定常集合(stationary set)とは、正則な非可算基数 $\kappa$ の部分集合で、$\kappa$ のすべての閉非有界集合(club)と交わるものである。club を「ほとんどすべて」とみなしたときの「正の大きさ」にあたり、濃度では測れない。後続順序数全体は非有界でも定常でなく、正則基数 $\lambda<\kappa$ について共終数 $\lambda$ の点全体は定常だが club を含むとは限らない。club が $\kappa$ 未満個の共通部分と対角共通部分に閉じることから、定常集合上の退行的関数はある定常部分集合で定数になるという Fodor の補題が従い、その逆も成り立つ。共終数 $\omega$ の点からなる定常集合は、Fodor の補題を使って互いに交わらない $\kappa$ 個の定常集合に分けられ、一般の定常集合でも成り立つ(Solovay)。
定常集合(stationary set)は、正則な非可算基数 $\kappa$ の部分集合のうち、「閉非有界集合を 1 つも避けられない」ほど大きいものである。閉非有界集合(club 集合)は $\kappa$ の中で「ほとんどすべて」とみなす集合であり、定常集合はそれと必ず交わる集合、すなわち「測度が正」とみなせる集合にあたる。
この「大きさ」は濃度では測れない。$\omega_1$ の後続順序数全体も極限順序数全体も濃度 $\aleph_1$ だが、前者は定常でなく、後者は定常である。定常集合の価値は Fodor の補題 にある。定常集合の上の関数が各点で「その点より小さい値」を取るなら、値はある定常部分集合の上で 1 つにそろう。有限集合での鳩の巣原理に似た一様化が、非可算の順序数の上で成り立つ。
以下、ZFC で考え、$\kappa$ は正則な非可算基数とする。$\kappa$ を $\kappa$ 未満の順序数の集合とみなす。正則とは $\operatorname{cf}(\kappa)=\kappa$、すなわち $\kappa$ 未満個の $\kappa$ 未満の順序数の上限がつねに $\kappa$ 未満であることをいう。$\kappa$ が非可算なので、可算個の $\kappa$ 未満の順序数の上限も $\kappa$ 未満である。
$C\subset\kappa$ について次のように定める。
(i) $C$ が非有界であるとは、任意の $\gamma<\kappa$ に対し $\gamma<\beta$ となる $\beta\in C$ があることをいう。
(ii) $C$ が閉であるとは、極限順序数 $0<\delta<\kappa$ が $\sup(C\cap\delta)=\delta$ を満たすなら $\delta\in C$ となることをいう。
(iii) 閉かつ非有界な $C$ を閉非有界集合、略して club という。
条件 (ii) は、「$C$ の空でない部分集合 $X$ の上限が $\kappa$ 未満なら、$\sup X\in C$」と同じである($\sup X$ は $X$ の最大元か、$C$ の元が下から限りなく近づく極限順序数である)。これは $\kappa$ の順序位相での閉集合の条件と一致する。
club は有限個どころか $\kappa$ 未満個の共通部分でも club のまま残る。さらに「対角」に $\kappa$ 個の共通部分を取っても club である。この 2 つが定常集合の理論の土台である。
$0<\lambda<\kappa$ とし、各 $i<\lambda$ について $C_i$ を club とする。このとき $\bigcap_{i<\lambda}C_i$ は club である。
要点:各 $C_i$ の元を順に上へ拾っていく長さ $\omega$ の列を作ると、その上限にはすべての $C_i$ の元が下から近づくので、閉性からすべての $C_i$ に属する。
閉であること:極限順序数 $\delta$ で $\sup(\bigcap_iC_i\cap\delta)=\delta$ なら、各 $i$ で $\sup(C_i\cap\delta)=\delta$ だから $\delta\in C_i$ である。
非有界であること:$\gamma<\kappa$ を任意にとる。$\beta_0:=\gamma$ とし、$\beta_{n+1}:=\sup_{i<\lambda}\min(C_i\setminus(\beta_n+1))$ と定める。各 $C_i$ は非有界なので右辺の最小元は存在し、$\lambda<\kappa$ と $\kappa$ の正則性から $\beta_{n+1}<\kappa$ である。$\beta_n<\beta_{n+1}$ であり、各 $i$ について $C_i$ は区間 $(\beta_n,\beta_{n+1}]$ に元をもつ。$\beta:=\sup_{n<\omega}\beta_n$ とおくと、$\kappa$ が非可算かつ正則なので $\beta<\kappa$ であり、$\beta$ は $0$ でない極限順序数である。各 $i$ で $C_i\cap\beta$ は $\beta$ の中で非有界だから、閉性より $\beta\in C_i$ である。よって $\beta\in\bigcap_iC_i$ かつ $\beta>\gamma$ である。$\square$
