Johnsonの定理

同義語:ジョンソンの定理Johnson's theorem

概要

Johnsonの定理(Johnson's theorem)とは、半径 $r$ の 3 つの円が 1 点 $H$ を通り、中心が相異なり、どの 2 つの円も $H$ 以外にもう 1 点で交わるとき、その 3 つの交点 $A,B,C$ を通る円の半径も $r$ であるという定理である。同じ半径の 2 つの円の交点と中心はひし形をつくるので、交点は $\vec a=\vec j_B+\vec j_C-\vec h$ のように中心の位置ベクトルで書け、外接円の中心は $\vec j_A+\vec j_B+\vec j_C-2\vec h$ になる。$H$ は三角形 $ABC$ の垂心で、3 つの中心がつくる三角形は三角形 $ABC$ と合同である。逆に、三角形の外心を 3 辺で折り返した点を中心とし外接円と同じ半径の 3 つの円は、垂心を通る Johnson の円になる。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: 三角形の外心, 三角形の垂心, 位置ベクトルと内分点, ベクトルの内積

高校での出発点:同じ半径の 3 つの円が 1 点を通る

半径が同じ 3 つの円が、1 つの点 $H$ を共有しているとする。2 つの円は、$H$ のほかにもう 1 点で交わる。3 組の円から、$H$ 以外の交点が 3 つ得られる。この 3 つの点を通る円は、どんな円だろうか。座標で計算してみる。

半径 5 の 3 つの円

中心が $J_A(3,4)$、$J_B(-5,0)$、$J_C(4,-3)$ で半径が $5$ の 3 つの円を考える。$3^2+4^2=(-5)^2+0^2=4^2+(-3)^2=25$ なので、3 つの円はどれも原点 $H(0,0)$ を通る。円の方程式を展開すると、定数項が消えて
$$ x^2+y^2-6x-8y=0,\qquad x^2+y^2+10x=0,\qquad x^2+y^2-8x+6y=0 $$
となる(順に中心 $J_A$、$J_B$、$J_C$ の円)。
(1) 円 $J_B$ と円 $J_C$ の交点。2 式を引くと $x^2+y^2$ が消えて $18x-6y=0$、つまり $y=3x$ である。円 $J_B$ の式に代入すると $x^2+9x^2+10x=0$、$10x(x+1)=0$ で、$x=0$ または $x=-1$ である。$x=0$ は $H$ なので、もう 1 つの交点は $A(-1,-3)$ である。
(2) 円 $J_C$ と円 $J_A$ の交点。引くと $-2x+14y=0$、つまり $x=7y$ である。円 $J_A$ の式に代入すると $49y^2+y^2-42y-8y=0$、$50y(y-1)=0$ で、$H$ でない方は $y=1$、$B(7,1)$ である。
(3) 円 $J_A$ と円 $J_B$ の交点。引くと $-16x-8y=0$、つまり $y=-2x$ である。円 $J_B$ の式に代入すると $x^2+4x^2+10x=0$、$5x(x+2)=0$ で、$H$ でない方は $x=-2$、$C(-2,4)$ である。
(4) 3 点 $A$、$B$、$C$ を通る円の中心 $O(x,y)$ を求める(三角形の外心)。$OA^2=OB^2$ は
$$ (x+1)^2+(y+3)^2=(x-7)^2+(y-1)^2 $$
で、展開して整理すると $16x+8y=40$、つまり $2x+y=5$ である。$OA^2=OC^2$ は
$$ (x+1)^2+(y+3)^2=(x+2)^2+(y-4)^2 $$
で、展開して整理すると $-2x+14y=10$、つまり $x=7y-5$ である。代入すると $2(7y-5)+y=5$、$15y=15$ で
$$ y=1,\qquad x=2,\qquad O(2,1) $$
である。半径は $OA=\sqrt{(2+1)^2+(1+3)^2}=\sqrt{9+16}=\boxed{5}$ である。

半径 5 の 3 つの円が原点 H を通る。2 つずつの H 以外の交点 A、B、C を通る赤い破線の円も半径 5 になる 半径 5 の 3 つの円が原点 H を通る。2 つずつの H 以外の交点 A、B、C を通る赤い破線の円も半径 5 になる
3 つの交点を通る円の半径も $5$ で、もとの 3 つの円と同じだった。しかも数をよく見ると、次のことに気づく。

