導集合

同義語:derived setCantor–Bendixson階数Cantor–Bendixson rank完全核perfect kernel

概要

導集合(derived set)とは、位相空間の部分集合 $A$ の集積点全体の集合 $A'$ のことで、閉包は $\overline A=A\cup A'$ と書ける。導集合をとる操作は単調で有限個の和と交換するが、2 回続けると一般に値が変わる。どの部分集合の導集合も閉集合になることは、各点 $x$ について $\overline{\{x\}}\setminus\{x\}$ が閉集合であることと同値で、$T_1$ 空間はこれを満たす。このとき閉集合 $F$ の導集合を順序数で番号を付けて超限回くり返すと列はある段で止まり、止まった集合は $F$ に含まれる最大の自己稠密集合で、完全集合であり、第2可算空間では止まる段(Cantor–Bendixson 階数)は可算順序数で、取り除かれる点は高々可算個である。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 位相空間, 集積点, 閉包, 順序数

位相空間の部分集合 $A$ の集積点、すなわち「どれほど小さな近傍をとっても、自分以外の $A$ の点が入ってくる点」を全部集めた集合を、$A$ の 導集合 といい、$A'$ と書く。数直線では、開区間 $(0,1)$ の導集合は閉区間 $[0,1]$、$\{1/n\mid n\ge1\}$ の導集合は $\{0\}$、整数全体 $\mathbb{Z}$ の導集合は空集合である。
導集合をとる操作 $A\mapsto A'$ は、集合を集合に写す 1 つの操作として見ると、閉包をとる操作とよく似た性質(単調性、有限個の和との交換)をもつ一方で、閉包と違って 2 回続けると値が変わる。$\{1/n\mid n\ge1\}$ では $A'=\{0\}$、$A''=\emptyset$ である。この「くり返すと痩せていく」性質を順序数の番号を付けて超限回くり返すと、閉集合から孤立点が段階的に取り除かれ、最後に孤立点をもたない部分が残る。何段階で止まるか(Cantor–Bendixson 階数)は、閉集合の点の集まり方の深さを測る量になる。導集合は Cantor が導入した概念である(Eng89 §1.3 の歴史の注、p. 27)。
集積点の定義、閉包との関係 $\overline A=A\cup A'$、距離空間で導集合が閉集合になることは 集積点 の記事で、孤立点と Cantor–Bendixson の定理(凝縮点による分解)は 孤立点 の記事で示されている。この記事では、導集合をとる操作の代数的な性質、導集合がつねに閉集合になる空間の特徴付け(thm-derived-closed-criterion)、導集合を超限回くり返したときに列が止まることと止まった先の集合の性質(thm-derived-stabilize)、階数が $n+1$ や $\omega+1$ になる閉集合の例(prop-derived-rank-examples)を扱う。

定義

導集合

$X$ を位相空間、$A\subset X$ とする。点 $x\in X$ が $A$ の 集積点 であるとは、$x$ を含む任意の開集合 $U$ が $A\setminus\{x\}$ と交わることをいう。$A$ の集積点全体の集合を $A$ の 導集合(derived set)といい、$A'$ と書く。

$A'$ のほかに $A^d$ と書く流儀もある(Eng89 §1.3、p. 24)。$A'$ は $X$ の位相で決まり、$A$ を含む空間を取り替えると変わりうる。$x$ を含む開集合の代わりに、$x$ の近傍、あるいは $x$ の基本近傍系の元だけを調べてもよい(Eng89 Proposition 1.3.3、p. 24)。
$A$ の点で $A$ の集積点でないもの、すなわち $A\setminus A'$ の点を $A$ の 孤立点 という。集積点 の記事の命題「閉包は集合と導集合の和」により
$$ \overline A=A\cup A' $$
であり、$A$ が閉集合であることと $A'\subset A$ は同値である。孤立点 の記事の定義「自己稠密集合・完全集合・散在的な空間」の言葉では、$A\subset A'$ となる集合が 自己稠密、$A'=A$ となる集合が 完全集合 である。

導集合の反復

$X$ を位相空間、$A\subset X$ とする。順序数 $\alpha$ について、集合 $A^{(\alpha)}$ を超限帰納法により次のように定める。
$$ A^{(0)}:=A,\qquad A^{(\alpha+1)}:=\bigl(A^{(\alpha)}\bigr)',\qquad A^{(\lambda)}:=\bigcap_{\alpha< \lambda}A^{(\alpha)}\quad(\lambda\text{ は極限順序数}). $$
$A^{(\alpha)}$ を $A$ の 第 $\alpha$ 導集合 という。有限の $n$ については $A^{(1)}=A'$、$A^{(2)}=A''$、… である。

極限順序数の段で共通部分をとるのは、列が減少していく場合(thm-derived-stabilize の 1)に「それまでの段にすべて残った点」を集めるためである。

