代数曲線(algebraic curve)とは、体 $k$ 上有限型で分離的な整スキームで次元が $1$ のもの、すなわち $k$ 上の 1 次元の代数多様体であり、関数体の超越次数が $1$ であることと同値である。$y^2=x^3+ax+b$ や $x^n+y^n=1$ のような平面曲線が代表例である。閉点での局所環が離散付値環になる点を非特異な点といい、平面曲線の有理点では偏微分が同時に $0$ にならないことと同値である。非特異な曲線の空でない開集合から射影空間への射は曲線全体に延び、非特異な射影曲線は関数体で決まる。曲線であっても、$\mathbb{R}$ 上の $x^2+y^2=-1$ のように体上の点をもつとは限らない。
前提知識: スキーム, Krull次元, 離散付値環, Noetherスキーム
$y^2=x^3-x$ や $x^n+y^n=1$ のような 2 変数の多項式の零点の集まりは、昔から「曲線」として調べられてきた。現代の代数幾何学では、体 $k$ 上の代数曲線を「$k$ 上の 1 次元の代数多様体」、すなわち $k$ 上有限型で分離的な整スキームで次元が $1$ のものとして定義する。こうすると、平面の曲線だけでなく、射影平面の中の曲線、高い次元の空間の中の曲線、どこにも埋め込まない抽象的な曲線を同じ言葉で扱え、$\mathbb{Q}$ や有限体の上の曲線も、係数を広げずにそのまま扱える。
曲線では、点の近くの様子が 1 つの数で測れるほど単純である。特異点のない(非特異な)閉点では局所環が離散付値環になり、関数の零や極の位数が定まる。このことから、射影空間への有理写像は非特異な曲線の上ではどこまでも延び、非特異な射影曲線は関数体だけで決まる。複素数体上の非特異な射影曲線は、複素点の全体がコンパクトなリーマン面になり、その種数が曲線の最も基本的な不変量である。
以下、$k$ は体とする。スキーム $X$ が整であるとは、$X$ が空でなく、空でないすべての開集合 $U$ について $\mathcal{O}_X(U)$ が整域であることをいう(スキーム の定義「スキームの基本的な形容詞」)。整スキーム $X$ はただ 1 つの生成点 $\eta$ をもち、その局所環 $K(X):=\mathcal{O}_{X,\eta}$ は体である。これを $X$ の関数体という。$X$ の空でないアフィン開集合 $\operatorname{Spec}A$ について $A$ は整域で、$K(X)$ は $A$ の商体に等しい。
条件 (iii) は関数体の言葉で言い換えられる。$C$ の空でないアフィン開集合 $\operatorname{Spec}A$ では $A$ は $k$ 上有限生成な整域なので、Krull次元 の定理「体上有限生成な環の次元」により $\dim A=\operatorname{trdeg}_kK(C)$ である。$C$ はこのようなアフィン開集合有限個で覆われ、その次元の最大が $C$ の次元なので、次の同値が成り立つ。
$$
\dim C=1\iff\operatorname{trdeg}_kK(C)=1.
$$
すなわち曲線とは、関数体が「独立な変数を 1 個だけもつ」$k$ 上の整な代数多様体である。この定義は Stacks Tag 0A23(Varieties の Definition 43.1。多様体は Tag 020D の Definition 3.1)と同じである。
$C$ を $k$ 上の曲線とし、$\eta$ を生成点とする。
要点:アフィン開集合 $\operatorname{Spec}A$ では $A$ は $k$ 上有限生成な 1 次元の整域なので、$0$ でない素イデアルは極大で高さ $1$ である。ここから 1・2 が従い、3 は $C$ が Noetherスキームで既約成分が有限個であることから従う。
$\operatorname{Spec}A\subset C$ を空でないアフィン開集合とする。$A$ は $k$ 上有限生成な整域で $\dim A=1$ である。Krull次元 の定理「体上有限生成な環の次元」の 3 により、$A$ の素イデアル $\mathfrak{p}$ について $\operatorname{ht}\mathfrak{p}+\dim A/\mathfrak{p}=1$ である。$\mathfrak{p}\neq0$ なら $\operatorname{ht}\mathfrak{p}\ge1$ なので $\dim A/\mathfrak{p}=0$ であり、整域 $A/\mathfrak{p}$ は次元 $0$ だから体、すなわち $\mathfrak{p}$ は極大イデアルである。よって $\operatorname{Spec}A$ の点は $(0)$(これが $\eta$)と極大イデアル($\operatorname{Spec}A$ の閉点)だけであり、極大イデアル $\mathfrak{m}$ の高さは $1$ である。
1.$x\neq\eta$ とする。$x$ を含むアフィン開集合 $U$ の中で $x$ は閉点である。$x$ を含まないアフィン開集合 $U'$ については、$y\in\overline{\{x\}}\cap U'$ があれば、$U'$ は $y$ の開近傍なので $x$ を含まなければならず矛盾する。よって $\overline{\{x\}}\cap U'=\emptyset$ である。アフィン開集合は $C$ を覆うので、$\overline{\{x\}}=\{x\}$、すなわち $x$ は閉点である。
