分裂原理(splitting principle)とは、パラコンパクト Hausdorff 空間 $B$ 上のベクトル束 $E$ に対して、写像 $p\colon\mathrm{Fl}(E)\to B$ で、引き戻し $p^*E$ が直線束の直和に分解し、コホモロジーの準同型 $p^*$ が単射になるものが存在するという定理であり、実ベクトル束では $\mathbb{Z}/2$ 係数で成り立つ。$\mathrm{Fl}(E)$ は、各ファイバーの直線の全体を束ねた射影化 $P(E)$ をとり、トートロジー直線束の直交補に同じ操作をくり返して得られる旗束である。$p^*$ の単射性は、Leray–Hirsch の定理により $H^*(P(E))$ が $H^*(B)$ 上の自由加群になることから従う。Stiefel–Whitney 類の構成と一意性、Chern 類の計算の土台になる。
前提知識: ベクトル束, 部分束・商束・双対束, Leray–Hirschの定理, 実射影空間, ファイバー束, 特異コホモロジー
分裂原理(splitting principle)とは、パラコンパクト Hausdorff 空間 $B$ 上のベクトル束 $E$ に対して、写像 $p\colon\mathrm{Fl}(E)\to B$ で、$p^*E$ が直線束の直和に分解し、コホモロジーの準同型 $p^*$ が単射になるものが存在する、という定理である。実ベクトル束では $\mathbb{Z}/2$ 係数でこれを証明する(thm-splitting-principle)。特性類の等式は $\mathrm{Fl}(E)$ に引き戻して直線束の直和の場合に確かめれば、$p^*$ の単射性により $B$ の上でも成り立つ。
道具は各ファイバーの直線の全体を束ねた射影化 $P(E)$ である。$P(E)$ に引き戻すと $E$ からトートロジー直線束が直交補として切り離され、残りに同じ操作をくり返すと $E$ は直線束の直和に分かれる。$p^*$ の単射性は Leray–Hirschの定理 による。この記事では、射影化がファイバー束であること、トートロジー直線部分束、直和の射影化の補集合の変形レトラクト、射影化のコホモロジー、旗束による分裂原理を証明する。これらは Stiefel–Whitney類 の構成と一意性の土台であり、Chern類 でも同じ形で使われる。
$\mathbb{K}$ は $\mathbb{R}$ または $\mathbb{C}$ とし、ベクトル束・引き戻し・Whitney 和、$\mathbb{K}^\infty$、$\mathbb{K}\mathrm{P}^\infty=\mathrm{Gr}_1(\mathbb{K}^\infty)$ とその上のトートロジー束 $\gamma^1$ は ベクトル束 の記事に従う($\mathbb{R}\mathrm{P}^\infty$ は 実射影空間 の例「無限次元実射影空間」と同じ空間)。ベクトル束 $\rho\colon E\to B$ と $S\subset B$ について $E|_S:=\rho^{-1}(S)$ と書き、$\langle x,y\rangle:=\sum_k\overline{x_k}\,y_k$、$|x|:=\langle x,x\rangle^{1/2}$ とおく。
各ファイバーで線形単射な連続写像 $g\colon E\to\mathbb{K}^\infty$ をファイバーごとに単射な写像といい、$B$ がパラコンパクト Hausdorff 空間なら必ず存在する(ベクトル束 の定理「ファイバーごとに単射な写像の存在と一意性」)。コホモロジーは特異コホモロジーである。
$\rho\colon E\to B$ を階数 $n\ge1$ の $\mathbb{K}$ ベクトル束とし、零切断の補集合を $E_0:=\{v\in E\mid v\ne0\}$ とおく。$v,w\in E_0$ について、ある $\lambda\in\mathbb{K}^\times$ で $w=\lambda v$ となるとき $v\sim w$ と定める。商空間
$$
P(E):=E_0/{\sim},\qquad q\colon E_0\to P(E),\quad q(v)=[v]
$$
を $E$ の射影化(projectivization)といい、$\pi\colon P(E)\to B$、$\pi([v]):=\rho(v)$ を射影とする。$\pi^{-1}(b)$ は $E_b$ の直線 $\mathbb{K}v$ の全体である。$B$ が 1 点なら $P(\mathbb{K}^n)=\mathbb{K}\mathrm{P}^{n-1}$ である。
要点:スカラー倍は同相写像なので、開集合の飽和はまた開である。
1:局所自明化 $\phi\colon E|_U\to U\times\mathbb{K}^n$ を通すと、スカラー倍は $(\lambda,(u,a))\mapsto(u,\lambda a)$ であり連続である。$E$ はこのような開集合 $E|_U$ で覆われるので、スカラー倍は連続である。零切断と $E|_U$ の共通部分は $\phi^{-1}(U\times\{0\})$ で $E|_U$ の閉集合なので、零切断は $E$ の閉集合であり、$E_0$ は開である。
