Wittenbauerの平行四辺形

同義語:ヴィッテンバウアーの平行四辺形Wittenbauerの定理Wittenbauer's parallelogramWittenbauer's theorem

概要

Wittenbauerの平行四辺形(Wittenbauer's parallelogram)とは、単純な四角形(凸四角形または凹四角形)の各辺を 3 等分し、各頂点に隣り合う 2 つの 3 等分点を結ぶ 4 本の直線で囲まれた平行四辺形である。その辺はもとの四角形の対角線に平行で、Varignon の平行四辺形を対角線の交点 $E$ を中心に $\frac43$ 倍したものであり、面積は四角形の $\frac89$ である。Wittenbauer の定理により、この平行四辺形の中心は、厚さが一様な四角形の板の重心で、その位置ベクトルは $\frac13(\vec a+\vec b+\vec c+\vec d-\vec e)$ と書ける。中点や 4 等分点で同じ作り方をすると、中心は板の重心と一致しない。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: Varignonの定理, 位置ベクトルと内分点, 三角形の重心(高校数学), ベクトル方程式(直線と円)

高校での出発点:辺を 3 等分して直線を引く

四角形の 4 辺の中点を結ぶと平行四辺形になる(Varignonの定理)。中点の代わりに、辺を 3 等分する点を使ってみる。各頂点のすぐ隣にある 2 つの 3 等分点を結ぶ直線を、4 つの頂点で引く。

台形の辺を 3 等分する

台形 $A(0,0)$、$B(6,0)$、$C(3,3)$、$D(0,3)$ の各辺を 3 等分する。3 等分点は、頂点に近い方から

  • 辺 $AB$:$(2,0)$、$(4,0)$
  • 辺 $BC$:$(5,1)$、$(4,2)$
  • 辺 $CD$:$(2,3)$、$(1,3)$
  • 辺 $DA$:$(0,2)$、$(0,1)$
    である(たとえば辺 $BC$ を $B$ の側から $1:2$ に内分する点は $\dfrac{2(6,0)+(3,3)}3=(5,1)$)。各頂点に隣り合う 2 つの 3 等分点を結ぶ直線は次のとおりである。
  • 頂点 $A$:$(2,0)$ と $(0,1)$ を通る直線 $\ell_A\colon x+2y=2$
  • 頂点 $B$:$(4,0)$ と $(5,1)$ を通る直線 $\ell_B\colon y=x-4$
  • 頂点 $C$:$(4,2)$ と $(2,3)$ を通る直線 $\ell_C\colon x+2y=8$
  • 頂点 $D$:$(1,3)$ と $(0,2)$ を通る直線 $\ell_D\colon y=x+2$
    $\ell_B$ と $\ell_D$ はどちらも傾き $1$ で、対角線 $AC$(直線 $y=x$)に平行である。$\ell_A$ と $\ell_C$ はどちらも傾き $-\dfrac12$ で、対角線 $BD$(直線 $x+2y=6$)に平行である。4 本の直線は平行四辺形を作り、隣り合う 2 本の交点を求めると、頂点は
    $$ \left(\frac{10}3,-\frac23\right),\qquad \left(\frac{16}3,\frac43\right),\qquad \left(\frac43,\frac{10}3\right),\qquad \left(-\frac23,\frac43\right) $$
    である(たとえば $\ell_A$ と $\ell_B$ の交点は、$x+2(x-4)=2$ から $x=\dfrac{10}3$)。平行四辺形の中心は、向かい合う頂点を結ぶ対角線の中点
    $$ \left(\frac12\left(\frac{10}3+\frac43\right),\ \frac12\left(-\frac23+\frac{10}3\right)\right)=\left(\frac73,\frac43\right) $$
    である。

この台形は 三角形の重心(高校数学) の反例「四角形では頂点の平均と板の重心が違う」と同じ台形で、そこでは、厚さが一様な台形の板の釣り合う点(板の重心)が $\left(\dfrac73,\dfrac43\right)$、4 頂点の平均が $\left(\dfrac94,\dfrac32\right)$ と求められていた。3 等分点で作った平行四辺形の中心は、頂点の平均ではなく、板の重心と一致した。
台形 ABCD の各辺を 3 等分し、各頂点に隣り合う 2 つの 3 等分点を結ぶ 4 本の直線が平行四辺形を作る。その中心は台形の板の重心である 台形 ABCD の各辺を 3 等分し、各頂点に隣り合う 2 つの 3 等分点を結ぶ 4 本の直線が平行四辺形を作る。その中心は台形の板の重心である
この記事で答える問いは次の 3 つである。

