Wallis積分

同義語:ウォリス積分Wallis integral

概要

Wallis積分(Wallis integral)とは、実数 $p>-1$ に対して $W_p=\int_0^{\pi/2}\sin^px\,dx$ で定まる積分であり、部分積分から漸化式 $(p+2)W_{p+2}=(p+1)W_p$ が成り立ち、整数の指数では偶数番目が $\pi$ の有理数倍、奇数番目が有理数になる。隣り合う 2 つの積はすべての実数 $p>-1$ で $(p+1)W_pW_{p+1}=\pi/2$ を満たし、$p$ についての単調性と合わせて $W_p\sim\sqrt{\pi/(2p)}$ が従う。ここから Wallis の積、中央の二項係数の漸近形、Gauss 積分の値、単位球の体積の漸化式が導かれ、Wallis 積分は $W_0,W_1$ の値・漸化式・単調性の 3 つで特徴づけられる。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: Riemann積分, 広義積分, はさみうちの原理

正弦関数の冪を $0$ から $\frac\pi2$ まで積分した値
$$ W_p=\int_0^{\pi/2}\sin^px\,dx $$
を Wallis 積分(Wallis integral)という。指数 $p$ が整数のときは、部分積分で指数を 2 つ下げる漸化式から値が求まり、偶数番目には $\pi$ が、奇数番目には有理数が現れる。この 2 つを組み合わせると、円周率を有理数の無限積で表す Wallis の積が得られる。
この記事では指数 $p$ を $-1$ より大きい実数まで広げて扱う。中心となる事実は、隣り合う 2 つの積が $(p+1)W_pW_{p+1}=\frac\pi2$ と簡単な形になることであり、ここから $W_p$ の大きさが $\sqrt{\pi/(2p)}$ 程度であることが従う。この評価から、Wallis の積、中央の二項係数の大きさ、Gauss 積分 $\int_0^\infty e^{-x^2}dx=\frac{\sqrt\pi}2$ の値、単位球の体積の漸化式が導かれる。高校数学の範囲(整数の指数)での扱いは Wallis積分(高校数学) にある。

定義と基本的な性質

Wallis積分

実数 $p>-1$ について
$$ W_p:=\int_0^{\pi/2}\sin^px\,dx $$
を Wallis 積分 という。$-1< p<0$ のときは $x=0$ で被積分関数が有界でないので、広義積分として考える。$p=0$ では $\sin^0x=1$ とする。

収束・対称性・単調性
  1. $\int_0^{\pi/2}\sin^px\,dx$ が収束するのは $p>-1$ のときであり、かつそのときに限る。
  2. $p>-1$ について $W_p=\displaystyle\int_0^{\pi/2}\cos^px\,dx>0$ である。
  3. $W_p$ は $p$ について狭義単調減少である。

1:$\sin$ は $[0,\frac\pi2]$ で上に凸なので、グラフは両端を結ぶ弦より上にあり、$\frac{2x}\pi\le\sin x\le x$ である。$-1< p<0$ なら $0<\sin^px\le(\frac{2x}\pi)^p$ で、$\int_0^{\pi/2}x^p\,dx$ は収束するので積分は収束する。$p\le-1$ なら $\sin^px\ge x^p$ で、$\int_0^{\pi/2}x^p\,dx$ は発散する。$p\ge0$ なら被積分関数は閉区間上で連続である。
2:$x=\frac\pi2-y$ と置換すればよい。被積分関数は $(0,\frac\pi2)$ で正なので $W_p>0$ である。
3:$p< q$ なら、$0<\sin x<1$($0< x<\frac\pi2$)から $\sin^qx<\sin^px$ であり、差は正の連続関数なので $W_q< W_p$ である。$\square$

$W_0=\frac\pi2$、$W_1=\int_0^{\pi/2}\sin x\,dx=1$ である。$W_{1/2}$ や $W_{-1/2}$ も、下の cor-wal-gamma のように Γ 関数で表せる。

