二重否定位相(double negation topology)とは、トポスの部分対象分類子 $\Omega$ の否定 $\neg$ を 2 回合成した射 $\neg\neg\colon\Omega\to\Omega$ のことで、部分対象 $S$ を $\neg\neg S$ に送る閉包を定める Lawvere–Tierney 位相である。$\mathrm{false}$ を保つ位相のうち最大であり、その層のなす圏 $\operatorname{Sh}_{\neg\neg}(\mathcal E)$ はつねに Boolean なトポスになる。前層のトポスでは篩についての稠密位相と一致し、最小元をもつ半順序集合では層の圏が集合の圏と同値になる。Cohen の強制法の条件の半順序集合上の前層のトポスにこの位相を入れた層のトポスが Cohen トポスである。
前提知識: トポス, 部分対象分類子, Heyting代数, Grothendieck位相, 篩(圏論)
トポスの部分対象は一般に Heyting 代数をなし、排中律は成り立たない。部分対象 $S$ を、その否定の否定 $\neg\neg S$ に置き換える操作は、$S$ を「否定できない部分」まで広げる閉包であり、この閉包について閉じた部分対象だけを見ると論理は古典的になる。この操作を部分対象分類子 $\Omega$ の自己射 $\neg\neg\colon\Omega\to\Omega$ として述べたものが二重否定位相である。
二重否定位相は Lawvere–Tierney 位相の代表例で、その層のなす圏 $\operatorname{Sh}_{\neg\neg}(\mathcal E)$ はつねに Boolean なトポスになる。前層のトポスでは、二重否定位相は篩(圏論)についての稠密位相と一致する。半順序集合の稠密位相の層は強制法の条件の層にあたり、Cohenトポスはこの形で作られる。この記事では、Lawvere–Tierney 位相を閉包の言葉で扱い、二重否定が位相であること、$\mathrm{false}$ を保つ位相のうち最大であること、層の圏が Boolean であること、前層のトポスで稠密位相になることを証明する。
$\mathcal E$ を初等トポス(トポス の定義「初等トポス」)とし、$\mathrm{true}\colon1\to\Omega$ を部分対象分類子、部分対象 $S\rightarrowtail X$ の分類射を $\chi_S\colon X\to\Omega$ と書く。各対象 $X$ の部分対象の全体 $\operatorname{Sub}(X)$ は Heyting 代数であり、射 $f\colon X'\to X$ に沿った引き戻し $f^*$ は Heyting 代数の準同型である(MM92 IV.8 Theorem 1、p. 201)。$\wedge\colon\Omega\times\Omega\to\Omega$ を $(\mathrm{true},\mathrm{true})\colon1\rightarrowtail\Omega\times\Omega$ の分類射とすると、$\chi_{S\wedge T}=\wedge\circ(\chi_S,\chi_T)$ である。$0\rightarrowtail1$ の分類射を $\mathrm{false}$、部分対象 $\mathrm{false}\colon1\rightarrowtail\Omega$ の分類射を $\neg\colon\Omega\to\Omega$ とすると、$\neg\circ\chi_S$ は $S$ の擬補元 $\neg S$($S$ と交わらない最大の部分対象)を分類する(MM92 IV.6 (2)–(3)、p. 188、IV.8 (13)–(16)、pp. 202–204)。
射 $j\colon\Omega\to\Omega$ が Lawvere–Tierney 位相(Lawvere–Tierney topology)であるとは、次の 3 条件をみたすことをいう。
$$
j\circ\mathrm{true}=\mathrm{true},\qquad j\circ j=j,\qquad j\circ\wedge=\wedge\circ(j\times j).