直感

導集合は「$A$ の点がいくらでも寄ってくる場所」の全体である。$A$ の外にある点でも、$A$ の点がそこへ寄ってくれば導集合に入り、逆に $A$ の点でも、まわりに仲間がいなければ導集合から外れる。
閉集合 $F$ では $F'\subset F$ なので、導集合をとる操作は $F$ から孤立点を取り除く操作になる。取り除いた後には、前の段では孤立していなかった点が新たに孤立することがある。$\{0\}\cup\{1/n\mid n\ge1\}$ では、1 回目に $1/n$ がすべて取り除かれて $\{0\}$ が残り、2 回目に $0$ が孤立点として取り除かれる。点が何段目で取り除かれるかは、その点に「点の集まりの集まり」がどれだけ重なって寄ってきているかを表す。

例

数直線の部分集合の導集合

$\mathbb{R}$ に通常の位相を入れる。次の計算は 集積点 の記事の例「数直線の集合の集積点」による。

  1. $(0,1)'=[0,1]$。$(0,1)''=[0,1]'=[0,1]$ である。
  2. $A=\{1/n\mid n\ge1\}$ なら $A'=\{0\}$、$A''=\emptyset$ である。$\{0\}$ は 1 点なので集積点をもたない。
  3. $\mathbb{Z}'=\emptyset$ である。
  4. $\mathbb{Q}'=\mathbb{R}$、$(\mathbb{R}\setminus\mathbb{Q})'=\mathbb{R}$ である。$\mathbb{Q}$ も無理数全体も $\mathbb{R}$ で稠密であり、どの開区間も無限個の有理数と無限個の無理数を含むからである。
    1 では $A'\ne A$ だが $A''=A'$、2 では $A,A',A''$ がすべて異なる。4 では、可算集合 $\mathbb{Q}$ の導集合が非可算集合 $\mathbb{R}$ になる。
いろいろな位相での導集合
  1. 離散空間:一点集合 $\{x\}$ が開集合で $A\setminus\{x\}$ と交わらないので、すべての $A$ について $A'=\emptyset$ である(Eng89 Examples 1.3.9、p. 25)。
  2. 余有限位相:無限集合 $X$ の開集合を $\emptyset$ と補集合が有限な集合とする。$A$ が無限集合なら、空でない開集合は有限個の点しか除かないので、どの $x$ についても $A\setminus\{x\}$ と交わり、$A'=X$ である。$A$ が有限集合なら、$x\in X$ に対し $U:=X\setminus(A\setminus\{x\})$ は $x$ を含む開集合で $A\setminus\{x\}$ と交わらないので、$A'=\emptyset$ である。
  3. 密着位相:2 点集合 $X=\{a,b\}$ の開集合を $\emptyset$ と $X$ だけとする。$x$ を含む開集合は $X$ だけなので、$x\in A'$ は $A\setminus\{x\}\ne\emptyset$ と同値である。したがって $\{b\}'=\{a\}$、$\{a\}'=\{b\}$、$X'=X$、$\emptyset'=\emptyset$ である。とくに $\{b\}''=\{a\}'=\{b\}$ は $\{b\}'=\{a\}$ に含まれない。
  4. Sierpinski空間 $S=\{0,1\}$(開集合は $\emptyset,\{1\},S$):$0$ を含む開集合は $S$ だけ、$1$ を含む開集合には $\{1\}$ がある。よって $\{1\}'=\{0\}$、$\{0\}'=\emptyset$、$S'=\{0\}$ である。どの導集合も $\emptyset$ か $\{0\}$ で、いずれも閉集合である。

3 と 4 は、導集合が閉集合になるかどうかが空間によって違うことを示している。この違いは thm-derived-closed-criterion で特徴付けられる。

性質

導集合をとる操作の性質

導集合の演算の性質

$X$ を位相空間、$A,B\subset X$、$(A_i)_{i\in I}$ を $X$ の部分集合の族、$x\in X$ とする。

  1. $\emptyset'=\emptyset$ であり、$A\subset B$ ならば $A'\subset B'$ である。
  2. $(A\cup B)'=A'\cup B'$ である。
  3. $\bigcup_{i\in I}A_i'\subset\bigl(\bigcup_{i\in I}A_i\bigr)'$ である。
  4. $\{x\}'=\overline{\{x\}}\setminus\{x\}$ である。
  5. $A''\subset\overline{A'}\subset\overline A=A\cup A'$ である。
  6. $U\subset X$ が開集合ならば、$A'\cap U=(A\cap U)'\cap U$ である。
  7. $h\colon X\to Y$ が同相写像ならば、$h(A)'=h(A')$ であり、すべての順序数 $\alpha$ について $h(A)^{(\alpha)}=h\bigl(A^{(\alpha)}\bigr)$ である。

1 の後半、2、3 と、5 の最後の等式は Eng89 Theorem 1.3.4(p. 25)にある(証明は読者に任されている)。3 の包含は一般には等号にならない(rem-derived-counterexamples の 1 行目)。

