2次錐

同義語:quadric cone

概要

2次錐(quadric cone)とは、体 $k$ 上の方程式 $xy=z^2$ で定まるアフィン曲面 $X=\operatorname{Spec}k[x,y,z]/(xy-z^2)$ のことである。座標環は偶数次の単項式の環 $k[s^2,st,t^2]$ と同型で、$X$ は頂点だけを特異点にもつ 2 次元の正規な整スキームである。因子類群は頂点を通る直線 $L$ の類で生成される $\mathbb{Z}/2\mathbb{Z}$ で、$L$ は Cartier 因子でなく Picard 群は $0$ であり、正規だが一意分解整域でない環の基本的な例になる。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: Weil因子, Cartier因子, 正規環, 一意分解整域, Krull次元

2次錐(quadric cone)は、体 $k$ 上の方程式 $xy=z^2$ で定まるアフィン曲面
$$ X=\operatorname{Spec}A,\qquad A=k[x,y,z]/(xy-z^2) $$
である。原点(頂点)だけを特異点にもつ 2 次元の正規な整スキームで、因子の理論でもっとも小さな「例外」の見本になる。$A$ は正規だが一意分解整域でなく($xy=z\cdot z$)、因子類群は $\operatorname{Cl}(X)\cong\mathbb{Z}/2\mathbb{Z}$、頂点を通る直線 $L=V(x,z)$ は Weil 因子だが Cartier 因子でなく、Picard 群は $0$ である。
幾何的には、2 次錐は平面 $\mathbb{A}^2$ を原点に関する点対称 $(s,t)\mapsto(-s,-t)$ で割った商であり(標数が $2$ でないとき)、また円錐曲線の上のアフィン錐でもある。どの見方からも $A\cong k[s^2,st,t^2]$ という表示が得られ、これが以下の計算の出発点になる。

定義

2次錐と頂点

$k$ を体とする。$A:=k[x,y,z]/(xy-z^2)$ とし、$X:=\operatorname{Spec}A$ を 2次錐(quadric cone)という。$x,y,z$ の $A$ における像も同じ文字で書く。極大イデアル $\mathfrak{m}:=(x,y,z)$ に対応する点 $O$ を頂点という。素イデアル $\mathfrak{p}:=(x,z)$、$\mathfrak{p}':=(y,z)$ の定める閉集合 $L:=V(\mathfrak{p})$、$L':=V(\mathfrak{p}')$ を頂点を通る母線という($A/\mathfrak{p}\cong k[y]$、$A/\mathfrak{p}'\cong k[x]$ は整域)。

$xy-z^2$ は斉次なので、$A$ は $\deg x=\deg y=\deg z=1$ で次数付き環になり、$A_0=k$、$A_1=kx\oplus ky\oplus kz$ である。標数が $2$ でない体では、$x=w+u$、$y=w-u$、$z=v$ と変数を取り替えると $xy-z^2=w^2-u^2-v^2$ となり、$k=\mathbb{R}$ なら 2 次錐は円錐 $u^2+v^2=w^2$ である。

構造

2次錐の構造

$k$ を体とする(標数は任意)。

  1. $\varphi(x)=s^2$、$\varphi(y)=t^2$、$\varphi(z)=st$ で定まる $k$ 代数の射 $\varphi\colon A\to k[s,t]$ は、$A$ から偶数次の単項式で張られる部分環 $A':=k[s^2,st,t^2]$ への同型である。とくに $A$ は整域である。
  2. $\dim A=2$ であり、$A$ は正規(整閉整域)である。
  3. $X\setminus\{O\}=D(x)\cup D(y)$ で、$D(x)\cong\operatorname{Spec}k[x,x^{-1},z]$、$D(y)\cong\operatorname{Spec}k[y,y^{-1},z]$ はともに正則である。一方 $\dim_k\mathfrak{m}/\mathfrak{m}^2=3>2=\dim A_\mathfrak{m}$ なので、$X$ は頂点 $O$ で正則でない。
単項式の比較と偶数次部分