2:$\lambda\in\mathbb{K}^\times$ によるスカラー倍 $m_\lambda$ は $m_{\lambda^{-1}}$ を逆にもつ同相写像で $E_0$ を保つ。$W\subset E_0$ が開なら $q^{-1}(q(W))=\bigcup_{\lambda\in\mathbb{K}^\times}m_\lambda(W)$ は開なので、商位相の定義により $q(W)$ は開である。$A$ を飽和した部分集合とし、$W'\subset E_0$ を開集合とする。$q(w')\in q(A)$($w'\in W'$)なら $w'\sim a$ となる $a\in A$ があり、$A$ は飽和しているので $w'\in A$ である。よって $q(W'\cap A)=q(W')\cap q(A)$ は $q(A)$ の開集合であり、$q|_A$ は開写像である。連続な開全射は商写像である。
3:開写像と恒等写像の直積は開写像なので、$q\times\mathrm{id}$ は連続な開全射であり、商写像である。$\square$
$\rho\colon E\to B$ を階数 $n\ge1$ の $\mathbb{K}$ ベクトル束とする。
要点:飽和した部分集合への $q$ の制限は商写像であり、局所自明化の上では $\mathrm{id}_U$ と $\mathbb{K}^n\setminus\{0\}\to\mathbb{K}\mathrm{P}^{n-1}$ の直積になる。
1:$q^{-1}(\pi^{-1}(S))=(E|_S)_0$ は飽和しているので、lem-sp-quotient の 2 により $q|\colon(E|_S)_0\to\pi^{-1}(S)$ は相対位相について商写像である。$(E|_S)_0$ の位相は $E$ からの相対位相なので、$\pi^{-1}(S)$ の相対位相は $P(E|_S)$ の商位相に等しい。$E_b$ の位相は局所自明化を通して $\mathbb{K}^n$ の位相と一致するので、$\theta$ は同相写像であり、$\mathbb{K}^n\setminus\{0\}$ と $(E_b)_0$ の商写像の両方について上の議論を当てると、$[a]\mapsto[\theta(a)]$ と逆写像 $[v]\mapsto[\theta^{-1}(v)]$ はともに連続である。
2:$q^{-1}(\pi^{-1}(U))=(E|_U)_0$ は開なので $\pi^{-1}(U)$ は開である。写像 $\Psi([v]):=(\rho(v),[\mathrm{pr}_2\phi(v)])$ は、$v$ を $\lambda v$ に替えても値が変わらないので矛盾なく定まる。$\Psi\circ q$ は $(E|_U)_0$ 上で連続であり、1 によりその上の $q$ は商写像なので、$\Psi$ は連続である。逆写像は $(u,[a])\mapsto q(\phi^{-1}(u,a))$ である。$\mathbb{K}^n\setminus\{0\}\to\mathbb{K}\mathrm{P}^{n-1}$ は開写像(射影空間 の命題「球面の商としての射影空間」の 1)なので、$\mathrm{id}_U$ との直積は連続な開全射で商写像であり、これと合成した $(u,a)\mapsto q(\phi^{-1}(u,a))$ は連続なので、逆写像も連続である。各ファイバーの上で $\Psi$ は 1 の同相写像である。
3:2 の $\Psi$ が局所自明化を与える。$\square$
Leray–Hirschの定理 の特異コホモロジー版は、ファイバーが有限の可縮開被覆(同記事の定義「有限の可縮開被覆」)をもつことを仮定する。
$m\ge1$ とし、$|v|=1$ の $v\in\mathbb{K}^m$ について
$$
W_v:=\{[x]\in\mathbb{K}\mathrm{P}^{m-1}\mid 2\,|\langle v,x\rangle|^2>|x|^2\}
$$
とおく。$\mathbb{K}\mathrm{P}^{m-1}$ は有限個の $W_{v_1},\dots,W_{v_s}$ で覆われ、空でない有限個の交わり $W_{v_{j_1}}\cap\cdots\cap W_{v_{j_t}}$ はすべて可縮である。したがって $\mathbb{K}\mathrm{P}^{m-1}$ は有限の可縮開被覆をもつ。
要点:交わりの点 $[u]$ を 1 つとり、$[u+y]$($y\perp u$)という座標で見ると、各 $W_v$ は凸な 2 次関数の負の部分になる。
条件は $x$ のスカラー倍で変わらないので $W_v$ は矛盾なく定まり、$q^{-1}(W_v)$ は開なので $W_v$ は開である。$[x]\in W_{x/|x|}$ なので $\{W_v\}$ は $\mathbb{K}\mathrm{P}^{m-1}$ を覆い、$\mathbb{K}\mathrm{P}^{m-1}$ はコンパクト(射影空間 の命題「球面の商としての射影空間」の 3)なので有限個で覆える。
$|u|=1$ について $V_u:=\{[x]\mid\langle u,x\rangle\ne0\}$、$u^\perp:=\{y\mid\langle u,y\rangle=0\}$ とおく。$\psi_u\colon u^\perp\to V_u$、$y\mapsto[u+y]$ は連続な全単射で、逆写像 $[x]\mapsto x/\langle u,x\rangle-u$ は $q$ と合成すると連続なので連続である($q^{-1}(V_u)$ は飽和した開集合で、射影空間 の命題「アフィン座標近傍と多様体構造」の証明と同じ議論)。よって $\psi_u$ は同相写像である。
