可測基数

同義語:measurable cardinal

概要

可測基数(measurable cardinal)とは、非可算基数 $\kappa$ で、そのすべての部分集合を二値で測る非主な $\kappa$-完備超フィルターが存在するものである。小さな集合は測度 $0$ となり、$\kappa$ 未満個の測度 $1$ の集合を交わしても測度 $1$ に留まる。可測基数は必ず正則な強極限基数、すなわち到達不能基数であり、超冪を通して集合論の宇宙から推移的クラスへの初等埋め込みを与える。

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前提知識: 基数, 集合論, 到達不能基数

集合全体を二つの値で測る

基数 $\kappa$ が可測であるとは、$\kappa$ のすべての部分集合を $0$ または $1$ で測る非自明な測度があり、小さな個数の集合をまとめても測度が整合することをいう。通常の Lebesgue 測度のような実数値の大きさではない。値 $1$ の集合を「十分に大きい」と読む二値測度であり、その値 $1$ の集合族は超フィルターになる。どの一点集合も値 $0$ にするのに、全体は値 $1$ とするところに非自明さがある。
この定義は、極めて大きい基数の存在を要求する。可測基数は必ず非可算・正則・強極限、つまり到達不能基数である。ZFC だけから特定の可測基数を実例として示すことはできない。存在を仮定したとき、集合論の宇宙から別の推移的なクラスへの初等埋め込みを作れることが、この概念の中心的な特徴となる。

超フィルターによる定義

以下では選択公理を含む ZFC を基礎とし、$\kappa$ を基数とする。$\mathcal P(\kappa)$ は $\kappa$ のすべての部分集合からなる集合である。$\kappa$ の部分集合を、測度の値 $1$ を取る集合と値 $0$ を取る集合に分けるため、まずフィルターを定義する。

$\kappa$ 上の超フィルター

$U\subset\mathcal P(\kappa)$ がフィルターであるとは、$\kappa\in U$、$\emptyset\notin U$ であり、$A,B\in U$ なら $A\cap B\in U$、$A\in U$ かつ $A\subset B\subset\kappa$ なら $B\in U$ となることをいう。さらに、各 $A\subset\kappa$ について $A\in U$ または $\kappa\setminus A\in U$ のどちらか一方が必ず成り立つとき、$U$ を超フィルターという。
$U$ が非主であるとは、どの一点集合 $\{\alpha\}$($\alpha<\kappa$)も $U$ に属さないことをいう。$U$ が $\kappa$-完備であるとは、$\lambda<\kappa$ と $A_i\in U$($i<\lambda$)に対して $\bigcap_{i<\lambda}A_i\in U$ となることをいう。

「超」は大きさの意味ではなく、フィルターをこれ以上真に広げられないという極大性を表す。各集合について、その集合か補集合のどちらかを採るという条件は、この極大性と同値である。$\kappa$-完備性は、二つの集合の交わりを採れるだけでは足りず、$\kappa$ 未満の個数の集合を一度に交わしても $U$ に留まることを要求する。$\kappa$ が非可算なら、とくに可算個の交わりに対して閉じる。

可測基数

非可算基数 $\kappa$ が可測基数(measurable cardinal)であるとは、$\kappa$ 上に非主で $\kappa$-完備な超フィルター $U$ が存在することをいう。そのような $U$ を $\kappa$ の測度ということもある。

非可算性を明記する。$\omega$ 上には非主超フィルターが存在するが、有限個の交わりに閉じることだけで $\omega$-完備と呼ぶと、通常の巨大基数の概念と区別できなくなる。本記事の「可測」は非可算な基数についての語である。超フィルターの存在は、このような測度を既に構成したという意味であり、単に「$\kappa$ の冪集合が大きい」という性質ではない。

二値測度との対応

$U$ が超フィルターなら、$\mu_U(A)=1$($A\in U$)、$\mu_U(A)=0$($A\notin U$)と定められる。補集合のどちらか一方を選ぶ超フィルターの性質は $\mu_U(\kappa)=1$、$\mu_U(\emptyset)=0$、$\mu_U(\kappa\setminus A)=1-\mu_U(A)$ と読める。完備性は小さな個数の零集合の和がなお零集合であることに対応する。