2.$p\in\operatorname{Spec}A$ が極大イデアル $\mathfrak{m}$ に対応するとき $\mathcal{O}_{C,p}=A_{\mathfrak{m}}$ である。これは Noether 環(Noether環 の系「有限生成代数」と命題「局所化への遺伝」)の局所化なので Noether 局所環であり、整域 $A$ の局所化なので整域で、商体は $A$ の商体 $K(C)$ である。$A_{\mathfrak{m}}$ の素イデアルは $\mathfrak{m}$ に含まれる $A$ の素イデアルと 1 対 1 に対応するので、$\dim A_{\mathfrak{m}}=\operatorname{ht}\mathfrak{m}=1$ である。
3.$C$ は $k$ 上有限型なので Noetherスキーム であり、底空間は Noether 位相空間である。$Z\subsetneq C$ を閉集合とすると、$Z$ は有限個の既約閉集合 $Z_1,\dots,Z_r$ の和であり(Noetherスキーム の系「既約成分の有限性」)、各 $Z_i$ はただ 1 つの生成点 $z_i$ をもつ。$z_i=\eta$ なら $Z_i=\overline{\{\eta\}}=C$ となり $Z\neq C$ に反するので、1 により $z_i$ は閉点で、$Z_i=\{z_i\}$ である。よって $Z=\{z_1,\dots,z_r\}$ は閉点の有限集合である。後半は、$C\setminus(U\cup\{p\})=(C\setminus U)\setminus\{p\}$ が閉点の有限集合なので閉集合であることによる。$\square$
定数でない既約多項式 $f\in k[x,y]$ に対し、$C_f:=\operatorname{Spec}k[x,y]/(f)$ を $f=0$ で定まるアフィン平面曲線という。
$F\in k[x,y,z]$ を $d\ge1$ 次の既約な斉次多項式とする。射影平面 $\mathbb{P}^2_k$ の 3 つのアフィン開集合 $D_+(x)=\operatorname{Spec}k[y/x,z/x]$、$D_+(y)=\operatorname{Spec}k[x/y,z/y]$、$D_+(z)=\operatorname{Spec}k[x/z,y/z]$ の中で、それぞれ $F(1,y/x,z/x)$、$F(x/y,1,z/y)$、$F(x/z,y/z,1)$ で定まる閉部分スキームは重なりの上で一致して貼り合わさり、$\mathbb{P}^2_k$ の閉部分スキーム $V_+(F)$ を定める(Vak25 Exercise 4.5.S)。これを $F=0$ で定まる $d$ 次の射影平面曲線という。$d=1$ のものを直線、$d=2$ のものを 2 次曲線(conic)、$d=3$ のものを 3 次曲線という。
定数でない既約多項式 $f\in k[x,y]$ について、$C_f$ は $k$ 上の曲線である。
要点:$(f)$ は素イデアルで高さが $1$ なので、$\dim k[x,y]/(f)=2-1=1$ である。
$k[x,y]$ は一意分解整域なので、既約元 $f$ の生成するイデアル $(f)$ は素イデアルであり、$A:=k[x,y]/(f)$ は整域である。$A$ は $k$ 上有限生成なので $C_f$ は $k$ 上有限型であり、アフィンなので分離的である。次元を求める。$(f)$ の高さは $1$ である。実際 $0\subsetneq(f)$ であり、$0\neq\mathfrak{q}\subset(f)$ となる素イデアル $\mathfrak{q}$ をとると、$\mathfrak{q}$ の $0$ でない元の既約因子の 1 つ $g$ が $\mathfrak{q}$ に属し、$g\in(f)$ から $g$ は $f$ の単元倍なので $(f)\subset\mathfrak{q}$ となる。Krull次元 の定理「体上有限生成な環の次元」の 1・3 により $\operatorname{ht}(f)+\dim A=\dim k[x,y]=2$ なので、$\dim A=1$ である。$\square$
射影平面曲線 $V_+(F)$ も $k$ 上の曲線である。3 つのアフィン部分は、空でなければ、非斉次化した多項式が既約なので上の命題により曲線であり、それらが貼り合わさって整な分離的スキームになる。
