サリノン(salinon)とは、直線の上に 4 点 $A$、$C$、$D$、$B$ をこの順に $AC=DB$ となるようにとり、$AB$、$AC$、$DB$ を直径とする半円を直線の同じ側に、$CD$ を直径とする半円を反対側に描いたとき、4 つの弧で囲まれる図形である。大きな半円から両側の半円を除き、反対側の半円を加えた形になる。$AB=2R$、$CD=2r$($0<r<R$)とすると、面積は $\frac{\pi(R+r)^2}4$ で、図形の上端と下端を結ぶ線分(長さ $R+r$)を直径とする円の面積に等しい。この等しさは、直径の間の等式 $AB^2+CD^2=2(AD^2+AC^2)$ と、円の面積が直径の 2 乗に比例することから示せる。周の長さは $2\pi R$ である。
前提知識: アルベロス, Archimedesの放物線の求積
直線の上に 4 点 $A$、$C$、$D$、$B$ をこの順に、$AC=DB$ となるようにとる。線分 $AB$、$AC$、$DB$ を直径とする半円を直線の上側に、線分 $CD$ を直径とする半円を直線の下側に描く。4 つの弧で囲まれた図形(図 1)の面積を、半円の面積の足し引きで求めてみる。
座標を $A(-3,0)$、$C(-1,0)$、$D(1,0)$、$B(3,0)$ とする。$AC=DB=2$ である。
(1) 大きな半円(直径 $AB=6$、半径 $3$)の面積は $\dfrac12\pi\cdot3^2=\dfrac92\pi$。
(2) 両側の小さな半円(直径 $2$、半径 $1$)の面積は 1 つ $\dfrac12\pi\cdot1^2=\dfrac12\pi$ で、2 つある。
(3) 下側の半円(直径 $CD=2$、半径 $1$)の面積は $\dfrac12\pi$。
(4) 図形は、大きな半円から両側の半円を除き、下側の半円を加えたものなので、面積は
$$
\frac92\pi-\frac12\pi-\frac12\pi+\frac12\pi=4\pi
$$
である。
(5) 図形のいちばん上の点は $E(0,3)$、いちばん下の点は $F(0,-1)$ で、$EF=4$ である。$EF$ を直径とする円(半径 $2$)の面積は $\pi\cdot2^2=4\pi$ で、(4) と等しい。
$A(-5,0)$、$C(-2,0)$、$D(2,0)$、$B(5,0)$ とする。$AC=DB=3$ である。
(1) 大きな半円(半径 $5$)は $\dfrac{25}2\pi$。両側の半円(半径 $\dfrac32$)は 1 つ $\dfrac12\pi\cdot\dfrac94=\dfrac98\pi$。下側の半円(半径 $2$)は $2\pi$。
(2) 面積は $\dfrac{25}2\pi-2\cdot\dfrac98\pi+2\pi=\dfrac{50-9+8}4\pi=\dfrac{49}4\pi$。
(3) いちばん上の点 $E(0,5)$ といちばん下の点 $F(0,-2)$ の距離は $7$ で、$EF$ を直径とする円の面積は $\pi\left(\dfrac72\right)^2=\dfrac{49}4\pi$。ここでも等しい。
2 つの例で、4 つの半円で囲まれた図形の面積は、上端と下端を結ぶ線分を直径とする円の面積にちょうど等しくなった。この図形を サリノン という。この記事で答える問いは次の 3 つである。
| 高校の計算 | この記事の言葉 | 大学の言葉 |
|---|---|---|
| 半円の面積の足し引き | サリノンの面積 | 面積の加法性 |
| 半径 $R$、$r$ の式の展開 | 主定理(thm-sal-main) | 2 次式の恒等式 |
| 直径の 2 乗の関係 | $AB^2+CD^2=2(AD^2+AC^2)$ | 中線定理・平行四辺形の法則 |
| アルベロスとの比較 | 半円の足し引きが 1 つの円になる | — |
AB=6、CD=2 のサリノン。赤の破線は上端 E と下端 F を結ぶ線分
上端 E と下端 F を結ぶ線分を直径とする円。面積は左のサリノンと等しい
$0< r< R$ とする。$x$ 軸の上に 4 点 $A(-R,0)$、$C(-r,0)$、$D(r,0)$、$B(R,0)$ をとる。次の 4 つの半円を考える。