  1. どんな四角形でも、4 本の直線は平行四辺形を作るか。その辺は何に平行か。→ thm-wb-para
  2. 平行四辺形の中心は、いつも四角形の板の重心か。→ thm-wb-centroid
  3. 中点(2 等分点)や 4 等分点を使うと、どうなるか。→ ex-wb-cx-mid、ex-wb-cx-quarter
    高校の計算この記事の言葉大学の言葉
    3 等分点 $\dfrac{2\vec b+\vec c}3$Wittenbauer の平行四辺形対角線の交点を中心とする $\dfrac43$ 倍の拡大
    三角形の板の重心は頂点の平均四角形の板の重心 $\dfrac{\vec a+\vec b+\vec c+\vec d-\vec e}3$面積で重みづけた平均(積分の加法性)
    中点を結ぶ平行四辺形Varignon の平行四辺形中心は頂点の平均

言葉の準備:単純な四角形と Wittenbauer の平行四辺形

この記事では、辺どうしが交わらない四角形(凸四角形と凹四角形)を扱う。これを 単純な四角形 という(Varignonの定理 の定義「四角形と符号つき面積」)。単純な四角形 $ABCD$ の対角線 $AC$、$BD$ は平行でない(Varignonの定理 で、単純な四角形の面積 $\dfrac12\left\lvert\det\left(\overrightarrow{AC},\overrightarrow{BD}\right)\right\rvert$ が正であることから示されている)。そこで、2 本の対角線を含む直線は 1 点で交わる。この交点を $E$ とする。凸四角形では $E$ は四角形の内部にあり、凹四角形では $E$ は四角形の外にある(ex-wb-concave)。

Wittenbauer の平行四辺形

単純な四角形 $ABCD$ の各辺を 3 等分する。頂点 $B$ に隣り合う 2 つの 3 等分点(辺 $BA$ の $B$ に近い方と、辺 $BC$ の $B$ に近い方)
$$ \frac{\vec a+2\vec b}3,\qquad \frac{2\vec b+\vec c}3 $$
を通る直線を $\ell_B$ とする。頂点 $A$、$C$、$D$ でも同じように直線 $\ell_A$、$\ell_C$、$\ell_D$ を定める。4 本の直線 $\ell_A$、$\ell_B$、$\ell_C$、$\ell_D$ で囲まれた四角形を、四角形 $ABCD$ の Wittenbauer の平行四辺形 という。

名前のとおり、この四角形は平行四辺形になる(thm-wb-para)。この作り方は Wei26a にある。頂点に隣り合う 2 つの 3 等分点の式は、位置ベクトルと内分点 の内分点の公式で、辺 $BA$ を $B$ の側から $1:2$ に内分する点が $\dfrac{2\vec b+\vec a}3$ であることによる。

正方形の Wittenbauer の平行四辺形

正方形 $A(0,0)$、$B(3,0)$、$C(3,3)$、$D(0,3)$ では、3 等分点は各辺の $1$ と $2$ の位置にある。直線は
$$ \ell_A\colon x+y=1,\qquad \ell_B\colon x-y=2,\qquad \ell_C\colon x+y=5,\qquad \ell_D\colon y-x=2 $$
で、Wittenbauer の平行四辺形は頂点 $\left(\dfrac32,-\dfrac12\right)$、$\left(\dfrac72,\dfrac32\right)$、$\left(\dfrac32,\dfrac72\right)$、$\left(-\dfrac12,\dfrac32\right)$ の正方形である。中心は $\left(\dfrac32,\dfrac32\right)$ で、もとの正方形の中心と一致する。平行な 2 本 $x+y=1$、$x+y=5$ の距離は $\dfrac{5-1}{\sqrt2}=2\sqrt2$ で、面積は $(2\sqrt2)^2=8$ である。もとの正方形の面積 $9$ の $\dfrac89$ である。Wittenbauer の平行四辺形の頂点は、もとの正方形の外にはみ出している。

主定理 1:平行四辺形になり、辺は対角線に平行

証明では、対角線の交点 $E$ を原点にとり、平面のベクトルを 2 本の対角線の向きに分解する。

Wittenbauer の平行四辺形

単純な四角形 $ABCD$ の対角線を含む直線の交点を $E$ とする。
(R1) $\ell_B$ と $\ell_D$ は対角線 $AC$ に平行で、$\ell_A$ と $\ell_C$ は対角線 $BD$ に平行である。したがって 4 本の直線は平行四辺形を作る。
(R2) この平行四辺形の頂点は、$\ell_A$ と $\ell_B$ の交点、$\ell_B$ と $\ell_C$ の交点、$\ell_C$ と $\ell_D$ の交点、$\ell_D$ と $\ell_A$ の交点で、$E$ を原点とする位置ベクトルはそれぞれ
$$ \frac23(\vec a+\vec b),\qquad \frac23(\vec b+\vec c),\qquad \frac23(\vec c+\vec d),\qquad \frac23(\vec d+\vec a) $$
である。
(R3) 平行四辺形の中心の位置ベクトルは、$E$ を原点として $\dfrac13(\vec a+\vec b+\vec c+\vec d)$ である。