漸化式と整数での値

指数を2つ下げる漸化式

実数 $p>-1$ について
$$ W_{p+2}=\frac{p+1}{p+2}\,W_p $$
が成り立つ。とくに整数 $n\ge0$ について
$$ W_{2n}=\frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}\cdot\frac\pi2=\binom{2n}n\frac1{4^n}\cdot\frac\pi2,\qquad W_{2n+1}=\frac{(2n)!!}{(2n+1)!!}=\frac{4^n(n!)^2}{(2n+1)!} $$
である。ここで $(2n)!!=2\cdot4\cdots(2n)=2^nn!$、$(2n-1)!!=1\cdot3\cdots(2n-1)$、$(2n+1)!!=1\cdot3\cdots(2n+1)$ とし、$0!!=(-1)!!=1$ とする。

部分積分で指数を下げる

$0<\varepsilon<\frac\pi2$ とし、$\sin^{p+2}x=\sin^{p+1}x\cdot\sin x$ として $[\varepsilon,\frac\pi2]$ で部分積分する。$(\sin^{p+1}x)'=(p+1)\sin^px\cos x$ なので
$$ \int_\varepsilon^{\pi/2}\sin^{p+2}x\,dx=\Bigl[-\sin^{p+1}x\cos x\Bigr]_\varepsilon^{\pi/2}+(p+1)\int_\varepsilon^{\pi/2}\sin^px\cos^2x\,dx $$
である。$p+1>0$ なので $\sin^{p+1}\varepsilon\cos\varepsilon\to0$($\varepsilon\to0$)である。$\cos^2x=1-\sin^2x$ を代入して $\varepsilon\to0$ とすると、prop-wal-basic の 1 によりどの積分も収束して
$$ W_{p+2}=(p+1)(W_p-W_{p+2}) $$
となり、$(p+2)W_{p+2}=(p+1)W_p$ を得る。整数の値は、$W_0=\frac\pi2$、$W_1=1$ から漸化式をくり返し使えば得られる。$\frac{(2n-1)!!}{(2n)!!}=\frac{(2n)!}{(2^nn!)^2}=\binom{2n}n4^{-n}$ と $\frac{(2n)!!}{(2n+1)!!}=\frac{(2^nn!)^2}{(2n+1)!}$ は、分母・分子に $(2n)!!$ を掛ければ確かめられる。$\square$

最初のいくつかの値

$W_2=\frac12\cdot\frac\pi2=\frac\pi4$、$W_3=\frac23$、$W_4=\frac{3}{8}\cdot\frac\pi2=\frac{3\pi}{16}$、$W_5=\frac{8}{15}$、$W_6=\frac{5\pi}{32}$ である。隣り合う 2 つを $(p+1)$ 倍して掛けると、$1\cdot W_0W_1=\frac\pi2$、$2W_1W_2=\frac\pi2$、$3W_2W_3=\frac\pi2$、$4W_3W_4=\frac\pi2$ のように、どれも $\frac\pi2$ になる。

主定理:積の公式と大きさ

積の公式と大きさの評価
  1. すべての実数 $p>-1$ について
    $$ (p+1)\,W_pW_{p+1}=\frac\pi2 $$
    が成り立つ。
  2. 実数 $p>0$ について
    $$ \sqrt{\frac\pi{2(p+1)}}\le W_p\le\sqrt{\frac\pi{2p}} $$
    であり、とくに $p\to\infty$ のとき $W_p\sim\sqrt{\dfrac\pi{2p}}$(比が $1$ に収束する)である。
1 だけずらしても変わらない量を単調性で挟む

1:$p>-1$ について $f(p):=(p+1)W_pW_{p+1}$ とおく。thm-wal-recursion から
$$ f(p+1)=(p+2)W_{p+1}W_{p+2}=(p+2)W_{p+1}\cdot\frac{p+1}{p+2}W_p=f(p) $$
であり、$f$ は周期 $1$ をもつ。とくに整数 $m\ge0$ について $f(m)=f(0)=W_0W_1=\frac\pi2$ である。
一般の $p>-1$ について、$k:=\lfloor p\rfloor$($k\ge-1$、$k\le p< k+1$)とおき、$k+n\ge0$ となる整数 $n\ge1$ をとる。prop-wal-basic の 3 から $W_{k+n+1}\le W_{p+n}\le W_{k+n}$、$W_{k+n+2}\le W_{p+n+1}\le W_{k+n+1}$ なので、周期性と整数での値を使うと
$$ f(p)=f(p+n)=(p+n+1)W_{p+n}W_{p+n+1}\le(p+n+1)W_{k+n}W_{k+n+1}=\frac{p+n+1}{k+n+1}\cdot\frac\pi2, $$
$$ f(p)\ge(p+n+1)W_{k+n+1}W_{k+n+2}=\frac{p+n+1}{k+n+2}\cdot\frac\pi2 $$
である。左辺は $n$ によらず、右辺はどちらも $n\to\infty$ で $\frac\pi2$ に収束するので、$f(p)=\frac\pi2$ である。
2:$p>0$ とする。単調性 $W_{p+1}\le W_p$ と 1 から $W_p^2\ge W_pW_{p+1}=\frac\pi{2(p+1)}$ である。また $p-1>-1$ なので、$W_p\le W_{p-1}$ と 1($p-1$ について)から $W_p^2\le W_{p-1}W_p=\frac\pi{2p}$ である。2 つを $\sqrt{\pi/(2p)}$ で割ると、比は $\sqrt{p/(p+1)}$ 以上 $1$ 以下になり、はさみうちの原理により $1$ に収束する。$\square$

