2円の位置関係と共通接線(two circles and their common tangents)とは、半径 $r_1\ge r_2$ の 2 円の中心間の距離 $d>0$ によって、互いに外部($d>r_1+r_2$)、外接($d=r_1+r_2$)、2 点で交わる($r_1-r_2<d<r_1+r_2$)、内接($d=r_1-r_2$)、内部($d<r_1-r_2$)の 5 つに分かれ、共通接線がそれぞれ 4, 3, 2, 1, 0 本になることである。接する 2 円の接点は中心線上にある。両中心が同じ側にある共通接線は中心間を $r_1:r_2$ に外分する点($r_1\ne r_2$ のとき)を、反対側のものは内分点を通り、これらが相似の中心である。共通接線の長さは $\sqrt{d^2-(r_1-r_2)^2}$ と $\sqrt{d^2-(r_1+r_2)^2}$ である。
前提知識: 円と直線の位置関係, 直線の方程式と点と直線の距離, 内分点・外分点の座標, 直径に対する円周角
2 つの円の位置関係は、中心間の距離 $d$ と 2 つの半径 $r_1,r_2$ の大小で決まる、と教科書で習う。まず、半径 $3$ の円と半径 $1$ の円で、中心間の距離を変えて共有点を計算してみる。
円 $C_1\colon x^2+y^2=9$(中心 $O_1(0,0)$、半径 $3$)と円 $C_2\colon (x-d)^2+y^2=1$(中心 $O_2(d,0)$、半径 $1$)の共有点を求める。2 つの方程式を引くと、2 次の項が消えて
$$
x^2+y^2-\bigl((x-d)^2+y^2\bigr)=9-1,\qquad 2dx-d^2=8,\qquad x=\frac{d^2+8}{2d}
$$
となる。これを $x^2+y^2=9$ に代入して $y^2=9-x^2$ を調べる。
引き算で出た 1 次式 $x=\dfrac{d^2+8}{2d}$ は、2 円が交わるときは 2 つの共有点を通る直線(共通弦を含む直線)であり、根軸と根心 で扱う根軸である。
C₁: x²+y²=9 と C₂: (x−d)²+y²=1 を d = 5, 4, 3, 2, 1 で並べた図。共通接線(オレンジは 2 円が同じ側、赤は反対側にあるもの)は 4, 3, 2, 1, 0 本
図 1 には、2 つの円に同時に接する直線(共通接線)も描いた。本数は $d$ が小さくなるにつれて 4, 3, 2, 1, 0 と減る。まとめると次の表になる($r_1\ge r_2$、$d>0$)。
| 位置関係 | $d$ の条件 | 共有点 | 共通接線 |
|---|---|---|---|
| 互いに外部にある | $d>r_1+r_2$ | 0 個 | 4 本 |
| 外接する | $d=r_1+r_2$ | 1 個 | 3 本 |
| 2 点で交わる | $r_1-r_2< d< r_1+r_2$ | 2 個 | 2 本 |
| 内接する | $d=r_1-r_2$ | 1 個 | 1 本 |
| 一方が他方の内部にある | $d< r_1-r_2$ | 0 個 | 0 本 |
この記事で答える問いは次の 4 つである。
| 高校の事実 | この記事の言葉 | 大学の言葉 |
|---|---|---|
| $d$ と $r_1\pm r_2$ で位置関係を分類 | 中心から他方の円の点までの距離の範囲 | 三角不等式 |
| 共通接線の本数 | 相似の中心から引いた接線の本数 | 相似変換で動かない直線 |
| 共通接線の長さ | 中心を結ぶ線分の、接線方向と法線方向への分解 | 直交分解(三平方の定理) |
| 外分点・内分点 | 外相似の中心・内相似の中心 | 相似変換の不動点 |
円 $C_1$ の中心を $O_1$、半径を $r_1$、円 $C_2$ の中心を $O_2$、半径を $r_2$ とし、$d:=O_1O_2$ とする。以下、名前を付け替えて $r_1\ge r_2$ とする。$d=0$(同心円)の場合は最後に述べ、しばらく $d>0$ とする。鍵になるのは、$O_1$ から $C_2$ の点までの距離がどの範囲を動くかである。
$d>0$ とし、座標を $O_1(0,0)$、$O_2(d,0)$ となるようにとる。$C_2$ の点を $X_t=(d+r_2\cos t,\ r_2\sin t)$($0^\circ\le t<360^\circ$)と表すと
$$
O_1X_t^2=d^2+r_2^2+2dr_2\cos t
$$
である。したがって $O_1X_t$ は、$t=180^\circ$ で最小値 $\lvert d-r_2\rvert$、$t=0^\circ$ で最大値 $d+r_2$ をとり、その間のすべての値をとる。
方針:$O_1X_t^2$ を展開し、$\cos t$ の 1 次式として見る。
段 1(展開)。$O_1X_t^2=(d+r_2\cos t)^2+(r_2\sin t)^2=d^2+2dr_2\cos t+r_2^2(\cos^2t+\sin^2t)=d^2+r_2^2+2dr_2\cos t$ である。