二値測度と超フィルター

$\kappa$ を非可算基数とする。非主で $\kappa$-完備な超フィルター $U$ があることと、写像 $\mu\colon\mathcal P(\kappa)\to\{0,1\}$ で次を満たすものがあることは同値である。

  1. $\mu(\kappa)=1$、$\mu(\{\alpha\})=0$($\alpha<\kappa$)。
  2. $\lambda<\kappa$ と互いに素な集合族 $(A_i)_{i<\lambda}$ に対して $\mu(\bigcup_{i<\lambda}A_i)=\sum_{i<\lambda}\mu(A_i)$。右辺は、値 $1$ の項が高々一つであるという意味で通常の有限和として解釈する。

まず $U$ から $\mu_U$ を作る。一点集合は $U$ にないので条件1を満たす。互いに素な $A_i$ の中に $U$ の元があれば、それ以外は $U$ の元と交わらないので $U$ に入らず、和集合は $U$ に入る。どの $A_i$ も $U$ に入らなければ、すべての補集合 $\kappa\setminus A_i$ は $U$ に入る。$\lambda<\kappa$ と完備性からその共通部分 $\kappa\setminus\bigcup_{i<\lambda}A_i$ が $U$ に入り、和集合の値は $0$ である。よって条件2を満たす。
逆に $\mu$ があれば $U:=\{A\subset\kappa\mid\mu(A)=1\}$ とおく。$A$ と補集合への二分割に条件2を適用すると、両者の一方だけが値 $1$ になる。$A\subset B$ で $\mu(A)=1$ なら、$B=A\amalg(B\setminus A)$ と残りの補集合への分割から $\mu(B)=1$ である。二つの値 $1$ の集合の交わりも値 $1$ である。実際、$\mu(A\cap B)=0$ とすると、$A\setminus B$ と $B\setminus A$ がともに値 $1$ になってしまい、互いに素な二集合の和の値が $2$ となり矛盾する。これで $U$ は超フィルターである。さらに $\lambda<\kappa$ 個の $A_i\in U$ について $N_i:=\kappa\setminus A_i$ とおく。各 $N_i$ の値は $0$ である。$N'_i:=N_i\setminus\bigcup_{j< i}N_j$ と順に互いに素化すると、$N'_i\subset N_i$ なので既に示した単調性から $\mu(N'_i)=0$ であり、$\bigcup_{i<\lambda}N'_i=\bigcup_{i<\lambda}N_i$ である。互いに素な族 $(N'_i)_{i<\lambda}$ に条件2を適用すれば、この和集合の値も $0$ となる。従って $\bigcap_{i<\lambda}A_i\in U$ である。一点集合は条件1により $U$ にない。$\square$

この測度は $\mathcal P(\kappa)$ のすべての元に定義される。一方、通常の Lebesgue 測度では値は $[0,\infty]$ にわたり、定義域も選んだ可測集合族である。「可測基数」の可測性を Lebesgue 可測な部分集合の個数の性質として読んではならない。
また、上の加法性が要求するのは $\kappa$ 未満個の互いに素な集合についてである。$\kappa$ 個まで要求すると、$\kappa$ 個の一点集合を合併した全体 $\kappa$ の測度が、一点集合の値 $0$ の和と等しくなって矛盾する。完備性の上限を一段取り違えると、可測基数の定義そのものが不可能になる。

完備性と非主性の働き

小さい集合は測度0

$U$ を $\kappa$ 上の非主で $\kappa$-完備な超フィルターとする。$A\subset\kappa$、$|A|<\kappa$ なら $A\notin U$ であり、$\kappa\setminus A\in U$ である。従って $U$ の任意の元の濃度は $\kappa$ である。