たとえば $D_+(z)$ の部分を考える。$F$ が $z$ の定数倍なら $D_+(z)$ の部分は空である。そうでなければ $g(X,Y):=F(X,Y,1)$ は定数でなく、$g=g_1g_2$($g_1,g_2$ は定数でない)と分解すれば、斉次化して $F=z^mG_1G_2$($G_i$ は $g_i$ の斉次化で、次数は $1$ 以上)となり、$F$ の既約性に反する。よって $g$ は既約で、この部分は曲線である。ほかの 2 つの部分も同じである。空でない 2 つの部分の共通部分は、それぞれの部分の中で空でない開集合である($D_+(x)$ の部分の中の $D_+(x)\cap D_+(z)$ は $z/x$ が消えない所で、$z/x$ が $F(1,y/x,z/x)$ で割り切れるのは $F$ が $z$ の定数倍のときに限る)。既約な開集合で覆われ、どの 2 つも交わる空間は既約であり、被約性は各部分で確かめられるので、$V_+(F)$ は被約かつ既約、すなわち整である(スキーム の定義「スキームの基本的な形容詞」)。分離性は射影的な $k$ スキームの一般論による(Vak25 11.2.15)。次元は空でないアフィン部分の次元 $1$ に等しい。
$C$ を $k$ 上の曲線とし、$p$ を閉点、$\mathfrak{m}_p$ を局所環 $\mathcal{O}_{C,p}$ の極大イデアル、$\kappa(p)$ を剰余体とする。$\kappa(p)$ 上のベクトル空間 $\mathfrak{m}_p/\mathfrak{m}_p^2$ を $p$ における Zariski 余接空間という。
$\dim_{\kappa(p)}\mathfrak{m}_p/\mathfrak{m}_p^2=1$ であるとき、$p$ は $C$ の非特異な点(正則な点、nonsingular point)であるといい、そうでないとき特異点(singular point)であるという。すべての閉点が非特異である曲線を非特異な曲線という。
$\mathcal{O}_{C,p}$ は次元 $1$ の Noether 局所整域なので(prop-acv-points の 2)、$p$ が非特異であることは $\mathcal{O}_{C,p}$ が次元 $1$ の正則局所環であることにほかならず、離散付値環 の定理「離散付値環の特徴づけ」の 4 ⇒ 1 により、これは次と同値である。
$$
p\text{ が非特異}\iff\mathcal{O}_{C,p}\text{ は離散付値環}.
$$
このとき $\mathcal{O}_{C,p}$ の正規化された付値 $v_p\colon K(C)^\times\to\mathbb{Z}$ が定まり、関数 $h\in K(C)^\times$ の $p$ での零の位数($v_p(h)>0$)や極の位数($v_p(h)<0$)が測れる。$\mathfrak{m}_p=(t)$ となる $t$ を $p$ での局所パラメータ(一意化元)という。
$k$ が完全体(標数 $0$ の体や有限体)なら、非特異な曲線は構造射が滑らかな射である曲線($k$ 上滑らかな曲線)と同じものであり、この場合は「滑らかな曲線」ともいう(Vak25 13.2.7、Exercise 13.2.R)。完全体でない $k$ の上では 2 つは異なる。
たとえば $p>2$ を素数、$k=\mathbb{F}_p(u)$ とすると、曲線 $y^2=x^p-u$ の閉点 $(y,x^p-u)$ は非特異だが、そこで $k$ 上滑らかでない(Vak25 13.2.9)。
曲線の閉点 $p$ の近くでは、関数の「$p$ での消え方」が問題になる。非特異な点では局所環が離散付値環なので、$p$ で消える関数はすべて局所パラメータ $t$ の冪と単元の積 $t^n u$ に書け、消え方は整数 $n$ ひとつで測れる。これは複素関数論で、正則関数の零点の位数や有理型関数の極の位数が定まるのと同じ状況である。特異点では、たとえば尖点 $y^2=x^3$ の原点のように、$x$ と $y$ のどちらも「局所パラメータ」にならず、消え方を 1 つの整数では測れない。
非特異な曲線の上では、射影空間への写像を「分母を払う」ことで有限個の点の上まで延ばせる(thm-acv-extension)。このため非特異な射影曲線は、有限個の点を除いた開集合からも、さらには関数体からも復元できる。曲線の研究が関数体(超越次数 $1$ の体)の研究とほぼ同じになるのはこのためである。
$\mathbb{A}^1_k=\operatorname{Spec}k[t]$ は $k$ 上の曲線で、関数体は有理関数体 $k(t)$ である。閉点は $k[t]$ のモニックな既約多項式に対応し、どの局所環 $k[t]_{(p(t))}$ も離散付値環なので非特異である。射影直線 $\mathbb{P}^1_k$ は、$\operatorname{Spec}k[t]$ と $\operatorname{Spec}k[s]$ を $D(t)$ と $D(s)$ で $s=1/t$ により貼り合わせたもので、非特異な射影曲線である。これは射影平面の直線 $V_+(z)$ と同型である。
$V_+(xz-y^2)\subset\mathbb{P}^2_k$ は非特異な 2 次曲線で、$\mathbb{P}^1_k$ と同型である(thm-acv-conic)。$k$ の標数が $2$ でなければ、単位円の射影版 $V_+(x^2+y^2-z^2)$ も同型である(ex-acv-circle)。一方 $\mathbb{R}$ 上の $V_+(x^2+y^2+z^2)$ は、係数を $\mathbb{C}$ に広げれば $\mathbb{P}^1_{\mathbb{C}}$ と同型になる 2 次曲線だが、$\mathbb{R}$ 有理点をもたないので $\mathbb{P}^1_{\mathbb{R}}$ と同型でない(ex-acv-no-real-conic)。