1:$\emptyset\setminus\{x\}=\emptyset$ はどの集合とも交わらないので $\emptyset'=\emptyset$ である。$A\subset B$ なら $A\setminus\{x\}\subset B\setminus\{x\}$ なので、$x$ を含む開集合が $A\setminus\{x\}$ と交われば $B\setminus\{x\}$ とも交わる。
2:$A,B\subset A\cup B$ なので、1 により $A'\cup B'\subset(A\cup B)'$ である。逆を対偶で示す。$x\notin A'\cup B'$ とすると、$x$ を含む開集合 $U,V$ で、$U\cap(A\setminus\{x\})=\emptyset$、$V\cap(B\setminus\{x\})=\emptyset$ となるものがある。$W:=U\cap V$ は $x$ を含む開集合で、
$$ W\cap\bigl((A\cup B)\setminus\{x\}\bigr)=\bigl(W\cap(A\setminus\{x\})\bigr)\cup\bigl(W\cap(B\setminus\{x\})\bigr)=\emptyset $$
なので、$x\notin(A\cup B)'$ である。
3:各 $i$ について $A_i\subset\bigcup_jA_j$ なので、1 により $A_i'\subset(\bigcup_jA_j)'$ である。
4:$x\notin\{x\}'$ である。$\{x\}\setminus\{x\}=\emptyset$ だからである。$y\ne x$ については $\{x\}\setminus\{y\}=\{x\}$ なので、$y\in\{x\}'$ は「$y$ を含むどの開集合も $x$ を含む」ことと同値であり、閉包 の記事の命題「触点による特徴づけ」により、これは $y\in\overline{\{x\}}$ と同値である。
5:任意の $B\subset X$ について、$\overline B=B\cup B'$ から $B'\subset\overline B$ である。$B=A'$ とすると $A''\subset\overline{A'}$ を得る。また $A'\subset\overline A$ で、$\overline A$ は閉集合なので、$A'$ を含む最小の閉集合 $\overline{A'}$ は $\overline A$ に含まれる。
6:$x\in U$ とする。$A\cap U\subset A$ なので、1 により $x\in(A\cap U)'$ なら $x\in A'$ である。逆に $x\in A'$ とし、$V$ を $x$ を含む開集合とする。$V\cap U$ も $x$ を含む開集合なので、$A\setminus\{x\}$ の点 $z$ を含む。$z\in U$ なので $z\in(A\cap U)\setminus\{x\}$ であり、$z\in V$ である。よって $x\in(A\cap U)'$ である。$U$ の外の点はどちらの辺にも属さない。
7:$h$ は全単射で、$X$ の開集合を $Y$ の開集合に、$Y$ の開集合を $h^{-1}$ で $X$ の開集合に写す。したがって $y=h(x)$ を含む $Y$ の開集合は、$x$ を含む $X$ の開集合 $U$ の像 $h(U)$ の全体である。$h$ が単射なので $h(U)\cap(h(A)\setminus\{h(x)\})=h\bigl(U\cap(A\setminus\{x\})\bigr)$ であり、左辺が空でないことと右辺の中身が空でないことは同値である。よって $h(x)\in h(A)'$ と $x\in A'$ は同値で、$h(A)'=h(A')$ である。第 $\alpha$ 導集合については $\alpha$ についての超限帰納法による。後続の段は今示した等式、極限の段は、$h$ が単射なので共通部分と像をとる操作が交換すること($h(\bigcap_\alpha C_\alpha)=\bigcap_\alpha h(C_\alpha)$)による。$\square$

6 は「導集合はその点のまわりの様子だけで決まる」ことを述べている。とくに、開集合 $U$ の中にある集合 $C\subset U$ については、$X$ の中での導集合と $U$ の中での導集合が $U$ の上で一致する。
4 から、T1空間(一点集合が閉集合である空間)ではすべての一点集合 $\{x\}$ について $\{x\}'=\emptyset$ である。1 と 2 から、有限集合 $\{x_1,\dots,x_n\}$ の導集合は $\{x_1\}'\cup\dots\cup\{x_n\}'$ なので、$T_1$ 空間では有限集合の導集合は空である。

導集合がつねに閉集合になる空間

距離空間や $T_1$ 空間では導集合はつねに閉集合である(集積点 の記事の命題「導集合は閉集合」、T1空間 の記事の命題「集積点の近傍にある点の個数」の 2)。一般の位相空間ではそうとは限らない(ex-derived-topologies の 3)。どの導集合も閉集合になる空間は、一点集合の導集合だけで判定できる。

導集合が閉集合になるための条件

位相空間 $X$ について、次の 3 条件は同値である。

  1. $X$ のすべての部分集合 $A$ について、$A'$ は閉集合である。
  2. $X$ のすべての部分集合 $A$ について、$A''\subset A'$ である。
  3. $X$ のすべての点 $x$ について、$\{x\}'=\overline{\{x\}}\setminus\{x\}$ は閉集合である。
    とくに $T_1$ 空間はこれらの条件を満たす。

