Niemytzki平面

同義語:Mooreの半平面

概要

Niemytzki平面とは、位相空間の例の一つであり、上半平面上に新たに位相を定めたものである。Mooreの半平面ともいう。

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用語と記法

この記事でだけ用いる用語・記法を準備する。

  • 上半平面$P = \mathbb{R} \times [0, \infty)$について、$\mathbb{R} \times \{0\}$に属する点のことを境界上にあるといい、$\mathbb{R} \times (0,\infty)$に属する点のことを内部にあるということにする。
  • 境界上にある点$x = (r, 0)$と自然数$i \geq 1$について、$x_i = (r, \dfrac{1}{i})$から距離$\dfrac{1}{i}$未満の点もしくは$x$であるもの全体の集合を$U(x, i)$とおく。
  • 内部にある点$x$と自然数$i \geq 1$について、$x$から距離$\frac{1}{i}$未満にある点全体の集合を$U(x, i)$とおく。

定義と性質

Niemytzki平面, Mooreの半平面

$P$上には、部分集合族$\{U(x, i)\}_{x \in P, i \geq 1}$を開基とするような位相が唯一つ存在する。
$P$ にこの位相を入れたものをNiemytzki平面(またはMooreの半平面)という。

Niemytzki平面について、以下が成り立つ:

  • 可分であるが、遺伝的可分ではない。
  • 完全正則である。

可分であること:座標が有理数の点全体が、$P$において稠密となることから分かる。
遺伝的可分でないこと:境界にある点全体のなす部分空間が離散的であることから分かる。