$k$ の標数が $2,3$ でないとし、$a,b\in k$ とする。アフィン平面曲線 $y^2=x^3+ax+b$ は、$4a^3+27b^2\neq0$ のとき $k$ 有理点に特異点をもたない(thm-acv-jacobian の後の計算)。射影閉包 $V_+(y^2z-x^3-axz^2-bz^3)$ は、このアフィン曲線に無限遠の点 $[0:1:0]$ を 1 つ加えたもので、$k$ が代数閉体で $4a^3+27b^2\neq0$ なら非特異な射影曲線になる。これが楕円曲線の Weierstrass 形である(楕円曲線 の命題「滑らかさと判別式」)。図の左の $y^2=x^3-x$ は $a=-1$、$b=0$、$4a^3+27b^2=-4\neq0$ の場合である。
$n\ge2$ とし、$k$ の標数が $n$ を割らないとする。$f:=x^n+y^n-1$ は既約である。
$x^n-1$ は $x-1$ でちょうど 1 回だけ割り切れる($x=1$ での微分が $n\neq0$)ので、$k[x]$ の素元 $x-1$ について Eisenstein の判定法を $y$ の多項式 $y^n+(x^n-1)\in k[x][y]$ に使えばよい。
$k$ の標数は $2$ でないとする。$y^2=x^2(x+1)$ と $y^2=x^3$ は、どちらも原点が特異点で、それ以外の $k$ 有理点では非特異である(thm-acv-jacobian で $f=f_x=f_y=0$ を解くと原点だけが残る)。原点の近くで、前者は 2 本の接線 $y=\pm x$ をもつ($f$ の最低次の部分が $y^2-x^2=(y-x)(y+x)$)。これを結節点(node)という。後者は接線が $y=0$ の 1 本だけで、曲線がそこで折り返す。これを尖点(cusp)という。
実数の点を描いた 3 つの平面曲線。左は特異点のない y^2=x^3-x、中は原点に結節点をもつ y^2=x^2(x+1)、右は原点に尖点をもつ y^2=x^3
図は $\mathbb{R}$ 上の 3 つの曲線の実点である。左の $y^2=x^3-x$ には特異点がなく、実点は 2 つの部分に分かれる。中の結節点では曲線が自分自身と 2 方向で交わり、右の尖点では曲線が原点で尖る。特異点をもつ 2 つの曲線は、どちらも媒介変数表示 $x=t^2-1$、$y=t(t^2-1)$(結節点)、$x=t^2$、$y=t^3$(尖点)をもつ。
条件を外したときに崩れることを並べる。確かめは表の下にある。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 非特異 | 尖点 $y^2=x^3$ | 点の上で全単射な射が同型であること、局所環が離散付値環であること |
| $k$ が代数閉体 | $\mathbb{R}$ 上の $x^2+y^2=-1$ | 曲線が $k$ 有理点をもつこと |
| 整(既約かつ被約) | $xy=0$、$y^2=0$ | 定義の条件 (i)。1 次元のスキームだが曲線ではない |
$k$ を代数閉体、$C:=\operatorname{Spec}A$、$A:=k[x,y]/(y^2-x^3)$ とし、環準同型 $\varphi\colon A\to k[t]$、$x\mapsto t^2$、$y\mapsto t^3$ が定める射 $\nu\colon\mathbb{A}^1_k\to C$ を考える。$\nu$ は点の集合の間の全単射だが、同型ではない。
$\varphi$ は単射で、像は $t$ の 1 次の項をもたない多項式の全体 $k[t^2,t^3]$ なので、$t$ が像に入らず $\varphi$ は同型でない。したがって $\nu$ も同型でない(アフィンスキームの射は環準同型と 1 対 1 に対応する)。一方、閉点 $(a,b)$($b^2=a^3$)の逆像は、$a\neq0$ なら $t=b/a$ だけ、$a=0$ なら $t=0$ だけである。
単射であること:$A$ の元は $g(x)+h(x)y$($g,h\in k[x]$)の形にただ 1 通りに書け、$\varphi(g(x)+h(x)y)=g(t^2)+h(t^2)t^3$ は、$g(t^2)$ が偶数次の項だけ、$h(t^2)t^3$ が奇数次の項だけからなるので、$0$ になるのは $g=h=0$ のときに限る。像が $k[t^2,t^3]$ であることも同じ式から分かる。
全単射であること:閉点について、$c\in k$ に対応する点は $(c^2,c^3)$ に写る。$b^2=a^3$ をみたす $(a,b)\in k^2$ について、$a\neq0$ なら $t=b/a$ は $t^2=b^2/a^2=a^3/a^2=a$、$t^3=b^3/a^3=b^3/b^2=b$ をみたし、$t^2=a$、$t^3=b$ から $t=t^3/t^2=b/a$ と決まるので、ただ 1 つの逆像である。$a=0$ なら $b=0$ で、$t^2=0$ から逆像は $t=0$ だけである。生成点は、$\varphi$ が単射なので生成点に写る。
