbb{G}_m$(hf-ex-gm)$F^1H^1=H^1\ne0$ で、$F^\bullet$ は $1$ 反対でなく $2$ 反対になる
Kähler 性(射影性)Hopf 曲面(hf-ex-hopf)退化はするが $F^1H^1=0$ で、$H^1=F^1\oplus\overline{F^1}$ が破れる

性質

基本性質

Hodge フィルトレーションの基本性質

$k$ を体、$X$、$Y$ を $k$ 上局所有限型で滑らかなスキームとする。

  1. $F^\bullet H^n_{dR}(X/k)$ は減少フィルトレーションで、$p\le0$ なら $F^p=H^n_{dR}$、$p>n$ または $p>\dim X$ なら $F^p=0$ である。
  2. (関手性)$k$ 上の射 $f\colon X\to Y$ について $f^*\bigl(F^pH^n_{dR}(Y/k)\bigr)\subset F^pH^n_{dR}(X/k)$ である。
  3. (乗法性)カップ積について $F^pH^n_{dR}(X/k)\cup F^{p'}H^{n'}_{dR}(X/k)\subset F^{p+p'}H^{n+n'}_{dR}(X/k)$ である。

1.$\sigma^{\ge p+1}\subset\sigma^{\ge p}\subset\Omega^\bullet_{X/k}$ なので、$\mathbf{H}^n(X,\sigma^{\ge p+1})\to H^n_{dR}$ は $\mathbf{H}^n(X,\sigma^{\ge p})$ を経由し、像について $F^{p+1}\subset F^p$ である。$p\le0$ では $\sigma^{\ge p}=\Omega^\bullet_{X/k}$ なので $F^p=H^n_{dR}$ である。$p>\dim X$ なら $\Omega^a_{X/k}=0$($a>\dim X$。$\Omega^1_{X/k}$ は階数 $\dim X$ の局所自由層)なので $\sigma^{\ge p}=0$ で $F^p=0$ である。$p>n$ の場合:de Rhamコホモロジー の定理「Hodge–de Rhamスペクトル系列」の証明のとおり、$\Omega^\bullet_{X/k}$ の Cartan–Eilenberg 分解 $I^{\bullet,\bullet}$ をとると、第 $p$ 列以降の部分 $I^{\ge p,\bullet}$ は $\sigma^{\ge p}\Omega^\bullet_{X/k}$ の Cartan–Eilenberg 分解であり、$\mathbf{H}^n(X,\sigma^{\ge p})$ は $\bigoplus_{a+b=n,\ a\ge p,\ b\ge0}\Gamma(X,I^{a,b})$ を $n$ 次の項とする全複体の $n$ 次コホモロジーである。$n< p$ なら $a\ge p$、$b\ge0$、$a+b=n$ をみたす $(a,b)$ はないので、この項は $0$ であり、$\mathbf{H}^n(X,\sigma^{\ge p})=0$、よって $F^p=0$ である。
2.de Rham コホモロジーの引き戻し $f^*$ は、形式の引き戻しが与える層の複体の射 $f^{-1}\Omega^\bullet_{Y/k}\to\Omega^\bullet_{X/k}$ から誘導される。この射は $p$ 次の形式を $p$ 次の形式に送るので、$f^{-1}\sigma^{\ge p}\Omega^\bullet_{Y/k}$ を $\sigma^{\ge p}\Omega^\bullet_{X/k}$ に送る。超コホモロジーの引き戻しは複体の射について自然なので、図式
$$ \begin{array}{ccc} \mathbf{H}^n(Y,\sigma^{\ge p}\Omega^\bullet_{Y/k})&\longrightarrow&\mathbf{H}^n(X,\sigma^{\ge p}\Omega^\bullet_{X/k})\\ \downarrow&&\downarrow\\ H^n_{dR}(Y/k)&\xrightarrow{\ f^*\ }&H^n_{dR}(X/k) \end{array} $$
は可換である。左の縦の写像の像が $F^pH^n_{dR}(Y/k)$ で、その $f^*$ による像は右の縦の写像の像 $F^pH^n_{dR}(X/k)$ に含まれる。
3.カップ積は外積 $\Omega^a\otimes\Omega^b\to\Omega^{a+b}$ が定める複体の射 $\wedge\colon\operatorname{Tot}(\Omega^\bullet\otimes\Omega^\bullet)\to\Omega^\bullet$ と超コホモロジーのカップ積から作られ、後者は複体の射について自然である(Stacks Section 50.4、Tag 0FM1)。外積は $\operatorname{Tot}(\sigma^{\ge p}\otimes\sigma^{\ge p'})$ を $\sigma^{\ge p+p'}$ に送る(次数 $a\ge p$ と $b\ge p'$ の形式の外積は次数 $a+b\ge p+p'$)。よって 2 と同じく自然性から、$\mathbf{H}^n(X,\sigma^{\ge p})\times\mathbf{H}^{n'}(X,\sigma^{\ge p'})\to\mathbf{H}^{n+n'}(X,\sigma^{\ge p+p'})$ が $H_{dR}$ のカップ積と両立し、像を比べて主張を得る(この議論は Stacks Section 50.7、Tag 0FM7 にもある)。