$[u]\in W_v$ とし、$v=au+w$($a:=\langle u,v\rangle$、$w\perp u$)と書くと、$2|a|^2>1$ かつ $|a|^2+|w|^2=1$ なので $|w|^2<1/2$ である。(i) $W_v\subset V_u$:$\langle u,x\rangle=0$ なら $\langle v,x\rangle=\langle w,x\rangle$ なので Cauchy–Schwarz の不等式により $2|\langle v,x\rangle|^2\le2|w|^2|x|^2<|x|^2$ であり、$[x]\notin W_v$ である。(ii) $\psi_u^{-1}(W_v)$ は凸:$y\in u^\perp$ について $\langle v,u+y\rangle=\bar a+\langle w,y\rangle$ なので、$\psi_u(y)\in W_v$ は $G(y):=1+|y|^2-2\,|\bar a+\langle w,y\rangle|^2<0$ と同値である。$u^\perp$ を実ベクトル空間とみると、$G$ は定数、実線形関数 $-4\operatorname{Re}(a\langle w,y\rangle)$、実 2 次形式 $Q(y):=|y|^2-2|\langle w,y\rangle|^2$ の和であり、$Q(y)\ge(1-2|w|^2)|y|^2\ge0$ である。2 次形式について $tQ(y)+(1-t)Q(z)-Q(ty+(1-t)z)=t(1-t)Q(y-z)$ なので、$G(ty+(1-t)z)\le tG(y)+(1-t)G(z)$ となり、$\{G<0\}$ は凸である。
交わり $W:=W_{v_{j_1}}\cap\cdots\cap W_{v_{j_t}}$ が空でないとし、$[u]\in W$($|u|=1$)をとる。(i) により $W\subset V_u$ であり、(ii) により $\psi_u^{-1}(W)$ は凸集合の交わりとして空でない凸集合である。凸集合は直線のホモトピーで 1 点に縮むので可縮であり、$W$ も可縮である。$\square$
要点:代表元の上の連続写像が商写像を通して降りる。
$\varphi$ はファイバーごとに単射なので $E_0$ を $E'_0$ に写し、スカラー倍と可換なので $P(\varphi)$ は矛盾なく定まる。$P(\varphi)\circ q=q'\circ\varphi|_{E_0}$ は連続で $q$ は商写像なので、$P(\varphi)$ は連続である。等式は定義から明らかである。2:$V_1:=\mathbb{K}^\infty\setminus\{0\}$ から $\mathrm{Gr}_1(\mathbb{K}^\infty)$ への写像 $y\mapsto\mathbb{K}y$ は連続である(ベクトル束 の命題「普遍束と Gauss 写像」の 1 の $r=1$ の場合)。$P(g)\circ q$ は $g|_{E_0}$ とこの写像の合成なので連続であり、$P(g)$ は連続である。$g'\circ\varphi$ は各ファイバーで線形単射の合成である。$\square$
$\rho\colon E\to B$ を階数 $n\ge1$ の $\mathbb{K}$ ベクトル束とする。引き戻し $\pi^*E=\{(\ell,w)\in P(E)\times E\mid\pi(\ell)=\rho(w)\}$ の部分集合
$$
L_E:=\{(\ell,w)\in\pi^*E\mid w\in\ell\}
$$
は $\pi^*E$ の階数 $1$ の部分束であり、$P(E)$ 上のトートロジー直線部分束という。
要点:局所自明化の座標の 1 つで割った代表元が、$L_E$ の局所枠を与える。
各ファイバー $\{\ell\}\times\ell$ は $(\pi^*E)_\ell\cong E_{\pi(\ell)}$ の 1 次元部分空間である。局所自明化 $\phi\colon E|_U\to U\times\mathbb{K}^n$ をとり、$a(v):=\mathrm{pr}_2\phi(v)$ とおく。$i=1,\dots,n$ について $V_i:=\{[v]\in\pi^{-1}(U)\mid a(v)_i\ne0\}$ は($q^{-1}(V_i)$ が開なので)開集合で、$\pi^{-1}(U)$ を覆う。$s_i\colon V_i\to\pi^*E$ を $s_i([v]):=([v],\phi^{-1}(\rho(v),a(v)/a(v)_i))$ で定めると、$v$ のスカラー倍で値は変わらず、$s_i\circ q$ は $q^{-1}(V_i)$ 上で連続である。lem-sp-quotient の 2 により $q$ の飽和開集合 $q^{-1}(V_i)$ への制限は商写像なので、$s_i$ は連続な切断である。$s_i([v])=([v],v/a(v)_i)$ は直線 $[v]$ の $0$ でないベクトルなので、$L_E$ のファイバーの基底である。部分束・商束・双対束 の補題「部分束の局所枠による判定」により $L_E$ は部分束である。