1:$A$ では $z^2=xy$ だから、$A$ は $k$ 上の単項式 $x^ay^bz^\varepsilon$($a,b\ge0$、$\varepsilon\in\{0,1\}$)で張られる。$\varphi(x^ay^bz^\varepsilon)=s^{2a+\varepsilon}t^{2b+\varepsilon}$ であり、$(p,q)=(2a+\varepsilon,2b+\varepsilon)$ から $\varepsilon\equiv p\pmod2$、$a=(p-\varepsilon)/2$、$b=(q-\varepsilon)/2$ が復元できる。$p\equiv q\pmod 2$ となる単項式 $s^pt^q$ はちょうどこの形で現れ、これらは $A'$ の $k$ 基底である。したがって $\varphi$ は $A$ の生成系を $A'$ の基底へ全単射に送るので、その生成系は $A$ の基底であり、$\varphi\colon A\to A'$ は同型である。$A'\subset k[s,t]$ は整域である。
2:$s^2,t^2\in A'$ だから $k[s,t]$ は $A'$ 上整であり、Krull 次元は整拡大で変わらないので(AM69 Corollary 5.9、Theorem 5.11)$\dim A'=\dim k[s,t]=2$ である。正規性を示す。$K':=\operatorname{Frac}(A')\subset k(s,t)$ とおく。$s\notin K'$ である:$s=g/h$($g,h\in A'$、$h\ne0$)なら $sh=g$ だが、左辺の単項式は $s,t$ の次数の和が奇数、右辺は偶数なので $g=sh=0$ となり矛盾する。次に $k[s,t]\cap K'=A'$ である:$f\in k[s,t]\cap K'$ を偶数次の部分 $f_e$ と奇数次の部分 $f_o$ に分けると $f_o\in K'$ で、$f_o\ne0$ なら $f_o/s=f_os/s^2\in K'$ から $s=f_o/(f_o/s)\in K'$ となり矛盾する。よって $f=f_e\in A'$ である。最後に $u\in K'$ が $A'$ 上整なら $k[s,t]$ 上も整であり、一意分解整域は整閉なので(整閉整域 の定理「一意分解整域の整閉性」)$u\in k[s,t]\cap K'=A'$ である。
3:$V(x)\cap V(y)=V(x,y,z^2)=\{O\}$ だから $X\setminus\{O\}=D(x)\cup D(y)$ である。$A_x$ では $y=z^2/x$ なので $A_x=k[x,x^{-1},z]$ であり(1 の同型で $k[s^2,s^{-2},st]$ に対応し、$s^2,st$ は代数的独立)、これは正則環(多項式環の局所化)である。$D(y)$ も同様である。頂点では、$k[x,y,z]$ の極大イデアル $\mathfrak{M}=(x,y,z)$ について $xy-z^2\in\mathfrak{M}^2$ だから $\mathfrak{m}/\mathfrak{m}^2\cong\mathfrak{M}/\mathfrak{M}^2$ は $x,y,z$ の類を基底とする $3$ 次元の空間である。$A$ は体上有限生成な $2$ 次元の整域で $A/\mathfrak{m}=k$ だから $\operatorname{ht}\mathfrak{m}=2$(Har77 I Theorem 1.8A、p. 6)、すなわち $\dim A_\mathfrak{m}=2<3$ であり、$A_\mathfrak{m}$ は正則局所環でない。$\square$

2 つの見方
  1. 商として:標数が $2$ でないとき、$\iota(s,t)=(-s,-t)$ で生成される位数 $2$ の群 $G$ について $\iota$ は $s^pt^q$ を $(-1)^{p+q}s^pt^q$ に送るので、不変な多項式は $p+q$ が偶数の項だけからなり、$k[s,t]^G=k[s^2,st,t^2]$ である。1 により $X\cong\mathbb{A}^2_k/G$ である(有限群による商)。頂点は固定点 $0$ の像で、固定点をもつ作用の商に現れる特異点の典型である。標数 $2$ では $\iota$ は恒等写像だが、$A\cong k[s^2,st,t^2]$(偶数次部分)という表示はそのまま成り立つ。
  2. 錐として:$xy-z^2$ は円錐曲線 $C=V_+(xy-z^2)\subset\mathbb{P}^2_k$ を定め、$X$ は $C$ の上のアフィン錐である。$C$ は 2 次の Veronese 埋め込みによる $\mathbb{P}^1$ の像であり、$k$ が代数閉体のとき、2次錐は 射影錐 の例「有理正規曲線の上の錐」の $d=2$ の場合にあたる。