対角線の向きの 2 つの座標で書く

方針:$E$ を原点とすると、$A$、$C$ は対角線 $AC$ の向きの直線の上に、$B$、$D$ は対角線 $BD$ の向きの直線の上にある。平面の点を「$AC$ の向きの成分」と「$BD$ の向きの成分」の 2 つの数で表すと、4 本の直線はどれも、片方の成分が一定の直線になる。
段 1(座標をとる)。$E$ を原点とし、$\vec p=\overrightarrow{AC}$、$\vec q=\overrightarrow{BD}$ とおく。$\vec p$、$\vec q$ は $\vec 0$ でなく平行でないので、平面のどのベクトルも $x\vec p+y\vec q$($x$、$y$ は実数)とただ 1 通りに書ける(位置ベクトルと内分点)。$A$、$C$ は $E$ を通る直線 $AC$ の上にあるので、実数 $\alpha$、$\gamma$ を使って $\vec a=\alpha\vec p$、$\vec c=\gamma\vec p$ と書ける。同じく $\vec b=\beta\vec q$、$\vec d=\delta\vec q$ と書ける。$\vec c-\vec a=\vec p$ から $\gamma-\alpha=1$、$\vec d-\vec b=\vec q$ から $\delta-\beta=1$ である。
段 2($\ell_B$ と $\ell_D$)。$\ell_B$ が通る 2 点は
$$ \frac{\vec a+2\vec b}3=\frac\alpha3\vec p+\frac{2\beta}3\vec q,\qquad \frac{2\vec b+\vec c}3=\frac\gamma3\vec p+\frac{2\beta}3\vec q $$
で、$\vec q$ の係数がどちらも $\dfrac{2\beta}3$ である。2 点の差は $\dfrac{\gamma-\alpha}3\vec p=\dfrac13\vec p\ne\vec 0$ なので、$\ell_B$ は $\vec p$ に平行、つまり対角線 $AC$ に平行で、$\ell_B$ の点はどれも $\vec q$ の係数が $\dfrac{2\beta}3$ である。$\ell_D$ が通る 2 点 $\dfrac{\vec c+2\vec d}3$、$\dfrac{2\vec d+\vec a}3$ も同じく $\vec q$ の係数が $\dfrac{2\delta}3$ で、$\ell_D$ は $AC$ に平行である。
段 3($\ell_A$ と $\ell_C$)。$\ell_A$ が通る 2 点は
$$ \frac{2\vec a+\vec b}3=\frac{2\alpha}3\vec p+\frac\beta3\vec q,\qquad \frac{2\vec a+\vec d}3=\frac{2\alpha}3\vec p+\frac\delta3\vec q $$
で、$\vec p$ の係数がどちらも $\dfrac{2\alpha}3$ である。差は $\dfrac{\delta-\beta}3\vec q=\dfrac13\vec q$ なので、$\ell_A$ は対角線 $BD$ に平行である。同じく $\ell_C$ の点はどれも $\vec p$ の係数が $\dfrac{2\gamma}3$ で、$\ell_C$ は $BD$ に平行である。
段 4(平行四辺形と頂点)。段 2・段 3 から、4 本の直線は
$$ \ell_A\colon x=\frac{2\alpha}3,\qquad \ell_C\colon x=\frac{2\gamma}3,\qquad \ell_B\colon y=\frac{2\beta}3,\qquad \ell_D\colon y=\frac{2\delta}3 $$
(点 $x\vec p+y\vec q$ の係数についての式)である。$\alpha\ne\gamma$、$\beta\ne\delta$ なので、$\ell_A$ と $\ell_C$ は異なる平行な 2 本、$\ell_B$ と $\ell_D$ も異なる平行な 2 本で、4 本は平行四辺形を作る。$\ell_A$ と $\ell_B$ の交点は $x=\dfrac{2\alpha}3$、$y=\dfrac{2\beta}3$ の点
$$ \frac{2\alpha}3\vec p+\frac{2\beta}3\vec q=\frac23(\alpha\vec p+\beta\vec q)=\frac23(\vec a+\vec b) $$
である。残りの 3 つの頂点も同じである。
段 5(中心)。平行四辺形の中心は、向かい合う頂点 $\dfrac23(\vec a+\vec b)$ と $\dfrac23(\vec c+\vec d)$ の中点で、$\dfrac13(\vec a+\vec b+\vec c+\vec d)$ である。$\square$

ex-wb-start の台形では $E=(2,2)$ で、$E$ から見た位置ベクトルは $\vec a=(-2,-2)$、$\vec b=(4,-2)$、$\vec c=(1,1)$、$\vec d=(-2,1)$ である。$\dfrac23(\vec a+\vec b)=\dfrac23(2,-4)=\left(\dfrac43,-\dfrac83\right)$ に $E$ を足すと $\left(\dfrac{10}3,-\dfrac23\right)$ で、ex-wb-start で求めた頂点と一致する。中心は $E+\dfrac13(1,-2)=\left(\dfrac73,\dfrac43\right)$ である。
thm-wb-para の (ii) を Varignon の平行四辺形と比べる。辺 $AB$ の中点は、$E$ を原点として $\dfrac12(\vec a+\vec b)$ である。Wittenbauer の平行四辺形の頂点 $\dfrac23(\vec a+\vec b)$ はその $\dfrac43$ 倍である。