1:定義から $L_E\cap(\pi^*E)|_{\pi^{-1}(b)}=\{(\ell,w)\mid\ell\in P(E_b),\ w\in\ell\}$ である。
2:写像は連続な束写像で、各ファイバーで $\varphi|_\ell\colon\ell\to\varphi(\ell)$ は線形同型なので、ベクトル束の直和・テンソル積 の補題「ファイバーごとに同型な束写像は束同型」により束同型である。
3:$(\ell,w)\mapsto g(w)$ は連続で、ファイバー $\ell$ の上で $g$ の制限は線形単射である。Gauss 写像は $\ell\mapsto g(\ell)=\mathbb{K}g(v)=P(g)(\ell)$ であり、同命題の 3 により $L_E\cong P(g)^*\gamma^1$ である。$\square$
$\rho\colon E\to B$ を階数 $n\ge1$ のベクトル束とする。$B$ が Hausdorff なら $P(E)$ も Hausdorff であり、$B$ がパラコンパクト Hausdorff 空間(パラコンパクト空間)なら $P(E)$ もパラコンパクト Hausdorff 空間である。
要点:ファイバー $\mathbb{K}\mathrm{P}^{n-1}$ はコンパクトなので、開被覆はファイバーの近傍の管の上で有限個に減らせ、底空間の局所有限な細分を引き戻せる。
Hausdorff:異なるファイバーの点は、$B$ で底の点を分ける開集合の逆像で分けられる。同じファイバーの 2 点は、prop-sp-local-triviality の 2 の開集合 $\pi^{-1}(U)\cong U\times\mathbb{K}\mathrm{P}^{n-1}$($\mathbb{K}\mathrm{P}^{n-1}$ は Hausdorff。射影空間 の命題「球面の商としての射影空間」の 2)の中で分けられ、その開集合は $P(E)$ でも開である。
パラコンパクト性:$\mathcal{W}$ を $P(E)$ の開被覆とし、$b\in B$ を固定する。$\pi^{-1}(U)\cong U\times F$($F:=\mathbb{K}\mathrm{P}^{n-1}$、$b\in U$)の中で、各 $(b,y)$ について開集合 $U_y\ni b$、$O_y\ni y$ と $W_y\in\mathcal{W}$ で $U_y\times O_y\subset W_y$ となるものをとる。$F$ はコンパクトなので有限個の $O_{y_1},\dots,O_{y_k}$ で覆われ、$U_b:=U_{y_1}\cap\cdots\cap U_{y_k}$ とおくと $\pi^{-1}(U_b)\subset W_{y_1}\cup\cdots\cup W_{y_k}$ である。$\{U_b\}_{b\in B}$ の局所有限な開細分 $\{V_\beta\}$ をとり、各 $\beta$ について $V_\beta\subset U_{b(\beta)}$ となる $b(\beta)$ と、上の有限個の $W^\beta_1,\dots,W^\beta_{k_\beta}$ を選ぶ。族 $\{\pi^{-1}(V_\beta)\cap W^\beta_i\}$ は $\mathcal{W}$ の開細分で $P(E)$ を覆う。点 $z$ について、$\pi(z)$ の近傍 $N$ で有限個の $V_\beta$ としか交わらないものをとると、$\pi^{-1}(N)$ はこの族の有限個の成員としか交わらない。よって局所有限である。$\square$
この節では $k$ を体とし、$H^*(X)$ は $H^*(X;k)$ を表す。$H^*(P(E))$ を $c\mapsto\pi^*b\smile c$ により $H^*(B)$ 加群とみる。
$\rho\colon E\to B$ を位相空間 $B$ 上の階数 $n\ge1$ の $\mathbb{K}$ ベクトル束、$m\ge1$、$x\in H^m(P(E);k)$ とする。各 $b\in B$ について、$x$ のファイバー $\pi^{-1}(b)$ への制限 $x_b$ の冪 $1,x_b,\dots,x_b^{\,n-1}$ が $H^*(\pi^{-1}(b);k)$ の基底であるとする。このとき次が成り立つ。
prop-sp-local-triviality により $\pi$ はファイバー $\mathbb{K}\mathrm{P}^{n-1}$ のファイバー束であり、lem-sp-projective-cover により $\mathbb{K}\mathrm{P}^{n-1}$ は有限の可縮開被覆をもつ($n=1$ ならファイバーは 1 点で、それ自身が被覆になる)。類 $x^j\in H^{mj}(P(E))$($j=0,\dots,n-1$)の $\pi^{-1}(b)$ への制限は、カップ積の自然性により $x_b^{\,j}$ であり、仮定によりファイバーの基底を与える。Leray–Hirschの定理 の定理「特異コホモロジーの Leray–Hirsch の定理」を当てると 1 を得る。
2:$b\in H^*(B)$ について $\pi^*b=\pi^*b\smile x^0$ は、1 の同型で $b\otimes x^0$ の像である。同型は単射なので、$\pi^*b=0$ なら $b=0$ である。