因子類群

thm-qc-structure により $X$ は Noether 正規整スキームなので、Weil因子 の条件 $(*)$ をみたし、因子類群 $\operatorname{Cl}(X)$ が定義される。

2次錐の因子類群

$k$ を体とする(標数は任意)。

  1. $L$ と $L'$ は素因子であり、$\operatorname{div}(x)=2L$、$\operatorname{div}(y)=2L'$、$\operatorname{div}(z)=L+L'$ である。
  2. $\operatorname{Cl}(X)\cong\mathbb{Z}/2\mathbb{Z}$ であり、$[L]=[L']$ が生成元である。
開集合への制限と余接空間

素因子であること。$A/\mathfrak{p}\cong k[y]$ は $1$ 次元の整域なので、$\dim A=2$ と Har77 I Theorem 1.8A(p. 6)により $\operatorname{ht}\mathfrak{p}=2-1=1$ であり、$L$ は素因子である。$L'$ も同様である。
主因子の計算。$x\in A$ なので、すべての素因子 $Y$ で $\operatorname{ord}_Y(x)\ge0$ であり、$\operatorname{ord}_Y(x)>0$ となるのは $Y\subset V(x)$ のときに限る。$V(x)=V(x,z^2)=V(x,z)=L$ だから、そのような $Y$ は $L$ だけである。$\mathcal{O}_{X,L}=A_\mathfrak{p}$ では $y\notin\mathfrak{p}$ が単元で、$x=z^2y^{-1}$ だから $\mathfrak{p}A_\mathfrak{p}=(x,z)A_\mathfrak{p}=zA_\mathfrak{p}$ である。よって $z$ は離散付値環 $A_\mathfrak{p}$ の素元で、$\operatorname{ord}_L(z)=1$、$\operatorname{ord}_L(x)=2$、すなわち $\operatorname{div}(x)=2L$ である。$x$ と $y$ の役割を入れ替えて $\operatorname{div}(y)=2L'$ を得る。$V(z)=V(z,xy)=L\cup L'$ で、$\operatorname{ord}_L(z)=1$、同様に $\operatorname{ord}_{L'}(z)=1$ だから $\operatorname{div}(z)=L+L'$ である。
$[L]$ が生成すること。$U:=X\setminus L=D(x)=\operatorname{Spec}A_x$ で、thm-qc-structure の 3 により $A_x\cong k[x,x^{-1},z]$ は一意分解整域 $k[x,z]$ の局所化なので一意分解整域である。Weil因子 の命題「一意分解性と因子類群」により $\operatorname{Cl}(U)=0$ であり、同記事の定理「開集合への制限の完全列」の完全列 $\mathbb{Z}\xrightarrow{1\mapsto[L]}\operatorname{Cl}(X)\to\operatorname{Cl}(U)=0$ から $\operatorname{Cl}(X)$ は $[L]$ で生成される。$2[L]=[\operatorname{div}(x)]=0$ である。
$[L]\ne0$ であること。$L$ が主因子なら、Weil因子 の補題「素因子が主因子であることと単項性」により $\mathfrak{p}=(x,z)$ は単項イデアルであり、$k=A/\mathfrak{m}$ 上のベクトル空間 $\mathfrak{p}/\mathfrak{m}\mathfrak{p}$ の次元は $1$ 以下になる。ところが $A$ の次数付けで $\mathfrak{p}$ の $1$ 次の部分は $kx\oplus kz$ であり、$\mathfrak{m}\mathfrak{p}$ は $2$ 次以上の元だけからなるので、$x,z$ の類は $\mathfrak{p}/\mathfrak{m}\mathfrak{p}$ で一次独立であり、$\dim_k\mathfrak{p}/\mathfrak{m}\mathfrak{p}\ge2$ である。矛盾するので $[L]\ne0$、$\operatorname{Cl}(X)=\{0,[L]\}\cong\mathbb{Z}/2\mathbb{Z}$ である。最後に $[L']=[\operatorname{div}(z)]-[L]=-[L]=[L]$ である。$\square$

この計算は Har77 II Example 6.5.2(pp. 133–134)にある。上の証明は正規性を thm-qc-structure の 2 で示しているので、標数 $2$ の体でもそのまま成り立つ。