段 2(範囲)。$d>0$、$r_2>0$ なので、右辺は $\cos t$ について増加する 1 次式である。$\cos t$ は $-1$ から $1$ までのすべての値をとり、$-1$ になるのは $t=180^\circ$、$1$ になるのは $t=0^\circ$ だけである。$\cos t=-1$ のとき $O_1X_t^2=(d-r_2)^2$、$\cos t=1$ のとき $(d+r_2)^2$ なので、$O_1X_t$ は $\lvert d-r_2\rvert$ から $d+r_2$ までの値をとる。$\square$
$\lvert d-r_2\rvert\le O_1X\le d+r_2$ は、三角形 $O_1O_2X$ の三角不等式(絶対値と三角不等式)そのものである。等号は $X$ が直線 $O_1O_2$ の上にあるときに成り立つ。
$r_1\ge r_2>0$、$d>0$ とする。
方針:lem-tct-distance の記号で、$X_t$ が $C_1$ の上にある条件 $O_1X_t^2=r_1^2$ を $\cos t$ の方程式にし、解の個数を数える。
段 1(方程式)。$O_1X_t^2=r_1^2$ は $d^2+r_2^2+2dr_2\cos t=r_1^2$、つまり
$$
\cos t=c,\qquad c:=\frac{r_1^2-d^2-r_2^2}{2dr_2}
$$
である。$0^\circ\le t<360^\circ$ の範囲で、$\cos t=c$ の解は、$-1< c<1$ なら 2 つ($t$ と $360^\circ-t$)、$c=1$ なら $t=0^\circ$ の 1 つ、$c=-1$ なら $t=180^\circ$ の 1 つ、$\lvert c\rvert>1$ なら 0 個である。異なる $t$ は $C_2$ の異なる点を表すので、これが共有点の個数である。
段 2($c$ と $1$ の比較)。分母 $2dr_2$ は正なので、$c<1$ は $r_1^2-d^2-r_2^2<2dr_2$、つまり $r_1^2<(d+r_2)^2$ と同じであり、両辺が正の数の 2 乗なので $r_1< d+r_2$、つまり $d>r_1-r_2$ と同じである。同じく $c=1\iff d=r_1-r_2$、$c>1\iff d< r_1-r_2$ である。
段 3($c$ と $-1$ の比較)。$c>-1$ は $r_1^2-d^2-r_2^2>-2dr_2$、つまり $r_1^2>(d-r_2)^2$、つまり $r_1>\lvert d-r_2\rvert$ と同じである。$r_1>\lvert d-r_2\rvert$ は「$d-r_2< r_1$ かつ $r_2-d< r_1$」で、$r_1\ge r_2$、$d>0$ なので 2 つ目はいつも成り立つ。よって $c>-1\iff d< r_1+r_2$、$c=-1\iff d=r_1+r_2$、$c<-1\iff d>r_1+r_2$ である。
段 4(個数)。段 2・段 3 から、$d>r_1+r_2$ なら $c<-1$ で 0 個、$d=r_1+r_2$ なら $c=-1$ で 1 個、$r_1-r_2< d< r_1+r_2$ なら $-1< c<1$ で 2 個、$d=r_1-r_2$ なら $c=1$ で 1 個、$d< r_1-r_2$ なら $c>1$ で 0 個である。2 個の場合、$t$ と $360^\circ-t$ の点は $y$ 座標の符号だけが違い、直線 $O_1O_2$($x$ 軸)について対称である。
段 5(接点の位置)。$c=-1$($d=r_1+r_2$)の共有点は $t=180^\circ$ の $X=(d-r_2,0)=(r_1,0)$ で、$0< r_1< d$ なので線分 $O_1O_2$ の上にある。$c=1$($d=r_1-r_2$)の共有点は $t=0^\circ$ の $X=(d+r_2,0)=(r_1,0)$ で、直線 $O_1O_2$ の上($O_2$ の先)にある。
段 6(内部か外部か)。lem-tct-distance により、$C_2$ の点の $O_1$ からの距離は $\lvert d-r_2\rvert$ 以上 $d+r_2$ 以下で、端の値をとるのは直線 $O_1O_2$ の上の点だけである。1 では $d-r_2>r_1$ なので $C_2$ の点はすべて $C_1$ の外部にあり、$O_1$ と $O_2$ の役を入れ替えると($d-r_1>r_2$)$C_1$ の点もすべて $C_2$ の外部にある。2 では $d-r_2=r_1$ で、等号は接点だけなので、それ以外の $C_2$ の点は $C_1$ の外部にある。役を入れ替えても同じである。4 では $d+r_2=r_1$ で、等号は接点だけなので、それ以外の $C_2$ の点は $C_1$ の内部にある。5 では $d+r_2< r_1$ なので、$C_2$ の点はすべて $C_1$ の内部にある。$\square$
ex-tct-start の $r_1=3$、$r_2=1$ では $c=\dfrac{9-d^2-1}{2d}=\dfrac{8-d^2}{2d}$ である。
| $d$ | $5$ | $4$ | $3$ | $2$ | $1$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $c$ | $-\dfrac{17}{10}$ | $-1$ | $-\dfrac16$ | $1$ | $\dfrac72$ |
| 共有点 | 0 個 | 1 個 | 2 個 | 1 個 | 0 個 |