3:$x^n\in H^{mn}(P(E))$ に 1 を当てると、$b_j\in H^{m(n-j)}(B)$ がただ一組あって $x^n=\sum_{j=0}^{n-1}\pi^*b_j\smile x^j$ となる。$c_i:=-b_{n-i}$ とおけばよく、一意性も 1 の同型の単射性から従う。$\square$
$\rho\colon E\to B$ を階数 $n\ge1$ の実ベクトル束、$g\colon E\to\mathbb{R}^\infty$ をファイバーごとに単射な写像、$a\in H^1(\mathbb{R}\mathrm{P}^\infty;\mathbb{Z}/2)$ を $0$ でない元とし、$x:=P(g)^*a\in H^1(P(E);\mathbb{Z}/2)$ とおく。
1:ファイバーを $\mathbb{R}\mathrm{P}^{n-1}$ と同一視すると $x_b$ は $0$ でない 1 次の類になり、実射影空間 の定理「$\mathbb{Z}/2$ 係数のコホモロジー環」により冪が基底になる。$0$ でないことは、半周して反対側に着く道の上で 2 重被覆の余輪体が $1$ をとることで確かめる。
$n=1$ ならファイバーは 1 点で、$1$ が基底である。$n\ge2$ とし、$b$ を固定して線形同型 $\theta\colon\mathbb{R}^n\to E_b$ をとる。prop-sp-local-triviality の 1 により $\Theta\colon\mathbb{R}\mathrm{P}^{n-1}\to\pi^{-1}(b)$、$[y]\mapsto[\theta(y)]$ は同相写像であり、$P(g)\circ\Theta$ は線形単射 $\phi:=g\circ\theta\colon\mathbb{R}^n\to\mathbb{R}^\infty$ が誘導する写像 $[y]\mapsto\mathbb{R}\phi(y)$ である。よって $\Theta^*x_b=(P(g)\circ\Theta)^*a$ が $H^1(\mathbb{R}\mathrm{P}^{n-1};\mathbb{Z}/2)$ の $0$ でない元であることを示せば、同定理により $1,\Theta^*x_b,\dots,(\Theta^*x_b)^{n-1}$ が基底になり、$\Theta$ は同相写像なので主張を得る。
$\phi(\mathbb{R}^n)$ は有限次元なので、ある $N\ge3$ について $\mathbb{R}^N$ に含まれる。$j\colon\mathbb{R}\mathrm{P}^{n-1}\to\mathbb{R}\mathrm{P}^{N-1}$、$[y]\mapsto[\phi(y)]$ と包含 $i\colon\mathbb{R}\mathrm{P}^{N-1}\to\mathbb{R}\mathrm{P}^\infty$ により $P(g)\circ\Theta=i\circ j$ である。実射影空間 の同定理の証明($\mathbb{R}\mathrm{P}^\infty$ の場合)は、$k< N-1$ について $i^*\colon H^k(\mathbb{R}\mathrm{P}^\infty)\to H^k(\mathbb{R}\mathrm{P}^{N-1})$ が同型であることを示しており、同じ証明(有限の場合)により $H^1(\mathbb{R}\mathrm{P}^{N-1};\mathbb{Z}/2)$ の $0$ でない元は同記事の補題「2 重被覆が定める 1 次の余輪体」の余輪体 $\alpha$ の類である。よって $i^*a=[\alpha]$ である。
$\mathbb{R}^n$ の標準基底を $f_1,f_2,\dots$ とし、$c(u):=\cos(\pi u)f_1+\sin(\pi u)f_2$ とおく。特異 $1$ 単体 $\sigma\colon\Delta^1\to\mathbb{R}\mathrm{P}^{n-1}$ を道 $u\mapsto[c(u)]$ で定めると、始点と終点はともに $[f_1]$ なので $\partial\sigma=0$ である。道 $j\circ\sigma$ は $\lambda(u):=\phi(c(u))/|\phi(c(u))|$ を $S^{N-1}$ への持ち上げにもち、$\lambda$ は $y:=\lambda(0)$ から $\lambda(1)=-y$ へ向かう。同記事の記号で $q\colon S^{N-1}\to\mathbb{R}\mathrm{P}^{N-1}$ を 2 重被覆、$s(p)$ を $q^{-1}(p)$ のうち最初の $0$ でない座標が正の点とする。同補題の 1 により、$y=d_0\,s(q(y))$($d_0=\pm1$)とすると $-y=(-d_0)\,s(q(y))$ なので $\alpha(j\circ\sigma)=1$(符号 $d_0(-d_0)=-1$ にあたる)である。もし $j^*[\alpha]=0$ なら、ある余鎖 $\beta$ で $\alpha\circ j_\sharp=\delta\beta$ となり、$\alpha(j\circ\sigma)=\beta(\partial\sigma)=0$ となって矛盾する。よって $(P(g)\circ\Theta)^*a=j^*i^*a=j^*[\alpha]\ne0$ である。