  • 交点は中心の和になっている:$A(-1,-3)=J_B+J_C=(-5+4,\ 0-3)$、$B(7,1)=J_C+J_A$、$C(-2,4)=J_A+J_B$。
  • 外接円の中心は 3 つの中心の和になっている:$O(2,1)=J_A+J_B+J_C=(3-5+4,\ 4+0-3)$。
    これは偶然ではない。この記事で答える問いは次の 3 つである。
  1. 3 つの交点を通る円の半径は、いつももとの円と同じか。→ thm-jhn-main
  2. 共有点 $H$ は、三角形 $ABC$ にとってどんな点か。→ cor-jhn-orthocenter
  3. 逆に、どんな三角形から、このような 3 つの円が作れるか。→ prop-jhn-converse
    高校の計算この記事の言葉大学の言葉
    2 円の式を引いて交点を求めるひし形の対角線(lem-jhn-rhombus)中心線に関する折り返し
    交点が中心の和になる$\vec a=\vec j_B+\vec j_C-\vec h$位置ベクトルの 1 次式
    外接円の半径が $5$Johnson の定理点対称で 2 つの三角形が重なる
    垂線の方程式に $H$ を代入$H$ は垂心垂心系(4 点の対称性)

言葉の準備:Johnson の円

以下、点 $P$ の位置ベクトルを $\vec p$ のように小文字で書く(位置ベクトルと内分点)。

Johnson の円と Johnson の三角形

半径 $r$ の 3 つの円が次の条件をみたすとする。
(R1) 3 つの円の中心 $J_A$、$J_B$、$J_C$ は相異なる。
(R1) 3 つの円はどれも 1 点 $H$ を通る。
(R1) どの 2 つの円も、$H$ のほかにもう 1 点で交わる。
このとき、円 $J_B$ と円 $J_C$ の $H$ 以外の交点を $A$、円 $J_C$ と円 $J_A$ の $H$ 以外の交点を $B$、円 $J_A$ と円 $J_B$ の $H$ 以外の交点を $C$ とする。この 3 つの円を三角形 $ABC$ の Johnson の円 といい、中心を結ぶ三角形 $J_AJ_BJ_C$ を Johnson の三角形 という(Wei26)。

名前の付け方に注意する。$A$ は、中心 $J_A$ の円の上にはない方の交点である。円 $J_A$ の上にあるのは $H$、$B$、$C$ の 3 点である($B$ は円 $J_C$ と円 $J_A$ の交点、$C$ は円 $J_A$ と円 $J_B$ の交点だから)。つまり

  • 円 $J_A$ は 3 点 $H$、$B$、$C$ を通る、
  • 円 $J_B$ は 3 点 $H$、$C$、$A$ を通る、
  • 円 $J_C$ は 3 点 $H$、$A$、$B$ を通る。
    条件 (iii) は「2 つの円が $H$ で接していない」ことを言っている。2 つの円が $H$ で接していると、$H$ 以外の交点がないので $A$ などが決まらない(ex-jhn-cx-tangent)。
Johnson の円の例
  1. ex-jhn-start の 3 つの円は、$r=5$、$H(0,0)$ で条件 (i)〜(iii) をみたし、$A(-1,-3)$、$B(7,1)$、$C(-2,4)$ である。円 $J_A$ が $B$、$C$ を通ることは、$(7-3)^2+(1-4)^2=16+9=25$、$(-2-3)^2+(4-4)^2=25$ で確かめられる。
  2. 共有点が原点でない例。$H(1,2)$、$r=\dfrac52$ として、中心を $J_A\left(\dfrac52,4\right)$、$J_B\left(-\dfrac32,2\right)$、$J_C\left(1,-\dfrac12\right)$ にとる。$H$ からの差は $\left(\dfrac32,2\right)$、$\left(-\dfrac52,0\right)$、$\left(0,-\dfrac52\right)$ で、長さはどれも $\dfrac52$ である。ex-jhn-start と同じ計算で、$A\left(-\dfrac32,-\dfrac12\right)$、$B\left(\dfrac52,\dfrac32\right)$、$C(0,4)$ が得られる(lem-jhn-rhombus を使うと引き算だけで求まる。ex-jhn-rhombus)。

補題:同じ半径の 2 つの円はひし形をつくる

ex-jhn-start で交点が中心の和になった理由は、次の補題にある。

同じ半径の 2 つの円の交点と中心

半径 $r$ の 2 つの円の中心 $P$、$Q$ が異なり、2 つの円が異なる 2 点 $X$、$Y$ で交わるとする。このとき線分 $XY$ の中点と線分 $PQ$ の中点は一致する。つまり
$$ \vec x+\vec y=\vec p+\vec q $$
である。四角形 $PXQY$ は 4 つの辺の長さがどれも $r$ のひし形である。