$d=4$ の接点は $(3,0)$ で線分 $O_1O_2$($0\le x\le4$)の上にあり、$d=2$ の接点 $(3,0)$ は $O_2(2,0)$ の先にある。ex-tct-start の引き算による計算と一致する。
引き算による方法でも同じ結論が出る。共有点の $x$ 座標は $x_0=\dfrac{d^2+r_1^2-r_2^2}{2d}$ で、$y^2=r_1^2-x_0^2$ を因数分解すると
$$
r_1^2-x_0^2=\frac{\bigl((r_1+r_2)^2-d^2\bigr)\bigl(d^2-(r_1-r_2)^2\bigr)}{4d^2}
$$
となる。分子の 2 つの因数の符号から、同じ 5 つの場合が出る。
$d=0$(同心円)のときは、$r_1>r_2$ なら $C_2$ は $C_1$ の内部にあって共有点はなく、$r_1=r_2$ なら 2 円は一致する。$r_1>r_2$ の同心円は、表の 5 番目($d< r_1-r_2$)に含めてよい。
2 円が接する($d=r_1+r_2$ または $d=r_1-r_2>0$)とき、接点 $T$ は直線 $O_1O_2$ の上にある。$T$ を通り $O_1O_2$ に垂直な直線は、$T$ における両方の円の接線であり、2 円の共通接線になる。
thm-tct-position の 2 と 4 により、$T$ は直線 $O_1O_2$ の上にある。したがって半径 $O_1T$ と $O_2T$ はどちらも直線 $O_1O_2$ に沿っている。$T$ を通り $O_1O_2$ に垂直な直線 $m$ は、$O_1T$ にも $O_2T$ にも垂直なので、$T$ における $C_1$ の接線であり、$C_2$ の接線でもある($O_1$ から $m$ に下ろした垂線の足は $T$ なので、$O_1$ と $m$ の距離は $O_1T=r_1$ で、$m$ は $C_1$ に接する。$C_2$ についても同じである。円と直線の位置関係)。$\square$
根軸と根心 では、接する 2 円の根軸がこの共通接線 $m$ であることを、この系を使って示している。
接する 2 円の中心を結ぶ直線が接点を通ることは、Euclid『原論』第 III 巻の命題 11(内側から接する場合)と命題 12(外側から接する場合)にあたる。Heath は命題 12 への注で、共有点の個数と位置を中心間の距離と半径の大小で分けて調べる、近代の教科書に多い扱いを紹介し、5 つの場合を順に証明している(Hea56)。thm-tct-position は、その 5 つの場合を座標で示したものである。
直線 $\ell$ が円に接することは、中心と $\ell$ の距離が半径に等しいことと同じである(円と直線の位置関係)。距離は 直線の方程式と点と直線の距離 の公式で計算できる。ここでは符号も残しておく。
直線 $\ell$ を $ax+by+e=0$($a^2+b^2=1$)と書く(係数全体を $\sqrt{a^2+b^2}$ で割れば、いつでもこの形にできる)。点 $X(x,y)$ に対して $f(X):=ax+by+e$ とおく。$\lvert f(X)\rvert$ は $X$ と $\ell$ の距離であり、$f(X)$ の符号は $X$ が $\ell$ のどちら側にあるかを表す。
円 $C_1$、$C_2$ の両方に接する直線を 共通接線 という。共通接線 $\ell$ では $\lvert f(O_1)\rvert=r_1$、$\lvert f(O_2)\rvert=r_2$ である。$f(O_1)$ と $f(O_2)$ が同じ符号(2 つの中心が $\ell$ の同じ側)のものを 共通外接線、反対の符号のものを 共通内接線 という。
中心が異なる 2 円 $C_1$、$C_2$ について、線分 $O_1O_2$ を $r_1:r_2$ に内分する点を 内相似の中心 $I$、$r_1\ne r_2$ のとき $r_1:r_2$ に外分する点を 外相似の中心 $E$ という。位置ベクトルで書くと
$$
\vec\imath=\frac{r_2\vec o_1+r_1\vec o_2}{r_1+r_2},\qquad \vec e=\frac{-r_2\vec o_1+r_1\vec o_2}{r_1-r_2}
$$
である(内分点・外分点の座標)。
$O_1(0,0)$、$r_1=3$、$O_2(5,0)$、$r_2=1$ では
$$
I=\frac{1\cdot(0,0)+3\cdot(5,0)}{4}=\left(\frac{15}4,0\right),\qquad E=\frac{-1\cdot(0,0)+3\cdot(5,0)}{2}=\left(\frac{15}2,0\right)
$$
である。$O_1I:IO_2=\dfrac{15}4:\dfrac54=3:1$、$O_1E:EO_2=\dfrac{15}2:\dfrac52=3:1$ で、確かに半径の比になっている。一般に $d=O_1O_2$ とすると $O_1I=\dfrac{r_1d}{r_1+r_2}$、$O_1E=\dfrac{r_1d}{r_1-r_2}$ である。
共通接線がこれらの点を通ることは、$f$ が直線 $O_1O_2$ の上で 1 次関数になることから分かる。
中心が異なる 2 円 $C_1$、$C_2$ について、次が成り立つ。