Tate 捻り・双対・射・偏極

Hodge 構造に対する操作は、Hodge フィルトレーションの言葉で次のように書ける。$H(m)$ は Tate 捻り $H\otimes\mathbb{Z}(m)$(重さ $n-2m$、$H(m)^{p,q}=H^{p+m,q+m}$)、$H^\vee$ は双対 Hodge 構造(Hodge構造 の命題「テンソル積と双対」)を表す。

Tate 捻りと双対のフィルトレーション

$H$ を重さ $n$ の Hodge 構造とする。

  1. $F^p\bigl(H(m)_{\mathbb{C}}\bigr)=F^{p+m}H_{\mathbb{C}}$ である。
  2. $F^p\bigl(H^\vee_{\mathbb{C}}\bigr)=\bigl(F^{1-p}H_{\mathbb{C}}\bigr)^\perp:=\{\lambda\in\operatorname{Hom}_{\mathbb{C}}(H_{\mathbb{C}},\mathbb{C})\mid\lambda(F^{1-p}H_{\mathbb{C}})=0\}$ である。

1.$H(m)$ は重さ $n-2m$ なので $F^p(H(m)_{\mathbb{C}})=\bigoplus_{p'\ge p}H(m)^{p',n-2m-p'}=\bigoplus_{p'\ge p}H^{p'+m,n-m-p'}=\bigoplus_{p''\ge p+m}H^{p'',n-p''}=F^{p+m}H_{\mathbb{C}}$($p''=p'+m$)。
2.$(H^\vee)^{a,b}$ は、$H^{-a,-b}$ 以外のすべての Hodge 成分の上で $0$ になる線型形式の空間である。$H^\vee$ は重さ $-n$ なので
$$ F^p(H^\vee_{\mathbb{C}})=\bigoplus_{a\ge p}(H^\vee)^{a,-n-a} $$
であり、その元は $H^{-a,n+a}$($a\ge p$)以外の成分、すなわち $H^{c,n-c}$ で $c>-p$ のものの上で $0$ になる線型形式の全体である($c=-a$ と置くと $a\ge p\iff c\le-p$)。$c>-p$、すなわち $c\ge1-p$ の成分の直和は $F^{1-p}H_{\mathbb{C}}$ だから、これは $(F^{1-p}H_{\mathbb{C}})^\perp$ に等しい。

Hodge 構造の射 $f\colon H\to H'$ はフィルトレーションに関して強い(strict)、すなわち $f_{\mathbb{C}}(F^pH_{\mathbb{C}})=F^pH'_{\mathbb{C}}\cap f_{\mathbb{C}}(H_{\mathbb{C}})$ をみたす(Hodge構造 の命題「Hodge 構造の圏はアーベル圏」)。強さは、Hodge 構造の完全列からフィルトレーションの各段と付随次数の完全列が得られることを意味し、混合 Hodge 構造の理論で重さフィルトレーションと組み合わせて使われる(Del71 Théorème (1.2.10)、p. 12)。また、重さ $n$ の Hodge 構造の偏極 $Q$ について、直交条件は $Q(F^p,F^{\,n-p+1})=0$ と言い換えられる(Hodge構造 の注意「双線型関係の言い換え」)。