$f:=x^2+y^2+1\in\mathbb{R}[x,y]$ は既約なので、$C_f$ は $\mathbb{R}$ 上の曲線である。
1 次式の積に分解すると、各因子 $\alpha x+\beta y+\gamma$($(\alpha,\beta)\neq(0,0)$)は $\mathbb{R}^2$ に零点をもつので $f$ も実数の零点をもつことになるが、$a^2+b^2+1>0$ だからそれはない。
$\operatorname{Spec}k[x,y]/(xy)$(2 本の座標軸の和)は既約でなく、$\operatorname{Spec}k[x,y]/(y^2)$($x$ 軸を 2 重にしたもの)は被約でない。どちらも $k$ 上有限型で次元 $1$ だが、整でないので、この記事の意味の曲線ではない。文献によっては、このような 1 次元のスキームも「曲線」とよぶ(その場合は「整な曲線」「既約な曲線」と断る)。
また、「曲線」の次元は代数的な次元である。$\mathbb{C}$ 上の非特異な曲線の複素点は、通常の位相では実 2 次元の曲面(リーマン面)になる。たとえば $\mathbb{A}^1_{\mathbb{C}}$ の複素点は複素平面 $\mathbb{C}$ である。
平面曲線の $k$ 有理点が非特異かどうかは、偏微分で判定できる。$f\in k[x,y]$ の偏微分 $f_x,f_y$ は形式的に定義する($x^iy^j$ を $ix^{i-1}y^j$、$jx^iy^{j-1}$ に送る)。
$f\in k[x,y]$ を定数でない既約多項式、$C=C_f$ とし、$(a,b)\in k^2$ は $f(a,b)=0$ をみたすとする。対応する $k$ 有理点 $p$ について
$$
\dim_k\mathfrak{m}_p/\mathfrak{m}_p^2=\begin{cases}1&(f_x(a,b),f_y(a,b))\neq(0,0)\text{ のとき},\\2&(f_x(a,b),f_y(a,b))=(0,0)\text{ のとき}\end{cases}
$$
である。とくに、$p$ が非特異であるための必要十分条件は $(f_x(a,b),f_y(a,b))\neq(0,0)$ である。
座標を $x\mapsto x+a$、$y\mapsto y+b$ でずらすと($k$ 代数の自己同型で、偏微分の値も対応する)、$(a,b)=(0,0)$ としてよい。$R:=k[x,y]$、$M:=(x,y)\subset R$、$A:=R/(f)$、$\mathfrak{m}:=M/(f)$ とおく。$f(0,0)=0$ なので $f\in M$ であり、$\mathfrak{m}$ は $p$ に対応する $A$ の極大イデアルで、$\mathcal{O}_{C,p}=A_{\mathfrak{m}}$ である。
段 1(局所化を外す).$\mathfrak{m}_p/\mathfrak{m}_p^2\cong\mathfrak{m}/\mathfrak{m}^2$ である。
$\mathfrak{m}/\mathfrak{m}^2$ は $A/\mathfrak{m}=k$ 上のベクトル空間で、$s\in A\setminus\mathfrak{m}$ の掛け算はその上で可逆($s$ は $\mathfrak{m}$ を法として $0$ でない定数と合同)なので、局所化しても変わらない。局所化は完全なので $(\mathfrak{m}/\mathfrak{m}^2)_{\mathfrak{m}}=\mathfrak{m}_p/\mathfrak{m}_p^2$ である。
この判定法は Vak25 Exercise 13.1.I($k$ 有理点での Zariski 余接空間を Jacobi 行列の余核で計算する)の平面曲線の場合である。$k$ 有理点でない閉点でも、剰余体が $k$ 上分離的なら同じ判定ができる(Vak25 13.1.8)。
$k$ の標数が $2,3$ でないとし、$f=y^2-g(x)$、$g(x)=x^3+ax+b$ とする。$f_y=2y=0$ から $y=0$、すると $f=0$ と $f_x=-g'(x)=0$ から、$x$ は $g$ の重根である。$g$ が $k$ の中で重根をもつことは、判別式 $-(4a^3+27b^2)$ が $0$ であることと同値である($g$ と $g'$ の終結式は $4a^3+27b^2$)。したがって $4a^3+27b^2\neq0$ なら、$y^2=x^3+ax+b$ は $k$ 有理点に特異点をもたない。$a=b=0$ の $y^2=x^3$ では $g=x^3$ が 3 重根 $0$ をもち、原点が特異点である。