$$
部分対象 $S\rightarrowtail X$ に対し、$j\circ\chi_S$ が分類する部分対象を $S$ の $j$ 閉包 $\overline S$ という。$\overline S=X$ のとき $S$ は稠密、$\overline S=S$ のとき閉であるという。2 つの位相 $j,k$ について、すべての部分対象 $S$ で $j$ 閉包が $k$ 閉包に含まれるとき $j\le k$ と書く。
定義は MM92 V.1(pp. 219–221)による。$\overline S$ の分類射が $j\circ\chi_S$ なので、引き戻しについて $f^*(\overline S)=\overline{f^*S}$ が成り立つ($\chi_{f^*S}=\chi_S\circ f$)。閉包と位相は次のように対応する。
各対象 $X$ の $\operatorname{Sub}(X)$ 上の写像 $c_X$ が引き戻しと可換($f^*c_X(S)=c_{X'}(f^*S)$)であるとし、$T:=(\mathrm{true}\colon1\rightarrowtail\Omega)$ に対し $j:=\chi_{c_\Omega(T)}$ とおく。このとき $\chi_{c_X(S)}=j\circ\chi_S$ がすべての $S$ で成り立つ。さらに、すべての $S,S'\in\operatorname{Sub}(X)$ について
$S=\chi_S^*(T)$ なので、可換性から $c_X(S)=\chi_S^*c_\Omega(T)$ であり、その分類射は $\chi_{c_\Omega(T)}\circ\chi_S=j\circ\chi_S$ である。
1:$T\le c_\Omega(T)$ なので $\mathrm{true}\colon1\to\Omega$ は $c_\Omega(T)$ を経由し、$\mathrm{true}^*c_\Omega(T)=1$ である。その分類射 $j\circ\mathrm{true}$ は $1$ 全体の分類射 $\mathrm{true}$ に等しい。
2:$X=\Omega$、$S=T$($\chi_T=\mathrm{id}_\Omega$)とすると、$j\circ j=\chi_{c(c(T))}=\chi_{c(T)}=j$。
3:$X=\Omega\times\Omega$ とし、$S,S'$ を射影 $\pi_1,\pi_2$ が分類する部分対象とすると $\chi_{S\wedge S'}=\wedge\circ(\pi_1,\pi_2)=\wedge$ である。よって $j\circ\wedge=\chi_{c(S\wedge S')}=\chi_{c(S)\wedge c(S')}=\wedge\circ(j\circ\pi_1,\,j\circ\pi_2)=\wedge\circ(j\times j)$。$\square$
逆に Lawvere–Tierney 位相の閉包は 1〜3 をみたす(MM92 V.1 Proposition 1、p. 221)。
$\neg\neg:=\neg\circ\neg\colon\Omega\to\Omega$ を、トポス $\mathcal E$ の二重否定位相(double negation topology)という。その閉包は $S\mapsto\neg\neg S$ である。
Heyting 代数 $H$ の任意の元 $a,b$ について、次が成り立つ。
$$
a\le\neg\neg a,\qquad\neg\neg\neg\neg a=\neg\neg a,\qquad\neg\neg(a\wedge b)=\neg\neg a\wedge\neg\neg b.
$$
はじめの 2 つは Heyting代数 の命題「否定と古典性」の $a\le\neg\neg a$ と $\neg\neg\neg a=\neg a$ による(後者を $\neg a$ に当てる)。否定は順序を逆にするので $\neg\neg$ は順序を保ち、$\neg\neg(a\wedge b)\le\neg\neg a\wedge\neg\neg b$ である。逆向きを示す。$\neg(a\wedge b)\wedge a\wedge b=0$ だから $\neg(a\wedge b)\wedge a\le\neg b$ であり、
$$
\neg(a\wedge b)\wedge a\wedge\neg\neg b\le\neg b\wedge\neg\neg b=0
$$
となる。よって $\neg(a\wedge b)\wedge\neg\neg b\le\neg a$ であり、同様に $\neg(a\wedge b)\wedge\neg\neg b\wedge\neg\neg a\le\neg a\wedge\neg\neg a=0$ を得る。これは $\neg\neg a\wedge\neg\neg b\le\neg\neg(a\wedge b)$ を意味する。$\square$
任意のトポス $\mathcal E$ で、$\neg\neg\colon\Omega\to\Omega$ は Lawvere–Tierney 位相である。