Hodge 分解との一致

代数的な Hodge フィルトレーションと Hodge 分解

$X$ を $\mathbb{C}$ 上の滑らかな射影多様体とし、$\rho\colon H^n_{dR}(X/\mathbb{C})\to H^n(X^{an},\mathbb{C})$ を比較同型(de Rhamコホモロジー の定理「Grothendieck の比較定理」)とする。このとき
$$ \rho\bigl(F^pH^n_{dR}(X/\mathbb{C})\bigr)=\bigoplus_{p'\ge p}H^{p',n-p'}(X^{an}) $$
が成り立つ。したがって $H^n(X^{an},\mathbb{Z})$ と $\rho$ で移した $F^\bullet$ は重さ $n$ の Hodge 構造であり、その Hodge フィルトレーションが代数的に定義された $F^\bullet$ である。

定理の出典と証明の筋

この記事では証明しない。筋は次のとおりである。解析化 $\Omega^\bullet_{X/\mathbb{C}}\to\Omega^\bullet_{X^{an}}$ は愚かなフィルトレーションを保ち、GAGA により各 $H^q(X,\Omega^p_{X/\mathbb{C}})\to H^q(X^{an},\Omega^p_{X^{an}})$ が同型なので、Hodge–de Rham スペクトル系列の $E_1$ 項が同型になり、比較同型はフィルトレーション込みの同型になる(de Rhamコホモロジー の注意「比較定理の出典と証明の筋」)。解析側では、Kähler 多様体の Hodge 理論によりスペクトル系列が退化し、到達先のフィルトレーションが $\bigoplus_{p'\ge p}H^{p',n-p'}$ に一致し、それが複素共役に関して $n$ 反対である(Hodge分解 の系「Hodge–de Rham スペクトル系列の退化と Hodge フィルトレーション」、Del71 (2.2.1) の (A)・(B)、pp. 27–28)。完備で滑らかな代数多様体(射影的とは限らない)でも退化と $n$ 反対性が成り立つ(Del71 (2.2.3)、p. 28)。

体の拡大との両立

定義体の上の Hodge フィルトレーション

$k$ を体、$X$ を $k$ 上有限型で滑らかな分離的スキーム、$K/k$ を体の拡大、$X_K=X\times_kK$ とする。de Rhamコホモロジー の系「体の拡大による底変換」の同型 $H^n_{dR}(X_K/K)\cong H^n_{dR}(X/k)\otimes_kK$ のもとで、すべての $p$ について
$$ F^pH^n_{dR}(X_K/K)=F^pH^n_{dR}(X/k)\otimes_kK $$
が成り立つ。

