逆関数の連続性(continuity of the inverse function)とは、単射な関数 $f$ の逆関数 $f^{-1}$ が値の集合の上で連続になるかという問題で、区間上の狭義単調関数では $f$ が連続でなくても逆関数はつねに連続である。区間上の連続な単射は狭義単調で、値の集合も区間になり、値の区間への同相写像になるので、冪根・対数・逆三角関数の連続性はここから従う。距離空間ではコンパクト性が同じ結論を保証し、定義域が区間でない場合、有理数だけで考えた場合、定義域がコンパクトでない場合などには、連続な全単射の逆写像が連続とは限らない。
連続な関数が全単射なら、その逆関数も連続だろうか。区間の上の実数値関数では答えは「はい」であり、さらに逆関数の連続性にはもとの関数の連続性すら要らず、狭義単調であれば十分である。この事実は、$\sqrt[n]{x}$、$\log x$、$\arcsin x$ のように逆関数として定義される関数が連続であることの根拠になる。一方、定義域が区間でない場合や、一般の距離空間・位相空間の間の写像では、連続な全単射の逆写像が連続とは限らない。
この記事では、区間上の狭義単調関数の逆関数が連続であること(thm-inv-monotone)、区間上の連続な単射は値の区間への同相写像であること(thm-inv-interval)、コンパクトな距離空間からの連続な単射の逆写像が連続であること(thm-inv-compact)、導関数の下界から逆関数の Lipschitz 評価が出ること(prop-inv-lipschitz)を証明し、仮定を 1 つずつ外した反例を調べる。
この記事で 区間 とは、2 点 $s< t$ を含めばその間の点をすべて含む $\mathbb{R}$ の部分集合で、2 点以上を含むものをいう(開区間・閉区間・半開区間・無限区間を含む)。
$S\subset\mathbb{R}$ とし、$f\colon S\to\mathbb{R}$ を単射とする。$f$ を $S$ から値の集合 $f(S)$ への全単射とみたときの逆写像 $f^{-1}\colon f(S)\to S$、すなわち $f(x)=y$ のとき $f^{-1}(y)=x$ で定まる関数を、$f$ の 逆関数 という。
$f$ が狭義単調増加($x< x'$ なら $f(x)< f(x')$)または狭義単調減少なら、$f$ は単射なので逆関数をもつ(単調関数 の記事の定義「単調関数」)。逆関数 $f^{-1}$ は値の集合 $f(S)$ の上の関数であり、$f^{-1}$ が連続であるとは、$f(S)$ を定義域とする関数として各点で連続であることをいう。$f(S)$ が区間でないときも、この意味で連続性を考える。
逆関数のグラフは、もとの関数のグラフを直線 $y=x$ について折り返したものである。狭義単調増加な関数のグラフに「跳び」があると、折り返したグラフには水平に飛んだ部分ではなく、定義されない「隙間」ができるだけである。隙間の両側で逆関数の値はつながっているので、逆関数は連続である。
逆関数が不連続になるのは、折り返したグラフに跳びができるとき、すなわちもとの関数の値が近いのに、それをとる点が遠く離れているときである。区間上の狭義単調関数では、値が近ければ点も近い。値の大小と点の大小がそろっているからである。この「近い値は近い点からしか来ない」ことが逆関数の連続性の中身である。
$I$ を区間、$f\colon I\to\mathbb{R}$ を狭義単調な関数とする。このとき逆関数 $f^{-1}\colon f(I)\to I$ は連続であり、$f$ と同じ向きに狭義単調である。$f$ が連続であることは仮定しない。
$f$ が狭義単調増加の場合を示す(減少なら $-f$ に当てはめ、$(-f)^{-1}(y)=f^{-1}(-y)$ を使う)。
$f^{-1}$ が狭義単調増加であること:$u,v\in f(I)$、$u< v$ とし、$f^{-1}(u)\ge f^{-1}(v)$ と仮定すると、$f$ が増加なので $u=f(f^{-1}(u))\ge f(f^{-1}(v))=v$ となり矛盾する。
連続性:$y_0\in f(I)$、$x_0:=f^{-1}(y_0)$、$\varepsilon>0$ とする。