MathWorld の頁「Salinon」によると、salinon はギリシャ語で「塩入れ」の意味で、図形がその形に似ていることによる Wei26。上端・下端はこの記事の中での呼び名である。両側の半円の半径 $\dfrac{R-r}2$ は、$AC=(-r)-(-R)=R-r$ を直径とすることから出る。$E$ が上端、$F$ が下端であることは、$\Gamma$ の点は $y\le R$、$\delta$ の点は $y\ge-r$ を満たすことから分かる。
$\gamma_1$ は $\Gamma$ の内側にある。$\gamma_1$ の中心 $\left(-\dfrac{R+r}2,0\right)$ と原点の距離 $\dfrac{R+r}2$ に $\gamma_1$ の半径 $\dfrac{R-r}2$ を足すと $R$ になるので、$\gamma_1$ の円の点は原点から距離 $R$ 以下にあり、ちょうど $R$ になるのは $A$ だけだからである($\gamma_1$ と $\Gamma$ は $A$ で接する)。$\gamma_2$ も同じで、$B$ で接する。$\gamma_1$ は $-R\le x\le-r$、$\gamma_2$ は $r\le x\le R$ の範囲にあり、$r>0$ なので互いに重ならない。
面積については、次の 2 つを認める(Archimedesの放物線の求積 で認めた性質と同じ種類のものである):重なりが線分や曲線だけの図形に分けたとき全体の面積は各部分の和であること、図形 $A$ が図形 $B$ に含まれ $B$ から $A$ の内部を除いた残りを考えるとき、残りの面積は $B$ の面積から $A$ の面積を引いたものであること。
def-sal のサリノンの面積は
$$
\frac{\pi(R+r)^2}4
$$
である。これは、上端 $E$ と下端 $F$ を結ぶ線分(長さ $R+r$)を直径とする円の面積に等しい。
方針:サリノンを「$\Gamma$ の半円板から $\gamma_1$、$\gamma_2$ の半円板を除き、$\delta$ の半円板を加えたもの」と見て、4 つの半円の面積を足し引きする。
手順 1(図形の分け方)。$\gamma_1$ と $\gamma_2$ の半円板は $\Gamma$ の半円板に含まれ、互いに重ならない(定義の後の段落)。よって、$\Gamma$ の半円板から $\gamma_1$ と $\gamma_2$ の内部を除いた部分の面積は、$\Gamma$ の半円板の面積から 2 つの小さな半円板の面積を引いたものである。この部分は $y\ge0$ にあり、$\delta$ の半円板は $y\le0$ にあるので、2 つが重なるのは $x$ 軸の上の線分 $CD$ だけである。サリノンの面積は 2 つの面積の和である。
手順 2(4 つの半円の面積)。半径 $\rho$ の半円板の面積は $\dfrac12\pi\rho^2$ なので、
$$
\Gamma:\ \frac12\pi R^2,\qquad \gamma_1,\ \gamma_2:\ \frac12\pi\left(\frac{R-r}2\right)^2=\frac{\pi(R-r)^2}8,\qquad \delta:\ \frac12\pi r^2
$$
である。
手順 3(足し引き)。手順 1 により、サリノンの面積は
$$
\frac12\pi R^2-2\cdot\frac{\pi(R-r)^2}8+\frac12\pi r^2=\frac\pi4\bigl\{2R^2-(R-r)^2+2r^2\bigr\}
$$
である。中かっこの中を展開すると
$$
2R^2-(R^2-2Rr+r^2)+2r^2=R^2+2Rr+r^2=(R+r)^2
$$
なので、面積は $\dfrac{\pi(R+r)^2}4$ である。
手順 4(円との比較)。$EF=R-(-r)=R+r$ なので、$EF$ を直径とする円の半径は $\dfrac{R+r}2$、面積は $\pi\left(\dfrac{R+r}2\right)^2=\dfrac{\pi(R+r)^2}4$ で、手順 3 の値と等しい。