非特異な点の上では、射影空間への写像は必ず延びる。証明の考え方は「分母を払う」ことである。射影空間 $\mathbb{P}^n_k$ は $n+1$ 個のアフィン開集合 $D_+(x_j)=\operatorname{Spec}k[x_0/x_j,\dots,x_n/x_j]$($x_j/x_j=1$ を除いた $n$ 変数)で覆われる(スキーム の例「射影空間の貼り合わせ」)。$k$ スキーム $V$ から $D_+(x_j)$ への $k$ 射は、$k$ 代数の準同型 $k[x_0/x_j,\dots,x_n/x_j]\to\mathcal{O}_V(V)$、すなわち $n$ 個の関数 $g_i\in\mathcal{O}_V(V)$($x_i/x_j$ の行き先、$i\neq j$)と 1 対 1 に対応する(スキーム の命題「アフィンスキームへの射と大域切断」)。この射を $[g_0:\cdots:g_n]$($g_j=1$)と書く。
$C$ を $k$ 上の曲線、$U\subset C$ を空でない開集合、$p\in C\setminus U$ を非特異な閉点とする。このとき任意の $k$ 射 $\varphi\colon U\to\mathbb{P}^n_k$ は、開集合 $U\cup\{p\}$ 上の $k$ 射にただ 1 通りに延びる。
$U\cup\{p\}$ が開集合であることは prop-acv-points の 3 による。
段 1(関数で表す).$\varphi(U)$ と交わる $D_+(x_j)$ を 1 つ選び、$U':=\varphi^{-1}(D_+(x_j))$ とおく。これは空でない開集合で、$\varphi|_{U'}$ は関数 $f_i:=\varphi^\sharp(x_i/x_j)\in\mathcal{O}_C(U')$($f_j=1$)で与えられる。$C$ は整なので、空でない開集合上の関数は関数体 $K(C)$ の元とみなせる(制限写像は単射で、どれも $K(C)$ に入る)。
段 2(分母を払う).$p$ は非特異なので $\mathcal{O}_{C,p}$ は離散付値環であり、その商体は $K(C)$ である(prop-acv-points の 2)。付値を $v_p$、局所パラメータを $t$ とする。$f_j=1\neq0$ なので $N:=\min\{v_p(f_i)\mid f_i\neq0\}$ は整数であり、$g_i:=t^{-N}f_i$ とおくと、すべての $i$ で $g_i\in\mathcal{O}_{C,p}$、かつ $v_p(g_l)=0$ となる $l$ がある。$g_l$ は $\mathcal{O}_{C,p}$ の単元である。茎の元は近傍の上の切断の芽なので、$p$ の開近傍 $V$ を十分小さくとれば、すべての $g_i$ は $\mathcal{O}_C(V)$ の元で、$g_l$ は $\mathcal{O}_C(V)$ の単元である。
段 3(新しい射).$\psi\colon V\to D_+(x_l)\subset\mathbb{P}^n_k$ を、$x_i/x_l\mapsto g_i/g_l$ で与えられる射とする。
段 4(一致の確認).$h:=f_l=t^Ng_l\in K(C)$ は $0$ でないので、$W:=\{y\in U'\cap V\mid h\text{ は }y\text{ で消えない}\}$ は空でない開集合である。$D_+(x_j)\cap D_+(x_l)$ は $D_+(x_j)$ の中で $x_l/x_j$ が消えない所なので、$\varphi(W)\subset D_+(x_l)$ であり、$W$ 上で
$$
\varphi^\sharp(x_i/x_l)=\frac{\varphi^\sharp(x_i/x_j)}{\varphi^\sharp(x_l/x_j)}=\frac{f_i}{f_l}=\frac{t^{-N}f_i}{t^{-N}f_l}=\frac{g_i}{g_l}=\psi^\sharp(x_i/x_l)
$$
が $K(C)$ の中で、したがって $\mathcal{O}_C(W)$ の中で成り立つ。よって $\varphi|_W=\psi|_W$ である。
段 5(貼り合わせ).$U\cap V$ は整スキームなので被約であり、$\mathbb{P}^n_k$ は $k$ 上分離的である。被約なスキームから分離的なスキームへの 2 つの射が稠密な開集合で一致すれば全体で一致する(Vak25 11.3.2)ので、$\varphi$ と $\psi$ は $U\cap V$ 上で一致する。よって $\varphi$ と $\psi$ は貼り合わさって $U\cup V$ 上の射になり、$U\cup\{p\}$ に制限すればよい。一意性も同じ定理による($U$ は $U\cup\{p\}$ で稠密)。$\square$
この定理は Vak25 15.3.1(Curve-to-Projective Extension Theorem)の体上の曲線の場合である。prop-acv-points の 3 により、空でない開集合 $U$ の補集合は閉点の有限集合なので、1 点ずつ延ばして次を得る。
$C$ を $k$ 上の非特異な曲線、$U\subset C$ を空でない開集合とすると、任意の $k$ 射 $U\to\mathbb{P}^n_k$ は $C$ 全体の $k$ 射にただ 1 通りに延びる。