1 ⇔ 2:どの集合 $B$ についても、$B$ が閉集合であることと $B'\subset B$ は同値である(集積点 の記事の命題「閉包は集合と導集合の和」の 3)。これを $B=A'$ に当てればよい。
1 ⇒ 3:$A=\{x\}$ とすればよい。$\{x\}'=\overline{\{x\}}\setminus\{x\}$ は prop-derived-basic の 4 である。
3 ⇒ 1:$A\subset X$ とし、$x\in\overline{A'}$ をとって $x\in A'$ を示す。$U$ を $x$ を含む開集合とし、$U$ が $A\setminus\{x\}$ の点を含むことを示せばよい。
$W:=U\setminus\{x\}'$ とおく。3 により $\{x\}'$ は閉集合なので $W$ は開集合であり、$x\notin\{x\}'$(prop-derived-basic の 4)なので $x\in W$ である。$x\in\overline{A'}$ なので、$W$ は $A'$ の点 $y$ を含む。

  • $y=x$ の場合:$x\in A'$ なので、$U$ は $A\setminus\{x\}$ の点を含む。
  • $y\ne x$ の場合:$W$ は $y$ を含む開集合で $y\in A'$ なので、$W$ は $A\setminus\{y\}$ の点を含む。そのような点のうちに $x$ と異なるもの $z$ があれば、$z\in W\subset U$ かつ $z\in A\setminus\{x\}$ である。そうでないとすると $W\cap(A\setminus\{y\})=\{x\}$ である。このとき $y$ を含む任意の開集合 $V$ について、$V\cap W$ は $y$ を含む開集合なので $A\setminus\{y\}$ の点を含み、その点は $W\cap(A\setminus\{y\})=\{x\}$ に属するから $x$ である。よって $y$ を含むどの開集合も $x$ を含み、$y\ne x$ なので $y\in\{x\}'$(prop-derived-basic の 4)である。これは $y\in W=U\setminus\{x\}'$ に反する。
    どの場合も $U$ は $A\setminus\{x\}$ の点を含むので、$x\in A'$ である。よって $\overline{A'}\subset A'$ であり、$A'$ は閉集合である。
    最後の主張:$T_1$ 空間では $\overline{\{x\}}=\{x\}$ なので $\{x\}'=\emptyset$ であり、3 が成り立つ。$\square$

3 の条件は $T_1$ より真に弱い。Sierpinski空間 $S=\{0,1\}$ は $T_1$ でないが($\overline{\{1\}}=S$)、$\{0\}'=\emptyset$ と $\{1\}'=\{0\}$ はどちらも閉集合なので 3 を満たし、実際どの導集合も閉集合である(ex-derived-topologies の 4)。2 点の 密着位相 では $\{b\}'=\{a\}$ が閉集合でなく(閉集合は $\emptyset$ と $X$ だけ)、3 が破れ、それに応じて $\{b\}''\not\subset\{b\}'$ となっている(ex-derived-topologies の 3)。

導集合をくり返しとる

以下では、thm-derived-closed-criterion の条件を満たす空間(たとえば $T_1$ 空間、距離空間)の閉集合 $F$ について、第 $\alpha$ 導集合の列 $F^{(\alpha)}$ を調べる。

導集合の列の停止

$X$ を thm-derived-closed-criterion の条件を満たす位相空間、$F\subset X$ を閉集合とする。

  1. 各 $F^{(\alpha)}$ は閉集合であり、$\alpha\le\beta$ ならば $F^{(\beta)}\subset F^{(\alpha)}$ である。
  2. $F^{(\lambda+1)}=F^{(\lambda)}$ となる順序数 $\lambda$ が存在する。そのような $\lambda$ について、$\beta\ge\lambda$ ならば $F^{(\beta)}=F^{(\lambda)}$ である。
  3. 2 の $\lambda$ について、$F^{(\lambda)}$ は完全集合(孤立点をもたない閉集合)である。さらに、$F$ に含まれる自己稠密な集合($P\subset P'$ となる集合 $P$)はすべて $F^{(\lambda)}$ に含まれる。すなわち $F^{(\lambda)}$ は $F$ に含まれる最大の自己稠密集合である。
  4. $X$ が第2可算公理を満たすならば、$F^{(\lambda+1)}=F^{(\lambda)}$ となる最小の $\lambda$ は可算順序数であり、$F\setminus F^{(\lambda)}$ は高々可算集合である。