サリノンの面積の足し引き。大きな半円 AB(青)から両側の半円 AC、DB(橙の斜線)を除き、下側の半円 CD(緑)を加える
図 3 は、手順 1 の足し引きを色で示したものである。手順 3 の展開で、$R^2$ と $r^2$ の係数がちょうど $1$ にそろい、$2Rr$ が残ることが鍵である。
thm-sal-main の証明は $\pi$ を含む式を展開したが、$\pi$ の値は最後まで使っていない。使ったのは「円(半円)の面積は直径の 2 乗に比例する」ことだけである。そこで、直径の長さの関係だけで同じ結論を出してみる。これは Hippocratesの月形 で使った考え方と同じである。
def-sal の 4 点について、$AB=AD+AC$、$CD=AD-AC$ であり、
$$
AB^2+CD^2=2\bigl(AD^2+AC^2\bigr)
$$
が成り立つ。
$AD=r-(-R)=R+r$、$AC=R-r$ なので、$AD+AC=2R=AB$、$AD-AC=2r=CD$ である。$x=AD$、$y=AC$ とおくと
$$
AB^2+CD^2=(x+y)^2+(x-y)^2=(x^2+2xy+y^2)+(x^2-2xy+y^2)=2(x^2+y^2)
$$
である。
直径 $d$ の円の面積を $k\,d^2$($k$ は $d$ によらない正の定数)と書く。このときサリノンの面積は $k\,AD^2$ で、$AD=EF$ なので、$EF$ を直径とする円の面積に等しい。
直径 $d$ の半円の面積は $\dfrac12k\,d^2$ である。両側の 2 つの半円は直径が等しい($AC=DB$)ので、合わせると直径 $AC$ の円 1 つ分 $k\,AC^2$ になる。thm-sal-main の証明の手順 1 と同じ足し引きで、サリノンの面積は
$$
\frac12k\,AB^2-k\,AC^2+\frac12k\,CD^2=\frac12k\bigl(AB^2+CD^2\bigr)-k\,AC^2
$$
である。lem-sal-diameters により $AB^2+CD^2=2(AD^2+AC^2)$ なので、
$$
\frac12k\cdot2\bigl(AD^2+AC^2\bigr)-k\,AC^2=k\,AD^2+\cancel{k\,AC^2}-\cancel{k\,AC^2}=k\,AD^2
$$
となる。$AD=R+r=EF$ なので、これは直径 $EF$ の円の面積である。
$k=\dfrac\pi4$ とおけば thm-sal-main にもどる。この証明では、両側の半円 2 つが「直径 $AC$ の円 1 つ」にまとまり、それが $AB^2+CD^2$ の半分に含まれる $AC^2$ と打ち消し合うことが見える。
lem-sal-diameters の等式は、中線定理(高校数学) の、3 点が一直線に並んだ場合と見ることもできる。線分 $CD$ の中点は原点 $O$ で、$A$ から見ると $AC^2+AD^2=2(AO^2+OC^2)$ である($(R-r)^2+(R+r)^2=2(R^2+r^2)$)。両辺を 2 倍して $AB=2AO$、$CD=2OC$ を使うと lem-sal-diameters の式になる。
面積が円と等しいのに対し、周の長さは別の円の円周と等しくなる。
サリノンの周の長さは $2\pi R$ で、$AB$ を直径とする円の円周に等しい。
半径 $\rho$ の半円の弧の長さは $\pi\rho$ である。サリノンの周は 4 つの半円の弧でできているので、長さは
$$
\pi R+2\cdot\pi\cdot\frac{R-r}2+\pi r=\pi R+\pi(R-r)+\pi r=2\pi R
$$
である。
$r$ を $0$ や $R$ に近づけると、サリノンは見慣れた図形に近づく(図 4・図 5)。主定理の式もそれに合わせた値に近づく。
R=3、r=0.3 のサリノン。下側の半円は小さく、両側の半円は半円 AB の半分に近い
R=3、r=2.6 のサリノン。両側の半円は小さく、図形は円に近い
サリノン・アルベロス・Hippocrates の月形は、どれも「円弧で囲まれた図形の面積が、円や直線図形の面積にちょうど等しくなる」例である。どの半円を足し引きするかと、鍵になる等式をくらべる。