$\kappa$ 個の club の共通部分は空になりうる。末尾区間 $C_\alpha:=\{\beta\mid\alpha<\beta<\kappa\}$ はどれも club だが、$\bigcap_{\alpha<\kappa}C_\alpha=\emptyset$ である。そこで、点 $\delta$ では $\delta$ より前の添字の条件だけを課す。
$\kappa$ の部分集合の族 $(C_\alpha)_{\alpha<\kappa}$ の対角共通部分を
$$
\mathop{\triangle}_{\alpha<\kappa}C_\alpha:=\Bigl\{\,\delta<\kappa\ \Bigm|\ \text{すべての }\alpha<\delta\text{ について }\delta\in C_\alpha\,\Bigr\}
$$
と定める。
末尾区間の族では、$\delta\in C_\alpha$($\alpha<\delta$)は常に成り立つから、対角共通部分は $\kappa$ 全体になる。
各 $C_\alpha$($\alpha<\kappa$)が club なら、$\mathop{\triangle}_{\alpha<\kappa}C_\alpha$ は club である。
$D:=\mathop{\triangle}_{\alpha<\kappa}C_\alpha$ とおく。
閉であること:極限順序数 $\delta$ で $\sup(D\cap\delta)=\delta$ とする。$\alpha<\delta$ を固定すると、$D$ の元で $\alpha<\beta<\delta$ となる $\beta$ はすべて $C_\alpha$ に属する($D$ の定義)。よって $\sup(C_\alpha\cap\delta)=\delta$ で、$C_\alpha$ の閉性から $\delta\in C_\alpha$ である。$\alpha<\delta$ は任意だから $\delta\in D$ である。
非有界であること:$\gamma<\kappa$ をとる。$\beta_0:=\gamma+1$ とし、$\beta_{n+1}$ を $\bigcap_{\alpha\le\beta_n}C_\alpha$ の元で $\beta_n$ より大きいものとする。これは $\beta_n+1<\kappa$ 個の club の共通部分なので lem-st-club-intersection から非有界であり、選べる。$\beta:=\sup_n\beta_n<\kappa$ とおく。$\alpha<\beta$ なら、ある $n$ で $\alpha\le\beta_n$ であり、$m\ge n$ のすべてで $\beta_{m+1}\in C_\alpha$ である。よって $\sup(C_\alpha\cap\beta)=\beta$ で、$\beta\in C_\alpha$ である。したがって $\beta\in D$ かつ $\beta>\gamma$ である。$\square$
club を含む集合全体は、$\kappa$ 未満個の共通部分と対角共通部分に閉じたフィルターをなす。これを 閉非有界フィルター といい、上の 2 つの補題はその完備性と正規性の中身である。
$S\subset\kappa$ が $\kappa$ の定常集合であるとは、任意の club $C\subset\kappa$ について $S\cap C\ne\emptyset$ となることをいう。定常でない集合を非定常という。
(i) 定常集合は非有界である。
(ii) club は定常である。
(iii) $S$ が定常で $C$ が club なら、$S\cap C$ は定常である。
(iv) $\lambda<\kappa$ 個の非定常集合の和集合は非定常である。
(i) $S$ が $\gamma<\kappa$ で上から押さえられるなら、末尾区間 $\{\beta\mid\gamma<\beta<\kappa\}$ は club で $S$ と交わらない。
(ii) club $C$ と任意の club $D$ について、$C\cap D$ は lem-st-club-intersection から club であり、非有界なので空でない。
(iii) 任意の club $D$ について $C\cap D$ は club なので、$S\cap(C\cap D)\ne\emptyset$ である。これは $(S\cap C)\cap D\ne\emptyset$ ということである。