要点:直線 $O_1O_2$ の点を $\vec x(s)=\vec o_1+s(\vec o_2-\vec o_1)$($s$ は実数)と書くと、共通接線 $\ell$ の符号つきの距離 $f$ は $s$ の 1 次関数 $(1-s)f(O_1)+sf(O_2)$ になる。共通外接線では $f(O_2)=\dfrac{r_2}{r_1}f(O_1)$、共通内接線では $f(O_2)=-\dfrac{r_2}{r_1}f(O_1)$ なので、この 1 次関数が $0$ になる点、つまり $\ell$ と直線 $O_1O_2$ の交点は、それぞれ $E$($r_1\ne r_2$ のとき)、$I$ になる。逆(主張の 3)も、同じ 1 次関数から $f(O_2)$ と $f(O_1)$ の比を読み取って示す。
$f_1:=f(O_1)$、$f_2:=f(O_2)$ とおく。
段 1(1 次関数)。$f(X)=ax+by+e$ は座標の 1 次式なので、$f(\vec x(s))=(1-s)f_1+sf_2$ である($\vec x(s)=(1-s)\vec o_1+s\vec o_2$ を代入して、$e=(1-s)e+se$ と書けばよい)。
段 2(1 の証明)。共通外接線では $f_1,f_2$ が同じ符号で $\lvert f_1\rvert=r_1$、$\lvert f_2\rvert=r_2$ なので、$f_2=\dfrac{r_2}{r_1}f_1$ である。$r_1=r_2$ なら $f_1=f_2$ で、$f(\vec x(s))$ は $s$ によらず一定の値 $f_1\ne0$ である。直線 $O_1O_2$ の点はすべて $\ell$ から同じ距離にあり、同じ側にあるので、直線 $O_1O_2$ は $\ell$ に平行である。$r_1\ne r_2$ なら、$f(\vec x(s))=0$ となるのは $s_0=\dfrac{f_1}{f_1-f_2}=\dfrac{r_1}{r_1-r_2}$ のときで、その点は
$$\vec o_1+\frac{r_1}{r_1-r_2}(\vec o_2-\vec o_1)=\frac{(r_1-r_2)\vec o_1+r_1\vec o_2-r_1\vec o_1}{r_1-r_2}=\frac{-r_2\vec o_1+r_1\vec o_2}{r_1-r_2}=\vec e$$
である。$f(E)=0$ なので、$E$ は $\ell$ の上にある。
段 3(2 の証明)。共通内接線では $f_2=-\dfrac{r_2}{r_1}f_1$ なので、$f(\vec x(s))=0$ となるのは $s_0=\dfrac{f_1}{f_1-f_2}=\dfrac{r_1}{r_1+r_2}$ のときで、段 2 と同じ計算でその点は $I$ である。
段 4(3 の証明)。$\ell$ が $E$ を通り、$C_1$ に接するとする。$\lvert f_1\rvert=r_1>0$ である。段 1 の 1 次関数 $f(\vec x(s))$ は $s_0=\dfrac{r_1}{r_1-r_2}$ で $0$ になるので、定数 $k$ を用いて $f(\vec x(s))=k(s-s_0)$ と書ける。$f_1=-ks_0$、$f_2=k(1-s_0)$ で、$f_1\ne0$ なので $k\ne0$ であり
$$\frac{f_2}{f_1}=\frac{s_0-1}{s_0}=\frac{r_2/(r_1-r_2)}{r_1/(r_1-r_2)}=\frac{r_2}{r_1}$$
である。よって $f_2=\dfrac{r_2}{r_1}f_1$ で、$\lvert f_2\rvert=r_2$、$f_1$ と $f_2$ は同じ符号である。$\ell$ は $C_2$ にも接し、共通外接線である。$I$ の場合は $s_0=\dfrac{r_1}{r_1+r_2}$ で $\dfrac{s_0-1}{s_0}=-\dfrac{r_2}{r_1}$ となり、共通内接線である。$\square$
あとは、1 点から円に引ける接線の本数が分かればよい。これは 直径に対する円周角 と thm-tct-position から出る。
中心 $O$、半径 $r$ の円と点 $Q$ について、$Q$ を通る接線の本数は、$OQ>r$ なら 2 本、$OQ=r$ なら 1 本、$OQ< r$ なら 0 本である。
要点:$OQ< r$ なら $Q$ を通る直線はどれも $O$ からの距離が $r$ より小さく、$OQ=r$ なら $Q$ における接線だけである。$OQ>r$ のとき、接点 $T$ は $\angle OTQ=90^\circ$ を満たすので $OQ$ を直径とする円 $K$ の上にあり、接線はもとの円と $K$ の共有点と 1 対 1 に対応する。2 円 $K$ ともとの円は thm-tct-position の 3 の条件を満たすので、共有点は 2 つである。
段 1($OQ< r$)。$Q$ を通る直線と $O$ の距離は $OQ$ 以下($O$ から下ろした垂線の長さは、$O$ と直線上の点 $Q$ の距離以下)なので $r$ より小さく、接線にはならない。
段 2($OQ=r$)。$Q$ は円周上にある。$Q$ を通る直線 $\ell$ が接線なら、$O$ から $\ell$ に下ろした垂線の足 $H$ について $OH=r=OQ$ である。三角形 $OHQ$ で $H\ne Q$ とすると、$H$ を直角とする直角三角形の斜辺 $OQ$ が $OH$ より長くなり矛盾する。よって $H=Q$ で、$\ell$ は $Q$ を通り $OQ$ に垂直な直線、つまり $Q$ における接線ただ 1 本である。