$X$ の有限個の affine 開集合による被覆 $\mathfrak{U}$ をとり、$T^\bullet:=\operatorname{Tot}\check C^\bullet(\mathfrak{U},\Omega^\bullet_{X/k})$ とおく。$T^\bullet$ のうち微分形式の次数が $p$ 以上の成分だけからなる部分複体 $T^\bullet_{\ge p}:=\operatorname{Tot}\check C^\bullet(\mathfrak{U},\sigma^{\ge p}\Omega^\bullet_{X/k})$ を考える(Čech 微分も外微分も形式の次数を下げないので部分複体である)。$\sigma^{\ge p}\Omega^\bullet_{X/k}$ の各項は $0$ か $\Omega^a_{X/k}$ で、有限個の交わり(affine)の上で正の次数の層コホモロジーが消えるから、de Rhamコホモロジー の命題「affine 開被覆による Čech 計算」と同じ理由で $\mathbf{H}^n(X,\sigma^{\ge p}\Omega^\bullet_{X/k})\cong H^n(T^\bullet_{\ge p})$ であり、この同型は複体の包含 $\sigma^{\ge p}\subset\Omega^\bullet$ と $T_{\ge p}\subset T$ に関して両立する(Čech 複体から超コホモロジーへの標準写像は層の複体について自然である)。したがって
$$ F^pH^n_{dR}(X/k)=\operatorname{im}\bigl(H^n(T^\bullet_{\ge p})\to H^n(T^\bullet)\bigr) $$
である。$X_K$ を被覆 $\mathfrak{U}_K=(U_i\times_kK)$ で計算すると、de Rhamコホモロジー の系「体の拡大による底変換」の証明のとおり $T^\bullet(\mathfrak{U}_K)=T^\bullet\otimes_kK$ であり、この同一視は形式の次数を保つので $T^\bullet_{\ge p}(\mathfrak{U}_K)=T^\bullet_{\ge p}\otimes_kK$ である。$-\otimes_kK$ は完全関手なので、コホモロジーと可換で、線型写像の像とも可換である。よって
$$ F^pH^n_{dR}(X_K/K)=\operatorname{im}\bigl(H^n(T_{\ge p})\otimes_kK\to H^n(T)\otimes_kK\bigr)=F^pH^n_{dR}(X/k)\otimes_kK $$
である。

たとえば $X_0$ が数体 $k\subset\mathbb{C}$ 上の滑らかな射影多様体なら、hf-thm-comparison と合わせて、$H^n(X_0(\mathbb{C}),\mathbb{C})$ の Hodge フィルトレーションは $k$ 上の部分空間 $F^pH^n_{dR}(X_0/k)$ を $\mathbb{C}$ へ係数拡大したものである。$H^n(X_0(\mathbb{C}),\mathbb{Q})$ の有理構造と $H^n_{dR}(X_0/k)$ の $k$ 構造を比べる行列の成分が周期(周期(代数多様体))であり、Hodge フィルトレーションはその $k$ 構造の側に乗っている。

Poincaré 双対との関係

Poincaré 双対と Hodge フィルトレーション

$k$ を標数 $0$ の代数閉体、$X$ を $k$ 上の $d$ 次元の連結で滑らかな射影多様体、$\operatorname{Tr}\colon H^{2d}_{dR}(X/k)\to k$ をトレース写像とし、$\langle a,b\rangle:=\operatorname{Tr}(a\cup b)$ を Poincaré 双対の対とする。このとき $0\le n\le2d$ とすべての $p$ について
$$ F^{\,d-p+1}H^{2d-n}_{dR}(X/k)=\bigl\{b\in H^{2d-n}_{dR}(X/k)\ \big|\ \langle F^pH^n_{dR}(X/k),b\rangle=0\bigr\} $$
が成り立つ。すなわち $F^p$ の直交補空間はちょうど $F^{\,d-p+1}$ である。