2:$g_0,g_1$ をファイバーごとに単射な写像とする。ベクトル束 の定理「ファイバーごとに単射な写像の存在と一意性」の 2 により、各 $G_t$ がファイバーごとに単射な連続写像 $G\colon E\times[0,1]\to\mathbb{R}^\infty$ で $G_0=g_0$、$G_1=g_1$ となるものがある。$([v],t)\mapsto\mathbb{R}G(v,t)$ は、$q\times\mathrm{id}$ と合成すると連続であり、lem-sp-quotient の 3 により $P(E)\times[0,1]$ 上で連続である。これは $P(g_0)$ と $P(g_1)$ を結ぶホモトピーなので、特異コホモロジー の定理「ホモトピー不変性」により $P(g_0)^*a=P(g_1)^*a$ である。
3:prop-sp-functoriality の 2 により $P(g'\circ\varphi)=P(g')\circ P(\varphi)$ である。$\square$
複素ベクトル束では、$h\in H^2(\mathbb{C}\mathrm{P}^\infty;\mathbb{Z})$ の生成元から $x:=P(g)^*h$ を作る。各ファイバーで $1,x_b,\dots,x_b^{\,n-1}$ が基底になることは、$H^*(\mathbb{C}\mathrm{P}^{N-1};\mathbb{Z})\cong\mathbb{Z}[h]/(h^N)$(Hat02 Theorem 3.19、p. 220)と、線形単射が誘導する写像 $\mathbb{C}\mathrm{P}^{n-1}\to\mathbb{C}\mathrm{P}^\infty$ が $H^2$ の生成元を生成元に写すことから従うが、この記事では証明しない。これを認めれば、体 $k$ 係数で thm-sp-cohomology が当てはまり、thm-splitting-principle の 2 と同じ証明で $p^*$ は単射になる。整数係数では一般の係数環の Leray–Hirsch の定理(Hat02 Theorem 4D.1、p. 432)を使う。Chern類 の定理「Chern類の分裂原理」はこの形である。
$P(E_1\oplus E_2)$ は $P(E_1)$ と $P(E_2)$ を交わらない閉集合として含み、$P(E_2)$ に入らない直線 $[(v_1,v_2)]$ は $v_2$ を $0$ へ縮めて $P(E_1)$ へ運べる。
$E_1,E_2$ を $B$ 上の階数 $n_1,n_2\ge1$ の $\mathbb{K}$ ベクトル束、$E:=E_1\oplus E_2$ とし、$\iota_1(v):=(v,0)$、$\iota_2(v):=(0,v)$ とする。
要点:$P_1$ は閉集合 $\{v_2=0\}$ の像であり、変形は代表元の上の連続写像 $(v_1,v_2)\mapsto(v_1,tv_2)$ が商写像を通して降りたものである。
1:$\iota_k$ はファイバーごとに単射なので、prop-sp-functoriality の 1 により $P(\iota_k)$ は連続で、明らかに単射である。$E\subset E_1\times E_2$ からの射影 $(v_1,v_2)\mapsto v_2$ は連続であり、$E_2$ の零切断は閉集合なので(lem-sp-quotient の 1)、$\iota_1(E_1)=\{(v_1,v_2)\mid v_2=0\}$ は閉集合である。$A:=\iota_1(E_1)\cap E_0$ は飽和した閉集合で $q^{-1}(P_1)=A$ なので、$q^{-1}(P(E)\setminus P_1)$ は開であり、$P_1$ は閉集合である。lem-sp-quotient の 2 により $q|_A\colon A\to P_1$ は商写像であり、$A\to P(E_1)$、$(v_1,0)\mapsto[v_1]$ は連続なので、逆写像 $P_1\to P(E_1)$ も連続である。$[(v_1,v_2)]\in P_1\cap P_2$ なら $v_1=v_2=0$ となり矛盾する。$k=2$ も同じである。
2:1 から直ちに従う。$U_1=\{[(v_1,v_2)]\mid v_1\ne0\}$ である。
3:$W:=q^{-1}(U_1)=\{(v_1,v_2)\in E\mid v_1\ne0\}$ は飽和した開集合で、$h\colon W\times[0,1]\to W$、$h((v_1,v_2),t):=(v_1,tv_2)$ は lem-sp-quotient の 1 により連続であり、$h(\lambda w,t)=\lambda h(w,t)$ をみたす。$q|_W$ は開写像なので $q|_W\times\mathrm{id}$ は商写像であり、$H\circ(q|_W\times\mathrm{id})=q\circ h$ は連続なので $H$ は連続である。$H_1=\mathrm{id}$、$H_0([(v_1,v_2)])=[(v_1,0)]\in P_1$、$v_2=0$ なら $H_t$ は恒等であり、$h$ は底の点を変えないので $\pi\circ H_t=\pi$ である。包含 $i\colon P_1\to U_1$ と $r:=H_0\colon U_1\to P_1$ について $r\circ i=\mathrm{id}$、$i\circ r=H_0\simeq H_1=\mathrm{id}$ なので、特異コホモロジー の定理「ホモトピー不変性」により $i^*$ は $r^*$ を逆にもつ同型である。