段 3($OQ>r$、接点の条件)。$Q$ を通る直線が円に $T$ で接するとき、接点 $T$ は中心 $O$ から接線に下ろした垂線の足である(円と直線の位置関係)。よって $QT\perp OT$ なので $\angle OTQ=90^\circ$ である。$T\ne O$、$T\ne Q$ なので、直径に対する円周角 の逆により $T$ は $OQ$ を直径とする円 $K$ の上にある。逆に、もとの円と $K$ の共有点 $T$ では $\angle OTQ=90^\circ$ で、直線 $QT$ は $T$ における接線である。したがって、接線はもとの円と $K$ の共有点と 1 対 1 に対応する(異なる接点をもつ 2 本の接線が同じ直線なら、その直線は円と 2 点を共有し、接線でなくなる)。
段 4($OQ>r$、共有点の個数)。$K$ の中心は $OQ$ の中点、半径は $\dfrac{OQ}2$ で、2 円の中心間の距離は $\dfrac{OQ}2$ である。2 つの半径 $r$ と $\dfrac{OQ}2$ の大きい方から小さい方を引いた差は $\left\lvert r-\dfrac{OQ}2\right\rvert$ なので、thm-tct-position の 3 の条件は
$$\left\lvert r-\frac{OQ}2\right\rvert<\frac{OQ}2< r+\frac{OQ}2$$
である。右の不等号は $r>0$ からいつも成り立つ。左の不等号は $-\dfrac{OQ}2< r-\dfrac{OQ}2<\dfrac{OQ}2$、つまり $0< r< OQ$ と同じで、仮定 $OQ>r$ から成り立つ。よって共有点はちょうど 2 つで、接線はちょうど 2 本である。$\square$
$r_1\ge r_2>0$、$d>0$ とする。2 円の共通接線の本数は次のとおりである。
| $d$ の条件 | 共通外接線 | 共通内接線 | 合計 |
|---|---|---|---|
| $d>r_1+r_2$ | 2 本 | 2 本 | 4 本 |
| $d=r_1+r_2$ | 2 本 | 1 本 | 3 本 |
| $r_1-r_2< d< r_1+r_2$ | 2 本 | 0 本 | 2 本 |
| $d=r_1-r_2$ | 1 本 | 0 本 | 1 本 |
| $d< r_1-r_2$ | 0 本 | 0 本 | 0 本 |
方針:lem-tct-through-center により、共通外接線は「$E$ から $C_1$ に引いた接線」、共通内接線は「$I$ から $C_1$ に引いた接線」とちょうど一致する。その本数を lem-tct-from-point で数える。
段 1(共通外接線、$r_1>r_2$)。lem-tct-through-center の 1 と 3 により、共通外接線は $E$ を通り $C_1$ に接する直線と一致する。ex-tct-centers のとおり $O_1E=\dfrac{r_1d}{r_1-r_2}$ なので
$$
O_1E>r_1\iff d>r_1-r_2,\qquad O_1E=r_1\iff d=r_1-r_2,\qquad O_1E< r_1\iff d< r_1-r_2
$$
である(両辺を正の数 $\dfrac{r_1}{r_1-r_2}$ で割った形)。lem-tct-from-point により、本数はそれぞれ 2 本、1 本、0 本である。
段 2(共通外接線、$r_1=r_2$)。lem-tct-through-center の 1 により、共通外接線は直線 $O_1O_2$ に平行で $O_1$ からの距離が $r_1$ の直線である。そのような直線は直線 $O_1O_2$ の両側に 1 本ずつあり、どちらも $O_2$ からの距離も $r_1=r_2$ で、同じ側に 2 つの中心がある。よって 2 本である。$r_1-r_2=0< d$ なので、表の「2 本」と合っている。
段 3(共通内接線)。lem-tct-through-center の 2 と 3 により、共通内接線は $I$ を通り $C_1$ に接する直線と一致する。$O_1I=\dfrac{r_1d}{r_1+r_2}$ なので、$O_1I>r_1\iff d>r_1+r_2$、$O_1I=r_1\iff d=r_1+r_2$、$O_1I< r_1\iff d< r_1+r_2$ である。本数はそれぞれ 2 本、1 本、0 本である。
段 4(合計)。共通外接線と共通内接線は、2 つの中心が同じ側か反対側かで区別されるので、同じ直線になることはない。$r_2>0$ なので $r_1-r_2< r_1+r_2$ であり、段 1〜段 3 を $d$ の範囲ごとに足すと表のとおりになる。$\square$
$d=r_1+r_2$(外接)のとき $O_1I=r_1$ で、$I$ は接点そのものである。$d=r_1-r_2$(内接)のとき $O_1E=r_1$ で、$E$ が接点である。どちらの場合も、接点で引いた 1 本の共通接線は cor-tct-contact の直線 $m$ である。