垂直二等分線の上で距離を比べる

要点:$P$ と $Q$ はどちらも $X$、$Y$ から距離 $r$ にあるので、線分 $XY$ の垂直二等分線 $m$ の上にある。$XY$ の中点を $M$ とすると、三平方の定理から $PM^2=QM^2=r^2-\left(\dfrac{XY}2\right)^2$ である。$m$ の上で $M$ から同じ距離にある異なる 2 点は $M$ の両側にあるので、$M$ は $PQ$ の中点でもある。

詳しい証明を開く

段 1($P$、$Q$ は垂直二等分線の上)。$X$、$Y$ は中心 $P$ の円の上にあるので $PX=PY=r$ である。2 点 $X$、$Y$ から等しい距離にある点は、線分 $XY$ の垂直二等分線 $m$ の上にある(三角形の外心)。よって $P$ は $m$ の上にある。同じく $QX=QY=r$ なので、$Q$ も $m$ の上にある。

段 2(中点からの距離)。線分 $XY$ の中点を $M$ とする。$M$ も $m$ の上にある。$P\ne M$ のとき、直線 $PM$ は $m$ で、$XY$ に垂直なので、三角形 $PMX$ は $\angle PMX=90^\circ$ の直角三角形である。三平方の定理から

$$PM^2=PX^2-MX^2=r^2-\left(\frac{XY}2\right)^2$$

である。$P=M$ のときも、両辺が $0$ になって同じ式が成り立つ(このとき $PX=MX$ である)。$Q$ についても同じ計算で $QM^2=r^2-\left(\dfrac{XY}2\right)^2$ となる。よって $PM=QM$ である。

段 3($M$ は $PQ$ の中点)。$P$ と $Q$ は同じ直線 $m$ の上にあって、$m$ の上の点 $M$ から同じ距離 $d=PM$ にある。$m$ の向きの長さ $1$ のベクトルを $\vec e$ とすると、$m$ の上で $M$ から距離 $d$ の点は $\vec m+d\vec e$ と $\vec m-d\vec e$ の 2 つだけである。$P\ne Q$ なので $d>0$ で、$P$ と $Q$ はこの 2 点の一方ずつである。どちらの場合も

$$\vec p+\vec q=(\vec m+d\vec e)+(\vec m-d\vec e)=2\vec m=\vec x+\vec y$$

である。最後の等号は、$M$ が $XY$ の中点であること $\vec m=\dfrac{\vec x+\vec y}2$ による。$\square$

半径が等しい 2 つの円の中心 P、Q と交点 X、Y は、4 辺がどれも r のひし形をつくり、2 本の対角線は互いの中点で交わる 半径が等しい 2 つの円の中心 P、Q と交点 X、Y は、4 辺がどれも r のひし形をつくり、2 本の対角線は互いの中点で交わる

補題を数で確かめる
  1. ex-jhn-start の円 $J_B$、$J_C$ は $H(0,0)$ と $A(-1,-3)$ で交わる。$\vec h+\vec a=(-1,-3)$、$\vec j_B+\vec j_C=(-5+4,\ 0-3)=(-1,-3)$ で一致する。
  2. 中心 $(0,0)$ と $(8,0)$、半径 $5$ の 2 つの円は、引き算すると $16x-64=0$、$x=4$ で、$y^2=25-16=9$ から $(4,3)$ と $(4,-3)$ で交わる。交点の和は $(8,0)$、中心の和も $(8,0)$ である。
  3. ex-jhn-config (2) の交点は、補題を使うと連立方程式を解かずに求まる。
    (3) の計算を開く

    $H(1,2)$ から補題で

    $$\vec a=\vec j_B+\vec j_C-\vec h=\left(-\frac32+1-1,\ 2-\frac12-2\right)=\left(-\frac32,-\frac12\right)$$

    である。$\vec b=\vec j_C+\vec j_A-\vec h=\left(\dfrac52,\dfrac32\right)$、$\vec c=\vec j_A+\vec j_B-\vec h=(0,4)$ も同じである。

半径が違うと、補題は成り立たない。中心 $(0,0)$、半径 $5$ の円と、中心 $(7,0)$、半径 $3\sqrt2$ の円は、どちらも $(4,3)$ と $(4,-3)$ を通る($(4-7)^2+3^2=18$)。交点の和は $(8,0)$ だが、中心の和は $(7,0)$ である。証明で $PM=QM$ となるのは、半径が等しいからである。