各 $\alpha\in A$ に対して $\{\alpha\}\notin U$ だから、超フィルター性より $\kappa\setminus\{\alpha\}\in U$ である。$|A|<\kappa$ 個の交わりを取り、$\kappa\setminus A=\bigcap_{\alpha\in A}(\kappa\setminus\{\alpha\})\in U$ を得る。フィルターは空集合を含まないので、$A$ 自身は $U$ に入らない。$U$ の元は $\kappa$ の部分集合だから濃度は $\kappa$ 以下で、今示したことから $\kappa$ 未満ではない。$\square$

この命題は、非主性と完備性が別々に必要であることを示す。非主性だけなら一点集合を排除できるが、$\kappa$ 未満の任意の大きさの集合を一度に排除するには $\kappa$-完備性を使う。逆に、一点 $\alpha$ を選んで $U_\alpha:=\{A\subset\kappa\mid\alpha\in A\}$ とすれば、これは任意個の交わりに閉じる超フィルターだが主であり、可測基数の証人にはならない。

なぜ到達不能になるか

可測基数 $\kappa$ が正則であることは、$\kappa$ を少数の小さな部分に分けられないことから従う。強極限であることは、$\kappa$ 個の相異なる集合を、$\kappa$ 未満の一つの集合の部分集合として符号化できないことから従う。どちらも超フィルターの完備性を直接使う。

可測基数は到達不能

ZFC のもとで、可測基数 $\kappa$ は正則な強極限基数である。従って、非可算性を含む本記事の規約では 到達不能基数である。

$U$ を $\kappa$ 上の非主で $\kappa$-完備な超フィルターとする。まず $\kappa$ が特異だと仮定し、$\lambda:=\operatorname{cf}(\kappa)<\kappa$ とする。$\kappa$ を $\lambda$ 個の互いに素な集合 $A_i$($i<\lambda$)に分け、各 $|A_i|<\kappa$ とできる。前命題により各 $\kappa\setminus A_i\in U$ である。$\lambda<\kappa$ なのでその共通部分は $U$ に属するはずだが、$\bigcap_{i<\lambda}(\kappa\setminus A_i)=\emptyset$ となり矛盾する。従って $\operatorname{cf}(\kappa)=\kappa$ である。
次に、ある $\lambda<\kappa$ について $2^\lambda\ge\kappa$ と仮定する。選択公理のもとで単射 $f\colon\kappa\to\mathcal P(\lambda)$ が取れる。各 $i<\lambda$ について $B_i:=\{\alpha<\kappa\mid i\in f(\alpha)\}$ とおく。超フィルターは $B_i$ とその補集合のちょうど一方を選ぶので、選ばれた方を $C_i\in U$ と書く。$\lambda<\kappa$ と完備性により $C:=\bigcap_{i<\lambda}C_i\in U$ である。$C$ のどの $\alpha$ についても $f(\alpha)$ は同じ座標集合 $\{i<\lambda\mid B_i\in U\}$ に等しい。$f$ は単射だから $|C|\le1$ だが、前命題により $U$ の元は濃度 $\kappa$ を持つ。矛盾である。ゆえにすべての $\lambda<\kappa$ について $2^\lambda<\kappa$ となる。$\square$

この証明は、可測基数の存在が到達不能基数の存在を含意することを具体的に示す。逆向きは ZFC の定理ではない。到達不能性は基数の算術だけを制約するが、可測性は全冪集合を二分する高い完備性を持つ超フィルターの存在を要求する。到達不能基数の記事の累積階層 $V_\kappa$ の話と並べると、「小さい集合操作に対する閉性」と「全ての部分集合に整合した二値測度」の違いが分かる。

可算基数が除かれる理由

$\omega$ 上の非主超フィルターは各有限集合を含まない。$A_n:=\{m\in\omega\mid m\ge n\}$ は補集合が有限なので、どの $A_n$ も超フィルターに入る。しかし $\bigcap_{n<\omega}A_n=\emptyset$ である。従って非主超フィルターは $\omega$ 上で可算完備にはなれない。定義の $\omega$-完備性は有限個の交わりしか要求しないため、本記事では非可算性を別に課す。