(iv) 非定常集合 $N_i$($i<\lambda$)ごとに、$N_i$ と交わらない club $C_i$ を選ぶ。$\lambda=0$ なら和集合は空で非定常である。$\lambda>0$ なら $\bigcap_iC_i$ は club で、$\bigcup_iN_i$ と交わらない。$\square$
(iv) から、定常集合 $S$ を $\kappa$ 未満個の部分に分けると、少なくとも 1 つの部分は定常である。定常集合は「小さい個数に分けても大きさが残る」集合である。
$\kappa$ の後続順序数全体 $S:=\{\alpha+1\mid\alpha<\kappa\}$ は非有界で濃度 $\kappa$ をもつ。しかし club $\mathrm{Lim}_\kappa$(ex-st-club-examples の (2))と交わらないので、$S$ は非定常である。$\mathrm{Lim}_\kappa$ 自身は club なので定常である。
次の例は、定常集合が必ずしも club を含まないことを示す。無限の正則基数 $\lambda<\kappa$ について、共終数が $\lambda$ の順序数の集合を
$$
E^{\kappa}_{\lambda}:=\{\,\delta<\kappa\mid \operatorname{cf}(\delta)=\lambda\,\}
$$
とおく。
$\lambda<\kappa$ を無限の正則基数とすると、$E^{\kappa}_{\lambda}$ は $\kappa$ の定常集合である。
club $C$ を任意にとり、その元を小さい順に $c_0< c_1<\dots< c_\xi<\cdots$ と並べる。$C$ は非有界で $\kappa$ は正則だから、この番号づけは $\xi<\kappa$ すべてに渡る。$\delta:=\sup_{\xi<\lambda}c_\xi$ とおくと、$\lambda<\kappa$ と正則性から $\delta<\kappa$ であり、$\lambda$ が極限順序数なので $\delta$ は $C$ の元が下から近づく極限順序数である。閉性から $\delta\in C$ である。
$\xi\mapsto c_\xi$($\xi<\lambda$)は $\lambda$ から $\delta$ への狭義単調増加な共終写像なので $\operatorname{cf}(\delta)\le\lambda$ である。逆に $\mu<\lambda$ と共終写像 $g\colon\mu\to\delta$ があったとする。各 $\zeta<\mu$ に、$g(\zeta)< c_\xi$ となる最小の $\xi<\lambda$ を対応させる写像 $\mu\to\lambda$ は、$\lambda$ の中で非有界になる(そうでなければ、ある $\xi_0<\lambda$ で $g$ の値がすべて $c_{\xi_0}$ 未満になり、$g$ が共終であることに反する)。これは $\lambda$ の正則性 $\operatorname{cf}(\lambda)=\lambda$ に反する。よって $\operatorname{cf}(\delta)=\lambda$ であり、$\delta\in C\cap E^\kappa_\lambda$ である。$\square$
$\kappa=\omega_2$ とすると、$E^{\omega_2}_{\omega}$ と $E^{\omega_2}_{\omega_1}$ はどちらも定常で、互いに交わらない。したがって、どちらも club を含まない(club を含めば、もう一方がその club と交わるはずである)。定常であることと club を含むことは違う。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| $\kappa$ が非可算 | $\kappa=\omega$:偶数全体と奇数全体 | 2 つの club が交わる |
| 定常(非有界だけにする) | $\kappa$ の後続順序数全体 $S$、$f(\alpha+1)=\alpha$ | Fodor の補題(定値な値の集合が定常) |
| 退行的($f(\alpha)<\alpha$) | $S=\mathrm{Lim}_\kappa$、$f(\alpha)=\alpha$ | Fodor の補題(ある値の逆像が定常) |
| 結論を「club 上で定値」に強める | $\kappa=\omega_2$、$S=E^{\omega_2}_\omega\cup E^{\omega_2}_{\omega_1}$、$E^{\omega_2}_\omega$ 上で $0$、$E^{\omega_2}_{\omega_1}$ 上で $1$ | 逆像が club を含む |
1 行目:$\omega$ の部分集合では、$0<\delta<\omega$ となる極限順序数がないので、閉性の条件は空である。したがって非有界な集合はすべて club であり、偶数全体と奇数全体は交わらない 2 つの club である。$\kappa=\omega$ では「定常」は意味のある概念にならない。