4:前半は prop-sp-tautological の 2、後半は prop-sp-functoriality の 2 と prop-sp-real-class の 3 である。$\square$
射影化をくり返して $E$ を直線束に分ける。各段の計量とファイバーごとに単射な写像は最初の $g$ から受け継ぐ。
$\rho\colon E\to B$ をベクトル束、$g\colon E\to\mathbb{K}^\infty$ をファイバーごとに単射な写像とする。
要点:どれも $g$ との合成または制限であり、3 は $\mathbb{K}^\infty$ の内積の引き戻しである。
1:$f^*E$ の $b'$ 上のファイバー $\{b'\}\times E_{f(b')}$ の上で $f^*g$ は $g|_{E_{f(b')}}$ であり、連続写像 $(b',e)\mapsto e$ と $g$ の合成なので連続である。2:$g$ の制限である。3:各ファイバーで、線形単射 $g|_{E_b}$ による $\mathbb{K}^\infty$ の内積の引き戻しなので内積である。$E\times_BE\to\mathbb{K}^\infty\times\mathbb{K}^\infty$、$(v,w)\mapsto(g(v),g(w))$ は直積位相について連続であり、$\mathbb{K}^\infty$ の内積は直積位相について連続なので(ベクトル束 の補題「無限次元の数空間の直積」)、その複素共役である $(v,w)\mapsto\langle v,w\rangle_g$ は連続である。$\square$
階数 $n\ge1$ の $\mathbb{K}$ ベクトル束 $\rho\colon E\to B$ とファイバーごとに単射な写像 $g$ の組に対し、空間 $\mathrm{Fl}(E)=\mathrm{Fl}(E,g)$ と連続写像 $p\colon\mathrm{Fl}(E)\to B$ を $n$ についての帰納法で定める。
$\rho\colon E\to B$ を階数 $n\ge1$ の $\mathbb{K}$ ベクトル束、$g\colon E\to\mathbb{K}^\infty$ をファイバーごとに単射な写像とし($B$ がパラコンパクト Hausdorff 空間なら必ずある)、$p\colon\mathrm{Fl}(E)\to B$ を旗束とする。
1:$n$ についての帰納法で示す。$n=1$ なら $L_1:=E$、$g_1:=g$ でよい。$n\ge2$ とし、定義の記号を使う。部分束・商束・双対束 の定理「直交補束と商束」の 2 により $\pi^*E\cong L_E\oplus E'$ である。引き戻しは合成と直和に可換なので
$(\pi\circ p')^*E\to p'^*\pi^*E$、$(z,e)\mapsto(z,(p'(z),e))$ と $p'^*(A\oplus A')\to p'^*A\oplus p'^*A'$、$(z,(a,a'))\mapsto((z,a),(z,a'))$ は連続でファイバーごとに線形同型な束写像なので、ベクトル束の直和・テンソル積 の補題「ファイバーごとに同型な束写像は束同型」により束同型である。
$r$ についての帰納法で示す。$r=1$ は 1・2・3 である。$r-1$ 個について $p_0\colon Y_0\to B$ がとれたとする。lem-sp-inherit の 1 により $p_0^*E^r$ はファイバーごとに単射な写像をもつので、その旗束 $p_1\colon Y:=\mathrm{Fl}(p_0^*E^r)\to Y_0$ をとり、$p:=p_0\circ p_1$ とおく。$p^*E^r\cong p_1^*p_0^*E^r$ は 1 により分裂する。$j< r$ については $p_0^*E^j\cong\bigoplus_iL^j_i$ を $p_1$ で引き戻すと、1 の証明と同じ同型により $p^*E^j\cong\bigoplus_ip_1^*L^j_i$ で、各 $p_1^*L^j_i$ は lem-sp-inherit の 1 によりファイバーごとに単射な写像をもつ。$p^*=p_1^*\circ p_0^*$ は単射の合成として単射であり、$Y$ のパラコンパクト Hausdorff 性は 3 による。$\square$
引き戻しと可換な特性類の等式は、$p^*$ で $\mathrm{Fl}(E)$ に引き戻して直線束 $L_1,\dots,L_n$ の類の多項式として確かめ、$p^*$ の単射性で $B$ に戻せばよい。Stiefel–Whitney類 は prop-sp-real-class の関係式 $x^n+\pi^*w_1(E)\,x^{n-1}+\cdots+\pi^*w_n(E)=0$ の係数として定まり、Whitney の和公式に prop-sp-direct-sum、一意性に thm-splitting-principle を使う。一意性では $L_i\cong\bar g_i^{\,*}\gamma^1$ が効く。Chern類 は rem-sp-complex の形で、Pontryagin類 は複素化を通して同じ議論にのる。