$\aleph_1$ は可測でない

$\aleph_1$ は正則だが、$2^{\aleph_0}\ge\aleph_1$ なので強極限ではない。よって thm-measurable-inaccessible により可測でない。この例は「正則なら可測」という含意を破る。存在を仮定した可測基数は、$\aleph_1$ よりはるかに強い条件を満たす。

集合族非主か完備性可測性の証人か
一点 $\alpha$ に集中する $U_\alpha$いいえ任意個の交わりに閉じるいいえ
$\omega$ 上の非主超フィルターはい有限個の交わりに閉じるが可算完備ではないいいえ
可測基数 $\kappa$ 上の測度 $U$はい$\kappa$ 未満個の交わりに閉じるはい

この表で「$\omega$ 上の非主超フィルターがある」という事実には選択公理の一部を使う。ZFC のもとでは有限集合の補集合からなるフィルターを超フィルターへ拡張できる。だが、その拡張は先の $A_n$ の可算交叉を保てない。単なる超フィルターの存在を可測基数の存在と読み替えることはできない。

反例の表

可測基数の定義の三条件(非可算・非主・$\kappa$-完備)と、prop-measurable-small-sets・thm-measurable-inaccessible の仮定を一つずつ外した例をまとめる。いずれも ZFC(選択公理を含む)で示せる例であり、可測基数の存在は仮定しない。

外す条件反例成り立たなくなること
非主一点 $\alpha$ に集中する $U_\alpha$濃度 $\kappa$ 未満の集合は $U$ に属さないこと
$\kappa$-完備$\omega_1$ 上の $U=\{A\subset\omega_1\mid A\cap\omega\in V\}$($V$ は $\omega$ 上の非主超フィルター)同上
非可算$\omega$ 上の非主超フィルター可算個の交わりに閉じること(ex-measurable-omega)
強極限(正則だけにする)$\aleph_1$可測であること(ex-measurable-aleph-one)
加法性の個数が $\kappa$ 未満$\kappa$ 個の一点集合の和二値測度の存在(本文「二値測度との対応」の節)
反例:主超フィルターは小さい集合を含む

任意の基数 $\kappa$ と $\alpha<\kappa$ について $U_\alpha=\{A\subset\kappa\mid\alpha\in A\}$ は超フィルターで、任意個の交わりに閉じる(交わる各集合が $\alpha$ を含めば共通部分も $\alpha$ を含む)。とくに $\kappa$-完備である。しかし $\{\alpha\}\in U_\alpha$ であり、濃度 $1<\kappa$ の集合が $U_\alpha$ に属する。破るのは非主性であり、prop-measurable-small-sets の証明の第一段($\kappa\setminus\{\alpha\}\in U$)が崩れる。

反例:完備でない非主超フィルターは小さい集合を含む

選択公理から得られる $\omega$ 上の非主超フィルター $V$ をとり、$U=\{A\subset\omega_1\mid A\cap\omega\in V\}$ とおく。$V$ が超フィルターなので $U$ も $\omega_1$ 上の超フィルターである($A\cap\omega$ か $(\omega_1\setminus A)\cap\omega=\omega\setminus(A\cap\omega)$ のちょうど一方が $V$ に入る)。一点集合 $\{\alpha\}$ は $\{\alpha\}\cap\omega$ が有限なので $V$ に入らず、$U$ は非主である。しかし $\omega\cap\omega=\omega\in V$ だから $\omega\in U$ であり、可算集合 $\omega$(濃度 $\aleph_0<\aleph_1$)が $U$ に属する。実際 $U$ は $\omega_1$-完備でない。$A_n=\omega_1\setminus n$($n<\omega$)はすべて $U$ に属するが、$\bigcap_{n<\omega}A_n=\omega_1\setminus\omega$ は $\omega$ と交わらず $U$ に属さない。破るのは $\kappa$-完備性であり、prop-measurable-small-sets の証明の「$|A|<\kappa$ 個の交わりを取る」段が崩れる。

この二つの例は、非主性と $\kappa$-完備性の一方だけでは可測性の証人にならないことを示す。$\kappa=\omega$ の例と $\aleph_1$ の例は本文の ex-measurable-omega と ex-measurable-aleph-one で確かめた。