1:「$F^{(\alpha)}$ は閉集合で、すべての $\gamma\le\alpha$ について $F^{(\alpha)}\subset F^{(\gamma)}$」を $\alpha$ についての超限帰納法で示す(超限帰納法 の記事の命題「三段階形式」)。$\alpha=0$ では $F$ が閉集合であることによる。$\alpha$ で成り立てば、$F^{(\alpha+1)}=(F^{(\alpha)})'$ は thm-derived-closed-criterion により閉集合であり、$F^{(\alpha)}$ が閉集合なので $(F^{(\alpha)})'\subset F^{(\alpha)}$ である。よって $\gamma\le\alpha$ について $F^{(\alpha+1)}\subset F^{(\alpha)}\subset F^{(\gamma)}$ である。極限順序数 $\mu$ では、$F^{(\mu)}=\bigcap_{\alpha< \mu}F^{(\alpha)}$ は閉集合の共通部分なので閉集合であり、各 $\gamma< \mu$ について $F^{(\mu)}\subset F^{(\gamma)}$ である。
2:存在を背理法で示す。すべての順序数 $\alpha$ について $F^{(\alpha+1)}\ne F^{(\alpha)}$ とすると、1 により $D_\alpha:=F^{(\alpha)}\setminus F^{(\alpha+1)}$ は $F$ の空でない部分集合である。$\alpha< \beta$ なら $D_\beta\subset F^{(\beta)}\subset F^{(\alpha+1)}$ なので $D_\alpha\cap D_\beta=\emptyset$、とくに $D_\alpha\ne D_\beta$ である。よって $\alpha\mapsto D_\alpha$ は順序数全体から $F$ の冪集合 $\mathcal{P}(F)$ への単射になる。その像は $\mathcal{P}(F)$ の部分集合なので集合であり、その各元 $D$ に $D=D_\alpha$ となるただ 1 つの $\alpha$ を対応させると、置換公理により順序数全体が集合になる。これは 順序数 の記事の命題「Burali-Forti の逆理」に反する。
$F^{(\lambda+1)}=F^{(\lambda)}$ とし、$\beta\ge\lambda$ について $F^{(\beta)}=F^{(\lambda)}$ を $\beta$ についての超限帰納法で示す。$\beta=\lambda$ では明らかである。$F^{(\beta)}=F^{(\lambda)}$ なら $F^{(\beta+1)}=(F^{(\lambda)})'=F^{(\lambda+1)}=F^{(\lambda)}$ である。極限順序数 $\mu>\lambda$ では、1 により $\alpha< \mu$ のどの $F^{(\alpha)}$ も $F^{(\lambda)}$ を含み、$\alpha=\lambda$ のとき $F^{(\lambda)}$ そのものなので、共通部分は $F^{(\lambda)}$ である。
3:$F^{(\lambda)}$ は 1 により閉集合で、$(F^{(\lambda)})'=F^{(\lambda)}$ なので孤立点をもたない。よって完全集合である。次に $P\subset F$、$P\subset P'$ とし、$P\subset F^{(\alpha)}$ をすべての $\alpha$ について超限帰納法で示す。$\alpha=0$ は仮定である。$P\subset F^{(\alpha)}$ なら、prop-derived-basic の 1 により $P\subset P'\subset(F^{(\alpha)})'=F^{(\alpha+1)}$ である。極限の段では共通部分に含まれる。とくに $P\subset F^{(\lambda)}$ である。
4:$\{B_0,B_1,B_2,\dots\}$ を $X$ の高々可算な開基とし、$\lambda$ を $F^{(\lambda+1)}=F^{(\lambda)}$ となる最小の順序数とする。
$\lambda$ は可算。$\alpha< \lambda$ なら $F^{(\alpha+1)}\ne F^{(\alpha)}$ なので、点 $x\in F^{(\alpha)}\setminus F^{(\alpha+1)}$ がある。$X\setminus F^{(\alpha+1)}$ は $x$ を含む開集合なので、$x\in B_k\subset X\setminus F^{(\alpha+1)}$ となる $k$ がある。そこで
$$ k(\alpha):=\min\{k\mid B_k\cap F^{(\alpha+1)}=\emptyset,\ B_k\cap F^{(\alpha)}\ne\emptyset\} $$
と定める。$\alpha< \beta< \lambda$ で $k(\alpha)=k(\beta)=k$ とすると、$B_k\cap F^{(\beta)}\ne\emptyset$ だが、$F^{(\beta)}\subset F^{(\alpha+1)}$ かつ $B_k\cap F^{(\alpha+1)}=\emptyset$ なので矛盾する。よって $\alpha\mapsto k(\alpha)$ は $\lambda$ から自然数全体への単射であり、$\lambda$ は可算順序数である。
$F\setminus F^{(\lambda)}$ は高々可算。$x\in F\setminus F^{(\lambda)}$ とし、$x\notin F^{(\gamma)}$ となる最小の順序数 $\gamma$ をとる。$x\in F=F^{(0)}$ なので $\gamma\ne0$ であり、$\gamma$ が極限順序数なら $x\notin\bigcap_{\alpha< \gamma}F^{(\alpha)}$ から $x\notin F^{(\alpha)}$ となる $\alpha< \gamma$ があって最小性に反する。よって $\gamma=\beta+1$ と書け、$x\in F^{(\beta)}\setminus(F^{(\beta)})'$、すなわち $x$ は $F^{(\beta)}$ の孤立点である。この $\beta$ を $\beta(x)$ と書く。孤立点なので $U\cap F^{(\beta)}=\{x\}$ となる開集合 $U\ni x$ があり、$x\in B_k\subset U$ となる $k$ について $B_k\cap F^{(\beta)}=\{x\}$ である。そこで
$$ k(x):=\min\{k\mid B_k\cap F^{(\beta(x))}=\{x\}\} $$
と定める。$k(x)=k(y)=k$ とし、$x$ と $y$ の役割を入れ替えてもよいので $\beta(x)\le\beta(y)$ とする。1 により $y\in F^{(\beta(y))}\subset F^{(\beta(x))}$ であり、$y\in B_k$ なので、$y\in B_k\cap F^{(\beta(x))}=\{x\}$、すなわち $y=x$ である。よって $x\mapsto k(x)$ は単射であり、$F\setminus F^{(\lambda)}$ は高々可算である。$\square$