Varignon の平行四辺形との関係と面積

単純な四角形 $ABCD$ の Wittenbauer の平行四辺形は、Varignon の平行四辺形を、対角線の交点 $E$ を中心に $\dfrac43$ 倍に拡大したものである。その面積は、四角形 $ABCD$ の面積の $\dfrac89$ である。

相似拡大と面積比

thm-wb-para の (ii) により、Wittenbauer の平行四辺形の 4 頂点は、Varignon の平行四辺形の 4 頂点 $\dfrac12(\vec a+\vec b)$、$\dfrac12(\vec b+\vec c)$、$\dfrac12(\vec c+\vec d)$、$\dfrac12(\vec d+\vec a)$ を、$E$ を中心に $\dfrac43$ 倍した点である。$\dfrac43$ 倍の拡大は面積を $\left(\dfrac43\right)^2=\dfrac{16}9$ 倍にする。Varignon の平行四辺形の面積は四角形 $ABCD$ の面積の $\dfrac12$ である(Varignonの定理 の定理「Varignon の定理」、単純な四角形の場合)。よって Wittenbauer の平行四辺形の面積は、四角形 $ABCD$ の面積の $\dfrac{16}9\cdot\dfrac12=\dfrac89$ である。$\square$

ex-wb-start の台形の面積は $\dfrac{(6+3)\cdot3}2=\dfrac{27}2$ である。Wittenbauer の平行四辺形の頂点 $\left(\dfrac{10}3,-\dfrac23\right)$ から隣り合う 2 頂点 $\left(\dfrac{16}3,\dfrac43\right)$、$\left(-\dfrac23,\dfrac43\right)$ へのベクトルは $(2,2)$、$(-4,2)$ で、面積はその行列式の絶対値 $\lvert2\cdot2-2\cdot(-4)\rvert=12$ である(1次変換と行列式:面積の拡大率)。$12=\dfrac89\cdot\dfrac{27}2$ で、cor-wb-area と合う。
台形の Varignon の平行四辺形(中点を結ぶ、破線)を対角線の交点 E を中心に 4/3 倍すると、Wittenbauer の平行四辺形になる 台形の Varignon の平行四辺形(中点を結ぶ、破線)を対角線の交点 E を中心に 4/3 倍すると、Wittenbauer の平行四辺形になる

板の重心

厚さが一様な板の釣り合う点を、板の 重心 という。三角形の板の重心は 3 頂点の平均 $\dfrac{\vec a+\vec b+\vec c}3$(中線の交点)である(三角形の重心(高校数学) の命題「三角形の板の重心」。そこでは重心を積分で定め、$x$ 座標について $\bar x=\dfrac{x_1+x_2+x_3}3$ を示している。$x$ と $y$ の役目を入れかえた同じ計算で $y$ 座標も頂点の平均になる)。四角形の板の重心は、2 つの三角形に分けて求める。

板を 2 つに分けて重心を求める

1 枚の板を 1 本の線分で 2 つの部分に分け、部分の面積を $S_1$、$S_2$、部分の重心を $G_1$、$G_2$ とする。全体の板の重心 $G$ は
$$ \vec g=\frac{S_1\vec g_1+S_2\vec g_2}{S_1+S_2} $$
である。つまり $G$ は、線分 $G_1G_2$ を $S_2:S_1$ に内分する点である。

lem-wb-plate はこの記事では証明せずに使う。重心を積分で定めると、面積と「面積 × 重心の座標」(モーメント)がどちらも部分の和になる(積分の加法性)ことから従う。物理では、2 つの部分をそれぞれの重心に置いたおもり(重さは面積に比例)とみて、その 2 つのおもりの重心をとることにあたる(三角形の重心(高校数学) の命題「質量中心はまとめて計算できる」)。

台形の板の重心

ex-wb-start の台形を対角線 $AC$ で三角形 $ABC$、$ACD$ に分ける。
$$ S_1=\triangle ABC=\frac12\cdot6\cdot3=9,\qquad G_1=\frac{(0,0)+(6,0)+(3,3)}3=(3,1) $$
$$ S_2=\triangle ACD=\frac12\cdot3\cdot3=\frac92,\qquad G_2=\frac{(0,0)+(3,3)+(0,3)}3=(1,2) $$
である($\triangle ABC$ は底辺 $AB=6$、高さ $3$、$\triangle ACD$ は底辺 $DC=3$、高さ $3$)。lem-wb-plate により
$$ \vec g=\frac{9(3,1)+\frac92(1,2)}{9+\frac92}=\frac{(27,9)+\left(\frac92,9\right)}{\frac{27}2}=\frac2{27}\left(\frac{63}2,18\right)=\left(\frac73,\frac43\right) $$
である。これは ex-wb-start の Wittenbauer の平行四辺形の中心と一致する。