$h^{a,b}:=\dim_kH^b(X,\Omega^a_{X/k})$ とおき、$H^n:=H^n_{dR}(X/k)$ と略す。
段 1(直交性).hf-prop-basic の 3 により $F^pH^n\cup F^{d-p+1}H^{2d-n}\subset F^{d+1}H^{2d}$ であり、hf-prop-basic の 1 により $F^{d+1}=0$($d+1>\dim X$)である。よって $F^{d-p+1}H^{2d-n}$ は $F^pH^n$ の直交補空間 $(F^pH^n)^\perp$ に含まれる。
段 2(次元の計算).$X$ は標数 $0$ の体上滑らかで固有なので Hodge–de Rham スペクトル系列は $E_1$ で退化し(hf-rem-algebraic の 3)、$\operatorname{gr}^a_FH^m\cong H^{m-a}(X,\Omega^a_{X/k})$ である。したがって
$$ \dim H^m=\sum_ah^{a,m-a},\qquad\dim F^pH^m=\sum_{a\ge p}h^{a,m-a} $$
である。Serre 双対(Har77 III Corollary 7.13、p. 247)により $H^b(X,\Omega^a)\cong H^{d-b}(X,\Omega^{d-a})^\vee$、すなわち $h^{a,b}=h^{d-a,d-b}$ である。これを使い、和の添字を $c=d-a$ と置き換えると
$$ \dim F^{d-p+1}H^{2d-n}=\sum_{c\ge d-p+1}h^{c,2d-n-c}=\sum_{c\ge d-p+1}h^{d-c,\,n-d+c}=\sum_{a\le p-1}h^{a,n-a}=\dim H^n-\dim F^pH^n $$
を得る。
段 3(結論).標数 $0$ の代数閉体上の代数的 de Rham コホモロジーは Weil コホモロジーである(Weilコホモロジー の例「標数 0 の代数的 de Rham コホモロジーは Weil コホモロジーである」)から、$\langle\ ,\ \rangle\colon H^n\times H^{2d-n}\to k$ は非退化で、$\dim H^{2d-n}=\dim H^n$ である。非退化性から $\dim(F^pH^n)^\perp=\dim H^{2d-n}-\dim F^pH^n=\dim H^n-\dim F^pH^n$ である。段 2 によりこれは $\dim F^{d-p+1}H^{2d-n}$ に等しく、段 1 の包含と合わせて等号を得る。

$k=\mathbb{C}$ では、この定理は Poincaré 双対 $H^{2d-n}\cong(H^n)^\vee(-d)$ が Hodge 構造の同型であることのフィルトレーション版である。実際 hf-prop-twist-dual により $F^{d-p+1}\bigl((H^n)^\vee(-d)\bigr)=F^{1-p}\bigl((H^n)^\vee\bigr)=(F^pH^n)^\perp$ であり、定理の右辺と一致する。

族の中での変化

滑らかな射 $f\colon\mathcal{X}\to S$ の相対 de Rham コホモロジー $\mathcal{H}^n=\mathbf{R}^nf_*\Omega^\bullet_{\mathcal{X}/S}$ にも、相対 de Rham 複体の愚かなフィルトレーションから同じ形の Hodge フィルトレーション $F^p\mathcal{H}^n$ が定まり、$\mathbb{C}$ 上で $f$ が固有なら各ファイバーで $\bigoplus_{r\ge p}H^{r,n-r}(X_s)$ に一致する(Gauss–Manin接続 の節「Hodge フィルトレーションと Griffiths 横断性」)。Gauss–Manin 接続 $\nabla$ はこのフィルトレーションを保たないが、1 段だけしか下げない:$\nabla(F^p)\subset\Omega^1_S\otimes F^{p-1}$(Griffiths 横断性。Gauss–Manin接続 の命題「Griffiths 横断性」)。$s\mapsto F^\bullet H^n(X_s)$ を旗多様体の点とみたものが周期写像(周期写像)であり、横断性はその微分についての条件になる。フィルトレーション $F^\bullet$ は相対 de Rham 複体から代数的に作られるので、族の中で代数的に扱える。

関連項目

参考文献

[1]
Pierre Deligne, Théorie de Hodge : II, Publications Mathématiques de l'IHÉS, 1971, Théorème (1.2.10)(p. 12、射のフィルトレーションに関する強さ)、(1.4.7)(p. 21、愚かなフィルトレーション)、(2.1.8)・Proposition (2.1.9)(p. 25、Hodge フィルトレーションと n 反対のフィルトレーション)、(2.2.1)(pp. 27–28、Kähler 多様体の Hodge–de Rham スペクトル系列の退化 (A) と n 反対性 (B))、(2.2.3)(p. 28、完備で滑らかな代数多様体)
[2]
Robin Hartshorne, Algebraic Geometry, Graduate Texts in Mathematics 52, Springer, 1977, III Corollary 7.13(p. 247、滑らかな射影多様体の Serre 双対 $H^q(X,\Omega^p)\cong H^{n-q}(X,\Omega^{n-p})^\vee$)

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