3 の「最大の自己稠密集合」は、Eng89 Problem 1.7.10(p. 59)の「自己稠密集合の和は自己稠密であり、どの位相空間も、自己稠密な閉集合と、空でない自己稠密部分集合をもたない集合とに分かれる」という主張と同じ部分集合を与える。4 は Mos09 演習 2A.4(p. 51)にある主張で、Cantor–Bendixson の定理の別証明として述べられている(そこでは導集合を $A\cap A'$ で定めているが、閉集合については同じものである)。4 の証明では、各段で点や開基の元を「最小の番号」で決めているので、選択公理を使っていない。

Cantor–Bendixson 階数

thm-derived-stabilize の状況で、$F^{(\lambda+1)}=F^{(\lambda)}$ となる最小の順序数 $\lambda$ を $F$ の Cantor–Bendixson 階数(Cantor–Bendixson rank)といい、$F^{(\lambda)}$ を $F$ の 完全核(perfect kernel)という。

$F$ が空でない高々可算な閉集合で、$X$ が第2可算な完備距離空間(たとえば $\mathbb{R}^n$)なら、完全核 $F^{(\lambda)}$ は空集合である。空でない完全集合は非可算だからである(孤立点 の記事の系「孤立点のない完備距離空間は非可算」)。このとき階数 $\lambda$ は $F^{(\lambda)}=\emptyset$ となる最小の段である。さらに $F$ がコンパクトなら、$\lambda$ は後続順序数 $\mu+1$ であり、最後に残る段 $F^{(\mu)}$ は空でない有限集合である。実際、$\lambda$ が極限順序数なら、$F^{(\lambda)}$ はコンパクト集合 $F$ の空でない閉集合の減少列 $F^{(\alpha)}$($\alpha< \lambda$)の共通部分なので空でなく(有限交叉性)、矛盾する。$\lambda=\mu+1$ のとき $F^{(\mu)}\ne\emptyset$ で $(F^{(\mu)})'=\emptyset$ であり、集積点をもたないコンパクト距離空間の部分集合は有限集合である。

凝縮点による分解との一致

$X$ を第2可算な完備距離空間、$F\subset X$ を閉集合とする。$F$ の完全核 $F^{(\lambda)}$ は、$F$ の凝縮点全体の集合(孤立点 の記事の定理「Cantor–Bendixson の定理」の $P$)に一致する。

thm-derived-stabilize の 3、4 により、$F=F^{(\lambda)}\sqcup(F\setminus F^{(\lambda)})$ は完全集合と高々可算集合への分解である。孤立点 の記事の定理「Cantor–Bendixson の定理」の 2 により、このような分解はただ一通りで、完全集合の側は凝縮点全体の集合 $P$ である。よって $F^{(\lambda)}=P$ である。$\square$

完備性は落とせない。$X=F=\mathbb{Q}$ では $\mathbb{Q}'=\mathbb{Q}$(相対位相で考えても、どの開区間も無限個の有理数を含む)なので $F^{(\lambda)}=\mathbb{Q}$($\lambda=0$)だが、$\mathbb{Q}$ は可算なので凝縮点は 1 つもない。

階数の例

孤立点 の記事の例「導集合をくり返しとる」の集合 $K$ は $K'''=\emptyset$ となり、階数は $3$ である。同じ作り方をくり返すと、階数がいくらでも大きい有限の値をとり、さらに $\omega+1$ になる可算コンパクト集合が作れる。
$\mathbb{R}$ の部分集合 $C$ と $m\ge1$ について、$h_m(t):=2^{-m}+2^{-m-2}t$ とおき、$h_m(C):=\{h_m(t)\mid t\in C\}$ と書く。