主定理 2:板の重心は平行四辺形の中心

単純な四角形は、どちらかの対角線で 2 つの三角形に分けられる。凸四角形ならどちらの対角線でもよい。凹四角形では、内角が $180^\circ$ より大きい頂点から出る対角線で分ける(その頂点は、残りの 3 頂点が作る三角形の内部にある)。この事実はこの記事では証明せずに使う。

Wittenbauer の定理

単純な四角形 $ABCD$ の板の重心 $G$ は、Wittenbauer の平行四辺形の中心である。対角線を含む直線の交点を $E$ とすると、どの点を原点にとっても
$$ \vec g=\frac{\vec a+\vec b+\vec c+\vec d-\vec e}3 $$
である。

この定理の主張は Wei26b にある。

対角線の交点が面積の比で内分する

方針:四角形を対角線 $AC$ で 2 つの三角形に分け、lem-wb-plate で重心を書く。対角線の交点 $E$ が線分 $BD$ を面積の比 $S_1:S_2$ に内分することを使うと、thm-wb-para の (iii) の中心の式と一致する。
段 1(分け方と $E$ の位置)。頂点の名前を $A\to B\to C\to D\to A$ の順にずらしても、四角形も Wittenbauer の平行四辺形も変わらない。そこで、対角線 $AC$ が四角形を三角形 $ABC$ と三角形 $ACD$ に分けるように名前をつける。2 つの三角形は直線 $AC$ の反対側にあるので、$B$ と $D$ は直線 $AC$ の反対側にある。よって線分 $BD$ は直線 $AC$ と交わり、その交点が $E$ である。$E$ は線分 $BD$ の上の、$B$ とも $D$ とも異なる点である。
段 2(面積の比)。$S_1=\triangle ABC$、$S_2=\triangle ACD$ とする。2 つの三角形は底辺 $AC$ を共有するので、面積の比は $B$、$D$ から直線 $AC$ までの距離の比である。直線 $BD$ と直線 $AC$ のなす角を $\varphi$ とすると、$B$ から直線 $AC$ までの距離は $EB\sin\varphi$、$D$ からの距離は $ED\sin\varphi$ である。よって $S_1:S_2=EB:ED$ で、正の数 $k$ を使って $S_1=k\cdot EB$、$S_2=k\cdot ED$ と書ける。
段 3(板の重心の式)。三角形の板の重心は頂点の平均なので、$\vec g_1=\dfrac{\vec a+\vec b+\vec c}3$、$\vec g_2=\dfrac{\vec a+\vec c+\vec d}3$ である。lem-wb-plate により
$$ \vec g=\frac{S_1\vec g_1+S_2\vec g_2}{S_1+S_2}=\frac{\vec a+\vec c}3+\frac13\cdot\frac{S_1\vec b+S_2\vec d}{S_1+S_2} $$
である($S_1\vec g_1+S_2\vec g_2=(S_1+S_2)\dfrac{\vec a+\vec c}3+\dfrac{S_1\vec b+S_2\vec d}3$ による)。
段 4($E$ を原点にする)。ここからは $E$ を原点とする。$E$ は線分 $BD$ の上にあるので、$\vec b$ と $\vec d$ は逆向きで、長さは $EB$、$ED$ である。よって $\vec d=-\dfrac{ED}{EB}\vec b$、つまり $ED\cdot\vec b+EB\cdot\vec d=\vec 0$ である。これを使うと
$$ (S_1+S_2)(\vec b+\vec d)=k(EB+ED)(\vec b+\vec d)=k\left(EB\cdot\vec b+ED\cdot\vec d\right)+k\underbrace{\left(ED\cdot\vec b+EB\cdot\vec d\right)}_{=\vec 0}=S_1\vec b+S_2\vec d $$
である。したがって $\dfrac{S_1\vec b+S_2\vec d}{S_1+S_2}=\vec b+\vec d$ で、段 3 から
$$ \vec g=\frac{\vec a+\vec c}3+\frac{\vec b+\vec d}3=\frac13(\vec a+\vec b+\vec c+\vec d) $$
である。これは thm-wb-para の (iii) の中心と一致する。
段 5(原点を変える)。原点を別の点にとると、$E$ から見た位置ベクトルは $\vec a-\vec e$ などになる。段 4 の式は $\vec g-\vec e=\dfrac13\bigl((\vec a-\vec e)+(\vec b-\vec e)+(\vec c-\vec e)+(\vec d-\vec e)\bigr)$ となり、整理すると $\vec g=\dfrac{\vec a+\vec b+\vec c+\vec d-\vec e}3$ である。$\square$

ex-wb-start の台形では $E=(2,2)$ で、$\dfrac{(0+6+3+0-2,\ 0+0+3+3-2)}3=\left(\dfrac73,\dfrac43\right)$ となり、ex-wb-plate の結果と一致する。段 2 の比も確かめられる。$EB=\sqrt{4^2+2^2}=2\sqrt5$、$ED=\sqrt{2^2+1^2}=\sqrt5$ で $EB:ED=2:1=9:\dfrac92=S_1:S_2$ である。