2 行目:$f(\alpha+1)=\alpha$ は後続順序数全体の上で退行的かつ単射である。どの値の逆像も 1 点で、定常にならない(そもそも $S$ が非定常なので、その部分集合も非定常である)。
3 行目:恒等写像は退行的でない。単射なので、どの値の逆像も 1 点である。
4 行目:$\alpha\ge\omega$ だから $0<\alpha$、$1<\alpha$ で、$f$ は退行的である。逆像 $f^{-1}(\{0\})=E^{\omega_2}_\omega$、$f^{-1}(\{1\})=E^{\omega_2}_{\omega_1}$ は定常だが、ex-st-disjoint のとおりどちらも club を含まない。Fodor の補題の結論は「定常」であって「club」には強められない。
関数 $f\colon S\to\kappa$ が各 $\alpha\in S$ で $f(\alpha)<\alpha$ を満たすとき、$f$ を退行的(regressive)という。$f(0)<0$ となる順序数はないので、退行的関数の定義域は $0$ を含まない。
$S\subset\kappa$ を定常集合、$f\colon S\to\kappa$ を退行的な関数とする。このとき、ある $\beta<\kappa$ について $\{\alpha\in S\mid f(\alpha)=\beta\}$ は定常である。
すべての $\beta<\kappa$ について $S_\beta:=\{\alpha\in S\mid f(\alpha)=\beta\}$ が非定常だと仮定する。各 $\beta$ について、$S_\beta$ と交わらない club $C_\beta$ を選ぶ。lem-st-diagonal-club により $D:=\mathop{\triangle}_{\beta<\kappa}C_\beta$ は club である。$S$ は定常なので $\alpha\in S\cap D$ がとれる。$\beta:=f(\alpha)$ とおくと、$f$ が退行的なので $\beta<\alpha$ である。$\alpha\in D$ と対角共通部分の定義から $\alpha\in C_\beta$ である。一方 $\alpha\in S_\beta$ であり、$C_\beta\cap S_\beta=\emptyset$ に反する。$\square$
証明の核心は、値 $\beta$ ごとの「悪い点を避ける club」$C_\beta$ を、対角共通部分で 1 つにまとめられることである。退行的なので、点 $\alpha$ で検査すべき値 $f(\alpha)$ は $\alpha$ より前の添字にあり、対角共通部分の条件に収まる。Fodor はこの定理を、$\operatorname{cf}(\Lambda)>\omega$ の極限順序数 $\Lambda$ について「定常部分集合の上で $f$ が有界になる」形で証明した(Fod56 Satz 1、p. 141)。$\kappa$ が正則なら、有界な値域 $\{\beta\mid\beta\le\beta_0\}$ を $\kappa$ 未満個の値に分け、prop-st-basic の (iv) を使うと、上の定値の形が得られる。Fodor 自身も同じ論文の Satz 2(pp. 141–142)で、正則な $\Lambda>\omega$ についてこの定値の形を示している。
逆向きも成り立ち、Fodor の補題は定常性の特徴づけになる。
$S\subset\kappa\setminus\{0\}$ が非定常なら、$S$ 上の退行的関数 $f$ で、すべての $\beta<\kappa$ について $\{\alpha\in S\mid f(\alpha)\le\beta\}$ が有界となるものがある。特に、どの値の逆像も非定常である。
$S$ と交わらない club $C$ をとる。$\alpha\in S$ について、$\alpha\le\min C$ なら $f(\alpha):=0$、$\alpha>\min C$ なら $f(\alpha):=\sup(C\cap\alpha)$ と定める。前者では $\alpha>0$ なので $f(\alpha)<\alpha$ である。後者では、$\alpha\notin C$ なので $C$ の閉性から $\sup(C\cap\alpha)<\alpha$ である($\sup(C\cap\alpha)=\alpha$ なら $\alpha$ は極限順序数で、$\alpha\in C$ となってしまう)。よって $f$ は退行的である。
$\beta<\kappa$ を固定し、$c\in C$ を $c>\beta$ となるようにとる。$\alpha\in S$ が $\alpha>c$ なら $c\in C\cap\alpha$ なので $f(\alpha)\ge c>\beta$ である。よって $f(\alpha)\le\beta$ となる $\alpha\in S$ は $c$ 以下であり、有界である。有界な集合は非定常なので、各値の逆像も非定常である。$\square$