$C_1\colon x^2+y^2=9$、$C_2\colon (x-5)^2+y^2=1$($d=5>4=r_1+r_2$)の共通接線を求める。ex-tct-centers により $E\left(\dfrac{15}2,0\right)$、$I\left(\dfrac{15}4,0\right)$ である。
段 1(共通内接線)。$I$ を通る直線を $y=m\left(x-\dfrac{15}4\right)$ とおく($y$ 軸に平行な直線 $x=\dfrac{15}4$ は $O_1$ からの距離が $\dfrac{15}4\ne3$ なので接線でない)。$O_1$ からの距離が $3$ である条件は $\dfrac{\frac{15}4\lvert m\rvert}{\sqrt{1+m^2}}=3$ で、2 乗して $\dfrac{225}{16}m^2=9(1+m^2)$、つまり $81m^2=144$、$m=\pm\dfrac43$ である。直線は $4x-3y-15=0$ と $4x+3y-15=0$ である。$4x-3y-15=0$ の $O_2(5,0)$ からの距離は $\dfrac{\lvert20-15\rvert}{5}=1$ で、確かに $C_2$ にも接する。$f(O_1)=\dfrac{-15}5=-3$、$f(O_2)=\dfrac55=1$ で符号が反対なので、共通内接線である。
段 2(共通外接線)。$E$ を通る直線 $y=m\left(x-\dfrac{15}2\right)$ で同じ計算をすると $\dfrac{225}4m^2=9(1+m^2)$、つまり $189m^2=36$、$m=\pm\dfrac2{\sqrt{21}}$ である。直線は $2x-\sqrt{21}\,y-15=0$ と $2x+\sqrt{21}\,y-15=0$ である。$2x-\sqrt{21}\,y-15=0$ の係数を $\sqrt{4+21}=5$ で割ると、$f(O_1)=-3$、$f(O_2)=\dfrac{10-15}5=-1$ で、同じ符号の共通外接線である。
段 3(接点)。$2x-\sqrt{21}\,y-15=0$ の接点は、$C_1$ 側が $T_1\left(\dfrac65,-\dfrac{3\sqrt{21}}5\right)$、$C_2$ 側が $T_2\left(\dfrac{27}5,-\dfrac{\sqrt{21}}5\right)$ である(中心から直線に下ろした垂線の足)。$4x-3y-15=0$ の接点は $\left(\dfrac{12}5,-\dfrac95\right)$ と $\left(\dfrac{21}5,\dfrac35\right)$ である。
d = 5 の 2 円と 4 本の共通接線。共通外接線(オレンジ)は外相似の中心 E(15/2, 0) を、共通内接線(赤)は内相似の中心 I(15/4, 0) を通る
共通接線が $C_1$ と $T_1$ で、$C_2$ と $T_2$ で接するとき、線分 $T_1T_2$ の長さを 共通接線の長さ という。
中心間の距離を $d$ とする。共通外接線があるとき($d\ge r_1-r_2$)、その長さは $\sqrt{d^2-(r_1-r_2)^2}$ である。共通内接線があるとき($d\ge r_1+r_2$)、その長さは $\sqrt{d^2-(r_1+r_2)^2}$ である。
方針:$\overrightarrow{O_1O_2}$ を、接線に平行な部分 $\overrightarrow{T_1T_2}$ と、接線に垂直な部分に分け、三平方の定理を使う。
段 1(分ける)。def-tct-signed の記号で、$\vec n:=(a,b)$ は $\ell$ に垂直な長さ $1$ のベクトルである。$T_1$ は $O_1$ から $\ell$ に下ろした垂線の足なので $\overrightarrow{T_1O_1}=f(O_1)\vec n$、同じく $\overrightarrow{T_2O_2}=f(O_2)\vec n$ である($f$ の値が符号つきの距離であることによる)。よって
$$
\overrightarrow{O_1O_2}=\overrightarrow{O_1T_1}+\overrightarrow{T_1T_2}+\overrightarrow{T_2O_2}=\overrightarrow{T_1T_2}+\bigl(f(O_2)-f(O_1)\bigr)\vec n
$$
である。
段 2(三平方の定理)。$\overrightarrow{T_1T_2}$ は $\ell$ に平行なので $\vec n$ に垂直で、内積は $0$ である。2 乗して展開すると
$$
d^2=T_1T_2^2+\bigl(f(O_2)-f(O_1)\bigr)^2
$$
である。
段 3(まとめ)。共通外接線では $f(O_1)$、$f(O_2)$ が同じ符号で絶対値が $r_1$、$r_2$ なので $\lvert f(O_2)-f(O_1)\rvert=r_1-r_2$($r_1\ge r_2$)、共通内接線では反対の符号なので $\lvert f(O_2)-f(O_1)\rvert=r_1+r_2$ である。段 2 に代入して主張を得る。$\square$
教科書では、$O_2$ から直線 $O_1T_1$ に垂線 $O_2H$ を下ろし、長方形 $HT_1T_2O_2$ と直角三角形 $O_1HO_2$ をつくって同じ式を出す(図 3)。段 1 のベクトルの分解は、この長方形を式で書いたものである。