凹四角形

$A(0,0)$、$B(6,0)$、$C(2,2)$、$D(0,6)$ の四角形は、頂点 $C$ の内角が $180^\circ$ より大きい凹四角形である($C$ は三角形 $ABD$ の内部にある。$2+2<6$)。対角線 $AC$ で三角形 $ABC$、$ACD$ に分けると
$$ S_1=\triangle ABC=\frac12\lvert6\cdot2-0\cdot2\rvert=6,\qquad S_2=\triangle ACD=\frac12\lvert2\cdot6-2\cdot0\rvert=6 $$
で、重心は $G_1\left(\dfrac83,\dfrac23\right)$、$G_2\left(\dfrac23,\dfrac83\right)$ である。面積が等しいので、板の重心は $G_1G_2$ の中点 $\left(\dfrac53,\dfrac53\right)$ である。
対角線を含む直線 $y=x$ と $x+y=6$ の交点は $E(3,3)$ で、四角形の外($C$ の先)にある。thm-wb-centroid の式では $\dfrac{(0+6+2+0-3,\ 0+0+2+6-3)}3=\left(\dfrac53,\dfrac53\right)$ で一致する。4 頂点の平均は $(2,2)$ で、板の重心とは違う。

Wittenbauer の平行四辺形を直接求める計算を開く

Wittenbauer の平行四辺形は、直線 $\ell_A\colon x+y=2$、$\ell_B\colon y=x-4$、$\ell_C\colon x+y=\dfrac{14}3$、$\ell_D\colon y=x+4$ で囲まれ、頂点は $(3,-1)$、$\left(\dfrac{13}3,\dfrac13\right)$、$\left(\dfrac13,\dfrac{13}3\right)$、$(-1,3)$、中心は $(3,-1)$ と $\left(\dfrac13,\dfrac{13}3\right)$ の中点 $\left(\dfrac53,\dfrac53\right)$ で、板の重心と一致する。

頂点 $A$ に隣り合う 3 等分点は $(2,0)$、$(0,2)$、頂点 $B$ では $(4,0)$ と $\dfrac{2(6,0)+(2,2)}3=\left(\dfrac{14}3,\dfrac23\right)$、頂点 $C$ では $\dfrac{(6,0)+2(2,2)}3=\left(\dfrac{10}3,\dfrac43\right)$ と $\dfrac{2(2,2)+(0,6)}3=\left(\dfrac43,\dfrac{10}3\right)$、頂点 $D$ では $\dfrac{(2,2)+2(0,6)}3=\left(\dfrac23,\dfrac{14}3\right)$ と $(0,4)$ である。それぞれ 2 点を通る直線が $\ell_A$〜$\ell_D$ である。面積は四角形が $12$、平行四辺形が隣り合う辺のベクトル $\left(\dfrac43,\dfrac43\right)$、$(-4,4)$ の行列式の絶対値 $\dfrac{16}3+\dfrac{16}3=\dfrac{32}3$ で、$\dfrac{32}3=\dfrac89\cdot12$ である。

凹四角形 ABCD の Wittenbauer の平行四辺形。中心は板の重心 G で、対角線を含む 2 直線の交点 E は四角形の外にある 凹四角形 ABCD の Wittenbauer の平行四辺形。中心は板の重心 G で、対角線を含む 2 直線の交点 E は四角形の外にある
凹四角形を対角線 AC で 2 つの三角形に分けると、板の重心 G は 2 つの三角形の重心 G1、G2 を結ぶ線分を面積の比で内分する 凹四角形を対角線 AC で 2 つの三角形に分けると、板の重心 G は 2 つの三角形の重心 G1、G2 を結ぶ線分を面積の比で内分する

四角形の 3 つの重心

四角形には、何を重さとみるかによって 3 つの「重心」がある。ex-wb-start の台形で比べる。

重心重さの置き方台形での値中心になる平行四辺形
頂点の重心4 頂点に同じ重さのおもり$\left(\dfrac94,\dfrac32\right)=(2.25,\ 1.5)$Varignon の平行四辺形
周の重心4 辺を太さが一様な針金で作る$\fallingdotseq(2.561,\ 1.223)$なし
板の重心厚さが一様な板$\left(\dfrac73,\dfrac43\right)\fallingdotseq(2.333,\ 1.333)$Wittenbauer の平行四辺形

頂点の重心が Varignon の平行四辺形の中心であることは Varignonの定理 の系「Varignon の平行四辺形の中心」、板の重心が Wittenbauer の平行四辺形の中心であることは thm-wb-centroid である。周の重心は、各辺の中点に辺の長さに比例する重さを置いたときの重心である。