整数の $p$ についての 1 は、thm-wal-recursion の値の式からも直接確かめられる。証明の要点は、1 だけずらしても変わらない量 $f$ を、単調性によって整数での値で上下から挟むことである。$p$ を大きくすると挟む幅が $0$ に近づくので、整数での値 $\frac\pi2$ が実数の $p$ にも伝わる。

漸化式と単調性による特徴づけ

上の証明は、$W$ の性質のうち、$W_0$ と $W_1$ の値、漸化式、単調性しか使っていない。このため、この 3 つで Wallis 積分は決まる。

Wallis積分の特徴づけ

$F\colon(-1,\infty)\to(0,\infty)$ が次の 3 条件を満たせば、すべての $p>-1$ について $F(p)=W_p$ である。

  1. $F(0)=\frac\pi2$、$F(1)=1$。
  2. すべての $p>-1$ について $(p+2)F(p+2)=(p+1)F(p)$。
  3. $F$ は単調減少である。

prf-wal-product を $W$ の代わりに $F$ について行うと、すべての $p>0$ について $\frac\pi{2(p+1)}\le F(p)^2\le\frac\pi{2p}$ が得られる。$r(p):=F(p)/W_p$ とおくと、2 と thm-wal-recursion から $r(p+2)=r(p)$ であり、thm-wal-product の 2 と合わせて、$p>0$ では $\frac p{p+1}\le r(p)^2\le\frac{p+1}p$ である。$p>-1$ を固定すると $r(p)=r(p+2n)$ で、$n\to\infty$ のとき右辺の上下の評価は $1$ に収束するので $r(p)=1$ である。$\square$

ex-wal-counterexamples のように、条件 3 を外すと 1 と 2 だけでは $F$ は決まらない。この特徴づけは、Γ 関数を $\Gamma(1)=1$、関数等式、対数凸性で特徴づける Γ関数 の定理「Bohr–Mollerup の定理」と同じ形をしている。

系:Wallis の積と中央の二項係数

Wallisの積

$$ \lim_{n\to\infty}\prod_{k=1}^n\frac{(2k)^2}{(2k-1)(2k+1)}=\frac21\cdot\frac23\cdot\frac43\cdot\frac45\cdot\frac65\cdot\frac67\cdots=\frac\pi2. $$

左辺の有限積を $P_n$ とすると、thm-wal-recursion の値の式から $P_n=\frac{((2n)!!)^2}{(2n-1)!!\,(2n+1)!!}$ であり、$\frac{W_{2n}}{W_{2n+1}}=\frac\pi2\cdot\frac1{P_n}$ である。単調性 $W_{2n+1}\le W_{2n}\le W_{2n-1}$ と漸化式 $W_{2n+1}=\frac{2n}{2n+1}W_{2n-1}$ から
$$ 1\le\frac{W_{2n}}{W_{2n+1}}\le\frac{W_{2n-1}}{W_{2n+1}}=1+\frac1{2n} $$
なので、$W_{2n}/W_{2n+1}\to1$、すなわち $P_n\to\frac\pi2$ である。$\square$

同じ極限は、Stirlingの公式 の補題「Wallisの積」として、Stirling の公式の定数 $\sqrt{2\pi}$ を決めるのに使われる。複素解析では、正弦関数の無限積表示に $z=\frac12$ を代入して得られる(無限積 の系「Wallis の積」)。