まとめると、$S\subset\kappa\setminus\{0\}$ について「$S$ が定常」と「$S$ 上のどの退行的関数も、ある値を定常集合上でとる」は同値である。Fodor の論文もこの逆向きの事実を冒頭で述べている(Fod56 p. 139 の (b))。
ex-st-disjoint のように、$\kappa\ge\omega_2$ では共終数の違いで定常集合を分けられた。$\omega_1$ ではすべての極限順序数の共終数が $\omega$ なので、この方法は使えない。それでも Fodor の補題から次が分かる。
$S\subset E^{\kappa}_{\omega}$ が定常なら、$S$ は互いに交わらない $\kappa$ 個の定常集合の和集合に分けられる。特に $\omega_1$ は、互いに交わらない $\aleph_1$ 個の定常集合に分けられる。
要点:各 $\alpha\in S$ に $\alpha$ へ向かう列 $(a^\alpha_n)_{n<\omega}$ を選ぶと、ある $n$ で $\alpha\mapsto a^\alpha_n$ が「どこまで上に制限しても定常集合上で値をもつ」退行的関数になる。これに Fodor の補題を繰り返し当てると、互いに異なる値 $\kappa$ 個の逆像がすべて定常になる。
各 $\alpha\in S$ は共終数 $\omega$ だから、狭義増加で上限が $\alpha$ の列 $(a^\alpha_n)_{n<\omega}$ を選べる。
段 1.ある $n$ について、すべての $\eta<\kappa$ で $S^n_\eta:=\{\alpha\in S\mid a^\alpha_n\ge\eta\}$ が定常であることを示す。そうでないとすると、各 $n$ で $S^n_{\eta_n}$ が非定常となる $\eta_n<\kappa$ があり、これと交わらない club $C_n$ がとれる。$\eta:=\sup_n\eta_n<\kappa$ とし、$C:=\bigcap_nC_n\cap\{\beta\mid\eta<\beta<\kappa\}$ とおくと $C$ は club である。$\alpha\in S\cap C$ をとると、$\alpha>\eta$ であり、$a^\alpha_n\to\alpha$ だから、ある $n$ で $a^\alpha_n\ge\eta\ge\eta_n$ となる。すると $\alpha\in S^n_{\eta_n}\cap C_n$ となり矛盾である。
段 2.段 1 の $n$ を固定し、$f(\alpha):=a^\alpha_n$ とおく。$f$ は $S$ 上で退行的である。各 $\eta<\kappa$ について、$S^n_\eta$ は定常なので、Fodor の補題から、ある $\gamma$ で $\{\alpha\in S^n_\eta\mid f(\alpha)=\gamma\}$ が定常である。$S^n_\eta$ の上では $f\ge\eta$ なので $\gamma\ge\eta$ である。よって $\Gamma:=\{\gamma<\kappa\mid f^{-1}(\{\gamma\})\text{ は定常}\}$ は $\kappa$ の中で非有界であり、$\kappa$ は正則なので $\lvert\Gamma\rvert=\kappa$ である。
段 3.$\gamma\in\Gamma$ ごとの $f^{-1}(\{\gamma\})$ は互いに交わらない定常集合である。$\Gamma$ の最小元 $\gamma_0$ の逆像に、$S$ の残り($\Gamma$ に属さない値の逆像の和集合)を合併すれば、$S$ の分割が得られる。
$\omega_1$ の場合、$E^{\omega_1}_{\omega}$ は $0$ でない極限順序数全体で club だから定常であり、これを $\aleph_1$ 個に分けたうえで、1 つの部分に $0$ と後続順序数を加えればよい。$\square$
一般に、正則な非可算基数 $\kappa$ の任意の定常集合は、互いに交わらない $\kappa$ 個の定常集合に分けられる(Solovay の分割定理)。この記事では証明しない。主張の所在は LR19 §1、p. 1(Solovay の 1971 年の論文を引いている)。
定常集合は、巨大基数と組合せ論の多くの議論に現れる。到達不能基数 $\kappa$ の下の正則基数の集合が定常であることが Mahlo基数 の定義であり、Δ-システム の記事の「一般化された Δ-システム補題」の証明の 1 つは Fodor の補題による。
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