共通外接線の長さ。O₂ から O₁T₁ に垂線 O₂H を下ろすと、HT₁T₂O₂ は長方形で O₁H = r₁ − r₂。直角三角形 O₁HO₂ に三平方の定理を使うと T₁T₂² = d² − (r₁ − r₂)²
ex-tct-four の $d=5$、$r_1=3$、$r_2=1$ では、prop-tct-length により共通外接線の長さは $\sqrt{25-4}=\sqrt{21}$、共通内接線の長さは $\sqrt{25-16}=3$ である。
接点から直接計算すると、共通外接線では $\overrightarrow{T_1T_2}=\left(\dfrac{21}5,\dfrac{2\sqrt{21}}5\right)$ で、長さの 2 乗は $\dfrac{441}{25}+\dfrac{84}{25}=\dfrac{525}{25}=21$ である。共通内接線では接点の差が $\left(\dfrac95,\dfrac{12}5\right)$ で、長さは $\sqrt{\dfrac{81+144}{25}}=\dfrac{15}5=3$ である。どちらも公式と一致する。
半径 $3$ と半径 $1$ の 2 つの車輪(円)の中心を距離 $4$ だけ離して置き、外側からぴんと張ったベルトをかける($C_1\colon x^2+y^2=9$、$C_2\colon (x-4)^2+y^2=1$)。ベルトは 2 本の共通外接線の部分と、2 つの円の弧の部分からなる。
段 1(まっすぐな部分)。prop-tct-length により 1 本の長さは $\sqrt{16-4}=2\sqrt3$ で、2 本で $4\sqrt3$ である。
段 2(接点の位置)。ex-tct-three-two (1) の共通外接線 $x-\sqrt3\,y-6=0$ の単位法線は $\vec n=\left(\dfrac12,-\dfrac{\sqrt3}2\right)$ で、接点は $T_1=3\vec n=\left(\dfrac32,-\dfrac{3\sqrt3}2\right)$、$T_2=O_2+\vec n=\left(\dfrac92,-\dfrac{\sqrt3}2\right)$ である。どちらも中心から見て $x$ 軸の正の向きから $-60^\circ$ の方向にある。もう 1 本の接線の接点は $x$ 軸について対称で、$+60^\circ$ の方向にある。
段 3(弧の部分)。ベルトは $C_1$ では $O_2$ から遠い側の弧、つまり $60^\circ$ から $300^\circ$ までの $240^\circ$ の弧に沿い、長さは $3\cdot\dfrac{240}{360}\cdot2\pi=4\pi$ である。$C_2$ では $O_1$ から遠い側の $-60^\circ$ から $60^\circ$ までの $120^\circ$ の弧に沿い、長さは $1\cdot\dfrac{120}{360}\cdot2\pi=\dfrac{2\pi}3$ である。
合計は $4\sqrt3+4\pi+\dfrac{2\pi}3=4\sqrt3+\dfrac{14\pi}3\approx21.59$ である。
$E$、$I$ を「相似の中心」とよぶ理由を述べる。点 $Z$ と $0$ でない実数 $k$ について、点 $X$ を
$$
h(X)=Z+k(X-Z)\qquad(\text{位置ベクトルで } \vec z+k(\vec x-\vec z))
$$
に移す変換を、$Z$ を中心とする比 $k$ の 相似拡大 という。$k>0$ なら $X$ と $h(X)$ は $Z$ から見て同じ向きに、$k<0$ なら反対の向きにある。
中心が異なる 2 円 $C_1$、$C_2$ について、内相似の中心 $I$ を中心とする比 $-\dfrac{r_2}{r_1}$ の相似拡大は $C_1$ を $C_2$ に移す。$r_1\ne r_2$ なら、外相似の中心 $E$ を中心とする比 $\dfrac{r_2}{r_1}$ の相似拡大も $C_1$ を $C_2$ に移す。さらに、相似拡大は直線をそれと平行な直線に移し、円の接線を像の円の接線に移す。
要点:相似拡大 $h(X)=Z+k(X-Z)$ は 2 点の距離を $\lvert k\rvert$ 倍し、直線を平行な直線に移す。中心を $E$、比を $\dfrac{r_2}{r_1}$(または中心を $I$、比を $-\dfrac{r_2}{r_1}$)にとると $O_1$ が $O_2$ に移るので、$O_1$ から距離 $r_1$ の点は $O_2$ から距離 $r_2$ の点に移り、半径に垂直な接線は半径に垂直な接線に移る。
段 1(中心の像)。$E$ の場合、$k=\dfrac{r_2}{r_1}$ として
$$\vec e+k(\vec o_1-\vec e)=(1-k)\vec e+k\vec o_1=\frac{r_1-r_2}{r_1}\cdot\frac{-r_2\vec o_1+r_1\vec o_2}{r_1-r_2}+\frac{r_2}{r_1}\vec o_1=\vec o_2$$