中央の二項係数の大きさ

整数 $n\ge1$ について
$$ \frac1{\sqrt{\pi(n+\frac12)}}\le\binom{2n}n\frac1{4^n}\le\frac1{\sqrt{\pi n}} $$
であり、$\binom{2n}n\sim\dfrac{4^n}{\sqrt{\pi n}}$ である。

thm-wal-recursion から $\binom{2n}n4^{-n}=\frac2\pi W_{2n}$ である。thm-wal-product の 2 を $p=2n$ に使うと $\sqrt{\frac\pi{2(2n+1)}}\le W_{2n}\le\sqrt{\frac\pi{4n}}$ であり、$\frac2\pi$ を掛ければ主張の不等式になる。$\square$

公平な硬貨を $2n$ 回投げて表がちょうど $n$ 回出る確率は $\binom{2n}n4^{-n}$ なので、この確率はおよそ $1/\sqrt{\pi n}$ で $0$ に近づく($n=50$ で約 $0.0796$)。

Γ関数の比の評価

実数 $p>-1$ について
$$ W_p=\frac{\sqrt\pi}2\cdot\frac{\Gamma(\frac{p+1}2)}{\Gamma(\frac p2+1)} $$
であり、実数 $x>\frac12$ について
$$ \sqrt{x-\tfrac12}\le\frac{\Gamma(x+\frac12)}{\Gamma(x)}\le\sqrt x $$
が成り立つ。

前半は ベータ関数 の系「$\Gamma(\frac12)$ と三角関数の冪の積分」の 2 である。$p=2x-1$($p>0$)とおくと $W_p^2=\frac\pi4\cdot\frac{\Gamma(x)^2}{\Gamma(x+\frac12)^2}$ であり、thm-wal-product の 2 は $\frac\pi{4x}\le W_p^2\le\frac\pi{4(x-\frac12)}$ となる。逆数をとって平方根をとれば後半を得る。$\square$

前半の式を使うと、thm-wal-product の 1 は Γ 関数の関数等式 $\Gamma(s+1)=s\Gamma(s)$ を $s=\frac{p+1}2$ に使ったものと同じ内容になる。この記事の証明は Γ 関数を使わず、単調性だけで実数の指数へ広げている。

応用:Gauss積分と単位球の体積

Wallis積分によるGauss積分の値

$$ \int_0^\infty e^{-x^2}\,dx=\frac{\sqrt\pi}2. $$

指数関数を2つの冪で挟む

すべての実数 $t$ について $1+t\le e^t$ である。$t=-x^2$ とすると $0\le x\le1$ で $0\le1-x^2\le e^{-x^2}$、$t=x^2$ とすると $e^{-x^2}\le(1+x^2)^{-1}$ である。整数 $n\ge2$ について $n$ 乗して積分すると、$G:=\int_0^\infty e^{-x^2}\,dx$($\le\int_0^\infty\frac{dx}{1+x^2}=\frac\pi2$ で収束する)について
$$ \int_0^1(1-x^2)^n\,dx\le\int_0^1e^{-nx^2}\,dx\le\int_0^\infty e^{-nx^2}\,dx=\frac G{\sqrt n}\le\int_0^\infty\frac{dx}{(1+x^2)^n} $$
である(等号は $x=y/\sqrt n$ の置換)。左端で $x=\cos\theta$、右端で $x=\tan\theta$ と置換すると、prop-wal-basic の 2 により
$$ \int_0^1(1-x^2)^n\,dx=\int_0^{\pi/2}\sin^{2n+1}\theta\,d\theta=W_{2n+1},\qquad\int_0^\infty\frac{dx}{(1+x^2)^n}=\int_0^{\pi/2}\cos^{2n-2}\theta\,d\theta=W_{2n-2} $$
となる($dx=-\sin\theta\,d\theta$、$dx=d\theta/\cos^2\theta$ と $1+\tan^2\theta=1/\cos^2\theta$ を使った)。よって $\sqrt nW_{2n+1}\le G\le\sqrt nW_{2n-2}$ であり、thm-wal-product の 2 から
$$ \sqrt{\frac{\pi n}{4(n+1)}}\le\sqrt nW_{2n+1},\qquad\sqrt nW_{2n-2}\le\sqrt{\frac{\pi n}{4(n-1)}} $$
である。両端は $n\to\infty$ で $\frac{\sqrt\pi}2$ に収束するので、$G=\frac{\sqrt\pi}2$ である。$\square$