この証明で区間であることを使ったのは、「$x_0$ が最大元でなければ、$x_0$ のすぐ右($\varepsilon$ 以内)に定義域の点がある」ことだけである。実数の連続性(上限の存在)は使っていない。したがって、たとえば有理数の区間 $\mathbb{Q}\cap[0,1]$ の上の狭義単調関数でも、$x_\pm$ を $x_0$ から $\varepsilon$ 以内の有理数からとれば同じ証明が通り、逆関数は連続である。逆に、定義域に隙間があると、隙間の左端で逆関数が跳ぶことがある(下の表の 1 行目)。
同じ定理は、値の集合が区間である単調関数は連続であることを $f^{-1}$ に当てはめても示せる(単調関数 の記事の系「狭義単調関数の逆関数の連続性」)。
$f(x)=x$($x< 0$)、$f(x)=x+1$($x\ge0$)で定まる $f\colon\mathbb{R}\to\mathbb{R}$ は狭義単調増加で、$0$ で不連続である。値の集合は $(-\infty,0)\cup[1,\infty)$ で、逆関数は $f^{-1}(y)=y$($y< 0$)、$f^{-1}(y)=y-1$($y\ge1$)である。$(-\infty,0)$ と $[1,\infty)$ はどちらも $f(\mathbb{R})$ の中の開集合で($f(\mathbb{R})$ の点で $0$ と $1$ の間にあるものはない)、$f^{-1}$ はそれぞれの上で連続なので、$f(\mathbb{R})$ 上で連続である(Leb Example 3.6.7)。thm-inv-monotone のとおり、もとの関数の跳びは逆関数の定義域の隙間になるだけである。
連続性を仮定すると、単調性は仮定しなくても単射性から従い、さらに値の集合が区間になる。
$I$ を区間、$f\colon I\to\mathbb{R}$ を連続な単射とし、$J:=f(I)$ とおく。
1:中間値の定理 の記事の命題「区間上の連続単射は狭義単調」による。
2:$u,w\in J$、$u< v< w$ とし、$u=f(s)$、$w=f(t)$ とする。$s$ と $t$ のうち小さい方を $p$、大きい方を $q$ とすると、$f$ は $[p,q]\subset I$ で連続で、$v$ は $f(p)$ と $f(q)$ の真に間にある。中間値の定理 により $f(c)=v$ となる $c\in(p,q)$ があるので $v\in J$ である。$I$ が 2 点以上を含み $f$ は単射なので $J$ も 2 点以上を含み、$J$ は区間である。
3:1 により thm-inv-monotone が使える。$f^{-1}$ も連続なので、$f$ は同相写像である。
4:$f$ が狭義単調増加の場合を示す。$a< x< b$ なら $f(a)< f(x)< f(b)$ なので $f((a,b))\subset(f(a),f(b))$ である。逆に $f(a)< v< f(b)$ なら、中間値の定理により $f(c)=v$ となる $c\in(a,b)$ がある。よって $f((a,b))=(f(a),f(b))$ である。$I$ が開区間なら、$I$ の両端に近づく点列 $a_n$、$b_n$ をとって $I=\bigcup_n(a_n,b_n)$(増大列)と書ける。$J=\bigcup_nf((a_n,b_n))$ は開区間の増大列の和集合なので、開区間である。$\square$
4 は、区間上の連続な単射が開区間を開区間に移すことを言っている。1〜3 と同じ内容を高校数学の言葉で扱った記事として 逆関数と合成関数 がある(定理「連続関数の 1 対 1 と狭義単調」)。
$f(x)=x^3$ は $\mathbb{R}$ から $\mathbb{R}$ への連続な全単射なので、逆関数 $\sqrt[3]{y}$ は連続である。しかし $f'(0)=0$ なので、$\sqrt[3]{y}$ は $y=0$ で微分できない($h\ne0$ について $\sqrt[3]{h}/h=\lvert h\rvert^{-2/3}\to\infty$)。逆関数の連続性は単調性だけから従うが、逆関数の微分可能性には導関数が $0$ でないことが要る(逆関数の微分 の記事の定理「逆関数の微分係数」)。
逆関数が連続であることは分かっても、どのくらい連続か(値の差が点の差をどこまで抑えるか)は別の問題である。導関数が $0$ から離れていれば、逆関数は Lipschitz 連続になる。