台形の周の重心の計算を開く

辺の長さと中点は、$AB$ が $6$ と $(3,0)$、$BC$ が $3\sqrt2$ と $\left(\dfrac92,\dfrac32\right)$、$CD$ が $3$ と $\left(\dfrac32,3\right)$、$DA$ が $3$ と $\left(0,\dfrac32\right)$ である。周の長さは $12+3\sqrt2$ で、周の重心の $x$ 座標は

$$\frac{6\cdot3+3\sqrt2\cdot\frac92+3\cdot\frac32+3\cdot0}{12+3\sqrt2}=\frac{\frac{45}2+\frac{27\sqrt2}2}{12+3\sqrt2}=\frac{15+9\sqrt2}{8+2\sqrt2}=\frac{(15+9\sqrt2)(8-2\sqrt2)}{56}=\frac{84+42\sqrt2}{56}=\frac{3(2+\sqrt2)}4$$

$y$ 座標は $\dfrac{6\cdot0+3\sqrt2\cdot\frac32+3\cdot3+3\cdot\frac32}{12+3\sqrt2}=\dfrac{9+3\sqrt2}{8+2\sqrt2}=\dfrac{60+6\sqrt2}{56}=\dfrac{30+3\sqrt2}{28}$ である。小数では $(2.561,\ 1.223)$ である。


3 つの重心は一般には異なる。三角形では、頂点の重心と板の重心は一致する(どちらも中線の交点)が、周の重心は一般に違う点で、Spieker中心 と呼ばれる。平行四辺形では、3 つとも対角線の交点に一致する(対称の中心だから)。

例と反例

thm-wb-centroid の「3 等分点」を別の等分点に替えると、4 本の直線はやはり平行四辺形を作るが、その中心は板の重心でなくなる。

外す条件反例成り立たなくなること
3 等分点を使う中点(2 等分点)を使う平行四辺形の中心が板の重心
3 等分点を使う4 等分点を使う平行四辺形の中心が板の重心、面積が $\dfrac89$
反例:中点を使う

ex-wb-start の台形で、各頂点に隣り合う 2 つの辺の中点を結ぶ直線を引く。頂点 $A$ では辺 $AB$ の中点 $(3,0)$ と辺 $DA$ の中点 $\left(0,\dfrac32\right)$ を結ぶ直線で、隣の頂点 $B$ の直線と辺 $AB$ の中点で交わる。4 本の直線が作る平行四辺形は、4 辺の中点 $(3,0)$、$\left(\dfrac92,\dfrac32\right)$、$\left(\dfrac32,3\right)$、$\left(0,\dfrac32\right)$ を頂点とする Varignon の平行四辺形で、中心は $\left(\dfrac94,\dfrac32\right)$ である。板の重心 $\left(\dfrac73,\dfrac43\right)$ と違う。

反例:4 等分点を使う

ex-wb-start の台形で、各頂点に隣り合う 2 つの 4 等分点(辺を頂点の側から $1:3$ に内分する点)を結ぶ直線を引く。頂点 $B$ では $\dfrac{(0,0)+3(6,0)}4=\left(\dfrac92,0\right)$ と $\dfrac{3(6,0)+(3,3)}4=\left(\dfrac{21}4,\dfrac34\right)$ を通る直線である。4 本の直線はやはり対角線に平行で、平行四辺形の頂点は
$$ \left(\frac72,-1\right),\qquad \left(\frac{23}4,\frac54\right),\qquad \left(\frac54,\frac72\right),\qquad \left(-1,\frac54\right) $$
中心は $\left(\dfrac{19}8,\dfrac54\right)=(2.375,\ 1.25)$ で、板の重心 $\left(\dfrac73,\dfrac43\right)$ と違う。面積は $\dfrac{243}{16}$ で、台形の面積 $\dfrac{27}2$ の $\dfrac98$ 倍である。

一般の $n$ 等分点の場合を開く

辺を頂点の側から $1:(n-1)$ に内分する点($n$ 等分点)で同じ作り方をすると、prf-wb-para と同じ計算で、$E$ を原点とする頂点は $\dfrac{n-1}n(\vec a+\vec b)$ などになり、中心は $\dfrac{n-1}{2n}(\vec a+\vec b+\vec c+\vec d)$ である。これが板の重心 $\dfrac13(\vec a+\vec b+\vec c+\vec d)$ と一致するのは、$\vec a+\vec b+\vec c+\vec d=\vec 0$($E$ が頂点の重心)でないかぎり、$\dfrac{n-1}{2n}=\dfrac13$、つまり $n=3$ のときだけである。

4 等分点の場合の頂点の計算を開く

$E=(2,2)$ を原点とする位置ベクトルは $\vec a=(-2,-2)$、$\vec b=(4,-2)$、$\vec c=(1,1)$、$\vec d=(-2,1)$ である。頂点は $\dfrac34(\vec a+\vec b)=\dfrac34(2,-4)=\left(\dfrac32,-3\right)$、$\dfrac34(\vec b+\vec c)=\left(\dfrac{15}4,-\dfrac34\right)$、$\dfrac34(\vec c+\vec d)=\left(-\dfrac34,\dfrac32\right)$、$\dfrac34(\vec d+\vec a)=\left(-3,-\dfrac34\right)$ で、$E$ を足すと本文の 4 点になる。中心は $E+\dfrac38(1,-2)=\left(\dfrac{19}8,\dfrac54\right)$ である。面積は Varignon の平行四辺形(台形の半分 $\dfrac{27}4$)の $\left(\dfrac32\right)^2=\dfrac94$ 倍で $\dfrac{243}{16}$ である。