| アルベロス | サリノン | Hippocrates の月形 | |
|---|---|---|---|
| 図形 | 半円 $AB$ から半円 $AC$、$CB$ を除く | 半円 $AB$ から半円 $AC$、$DB$ を除き、半円 $CD$ を加える | 直径 $AB$ の半円から 4 分の 1 円の弓形を除く |
| 等しい図形 | 垂線 $CD$ を直径とする円 | $EF$ を直径とする円 | 直角二等辺三角形 |
| 鍵の等式 | $(AC+CB)^2-AC^2-CB^2=2\,AC\cdot CB=2\,CD^2$ | $AB^2+CD^2=2(AD^2+AC^2)$ | 三平方の定理と相似な弓形の比 |
| 使う性質 | 方べきの定理 | 2 乗の展開 | 弓形の面積は弦の 2 乗に比例 |
表のアルベロスの列の $C$、$D$ は アルベロス の記号($C$ は直径の上の点、$D$ は $C$ で立てた垂線と大きな半円の交点)で、サリノンの $C$、$D$ とは別の点である。
直径 $AB=6$ の半円で比べる。
(1) アルベロス。直径の上の点を左端から $2$ の位置にとると、除く半円の直径は $2$ と $4$ で、面積は $\dfrac92\pi-\dfrac12\pi-2\pi=2\pi$。垂線の長さは $\sqrt{2\cdot4}=2\sqrt2$(方べきの定理)で、これを直径とする円の面積は $\pi\cdot2=2\pi$。
(2) サリノン。ex-sal-start と同じく $C$、$D$ を中心から $1$ の位置にとると、面積は $4\pi$ で、$EF=4$ を直径とする円の面積と等しい。
どちらも、半円の面積の足し引きの結果が 1 つの円の面積になっている。アルベロスでは除く 2 つの半円の直径の積が効き、サリノンでは $AB$ と $CD$ の 2 乗の和が効く。
Hippocratesの月形 では、足し引きの結果が直線図形(三角形)になり、そこから正方形の作図につながる。サリノンやアルベロスでは結果が円なので、$\pi$ が残る。
def-sal では、両側の半円の直径を等しくし($AC=DB$)、中央の半円を下向きに描いた。どちらかを外すと、面積は $EF$ を直径とする円の面積と等しくならない。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| $AC=DB$ | $AB=6$、$AC=1$、$CD=2$、$DB=3$ | 面積が上端と下端を結ぶ線分を直径とする円の面積 |
| 中央の半円が下向き | $AB=6$、$CD=2$ で中央の半円を上向きに描く | 同上 |
両側の半円の直径が 1 と 3 で等しくない図形。上端 E と下端 F は縦に並ばない
中央の半円を上向きに描いた図形。3 つの小さな半円をすべて大きな半円から除いている
$A(-3,0)$、$C(-2,0)$、$D(0,0)$、$B(3,0)$ とし、直径 $AC=1$、$DB=3$ の半円を上側に、直径 $CD=2$ の半円(中心 $(-1,0)$)を下側に描く(図 6)。面積は
$$
\frac12\pi\cdot3^2-\frac12\pi\left(\frac12\right)^2-\frac12\pi\left(\frac32\right)^2+\frac12\pi\cdot1^2=\frac{36-1-9+4}8\pi=\frac{15}4\pi
$$
である。いちばん上の点は $E(0,3)$、いちばん下の点は $F(-1,-1)$ で、$EF=\sqrt{1^2+4^2}=\sqrt{17}$、これを直径とする円の面積は $\dfrac{17}4\pi$ で、$\dfrac{15}4\pi$ と等しくない。縦の幅 $3-(-1)=4$ を直径とする円の面積 $4\pi$ とも等しくない。