$c_X(S)$ を $\neg\neg\circ\chi_S$ が分類する部分対象とする。$\neg\circ\chi_S$ が $\neg S$ を分類するので、これを 2 回使うと $c_X(S)=\neg\neg S$($\operatorname{Sub}(X)$ での二重否定)である。$\chi_{f^*S}=\chi_S\circ f$ から $c$ は引き戻しと可換であり、$T=(\mathrm{true})$ について $\chi_T=\mathrm{id}_\Omega$ なので $\chi_{c(T)}=\neg\neg$ である。prop-dnt-heyting を各 $\operatorname{Sub}(X)$ に当てると lem-dnt-closure の 1〜3 が成り立ち、$\neg\neg$ は Lawvere–Tierney 位相である。$\square$
この定理は MM92 VI.1 Theorem 3(p. 272)の前半である。$\mathcal E$ が Boolean($\neg\neg=\mathrm{id}_\Omega$)なら二重否定位相は恒等射で、何も変えない(MM92 VI.1 Proposition 1、p. 270)。
$j$ を Lawvere–Tierney 位相とする。$j\circ\mathrm{false}=\mathrm{false}$ なら $j\le\neg\neg$ である。また $\neg\neg\circ\mathrm{false}=\mathrm{false}$ である。したがって $\neg\neg$ は $j\circ\mathrm{false}=\mathrm{false}$ をみたす Lawvere–Tierney 位相のうち最大のものである。
$j\circ\mathrm{false}=\mathrm{false}$ は、$0\rightarrowtail1$ の $j$ 閉包が $0$ であることを意味する。引き戻し $!_X^*$ は Heyting 代数の準同型なので、$\operatorname{Sub}(X)$ の最小元は $0_X:=!_X^*(0\rightarrowtail1)$ であり、閉包は引き戻しと可換なので $\overline{0_X}=0_X$ である。部分対象 $S$ について、閉包は $S\le\overline S$ をみたし、交わりを保ち順序を保つので
$$
\overline S\wedge\neg S\le\overline S\wedge\overline{\neg S}=\overline{S\wedge\neg S}=\overline{0_X}=0_X
$$
であり、$\overline S\le\neg\neg S$ を得る。後半は $\neg\neg0=\neg1=0$($\operatorname{Sub}(1)$ で)による。$\square$
条件 $j\circ\mathrm{false}=\mathrm{false}$ を外すと結論は成り立たない(ex-dnt-constant)。
$j$ を Lawvere–Tierney 位相とする。対象 $F$ が $j$ 層であるとは、任意の稠密なモノ射 $m\colon A\rightarrowtail E$ について、合成 $\operatorname{Hom}(E,F)\to\operatorname{Hom}(A,F)$、$r\mapsto r\circ m$ が全単射であることをいう。$j$ 層のなす充満部分圏を $\operatorname{Sh}_j(\mathcal E)$ と書く。
$\operatorname{Sh}_j(\mathcal E)$ はトポスであり、包含関手は有限極限を保ち、有限極限を保つ左随伴(層化)をもつ(MM92 V.2 Theorem 5、V.3 Theorem 1、p. 227)。$j$ 層 $F$ の部分対象で $j$ 層であるものは、$F$ の $j$ で閉な部分対象と一致する(同 V.2 Lemma 4、p. 226)。これらをこの記事では証明しない。
Heyting 代数 $H$ の元で $\neg\neg a=a$ をみたすものの全体を $H_{\neg\neg}$ とする。$H_{\neg\neg}$ は $0,1$ を含み、交わり $\wedge$ と含意 $\Rightarrow$ について閉じている。$a,b\in H_{\neg\neg}$ の上限は $\neg\neg(a\vee b)$ であり、$H_{\neg\neg}$ は Boolean 代数である。
$\neg\neg0=\neg1=0$、$\neg\neg1=\neg0=1$ であり、prop-dnt-heyting により $\neg\neg(a\wedge b)=a\wedge b$ である。$b\in H_{\neg\neg}$ なら $b=\neg c$($c=\neg b$)で、任意の $x$ について $x\le a\Rightarrow\neg c\iff x\wedge a\wedge c=0\iff x\le\neg(a\wedge c)$ だから $a\Rightarrow b=\neg(a\wedge\neg b)$ であり、$\neg\neg\neg=\neg$ によりこれは $H_{\neg\neg}$ に入る。$a,b\in H_{\neg\neg}$ に対し $\neg\neg(a\vee b)\in H_{\neg\neg}$ は $a,b$ 以上で、$a,b\le c\in H_{\neg\neg}$ なら $\neg\neg(a\vee b)\le\neg\neg c=c$ なので上限である。
よって $H_{\neg\neg}$ は $0,1$ をもつ束で、$H$ の含意がそのまま随伴 $x\wedge a\le b\iff x\le a\Rightarrow b$ をみたすので Heyting 代数である。その否定は $a\Rightarrow0=\neg a$ で、すべての元で $\neg\neg a=a$ が成り立つから、Heyting代数 の命題「否定と古典性」により Boolean 代数である。$\square$