$C\setminus U=\{p_1,\dots,p_r\}$ は閉点の有限集合である(prop-acv-points の 3)。thm-acv-extension を $U$、$U\cup\{p_1\}$、…、$U\cup\{p_1,\dots,p_{r-1}\}$ に順に使えば、$C$ 全体に延びる。各段の延長は一意なので、全体の延長も一意である。$\square$
仮定を外すと延長は一般にできない(Vak25 Exercise 15.3.A)。
| 外す条件 | 反例 | 延びないこと |
|---|---|---|
| $p$ が非特異 | 尖点 $C=\operatorname{Spec}k[x,y]/(y^2-x^3)$、$p$=原点、$\varphi=[x:y]$ | $\varphi$ は原点に延びない |
| 定義域が曲線(1 次元) | $\mathbb{A}^2_k$、$p$=原点、$\varphi=[x:y]$ | $\varphi$ は原点に延びない |
| 行き先が射影空間 | $\mathbb{A}^1_k$、$p=0$、$t\mapsto1/t\in\mathbb{A}^1_k$ | 原点に延びない |
$C\setminus\{0\}$ の上で $[x:y]=[1:y/x]$ であり、$u:=y/x\in K(C)$ は $u^2=x$、$u^3=y$ をみたす($C$ の座標環は $x=u^2$、$y=u^3$ で $k[u^2,u^3]\subset k(u)=K(C)$ と同一視できる)。延長 $\bar\varphi$ があるとすると、原点の像は $D_+(x_0)$ か $D_+(x_1)$ に入る。前者なら $\bar\varphi^\sharp(x_1/x_0)=u$ が原点の近くで正則、すなわち $u\in\mathcal{O}_{C,0}$ となる。後者なら $1/u\in\mathcal{O}_{C,0}$ となる。$\mathcal{O}_{C,0}$ の元は $a/b$($a,b\in k[u^2,u^3]$、$b$ の定数項は $0$ でない)と書ける。$u=a/b$ なら $ub=a$ の $u$ の 1 次の係数を比べて、左辺は $b$ の定数項($0$ でない)、右辺は $0$ で矛盾する。$1/u=a/b$ なら $b=ua$ の定数項を比べて矛盾する。
cor-acv-extension を使うと、次の分類の原理が示される:体 $k$ 上の非特異な射影曲線 $C,C'$ の空でない開集合どうしが同型なら(すなわち $C$ と $C'$ が双有理なら。双有理写像)、$C$ と $C'$ は同型である。さらに、$k$ 上の非特異な射影曲線と全射な $k$ 射のなす圏は、$k$ 上有限生成で超越次数 $1$ の体と $k$ 準同型のなす圏の反対圏と圏同値であり、曲線 $C$ に関数体 $K(C)$ を対応させる(Vak25 16.3.3。この記事では証明しない)。たとえば $K(C)\cong k(t)$ となる非特異な射影曲線は $\mathbb{P}^1_k$ に同型である。
任意の体 $k$ について、$Q:=V_+(xz-y^2)\subset\mathbb{P}^2_k$ は $\mathbb{P}^1_k$ と同型である。同型は斉次座標で $[s:t]\mapsto[s^2:st:t^2]$ と書ける。
$\mathbb{P}^1_k$ は、$\operatorname{Spec}k[a]$($a=t/s$)と $\operatorname{Spec}k[b]$($b=s/t$)を、開集合 $D(a)$ と $D(b)$ で $b=1/a$ により貼り合わせたものである。$Q$ も同じ貼り合わせで得られることを示す。$Y:=y/x$、$Y':=y/z$ とおくと、$Q\cap D_+(x)\cong\operatorname{Spec}k[Y]$、$Q\cap D_+(z)\cong\operatorname{Spec}k[Y']$ であり、この 2 つで $Q$ が覆われる。
$D_+(x)$ の座標 $Y=y/x$、$Z:=z/x$ で $Q\cap D_+(x)=\operatorname{Spec}k[Y,Z]/(Z-Y^2)\cong\operatorname{Spec}k[Y]$($Z=Y^2$)である。$D_+(z)$ の座標 $X':=x/z$、$Y'=y/z$ で $Q\cap D_+(z)=\operatorname{Spec}k[X',Y']/(X'-Y'^2)\cong\operatorname{Spec}k[Y']$($X'=Y'^2$)である。$Q\cap D_+(y)=\operatorname{Spec}k[x/y,z/y]/((x/y)(z/y)-1)$ では $x/y$ が単元なので、$Q\cap D_+(y)\subset D_+(x)$ であり、$Q=(Q\cap D_+(x))\cup(Q\cap D_+(z))$ となる。
$k$ の標数が $2$ でないとき、$V_+(x^2+y^2-z^2)\cong\mathbb{P}^1_k$ である。斉次座標の 1 次変換 $u:=z+x$、$w:=z-x$(逆は $x=(u-w)/2$、$z=(u+w)/2$)は $\mathbb{P}^2_k$ の自己同型を与え、$x^2+y^2-z^2=y^2-uw$ なので $V_+(x^2+y^2-z^2)$ を $V_+(uw-y^2)$ に写す。thm-acv-conic と合わせると、同型 $\mathbb{P}^1_k\to V_+(x^2+y^2-z^2)$ は