Cartier 因子と Picard 群

Cartier でない母線と自明な Picard 群

$k$ を体とする。

  1. $\mathfrak{p}A_\mathfrak{m}$ は単項イデアルでない。したがって $L$ は頂点のどの近傍でも 1 つの方程式で定義される閉部分スキームでなく、$L$ は Cartier 因子でない。
  2. $\operatorname{Pic}(X)=0$ である。
  3. $A$ は一意分解整域でない。実際 $x,y,z$ は $A$ の既約元で、$xy=z\cdot z$ は既約元への本質的に異なる 2 通りの分解である。
中山の補題と次数

1:prf-qc-class-group で見たとおり $\dim_k\mathfrak{p}/\mathfrak{m}\mathfrak{p}\ge2$ であり、$\mathfrak{p}A_\mathfrak{m}/\mathfrak{m}\mathfrak{p}A_\mathfrak{m}=\mathfrak{p}/\mathfrak{m}\mathfrak{p}$ だから、中山の補題により $\mathfrak{p}A_\mathfrak{m}$ を生成するには $2$ 個以上の元が要る。$X$ は正規なので、素因子 $L$ が Cartier 因子なら $L$ は局所的に 1 つの方程式で定義され、$L$ のイデアル層は局所的に単項になる(Cartier因子 の系「正規スキーム上の有効性とイデアル層」)。頂点での茎 $\mathfrak{p}A_\mathfrak{m}$ が単項でないので、$L$ は Cartier 因子でない。
2:$X$ は正規なので、Cartier 因子の類から Weil 因子の類への写像は単射で、$\operatorname{Pic}(X)\cong\operatorname{CaCl}(X)\hookrightarrow\operatorname{Cl}(X)$ であり、像は局所的に主因子である Weil 因子の類である(Weil因子 の定理「Cartier因子とWeil因子」の 2・4)。$\operatorname{Cl}(X)=\{0,[L]\}$ で、$[L]$ が像に入るなら $L=D+\operatorname{div}(f)$($D$ は局所的に主因子)と書け、$L$ も局所的に主因子になって 1 に反する。よって像は $0$ で、$\operatorname{Pic}(X)=0$ である。
3:$\operatorname{Cl}(X)\ne0$ なので、Weil因子 の命題「一意分解性と因子類群」により $A$ は一意分解整域でない。具体的に、$A$ は $A_0=k$ の次数付き整域なので、単元は $k^\times$ の元だけであり、$a=bc$ なら最高次の斉次成分どうしと最低次の斉次成分どうしの積が $a$ の斉次成分になる。$a$ が $1$ 次の斉次元なら $b,c$ は斉次で次数の和が $1$ になり、一方は単元である。よって $x,y,z$ は既約元である。$A_1$ は $x,y,z$ を基底とするので、$z$ は $x$ とも $y$ とも同伴でない。$\square$

$\operatorname{Cl}(X)\cong\mathbb{Z}/2\mathbb{Z}$ と $\operatorname{Pic}(X)=0$ の差は頂点の特異性から生じる。頂点を除いた $X\setminus\{O\}$ は正則なので、その上では Weil 因子と Cartier 因子が一致する(Weil因子 の定理「Cartier因子とWeil因子」の 3)。$L$ が Cartier でないのは頂点の 1 点だけの現象であり、この差を頂点の局所環だけで測るのが 局所Picard群 である。$L$ に付随する層 $\mathcal{O}_X(L)$ は階数 $1$ の反射的層だが可逆層でない(反射的層)。