$I$ を区間、$f\colon I\to\mathbb{R}$ を $I$ で微分可能な関数(端点では片側微分)とし、ある $m>0$ についてすべての $x\in I$ で $f'(x)\ge m$ とする。このとき $f$ は狭義単調増加で、すべての $u,v\in f(I)$ について
$$
\lvert f^{-1}(u)-f^{-1}(v)\rvert\le\frac{1}{m}\lvert u-v\rvert
$$
が成り立つ。
$s< t$ を $I$ の点とする。$f$ は $[s,t]$ で連続、$(s,t)$ で微分可能なので、平均値の定理 により $f(t)-f(s)=f'(\xi)(t-s)$ となる $\xi\in(s,t)$ がある。$f'(\xi)\ge m$ なので $f(t)-f(s)\ge m(t-s)>0$ である。よって $f$ は狭義単調増加であり、任意の $s,t\in I$ について $\lvert f(t)-f(s)\rvert\ge m\lvert t-s\rvert$ である。$u,v\in f(I)$ に対し $s=f^{-1}(u)$、$t=f^{-1}(v)$ を代入すれば主張を得る。$\square$
$0\le e< 1$ とし、$f(E):=E-e\sin E$($E\in\mathbb{R}$)とおく。$f'(E)=1-e\cos E\ge1-e>0$ なので、prop-inv-lipschitz により $f$ は狭義単調増加である。$\lvert e\sin E\rvert\le1$ より $f(E)\to\pm\infty$($E\to\pm\infty$)なので、これと thm-inv-interval の 2 から $f(\mathbb{R})=\mathbb{R}$ であり、方程式 $M=E-e\sin E$ はどの $M\in\mathbb{R}$ に対してもただ 1 つの解 $E=f^{-1}(M)$ をもつ。解を式で書き下すことはできないが、
$$
\lvert f^{-1}(M)-f^{-1}(M')\rvert\le\frac{1}{1-e}\lvert M-M'\rvert
$$
なので、$M$ を少し変えたときの $E$ の変化は $1/(1-e)$ 倍以下に抑えられる。これは天体力学で、平均近点角 $M$ から離心近点角 $E$ を求める方程式である。
区間の上では「単射で連続なら逆も連続」だったが、これは実数の順序に強く依存している。一般の距離空間で同じ結論を保証するのはコンパクト性である。
$(X,d_X)$ をコンパクトな距離空間、$(Y,d_Y)$ を距離空間、$f\colon X\to Y$ を連続な単射とする。このとき逆写像 $f^{-1}\colon f(X)\to X$ は連続であり、$f$ は $X$ から $f(X)$ への同相写像である。
$f^{-1}$ が点 $y\in f(X)$ で連続でないと仮定し、$x:=f^{-1}(y)$ とおく。$\varepsilon$-$\delta$ による連続性(連続写像 の記事の定理「距離空間での $\varepsilon$-$\delta$ 判定」)を否定すると、ある $\varepsilon>0$ があって、各 $n\ge1$ について $d_Y(y_n,y)< 1/n$ かつ $d_X(x_n,x)\ge\varepsilon$ を満たす $y_n\in f(X)$ がとれる。ここで $x_n:=f^{-1}(y_n)$ である。
コンパクトな距離空間は点列コンパクトなので(点列コンパクト の記事の定理「距離空間における同値性」)、$(x_n)$ の部分列 $(x_{n_k})$ がある点 $x'\in X$ に収束する。三角不等式から $d_X(x',x)\ge d_X(x_{n_k},x)-d_X(x_{n_k},x')\ge\varepsilon-d_X(x_{n_k},x')$ で、右辺は $k\to\infty$ で $\varepsilon$ に近づくので、$d_X(x',x)\ge\varepsilon$、とくに $x'\ne x$ である。