階数が $n+1$ と $\omega+1$ の閉集合

$\mathbb{R}$ の部分集合を
$$ S_0:=\{0\},\qquad S_{n+1}:=\{0\}\cup\bigcup_{m\ge1}h_m(S_n),\qquad S_\omega:=\{0\}\cup\bigcup_{m\ge1}h_m(S_m) $$
で定める。どれも $[0,1]$ に含まれる可算なコンパクト集合であり、
$$ S_n^{(n)}=\{0\},\quad S_n^{(n+1)}=\emptyset,\qquad S_\omega^{(\omega)}=\{0\},\quad S_\omega^{(\omega+1)}=\emptyset $$
が成り立つ。したがって $S_n$ の Cantor–Bendixson 階数は $n+1$、$S_\omega$ の階数は $\omega+1$ である。

配置。$C\subset[0,1]$ なら $h_m(C)\subset[2^{-m},\tfrac54\cdot2^{-m}]$ である。開区間 $U_m:=(\tfrac34\cdot2^{-m},\tfrac32\cdot2^{-m})$($m\ge1$)は互いに交わらず($U_{m+1}$ の右端 $\tfrac34\cdot2^{-m}$ は $U_m$ の左端に等しい)、$0$ を含まず、$[2^{-m},\tfrac54\cdot2^{-m}]\subset U_m$ である。$S_n\subset[0,1]$ は $n$ についての帰納法で分かる($S_{n+1}\subset\{0\}\cup\bigcup_m[2^{-m},\tfrac54\cdot2^{-m}]\subset[0,\tfrac58]$)。同様に $S_\omega\subset[0,1]$ である。
以下、$S$ は $S_{n+1}$ または $S_\omega$ を表し、$S=\{0\}\cup\bigcup_mC_m$、$C_m:=h_m(T_m)$($T_m$ は $S_n$ または $S_m$)と書く。$C_m\subset U_m$ なので $S\cap U_m=C_m$ である。
段ごとに調べると、$S$ の第 $\alpha$ 導集合は「$0$ を含むかどうか」と各 $U_m$ の中の部分 $h_m(T_m^{(\alpha)})$ で決まり、そこから $S_n$ と $S_\omega$ の各段が計算できる。

詳細

段ごとの形。どの順序数 $\alpha$ についても $$S^{(\alpha)}\cap U_m=h_m\bigl(T_m^{(\alpha)}\bigr) $$である。この等式を $(*)$ と呼ぶ。実際、prop-derived-basic の 6 を $\alpha$ についての超限帰納法でくり返し使うと $S^{(\alpha)}\cap U_m=(S\cap U_m)^{(\alpha)}\cap U_m=C_m^{(\alpha)}\cap U_m$ となる(後続の段では $S^{(\alpha+1)}\cap U_m=(S^{(\alpha)}\cap U_m)'\cap U_m$ に帰納法の仮定を入れて再び 6 を使い、極限の段では共通部分と $\cap U_m$ が交換する)。$h_m$ は $\mathbb{R}$ の同相写像なので、prop-derived-basic の 7 により $C_m^{(\alpha)}=h_m(T_m^{(\alpha)})$ であり、帰納法により $T_m$ は閉集合で $T_m^{(\alpha)}\subset T_m$ だから、これは $U_m$ に含まれる。

$S$ の点で $\bigcup_mU_m$ の外にあるのは $0$ だけなので、$S^{(\alpha)}\subset S$(thm-derived-stabilize の 1。$S$ が閉集合であることは下で示す)と $(*)$ から、$S^{(\alpha)}$ は「$0$ を含むか含まないか」と各 $h_m(T_m^{(\alpha)})$ で決まる。さらに、$0$ が $(S^{(\alpha)})'$ に属することは、$h_m(T_m^{(\alpha)})\ne\emptyset$ となる $m$ が無限個あることと同値である。無限個あれば、$0$ のどの近傍 $(-\varepsilon,\varepsilon)$ も $\tfrac54\cdot2^{-m}< \varepsilon$ となる $m$ の $h_m(T_m^{(\alpha)})$ の点($0$ ではない)を含む。有限個しかなければ、それらの $U_m$ の左端の最小値より小さい $\varepsilon$ について、$(-\varepsilon,\varepsilon)$ は $0$ 以外の $S^{(\alpha)}$ の点を含まない。

閉集合であること。$\alpha=1$ の場合を考える。$x\notin\{0\}\cup\bigcup_mU_m$ なら、$x<0$ または $x\ge\tfrac32\cdot2^{-1}$ か、ある $m$ について $x$ が $U_{m+1}$ と $U_m$ の境の 1 点 $\tfrac34\cdot2^{-m}$ である。どの場合も $x$ のある近傍は $S$ と交わらないので、$x\notin S'$ である。よって $S'\subset\{0\}\cup\bigcup_m(S'\cap U_m)=\{0\}\cup\bigcup_mh_m(T_m')$ であり、$T_m$ が閉集合(帰納法の仮定、$S_0$ は 1 点)なので $T_m'\subset T_m$、したがって $S'\subset S$ である。$S$ は有界閉集合なのでコンパクトであり、可算集合の可算個の和なので可算である。