台形で、中点・3 等分点・4 等分点から作った 3 つの平行四辺形の中心を比べる。板の重心と一致するのは 3 等分点の場合だけである 台形で、中点・3 等分点・4 等分点から作った 3 つの平行四辺形の中心を比べる。板の重心と一致するのは 3 等分点の場合だけである

大学数学で見る:積分で定めた重心

lem-wb-plate の背後にあるのは、重心の積分による定義である。平面の図形 $K$ の面積を $S=\iint_K dx\,dy$ とし、重心を
$$ \bar x=\frac1S\iint_Kx\,dx\,dy,\qquad \bar y=\frac1S\iint_Ky\,dx\,dy $$
で定める。積分は、図形を境界の線で 2 つに分けると部分の和になる。面積と「面積 × 重心の座標」がどちらも和になるので、lem-wb-plate の式が出る。

台形で積分を計算する、多角形への広げ方を開く

ex-wb-start の台形は $0\le y\le3$、$0\le x\le6-y$ と書ける。$S=\displaystyle\int_0^3(6-y)\,dy=18-\frac92=\frac{27}2$、$\displaystyle\iint x\,dx\,dy=\int_0^3\frac{(6-y)^2}2\,dy=\frac12\left[-\frac{(6-y)^3}3\right]_0^3=\frac12\cdot\frac{216-27}3=\frac{63}2$、$\displaystyle\iint y\,dx\,dy=\int_0^3y(6-y)\,dy=27-9=18$ である。よって $\bar x=\dfrac{63/2}{27/2}=\dfrac73$、$\bar y=\dfrac{18}{27/2}=\dfrac43$ で、ex-wb-plate と一致する。

一般の多角形の板の重心も、多角形を三角形に分けて、三角形の重心(頂点の平均)を符号つき面積で重みづけて平均すれば求まる。符号つき面積を使うと、原点と各辺を結ぶ三角形に分ける方法(靴ひも公式 と同じ分け方)で、凹んだ多角形も同じ式で扱える(この記事では証明しない)。

演習

凸四角形の板の重心

四角形 $A(0,0)$、$B(6,0)$、$C(6,3)$、$D(0,6)$ について、次を求めよ。
(1) 対角線 $AC$ で 2 つの三角形に分け、lem-wb-plate を使って板の重心を求めよ。
(2) 対角線を含む 2 直線の交点 $E$ を求め、thm-wb-centroid の式で (1) の結果を確かめよ。
(3) 4 頂点の平均を求め、板の重心と比べよ。

解答を開く

(1) $\triangle ABC$ は底辺 $AB=6$、高さ $3$ で面積 $9$、重心 $\left(\dfrac{0+6+6}3,\dfrac{0+0+3}3\right)=(4,1)$ である。$\triangle ACD$ は底辺 $DA=6$、高さ($C$ から $y$ 軸までの距離)$6$ で面積 $18$、重心 $\left(\dfrac{0+6+0}3,\dfrac{0+3+6}3\right)=(2,3)$ である。板の重心は $\dfrac{9(4,1)+18(2,3)}{27}=\left(\dfrac{72}{27},\dfrac{63}{27}\right)=\left(\dfrac83,\dfrac73\right)$ である。

(2) 直線 $AC$ は $y=\dfrac x2$、直線 $BD$ は $x+y=6$ で、交点は $E(4,2)$ である。$\dfrac{(0+6+6+0-4,\ 0+0+3+6-2)}3=\left(\dfrac83,\dfrac73\right)$ で一致する。

(3) 4 頂点の平均は $\left(3,\dfrac94\right)$ で、板の重心 $\left(\dfrac83,\dfrac73\right)$ と違う。

さらに先へ

  • 三角形では、頂点の重心と板の重心は一致するが、周(針金)の重心は別の点になる。その点は Spieker中心 で扱う。
  • 中点で作る平行四辺形は Varignonの定理、対角線の中点を結ぶ線分と頂点の重心の関係は Newton–Gauss線、4 辺と対角線の長さの関係は Eulerの四辺形定理 で扱う。
  • 対応する点の中点をとる操作が 1 次式であることは、Hjelmslevの定理 と Finsler–Hadwigerの定理 でも使った。3 等分点も 1 次式 $\dfrac{2\vec b+\vec c}3$ なので、同じ道具で扱える。
  • 多角形の面積は 靴ひも公式 で、板の重心も同じ分け方で計算できる。

関連項目

参考文献

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