初等埋め込みとの関係

可測基数 $\kappa$ 上の測度 $U$ があれば、関数 $f,g\colon\kappa\to V$ を「$\{\alpha<\kappa\mid f(\alpha)=g(\alpha)\}\in U$」によって同一視する超冪を作る。ここで $V$ は集合論の宇宙を表し、超冪は通常の集合ではなくクラスとして扱う。各 $x\in V$ を定数関数 $\alpha\mapsto x$ の同値類へ送る写像を $j$ とする。Łoś の定理によって、この写像は一階の集合論の式の真偽を保つ。超冪が整礎なら、Mostowski の崩壊により推移的なクラス $M$ を得て、$j\colon V\to M$ と書ける。

可算完備性と整礎性

$U$ が可算完備なら、$U$ による超冪の所属関係は整礎である。従って可測基数の測度は、推移的なクラスへの初等埋め込みを与える。

もし超冪の所属関係が整礎でなければ、外側の選択公理により $[f_0]_U\ni[f_1]_U\ni\cdots$ という無限下降列を取れる。各 $n$ に対し $D_n:=\{\alpha<\kappa\mid f_{n+1}(\alpha)\in f_n(\alpha)\}\in U$ である。可算完備性から $\bigcap_{n<\omega}D_n\in U$ であり、特に空でない。そこから $\alpha$ を一つ取ると、$f_0(\alpha)\ni f_1(\alpha)\ni\cdots$ は集合の所属関係の無限下降列になり、正則性公理に反する。従って超冪は整礎である。Łoś の定理と崩壊定理はこの記事では証明しない。$\square$

得られた埋め込みは恒等写像ではない。$\alpha<\kappa$ への関数の値を $\kappa$ 個より少ない場合に分けると、完備性により一つの値を取る場所が $U$ に属する。このため $j$ は $\kappa$ 未満の順序数を固定する。一方、恒等関数 $\mathrm{id}_\kappa$ の同値類は、どの定数 $\beta<\kappa$ の同値類よりも大きく、定数 $\kappa$ の同値類より小さい。従って $j(\kappa)>\kappa$ であり、$\kappa$ はこの埋め込みの臨界点(最初に動く順序数)である。超冪と臨界点の詳しい構成は Jec03 Chapter 10 にある。

初等埋め込みを定義とするとき

適切な推移的クラス $M$ への非自明な初等埋め込み $j\colon V\to M$ があり、$\kappa$ がその臨界点であることを可測基数の特徴づけに用いる流儀もある。逆向きには $U=\{A\subset\kappa\mid\kappa\in j(A)\}$ と置いて測度を回収する。この式を通常の ZFC の一階言語で扱う際は、クラスを表す記法と、どの埋め込みを対象にするかを明示する。本記事の定義は集合 $U\subset\mathcal P(\kappa)$ の存在だけで述べられている。

集合論の他の問題との接続

可測基数の仮定は、選択公理や連続体仮説の独立性を示す強制法とは別の方向で集合論を豊かにする。強制法はモデルを拡大して命題を作り分ける手法であり、可測基数はもとの宇宙に強い完備性を持つ超フィルターがあるという存在主張である。両者は互いに関係するが、可測基数があるだけで連続体仮説の真偽が決まるわけではない。
決定性公理と実数集合の理論でも、大きな基数の仮定が現れる。ただし、選択公理の記事にある「無限個の Woodin 基数とその上の可測基数」という仮定は、一つの可測基数があるという仮定よりはるかに強い複合条件である。その結論を可測基数の定義だけから導くことはできない。位相空間論では、最初の可測基数を境目にして定式化される濃度の評価があり、これは可測基数の存在を仮定したときに解釈する主張である。

関連項目

参考文献

[1]
Thomas Jech, Set Theory, Springer Monographs in Mathematics, Springer-Verlag, 2003, Chapter 10 Measurable Cardinals(pp. 125–138:超フィルター、超冪、初等埋め込み)

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