この証明は重積分を使わない。2 乗して極座標に変換する証明や、Γ 関数を経由する証明は Gauss積分 の注意「ほかの証明」にまとめられている。

単位球の体積の漸化式

$\mathbb R^d$ の開いた単位球 $B_d$ の Lebesgue測度 を $V_d$ とする($d\ge1$。$B_d$ は Jordan測度 でも測れ、値は同じである)。$d\ge2$ とし、$\lvert t\rvert<1$ を固定すると、$B_d$ の最後の座標が $t$ の切り口は半径 $\sqrt{1-t^2}$ の $(d-1)$ 次元の開球で、その測度は $(1-t^2)^{(d-1)/2}V_{d-1}$ である(拡大で測度が $r^{d-1}$ 倍になることは Lebesgue測度 の注意「$\mathbb{R}^n$ の Lebesgue 測度の性質」)。Fubiniの定理 の命題「Euclid空間のLebesgue測度と積測度」と定理「Tonelliの定理」により、切り口の測度を積分して
$$ V_d=V_{d-1}\int_{-1}^1(1-t^2)^{\frac{d-1}2}\,dt=2V_{d-1}\int_0^{\pi/2}\sin^d\theta\,d\theta=2W_dV_{d-1} $$
である($t=\cos\theta$ と置換した)。$d\ge3$ ならこれを 2 回使い、thm-wal-product の 1 を $p=d-1$ に使うと
$$ V_d=4W_dW_{d-1}V_{d-2}=\frac{2\pi}d\,V_{d-2} $$
を得る。$V_1=2$、$V_2=\pi$ から $V_3=\frac43\pi$、$V_4=\frac{\pi^2}2$、$V_5=\frac{8\pi^2}{15}$ である。同じ漸化式は Axl26 5.44(p. 141)で極座標を使って示されており、閉じた形は Gauss積分 の定理「単位球の体積」にある。

例と反例

外す条件反例成り立たなくなること
$p>-1$(prop-wal-basic)$p=-1$$\int_0^{\pi/2}\frac{dx}{\sin x}$ は発散し、$W_{-1}$ は定まらない
積分区間が $[0,\frac\pi2]$(prop-wal-basic の 2)区間 $[0,\pi]$、$p=3$$\int_0^\pi\sin^3x\,dx=\frac43$ だが $\int_0^\pi\cos^3x\,dx=0$
$F$ の単調性(cor-wal-characterization の 3)$F(p)=W_p\,(1+\frac12\sin2\pi p)$1・2 を満たすのに $F\ne W$ で、積の公式も成り立たない
反例の確かめ
  • $p=-1$:$0< x\le\frac\pi2$ で $\sin x\le x$ なので $\frac1{\sin x}\ge\frac1x$ であり、$\int_0^{\pi/2}\frac{dx}x$ は発散する。漸化式 $W_{p+2}=\frac{p+1}{p+2}W_p$ を $p=-1$ で形式的に読むと $W_1=0\cdot W_{-1}$ となり、$W_1=1$ と食い違う。
  • 区間 $[0,\pi]$:$\cos(\pi-x)=-\cos x$ なので、奇数乗の $\cos^3x$ は $[0,\frac\pi2]$ と $[\frac\pi2,\pi]$ で打ち消し合い、積分は $0$ である。一方 $\sin^3x>0$ なので積分は正で、$2W_3=\frac43$ である。置換 $x=\frac\pi2-y$ は区間 $[0,\pi]$ を $[-\frac\pi2,\frac\pi2]$ に移すので、同じ区間の積分にならない。
  • $F(p)=W_p(1+\frac12\sin2\pi p)$:$\sin2\pi p$ は周期 $1$ をもつので $F$ は漸化式を満たし、$F(0)=W_0$、$F(1)=W_1$、$F>0$ である。しかし $F(\frac14)=\frac32W_{1/4}\ne W_{1/4}$ であり、$(p+1)F(p)F(p+1)=\frac\pi2(1+\frac12\sin2\pi p)^2$ は $p=\frac14$ で $\frac{9\pi}8$ になる。cor-wal-characterization により、この $F$ は単調減少でない。

関連項目

参考文献

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