である。$I$ の場合も、$k=-\dfrac{r_2}{r_1}$ として $(1-k)\vec\imath+k\vec o_1=\dfrac{r_1+r_2}{r_1}\cdot\dfrac{r_2\vec o_1+r_1\vec o_2}{r_1+r_2}-\dfrac{r_2}{r_1}\vec o_1=\vec o_2$ である。
段 2(距離)。$h(X)-h(Y)=k(X-Y)$ なので、$h$ は 2 点の距離を $\lvert k\rvert$ 倍し、線分をそれと平行な線分に移す($k<0$ なら向きは逆になる)。$X$ が $C_1$ の上にあれば $h(X)O_2=h(X)h(O_1)=\lvert k\rvert\cdot XO_1=\dfrac{r_2}{r_1}r_1=r_2$ で、$h(X)$ は $C_2$ の上にある。逆に $C_2$ の点 $Y$ は、比 $\dfrac1k$ の相似拡大(同じ中心)で $C_1$ の点 $X$ に移り、$h(X)=Y$ である。よって $h$ は $C_1$ を $C_2$ にちょうど移す。
段 3(直線と接線)。直線 $\ell$ の上の 2 点 $X,Y$ の像を結ぶベクトルは $k(Y-X)$ なので、$\ell$ の像は $\ell$ に平行な直線である。$\ell$ が $C_1$ に $T$ で接するとき、$\ell\perp O_1T$ である。像の直線は $\ell$ に平行、$O_2h(T)$ は $O_1T$ に平行なので、像の直線は $O_2h(T)$ に垂直で $h(T)$ を通る。つまり $h(T)$ における $C_2$ の接線である。$\square$
E を中心とする比 1/3 の相似拡大は C₁ の点 X(0, 3) を C₂ の点 (5, 1) に、I を中心とする比 −1/3 の相似拡大は (5, −1) に移す。点線は EI を直径とする円
prop-tct-homothety から、共通接線が相似の中心を通る理由がもう一度見える。$E$ を通り $C_1$ に接する直線 $\ell$ は、$E$ を中心とする相似拡大で $\ell$ に平行で $E$ を通る直線、つまり $\ell$ 自身に移る。接線は接線に移るので、$\ell$ は $C_2$ にも接する。lem-tct-through-center の 3 は、この事実を式で確かめたものである。
ここから先は、大学で学ぶ内容の紹介である。
2 円の方程式を引いて得られる 1 次式(ex-tct-start)の表す直線は根軸で、2 円に関する方べきが等しい点の集まりである。根軸の上の点のうち 2 円の外部にあるものからは、2 円に引いた接線の長さが等しい。共通接線 $T_1T_2$ の中点が根軸の上にあることなど、根軸の性質は 根軸と根心 で扱う。
| 外した仮定 | 崩れる主張 | ボックス |
|---|---|---|
| $r_1\ne r_2$ | 共通外接線は外相似の中心 $E$ を通る | ex-tct-equal-radii |
| $d>r_1-r_2$ | $d< r_1+r_2$ なら 2 円は 2 点で交わる | ex-tct-one-inequality |
| $d\ge r_1+r_2$ | 共通内接線があり、その長さは $\sqrt{d^2-(r_1+r_2)^2}$ | ex-tct-no-internal |
$x^2+y^2=4$ と $(x-6)^2+y^2=4$($r_1=r_2=2$、$d=6$)では、線分 $O_1O_2$ を $2:2$ に外分する点は存在しない。共通外接線は $y=2$ と $y=-2$ で、直線 $O_1O_2$($x$ 軸)に平行であり、どの点も「共通外接線がすべて通る点」にならない。共通内接線は内相似の中心 $I=(3,0)$ を通り、$\dfrac{3\lvert m\rvert}{\sqrt{1+m^2}}=2$ から $m=\pm\dfrac2{\sqrt5}$ で、$2x-\sqrt5\,y-6=0$ と $2x+\sqrt5\,y-6=0$ である($O_1$、$O_2$ からの距離はどちらも $\dfrac63=2$)。共通接線は合計 4 本で、thm-tct-count の $d>r_1+r_2$ の場合と合っている。
ex-tct-start の $d=1$($r_1=3$、$r_2=1$)では $d< r_1+r_2=4$ であるが、共有点はない。$d>r_1-r_2=2$ が成り立たず、$C_2$ は $C_1$ の内部にある($C_2$ の点の $O_1$ からの距離は最大でも $d+r_2=2<3$)。2 点で交わるには、$d< r_1+r_2$ と $d>r_1-r_2$ の両方が必要である。
ex-tct-three-two (2) の $d=3$($r_1=3$、$r_2=1$)では $d< r_1+r_2$ で、$d^2-(r_1+r_2)^2=9-16=-7<0$ なので、長さの式 $\sqrt{d^2-(r_1+r_2)^2}$ は実数にならない。実際、内相似の中心 $I\left(\dfrac94,0\right)$ は $C_1$ の内部にあり、$I$ を通る直線はどれも $C_1$ と 2 点で交わるので、共通内接線は 1 本もない。prf-tct-length は共通内接線が存在することを前提にしている。
Mathpediaは寄付と、参考文献の書籍リンク(Amazonアソシエイト)の紹介料で運営されています。 支援について / 寄付する