任意のトポス $\mathcal E$ について、$\operatorname{Sh}_{\neg\neg}(\mathcal E)$ は Boolean なトポスである。すなわち $\neg\neg$ 層 $F$ の $\operatorname{Sh}_{\neg\neg}(\mathcal E)$ での部分対象はすべて補部分対象をもつ。
上で引いた事実により、$\operatorname{Sh}_{\neg\neg}(\mathcal E)$ での $F$ の部分対象の順序集合は、$\mathcal E$ での $F$ の部分対象のうち $\neg\neg S=S$ をみたすもの、すなわち $\operatorname{Sub}(F)_{\neg\neg}$ と同型である。prop-dnt-regular によりこれは Boolean 代数であり、順序の同型は交わり・上限・補元を保つので、各部分対象は補部分対象をもつ。$\square$
この定理は MM92 VI.1 Theorem 3(p. 272)の後半である。MM92 は $\operatorname{Sh}_j(\mathcal E)$ での Heyting 代数の演算を $\mathcal E$ の演算で書く補題(VI.1 Lemma 2、p. 271)を使って示しており、上の証明はその計算を prop-dnt-regular にまとめたものである。
位相空間 $X$ の層のトポス $\operatorname{Sh}(X)$ で、$\operatorname{Sub}(1)$ は開集合系と同じであり(トポス の命題「位相空間の層のトポスの部分対象分類子」)、開集合 $U$ の否定は $X\setminus\operatorname{cl}U$、二重否定は $\operatorname{int}\operatorname{cl}U$ である($\operatorname{cl}U$ は位相空間としての閉包。記号 $\overline S$ はこの記事では $j$ 閉包に使う)(Heyting代数 の「開集合の否定と境界」)。よって $1$ の $\neg\neg$ で閉な部分対象は正則開集合である。終対象はどの位相についても層なので、$\operatorname{Sh}_{\neg\neg}(\operatorname{Sh}(X))$ の $1$ の部分対象は $X$ の正則開集合の全体と同型で、prop-dnt-regular により Boolean 代数をなす。$X=\mathbb R$ では $(0,1)\cup(1,2)$ は $\neg\neg$ で閉でなく、その $\neg\neg$ 閉包は $\operatorname{int}\operatorname{cl}\bigl((0,1)\cup(1,2)\bigr)=(0,2)$ である。
$\mathcal C$ を小さい圏とし、前層 $E$ の元 $x\in E(C)$ の $f\colon B\to C$ による制限を $x\cdot f$ と書く。前層のトポスの部分対象は部分前層と同じである。
前層 $E$ の部分前層 $A$ と対象 $C$ について
$$
(\neg A)(C)=\{x\in E(C)\mid\text{すべての }f\colon B\to C\text{ で }x\cdot f\notin A(B)\},
$$
$$
(\neg\neg A)(C)=\{x\in E(C)\mid\text{すべての }f\colon B\to C\text{ に対し、ある }g\colon D\to B\text{ で }x\cdot f\cdot g\in A(D)\}.
$$
前半は Heyting代数 の定理「部分前層の含意」で $T=\emptyset$ とした場合である。後半は前半を 2 回使う。$x\in(\neg\neg A)(C)$ はすべての $f$ で $x\cdot f\notin(\neg A)(B)$ ということで、$x\cdot f\notin(\neg A)(B)$ は前半により、ある $g\colon D\to B$ で $x\cdot f\cdot g\in A(D)$ となることである。$\square$
前層のトポスの Lawvere–Tierney 位相 $j$ と $\mathcal C$ の Grothendieck位相 $J$ は、「$C$ 上の篩 $S$ が $J$ の被覆篩であるのは $j_C(S)$ が最大の篩 $t_C$ のとき」によって 1 対 1 に対応し、$j$ 層と $J$ 層は一致する(MM92 V.4 Theorem 1・Theorem 2、pp. 233–234)。
前層のトポスの二重否定位相に対応する Grothendieck 位相は稠密位相である。すなわち $C$ 上の篩 $S$ が被覆篩であるのは、任意の $f\colon D\to C$ に対し、ある $g\colon D'\to D$ で $f\circ g\in S$ となるときである。したがって $\operatorname{Sh}_{\neg\neg}(\widehat{\mathcal C})$ は稠密位相の層の圏と一致する。