一方、$f$ は $x'$ で連続なので、任意の $\eta>0$ に対して、$d_X(z,x')< \delta$ なら $d_Y(f(z),f(x'))< \eta$ となる $\delta>0$ がある。十分大きい $k$ では $d_X(x_{n_k},x')< \delta$ なので $d_Y(y_{n_k},f(x'))< \eta$ であり、$y_{n_k}=f(x_{n_k})\to f(x')$ である。また $d_Y(y_{n_k},y)< 1/n_k$ なので $y_{n_k}\to y$ でもある。距離空間の点列の極限は一意なので $f(x')=y=f(x)$ であり、$f$ が単射なので $x'=x$ となって矛盾する。$\square$
閉区間 $[a,b]$ はコンパクトなので、thm-inv-compact からも、閉区間上の連続な単射の逆関数が連続であることが分かる。ただしこの定理は値の集合が区間であることも、単調性も使わない。位相空間で同じことを述べたのが、コンパクト空間から Hausdorff 空間への連続な全単射は同相写像である、という定理である(同相写像 の記事の定理「コンパクト空間からHausdorff空間への連続全単射は同相」)。距離空間の形(thm-inv-compact)は Rud76 Theorem 4.17(p. 90)にある。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 定義域が区間 | $[0,1]\cup(2,3]$ 上の $f(x)=x$($x\le1$)、$f(x)=x-1$($x> 2$) | 逆関数の連続性(狭義単調で連続でも成り立たない) |
| $f$ が連続 | $[0,2]$ 上の $f(x)=x$($x< 1$)、$f(x)=3-x$($x\ge1$) | 単射なら逆関数が連続 |
| 定義域が実数の区間 | $\mathbb{Q}\cap[0,2]$ 上の $f(x)=x$($x<\sqrt2$)、$f(x)=2\sqrt2-x$($x>\sqrt2$) | 連続な単射は狭義単調で、逆関数が連続 |
| 定義域がコンパクト | $[0,2\pi)$ から単位円周への $t\mapsto(\cos t,\sin t)$ | 連続な全単射の逆写像が連続 |
| 終域が Hausdorff | 通常の位相の $[0,1]$ から密着位相の $[0,1]$ への恒等写像 | コンパクト空間からの連続な全単射は同相 |
| 終域が完備 | $\ell^1$ の、$\ell^1$ ノルムから $\ell^\infty$ ノルムへの恒等写像 | 連続な線形全単射の逆写像が連続 |
1 行目:$f$ は $[0,1]$ と $(2,3]$ のそれぞれの上で連続かつ狭義単調増加で、$f([0,1])=[0,1]$、$f((2,3])=(1,2]$ なので $f$ は値の集合 $[0,2]$ への狭義単調増加な全単射である。逆関数は $f^{-1}(y)=y$($y\le1$)、$f^{-1}(y)=y+1$($y> 1$)で、$y\to1+0$ のとき $f^{-1}(y)\to2\ne1=f^{-1}(1)$ なので、$y=1$ で連続でない。thm-inv-monotone の証明で、$x_0=1$ の右側に定義域の点がない(最大元でないのに $(1,1+\varepsilon)$ に点がない)ことが効いている。
2 行目:$f([0,1))=[0,1)$、$f([1,2])=[1,2]$ なので $f$ は $[0,2]$ から $[0,2]$ への全単射である。$f$ は $1$ で連続でなく、狭義単調でもない($f(0)< f(1)> f(2)$)。thm-inv-monotone により区間上の狭義単調関数の逆関数はつねに連続なので、連続性を外した反例は必ず狭義単調でない。狭義単調性は thm-inv-interval の仮定ではなく結論なので、仮定のうち破れているのは連続性だけである。逆関数は $f^{-1}(y)=y$($y< 1$)、$f^{-1}(y)=3-y$($y\ge1$)で、$y\to1-0$ のとき $f^{-1}(y)\to1\ne2=f^{-1}(1)$ である。