$$
[s:t]\longmapsto[s^2-t^2:2st:s^2+t^2]
$$
となる($u=s^2$、$y=st$、$w=t^2$ から $x=(s^2-t^2)/2$、$z=(s^2+t^2)/2$ を 2 倍した)。$k=\mathbb{Q}$ で $s,t$ に整数を入れると、$(s^2-t^2)^2+(2st)^2=(s^2+t^2)^2$ というピタゴラス数の公式になる(ピタゴラス数と円の有理点)。
$k=\mathbb{R}$、$Q':=V_+(x^2+y^2+z^2)$ とする。$Q'$ の $\mathbb{R}$ 有理点は、どれかのアフィン部分、たとえば $D_+(z)$ の部分では $a^2+b^2+1=0$ をみたす $(a,b)\in\mathbb{R}^2$ に対応するが、そのような実数はない。ほかの部分も同じなので、$Q'$ は $\mathbb{R}$ 有理点をもたない。一方 $\mathbb{P}^1_{\mathbb{R}}$ は $\mathbb{R}$ 有理点 $[1:0]$ をもつ。$\mathbb{R}$ 上の同型は $\mathbb{R}$ 有理点の全体 $\operatorname{Hom}_{\mathbb{R}}(\operatorname{Spec}\mathbb{R},-)$ の間の全単射を引き起こすので、$Q'$ は $\mathbb{P}^1_{\mathbb{R}}$ と同型でない。係数を $\mathbb{C}$ に広げると、$x^2+y^2+z^2=x^2+y^2-(iz)^2$ なので、1 次変換 $z\mapsto iz$ により ex-acv-circle に帰着し、$\mathbb{P}^1_{\mathbb{C}}$ と同型になる。
一般に、標数が $2$ でない体の上で、係数を代数閉包に広げても 2 本の直線に分解しない 2 次曲線(階数 3 の 2 次形式で定まるもの)は、$k$ 有理点を 1 つでももてば $\mathbb{P}^1_k$ と同型である(Vak25 7.5.10)。有理点 $p$ を通る直線の傾きが、$p$ 以外の交点を 1 対 1 に表すからである。有理点をもつかどうかは数論的な問題で、ex-acv-no-real-conic の曲線は $\mathbb{R}$ 上ですでに点をもたない。
$k$ 上の非特異な射影曲線 $C$ で $\Gamma(C,\mathcal{O}_C)=k$ となるもの(たとえば $k$ が代数閉体のとき)について、$g(C):=\dim_kH^1(C,\mathcal{O}_C)$ を $C$ の種数(genus)という。$d$ 次の射影平面曲線 $C$ については $\dim_kH^1(C,\mathcal{O}_C)=(d-1)(d-2)/2$ である(Vak25 18.6.7。この記事では証明しない)。したがって非特異な平面曲線の種数は、直線と 2 次曲線で $0$、3 次曲線で $1$、4 次曲線で $3$、5 次曲線で $6$ である。とくに 3 次以上の非特異な平面曲線は $\mathbb{P}^1_k$(種数 $0$)と同型でない。
$k=\mathbb{C}$ のとき、非特異な射影曲線の複素点はコンパクトなリーマン面になり、上の $g(C)$ はその位相的な種数(穴の数)に等しい(種数 の節「代数曲線の種数」)。射影的で幾何学的に整な非特異曲線のうち、種数 $0$ のものは射影平面の 2 次曲線として実現でき、さらに $k$ 有理点をもてば $\mathbb{P}^1_k$ と同型である(Vak25 19.3.1–19.3.2)。種数 $1$ で有理点をもつ曲線が楕円曲線である。
代数曲線とリーマン面は、どちらも「1 次元」の対象だが、次元の数え方と道具が異なる。
| $k$ 上の代数曲線 | リーマン面 | |
|---|---|---|
| 定義 | $k$ 上の 1 次元の代数多様体 | 連結な 1 次元の複素多様体 |
| 位相 | Zariski 位相(真の閉集合は有限集合) | 通常の位相(実 2 次元の曲面) |
| 関数 | 正則関数と関数体 $K(C)$ の元 | 正則関数と有理型関数 |
| 点の近く | 非特異な点では局所環が離散付値環 | どの点にも局所座標 $z$ がある |
| 基礎体 | 任意の体($\mathbb{Q}$、有限体など) | $\mathbb{C}$ だけ |
曲線の定義には流儀の違いがある。文献によっては、多様体の定義で基礎体を代数閉体に限ったり既約性を課したりし(Vak25 5.3.7 の注意)、曲線の議論を射影的・幾何学的に整・非特異な曲線に限ることも多い(Vak25 Chapter 19 の冒頭)。この記事の定義(Stacks Tag 0A23 と同じ)はそれらを特別な場合として含む。どの流儀でも、曲線の性質の多くは基礎体の性質(代数閉か、完全体か)に左右されるので、文献を読むときは基礎体の仮定を確かめる必要がある。
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