2 次元球面の接束 $TS^2$ は階数 $2$ の実ベクトル束で、2 つの実直線束の直和と同型にはならない。一方、旗束 $p\colon\mathrm{Fl}(TS^2)=P(TS^2)\to S^2$(接直線の全体)に引き戻すと、thm-splitting-principle により $p^*TS^2\cong L_{TS^2}\oplus L_{TS^2}^\perp$ と分かれ、$p^*\colon H^*(S^2;\mathbb{Z}/2)\to H^*(P(TS^2);\mathbb{Z}/2)$ は単射である。
$S^2$ 上の実直線束 $L$ はすべて自明であることを示す。$S^2$ はコンパクト Hausdorff なので $L$ は計量をもつ(部分束・商束・双対束 の補題「計量の存在」)。長さ $1$ のベクトルの全体 $S(L)$ は、長さ $1$ の局所枠 $s$ の定義域 $U$ の上で $U\times\{\pm1\}\to S(L)|_U$、$(u,\varepsilon)\mapsto\varepsilon s(u)$ により自明化されるので、$S^2$ の 2 重被覆である。$S^2$ は弧状連結・局所弧状連結で単連結(単連結空間 の命題「球面の単連結性」)なので、持ち上げの判定条件(Hat02 Proposition 1.33、p. 61)により恒等写像は $S(L)$ へ持ち上がり、$L$ の消えない切断が得られる。ベクトル束 の命題「自明性の判定」により $L$ は自明である。
$TS^2\cong L_1\oplus L_2$ なら $TS^2$ は自明になり、毛玉の定理 の系「偶数次元の球面の接束」に反する。
各行は仮定か構成の 1 箇所だけを外す。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 底空間を $\mathrm{Fl}(E)$ に取り替える(thm-splitting-principle の 1) | $S^2$ の接束 $TS^2$(ex-sp-sphere-tangent) | 直線束の直和への分解($B$ の上では起こらない) |
| 直線の全体をとる(prop-sp-real-class で $P(E)$ を単位球面束に替える) | $\mathbb{R}\mathrm{P}^2$ 上のトートロジー直線束の単位球面束 $S^2\to\mathbb{R}\mathrm{P}^2$ | $\mathbb{Z}/2$ 係数のコホモロジーの引き戻しの単射性 |
| 係数を $\mathbb{Z}/2$ にとる(prop-sp-real-class) | 1 点上の $\mathbb{R}^3$ と係数 $\mathbb{Q}$、$P(\mathbb{R}^3)=\mathbb{R}\mathrm{P}^2$ | $H^*(P(E))$ が $1,x,x^2$ を基底とする自由加群になること |
1 行目は ex-sp-sphere-tangent で確かめた。2 行目は $H^1(S^2;\mathbb{Z}/2)=0$、3 行目は $H^1(\mathbb{R}\mathrm{P}^2;\mathbb{Q})=H^2(\mathbb{R}\mathrm{P}^2;\mathbb{Q})=0$ による。
2 行目:$\mathbb{R}\mathrm{P}^2$ 上のトートロジー直線束の長さ $1$ のベクトルの全体は $S^2$ と同相で、射影は 2 重被覆 $S^2\to\mathbb{R}\mathrm{P}^2$ になる(実射影空間 の例「トートロジー直線束」)。$H^1(S^2;\mathbb{Z}/2)=0$(特異コホモロジー の例「球面のコホモロジー」)であり、$H^1(\mathbb{R}\mathrm{P}^2;\mathbb{Z}/2)\cong\mathbb{Z}/2$(実射影空間 の定理「$\mathbb{Z}/2$ 係数のコホモロジー環」)なので、引き戻し $H^1(\mathbb{R}\mathrm{P}^2;\mathbb{Z}/2)\to H^1(S^2;\mathbb{Z}/2)$ は単射でない。
3 行目:$H_0(\mathbb{R}\mathrm{P}^2;\mathbb{Z})=\mathbb{Z}$、$H_1=\mathbb{Z}/2$、$H_2=0$(実射影空間 の定理「実射影空間のホモロジー」)である。特異コホモロジー の定理「普遍係数定理」で、$\operatorname{Hom}(\mathbb{Z}/2,\mathbb{Q})=0$、$\operatorname{Ext}^1_{\mathbb{Z}}(\mathbb{Z},\mathbb{Q})=0$、$\operatorname{Ext}^1_{\mathbb{Z}}(\mathbb{Z}/2,\mathbb{Q})=0$($\mathbb{Q}$ は可除群なので入射的)から $H^1(\mathbb{R}\mathrm{P}^2;\mathbb{Q})=H^2(\mathbb{R}\mathrm{P}^2;\mathbb{Q})=0$ である。よって $H^*(\mathbb{R}\mathrm{P}^2;\mathbb{Q})$ は 1 次元で、どの $x\in H^1$ についても $1,x,x^2$ は基底にならない。$\mathbb{Z}/2$ 係数では prop-sp-real-class によりこれが基底になる。
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