例

4 変数の 2次錐

$B:=k[x,y,z,w]/(xy-zw)$、$Y:=\operatorname{Spec}B$ とし、$P:=V(x,z)$、$P':=V(y,w)$ とする。$P,P'$ はどちらも平面 $\mathbb{A}^2_k$ に同型な $Y$ の閉集合で、$P\cap P'$ は原点 $0$ だけである。$xy-zw$ は $x$ について $1$ 次で係数 $y$ と $-zw$ が互いに素だから既約で、$B$ は整域である。$(xy-zw)$ は高さ $1$ なので(Krullの単項イデアル定理)、Har77 I Theorem 1.8A(p. 6)により $\dim B=4-1=3$ である。$P$ は $2$ 次元なので $Y$ の余次元 $1$ の既約閉集合である。
このとき $P$ は、原点の近くで集合としても 1 つの方程式で切り出せない。すなわち、原点の開近傍 $W\subset Y$ と $f\in\mathcal{O}_Y(W)$ で $V(f)=P\cap W$ となるものは存在しない。2次錐の母線 $L$ が集合としては $V(x)$ に等しかったのと対照的である。
証明。そのような $W,f$ があるとする。$P'\cong\operatorname{Spec}k[y,w]$ の原点での局所環を $R:=k[y,w]_{(y,w)}$ とし、$f$ の $R$ での像を $g$ とする。$0\in P$ だから $g$ は $R$ の極大イデアル $\mathfrak{n}$ に属する。$\operatorname{Spec}R$ の点は原点の一般化なので $W$ に含まれ、$V(f)\cap P'\cap W=P\cap P'\cap W=\{0\}$ から、$g$ を含む $R$ の素イデアルは $\mathfrak{n}$ だけである。すると $\mathfrak{n}$ は $(g)$ の上で極小な素イデアルで、Krullの単項イデアル定理 の定理「Krullの一般高さ定理」により高さは $1$ 以下である。しかし $\operatorname{ht}\mathfrak{n}=\dim R=2$ であり、矛盾する。$\square$
$B$ も一意分解整域でない(一意分解整域なら高さ $1$ の素イデアル $(x,z)$ は単項で、$P$ は 1 つの方程式で切り出せてしまう)。$k$ が代数閉体なら $Y$ の類群は $\mathbb{Z}$ である(射影錐 の例「非特異2次曲面の上の錐」)。

条件を外したときの反例

2次錐は、因子の理論の基本的な含意について、仮定を 1 つ外すと結論が崩れることを示す。

外す条件反例成り立たなくなること
類群が $0$(一意分解性の特徴づけ「正規かつ $\operatorname{Cl}=0$」の後半)$A=k[x,y,z]/(xy-z^2)$$A$ が一意分解整域であること($A$ は正規)
局所分解性(Cartier と Weil の一致の仮定)母線 $L=V(x,z)$正規スキームの Weil 因子が Cartier 因子であること
局所分解性($\operatorname{Pic}\cong\operatorname{Cl}$ の仮定)2次錐 $X$$\operatorname{Pic}(X)\cong\operatorname{Cl}(X)$($0\ne\mathbb{Z}/2\mathbb{Z}$)
$(f)$ が根基イデアルであること$f=x$、$V(x)=L$$V(f)=V(\mathfrak{p})$ から $\mathfrak{p}=(f)$ が従うこと

表の 1〜3 行目は thm-qc-class-group と prop-qc-picard で確かめた。4 行目:$V(x)=L$ だから $\sqrt{(x)}=\mathfrak{p}$ であり、$(x)$ は根基イデアルでない。$z\notin(x)$($(x)$ の元の $1$ 次の斉次成分は $kx$ に属する)なので $(x)\ne\mathfrak{p}$ である。$L$ は集合としては 1 つの方程式で切り出せるが、そのイデアルは単項でない。

補足

  • 特異点の解消:頂点での爆発は、円錐曲線 $C\cong\mathbb{P}^1$ の上の可逆層 $\mathcal{O}(-2)$ の全空間であり、例外曲線は自己交点数 $-2$ の $\mathbb{P}^1$ である。射影的な閉包の頂点を爆発すると Hirzebruch 曲面 $\mathbb{F}_2$ が得られる(線織曲面、Hirzebruch曲面)。2次錐の頂点は $A_1$ 型の有理二重点とも呼ばれる。
  • 射影錐:$k$ が代数閉体のとき、$\mathbb{P}^3$ の中の射影的な 2 次錐 $V_+(xy-z^2)$ の類群は $\mathbb{Z}$ で、頂点を通る直線の類が生成し、超平面切断はその $2$ 倍に線型同値である(射影錐 の例「有理正規曲線の上の錐」)。

関連項目

参考文献

[1]
Robin Hartshorne, Algebraic Geometry, Springer, 1977, I Theorem 1.8A(p. 6)、II Example 6.5.2(pp. 133–134)
[2]
Michael F. Atiyah, Ian G. Macdonald, Introduction to Commutative Algebra, Addison-Wesley, 1969, Corollary 5.9(p. 61)・Theorem 5.11(p. 62)(整拡大と Krull 次元)

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