直径だけで見ると、$AB^2+CD^2=36+4=40$ に対し、両側の半円の直径の 2 乗の和は $1+9=10$ で、面積は $\dfrac\pi8(40-10)=\dfrac{15}4\pi$ である。両側の直径が等しい場合($2$ と $2$)は $4+4=8$ で、面積は $\dfrac\pi8(40-8)=4\pi$ になる。両側の直径を $s_1$、$s_2$($s_1+s_2=4$)とすると $s_1^2+s_2^2=\dfrac{(s_1+s_2)^2+(s_1-s_2)^2}2=8+\dfrac{(s_1-s_2)^2}2$ なので、2 乗の和は $s_1=s_2$ のときだけ最小の $8$ になり、両側を等しくしない限り面積は $4\pi$ より小さい。
満たす性質:中央の半円は下向き。満たさない性質:$AC=DB$。成り立たなくなること:thm-sal-main の「面積は上端と下端を結ぶ線分を直径とする円の面積」。
ex-sal-start と同じ 4 点で、中央の半円(直径 $CD=2$)を上側に描く(図 7)。中央の半円も大きな半円の内側にあり、両側の半円とは $C$、$D$ で接するだけなので、4 つの弧で囲まれる図形は、大きな半円から 3 つの半円を除いたものである。面積は
$$
\frac92\pi-\frac12\pi-\frac12\pi-\frac12\pi=3\pi
$$
で、いちばん上の点 $E(0,3)$ といちばん下の点($x$ 軸の上、たとえば $A$)の縦の幅 $3$ を直径とする円の面積 $\dfrac94\pi$ とも、thm-sal-main の $4\pi$ とも等しくない。$3\pi$ は $4\pi$ の $\dfrac34$ 倍である。
満たす性質:$AC=DB$。満たさない性質:中央の半円は下向き。成り立たなくなること:thm-sal-main。
MathWorld の頁「Salinon」は、Archimedes が『補題集』(Book of Lemmas)で、サリノンの面積が上端と下端を結ぶ線分を直径とする円の面積に等しいことを証明したと述べている Wei26。
lem-sal-diameters の等式 $(x+y)^2+(x-y)^2=2(x^2+y^2)$ は、ベクトルでは平行四辺形の法則
$$
\lvert\vec u+\vec v\rvert^2+\lvert\vec u-\vec v\rvert^2=2\bigl(\lvert\vec u\rvert^2+\lvert\vec v\rvert^2\bigr)
$$
になる(中線定理(高校数学))。サリノンの場合は $\vec u$ と $\vec v$ が同じ向きの、一直線上の特別な場合である。
平行四辺形の法則は、長さが内積から $\lvert\vec u\rvert=\sqrt{\vec u\cdot\vec u}$ で決まることから出る。逆に、長さの測り方が平行四辺形の法則を満たせば、その長さから内積を $\vec u\cdot\vec v=\dfrac14\bigl(\lvert\vec u+\vec v\rvert^2-\lvert\vec u-\vec v\rvert^2\bigr)$ で作り直せる。
内積で展開すると $\lvert\vec u+\vec v\rvert^2=\lvert\vec u\rvert^2+2\vec u\cdot\vec v+\lvert\vec v\rvert^2$、$\lvert\vec u-\vec v\rvert^2=\lvert\vec u\rvert^2-2\vec u\cdot\vec v+\lvert\vec v\rvert^2$ である。足すと平行四辺形の法則、引くと $4\vec u\cdot\vec v$ になる。平行四辺形の法則を満たす長さの測り方から、この式で作ったものが本当に内積の性質(双線形性)を満たすことは、中線定理(高校数学) の定理「ノルムが内積から来る条件」で、高校の知識で追える形で証明されている。大学では、この事実を「平行四辺形の法則を満たすノルムは内積から来る」と述べる(内積空間)。
面積が直径の 2 乗に比例するという性質は、円に限らず、相似な図形どうしで成り立つ。prop-sal-diameter の証明は、この「2 乗に比例する」ことと 2 乗の和の等式だけでできていて、円周率の値は使っていない。
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