$S_n$ の計算。$S_n^{(n)}=\{0\}$、$S_n^{(n+1)}=\emptyset$ を $n$ についての帰納法で示す。$n=0$ は 1 点集合なので正しい。$n$ で正しいとし、$S=S_{n+1}$、$T_m=S_n$ とする。$k\le n$ では $T_m^{(k)}\supset T_m^{(n)}=\{0\}$ が空でないので、$0\in S^{(k)}$ がすべての $k\le n+1$ について従う($k=0$ は定義、$k\ge1$ は上の判定)。$(*)$ により $$S^{(n)}=\{0\}\cup\{h_m(0)\mid m\ge1\}=\{0\}\cup\{2^{-m}\mid m\ge1\}$$ であり、$S^{(n+1)}\cap U_m=h_m(\emptyset)=\emptyset$ なので $S^{(n+1)}=\{0\}$、そして $S^{(n+2)}=\{0\}'=\emptyset$ である。

$S_\omega$ の計算。$T_m=S_m$ なので、有限の $k$ について $h_m(T_m^{(k)})\ne\emptyset$ は $k\le m$ と同値であり、どの $k$ についても無限個の $m$ で空でない。よって $0\in S_\omega^{(k)}$ がすべての有限の $k$ について成り立ち、$0\in S_\omega^{(\omega)}$ である。一方 $(*)$ により $S_\omega^{(\omega)}\cap U_m=h_m(S_m^{(\omega)})\subset h_m(S_m^{(m+1)})=\emptyset$ なので、$S_\omega^{(\omega)}=\{0\}$、$S_\omega^{(\omega+1)}=\emptyset$ である。

$\square$

$S_\omega$ では、各段 $S_\omega^{(k)}$($k$ は有限)がまだ無限集合であるのに、共通部分 $S_\omega^{(\omega)}$ は 1 点になる。有限回の操作では止まらない閉集合があり、def-derived-iterated で極限の段を定めておく必要があるのはこのためである。

条件を外した反例

外す条件反例成り立たなくなること
prop-derived-basic の 2 の和が有限個$\mathbb{R}$ の中の $A_n=\{1/n\}$($n\ge1$)$(\bigcup_nA_n)'=\bigcup_nA_n'$
thm-derived-closed-criterion の条件 32 点の密着空間 $\{a,b\}$ と $A=\{b\}$$A'$ は閉集合、$A''\subset A'$
thm-derived-stabilize の $F$ が閉集合$\mathbb{R}$ の中の $A=\{1/n\mid n\ge1\}$$A^{(1)}\subset A^{(0)}$(列が減少する)
thm-derived-stabilize の 4 の第2可算非可算集合 $X$ に離散位相を入れ $F=X$$F\setminus F^{(\lambda)}$ は高々可算
cor-derived-kernel-condensation の完備性$X=F=\mathbb{Q}$完全核は凝縮点全体に一致する
prop-derived-basic の 6 の $U$ が開集合$\mathbb{R}$ の中の $A=(0,1)$、$U=\{0\}$$A'\cap U=(A\cap U)'\cap U$
反例の確かめ

表の各行は次のように確かめられる。

詳細

1 行目:各 $A_n$ は 1 点なので $A_n'=\emptyset$($\mathbb{R}$ は $T_1$)、よって右辺は空である。左辺は $\{1/n\mid n\ge1\}'=\{0\}$ である(ex-derived-real の 2)。破る含意は「導集合をとる操作は和と交換する」で、prop-derived-basic の 3 の包含が真の包含になる。

2 行目:ex-derived-topologies の 3 により $A'=\{a\}$ だが、この空間の閉集合は $\emptyset$ と $\{a,b\}$ だけなので $A'$ は閉集合でない。$A''=\{b\}\not\subset\{a\}=A'$ である。条件 3 は $x=b$ について $\{b\}'=\{a\}$ が閉集合でないことで破れている。

3 行目:$A^{(1)}=A'=\{0\}$ は $A^{(0)}=A$ に含まれない。$A$ は閉集合でない。ただし $A'$ は閉集合なので、$F:=A'$ に thm-derived-stabilize を当てれば、$A^{(1+\alpha)}=F^{(\alpha)}$ の列は減少する。

4 行目:離散空間は $T_1$ であり、$F'=\emptyset$(ex-derived-topologies の 1)なので $F^{(1)}=F^{(2)}=\emptyset$、階数は $1$ で可算順序数だが、$F\setminus F^{(1)}=X$ は非可算である。離散空間の開基は一点集合をすべて含む必要があるので、$X$ が非可算なら第2可算でない(第2可算公理)。

5 行目:cor-derived-kernel-condensation の直後で確かめた。$\mathbb{Q}$ は第2可算な距離空間だが完備でない。

6 行目:$A'\cap U=[0,1]\cap\{0\}=\{0\}$ だが、$A\cap U=\emptyset$ なので $(A\cap U)'\cap U=\emptyset$ である。

関連項目

参考文献

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