3 行目:$\sqrt2$ は有理数でないので、$f$ は $\mathbb{Q}\cap[0,2]$ の全体で定義され、$\sqrt2$ の左側と右側のそれぞれの上で 1 次式なので連続である。左側の値は $[0,\sqrt2)$ の有理数、右側の値 $2\sqrt2-x$ は $[2\sqrt2-2,\sqrt2)$ の無理数なので、$f$ は単射である。$f(1)=1< f(1.5)$、$f(1.5)> f(2)$ なので狭義単調でない。$x_n\to2\sqrt2-1$($\approx1.83$)となる有理数 $x_n\in(\sqrt2,2]$ をとると、$f(x_n)=2\sqrt2-x_n\to1$ だが $f^{-1}(f(x_n))=x_n\to2\sqrt2-1\ne1=f^{-1}(1)$ なので、逆関数は $1$ で連続でない。thm-inv-interval の証明は中間値の定理を通して実数の連続性を使っており、有理数の範囲では成り立たない(実数の連続性 の記事の定理「連続性と中間値の定理・最大値の定理」)。一方、thm-inv-monotone は有理数の区間でも成り立つ。
4 行目:$f$ は連続な全単射だが、$(1,0)=f(0)$ の近くで円周の下半分から近づく点の逆像は $2\pi$ に近い(同相写像 の記事の例「反例:半開区間から円周への連続全単射」、Rud76 Example 4.21、p. 93)。$[0,2\pi)$ はコンパクトでない。
5 行目:密着位相の開集合は $\emptyset$ と全体だけなので、どんな写像もそこへは連続であり、恒等写像は連続な全単射である。逆写像は、通常の位相の開集合 $[0,\frac12)$ の逆像が $[0,\frac12)$ で密着位相の開集合でないので、連続でない。$[0,1]$ はコンパクトだが、密着位相は Hausdorff でない。
6 行目:$\ell^1$ を絶対値の和が収束する実数列の空間とし、$\|x\|_1=\sum_i\lvert x_i\rvert$、$\|x\|_\infty=\sup_i\lvert x_i\rvert$ とする。定義域 $(\ell^1,\|\cdot\|_1)$ は Banach 空間である(Banach空間 の記事の命題「数列の空間の完備性」の 1)。$\|x\|_\infty\le\|x\|_1$ なので恒等写像 $(\ell^1,\|\cdot\|_1)\to(\ell^1,\|\cdot\|_\infty)$ は連続な線形全単射である。$x^{(n)}:=(1,\dots,1,0,\dots)$($1$ が $n$ 個)は $\|x^{(n)}\|_\infty=1$、$\|x^{(n)}\|_1=n$ なので、逆写像は有界でなく、連続でない。終域 $(\ell^1,\|\cdot\|_\infty)$ は完備でない。実際、$y^{(n)}:=(1,\tfrac12,\dots,\tfrac1n,0,\dots)$ は $m< n$ について $\|y^{(n)}-y^{(m)}\|_\infty=\frac1{m+1}$ なので Cauchy 列である。ある $z\in\ell^1$ に $\|\cdot\|_\infty$ で収束したとすると、各成分は $\lvert y^{(n)}_k-z_k\rvert\le\|y^{(n)}-z\|_\infty$ により $z_k=\frac1k$ となるが、$\sum_k\frac1k$ は発散するので $z\notin\ell^1$ となり矛盾する。定義域は完備なので、破れている仮定は終域の完備性だけである。両側が Banach空間 なら、連続な線形全単射の逆写像は連続である(有界逆写像定理 の記事の定理「有界逆写像定理」)。
$\mathbb{R}^n$ の開集合 $U$ から $\mathbb{R}^n$ への連続な単射 $h$ は、像 $h(U)$ が開集合であり、$U$ から $h(U)$ への同相写像になる(領域不変性定理 の記事の定理「領域不変性」、Hat02 Theorem 2B.3、p. 172)。thm-inv-interval の 4 はこの定理の $n=1$ の場合にあたり、$n=1$ では中間値の定理だけで証明できるが、$n\ge2$ ではホモロジーなどの道具が要る。次元が違うと同じ結論は成り立たない。たとえば $t\mapsto(t,0)$ は $\mathbb{R}$ から $\mathbb{R}^2$ への連続な単射だが、像は $\mathbb{R}^2$ の開集合でない(それでも像への同相写像ではある)。
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