$\Omega(C)$ は $C$ 上の篩の全体で、篩 $S$ は表現前層 $h_C$ の部分前層である。米田の補題により $S\in\Omega(C)$ は射 $\chi_S\colon h_C\to\Omega$ と対応し、$j_C(S)$ は $j\circ\chi_S$ に対応する元、すなわち $S$ の閉包 $\neg\neg S\subset h_C$ である。篩が最大であることは $\mathrm{id}_C$ を含むことと同値だから、$j_C(S)=t_C$ は $\mathrm{id}_C\in(\neg\neg S)(C)$ と同値で、prop-dnt-presheaf で $x=\mathrm{id}_C$($x\cdot f=f$)とすれば主張の条件になる。$\square$
MM92 VI.1 Corollary 5(p. 273)も同じ結論である。半順序集合 $P$ を $q\le p$ のときに限り射 $q\to p$ をもつ圏とみると、$p$ 上の篩 $S$ が稠密であるのは、どの $q\le p$ にも $r\le q$ で $r\in S$ となるものがあるときである(MM92 III.2 (e)、p. 115)。Cohen の強制法の条件(有限個の値だけを指定する二値の部分関数)の半順序集合にこの位相を入れた層のトポスが Cohenトポス である。
半順序集合 $P$ が最小元 $\bot$ をもつとする。$P$ 上の前層 $F$ が稠密位相の層であるのは、すべての $p$ で制限 $F(p)\to F(\bot)$ が全単射であるときに限り、$F\mapsto F(\bot)$ は圏同値 $\operatorname{Sh}_{\neg\neg}(\widehat P)\simeq\mathbf{Set}$ を与える。
篩は下に閉じているので、$p$ 上の空でない篩は $\bot$ を含み、そのような篩はどの $q\le p$ に対しても $r=\bot$ で稠密性の条件をみたす。空な篩は稠密でない($q=p$ に対する $r$ がない)。よって被覆篩は空でない篩である。篩 $\{\bot\}$ についての両立する族は $F(\bot)$ の 1 元と同じなので、層の条件はとくに $F(p)\to F(\bot)$ が全単射であることを含む。逆にこの条件の下で、空でない篩 $S$ 上の両立する族 $(x_q)_{q\in S}$ をとる。$\bot\in S$ なので両立性から $x_q|_\bot=x_\bot$ である。$x\in F(p)$ を $x|_\bot=x_\bot$ となるただ 1 つの元とすると、$x|_q|_\bot=x_\bot=x_q|_\bot$ と $F(q)\to F(\bot)$ の単射性から $x|_q=x_q$ である。このような $x$ の一意性は $F(p)\to F(\bot)$ の単射性による。よって $F$ は層である。層 $F$ は、制限がすべて全単射なので定数前層 $\Delta F(\bot)$ と同型であり、$F\mapsto F(\bot)$ と $S\mapsto\Delta S$ が互いに逆の同値を与える。$\square$
$j:=\mathrm{true}\circ!_\Omega\colon\Omega\to\Omega$ は Lawvere–Tierney 位相である。実際 $j\circ\mathrm{true}=\mathrm{true}$、$j\circ j=j$ は明らかで、$\wedge\circ(\mathrm{true},\mathrm{true})=\mathrm{true}$ から $\wedge\circ(j\times j)=\mathrm{true}\circ!=j\circ\wedge$ である。その閉包はすべての $S\rightarrowtail X$ を $X$ に送るので、$0\rightarrowtail E$ はつねに稠密であり、$j$ 層 $F$ では $\operatorname{Hom}(E,F)\cong\operatorname{Hom}(0,F)$ が 1 元集合になる。よって $j$ 層は終対象だけである。$0\not\cong1$ なら $j\circ\mathrm{false}=\mathrm{true}\ne\mathrm{false}$ であり、$0\rightarrowtail1$ の $j$ 閉包 $1$ は $\neg\neg0=0$ に含まれないので $j\le\neg\neg$ は成り立たない。
各行は 1 つの条件だけを外す。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| $j\circ\mathrm{false}=\mathrm{false}$($j$ は位相) | $0\not\cong1$ のトポスの定数の位相 $\mathrm{true}\circ!_\Omega$ | $j\le\neg\neg$ |
| 部分対象 $S$ が $\neg\neg$ で閉($F$ は $\neg\neg$ 層) | 2 点の鎖 $0< 1$ 上の前層 $h_1$ と部分前層 $S$ | $S\vee\neg S=F$ |
2 行目:$h_1(1)=\{\mathrm{id}_1\}$、$h_1(0)=\{0\to1\}$ で、制限は全単射なので、ex-dnt-bottom により $h_1$ は $\neg\neg$ 層である。$S(1)=\emptyset$、$S(0)=h_1(0)$ とすると、prop-dnt-presheaf により $\neg S=\emptyset$、$\neg\neg S=h_1$ であり、$S\vee\neg S=S\ne h_1$ である。$S$ は閉でなく、前層のトポス $\widehat{\{0< 1\}}$ は Boolean でない。
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