主定理:3 つの交点を通る円の半径も $r$ である

Johnson の定理

def-jhn-config の状況で、$A$、$B$、$C$ は三角形をつくり、その外接円の半径は $r$ である。外接円の中心 $O$ の位置ベクトルは
$$ \vec o=\vec j_A+\vec j_B+\vec j_C-2\vec h $$
である。

ひし形を 3 回使う

方針:lem-jhn-rhombus で $A$、$B$、$C$ を中心の式で書き、上の $\vec o$ から $A$、$B$、$C$ までの距離を計算する。
段 1(交点を中心で書く)。円 $J_B$ と円 $J_C$ は半径 $r$ で、中心は異なり(条件 (i))、異なる 2 点 $H$、$A$ で交わる(条件 (iii))。lem-jhn-rhombus から $\vec h+\vec a=\vec j_B+\vec j_C$、つまり
$$ \vec a=\vec j_B+\vec j_C-\vec h $$
である。円 $J_C$、$J_A$ と円 $J_A$、$J_B$ に同じ補題を使うと
$$ \vec b=\vec j_C+\vec j_A-\vec h,\qquad \vec c=\vec j_A+\vec j_B-\vec h $$
である。
段 2(距離を計算する)。$\vec o=\vec j_A+\vec j_B+\vec j_C-2\vec h$ で定まる点を $O$ とする。段 1 の式を引くと
$$ \vec o-\vec a=(\vec j_A+\vec j_B+\vec j_C-2\vec h)-(\vec j_B+\vec j_C-\vec h)=\vec j_A-\vec h $$
である。$H$ は中心 $J_A$、半径 $r$ の円の上にあるので $\lvert\vec j_A-\vec h\rvert=r$、したがって $OA=r$ である。同じく $\vec o-\vec b=\vec j_B-\vec h$、$\vec o-\vec c=\vec j_C-\vec h$ から $OB=OC=r$ である。
段 3(三角形であること)。段 2 の式から $\vec a=\vec o-(\vec j_A-\vec h)$、$\vec b=\vec o-(\vec j_B-\vec h)$、$\vec c=\vec o-(\vec j_C-\vec h)$ である。$J_A$、$J_B$、$J_C$ は相異なる(条件 (i))ので、$A$、$B$、$C$ も相異なる。相異なる 3 点 $A$、$B$、$C$ が中心 $O$、半径 $r$ の円の上にある。直線と円の共有点は 2 個以下なので、3 点は一直線上になく、三角形をつくる。3 点を通る円はただ 1 つ(外接円)なので、三角形 $ABC$ の外接円は中心 $O$、半径 $r$ の円である。$\square$

$H$ を原点にとると $\vec h=\vec 0$ で、式は $\vec a=\vec j_B+\vec j_C$、$\vec o=\vec j_A+\vec j_B+\vec j_C$ になる。ex-jhn-start で気づいた 2 つのことは、この式そのものである。

共有点が原点でない場合

ex-jhn-config (2) の $H(1,2)$、$r=\dfrac52$ では、thm-jhn-main から
$$ \vec o=\left(\frac52-\frac32+1-2,\ 4+2-\frac12-4\right)=\left(0,\frac32\right) $$
である。$A\left(-\dfrac32,-\dfrac12\right)$、$B\left(\dfrac52,\dfrac32\right)$、$C(0,4)$ までの距離の 2 乗は
$$ OA^2=\frac94+4=\frac{25}4,\qquad OB^2=\frac{25}4+0=\frac{25}4,\qquad OC^2=0+\frac{25}4=\frac{25}4 $$
で、どれも $r^2=\dfrac{25}4$ に等しい。

共有点 $H$ は三角形 $ABC$ の垂心である

ex-jhn-start の $H(0,0)$ から、三角形 $ABC$ の辺に垂線を下ろしてみる。$\overrightarrow{AH}=(1,3)$、$\overrightarrow{CB}=(9,-3)$ で、内積は $9-9=0$ である。$\overrightarrow{BH}=(-7,-1)$、$\overrightarrow{AC}=(-1,7)$ で、内積は $7-7=0$ である。$H$ は $A$ からの垂線と $B$ からの垂線の上にある。

共有点は垂心

def-jhn-config の状況で、3 つの円の共有点 $H$ は三角形 $ABC$ の垂心である。

内積が半径の 2 乗の差になる

方針:$H$ が $A$ からの垂線と $B$ からの垂線の上にあることを、内積で示す(ベクトルの内積)。
段 1(記号)。$\vec u_A=\vec j_A-\vec h$、$\vec u_B=\vec j_B-\vec h$、$\vec u_C=\vec j_C-\vec h$ とおく。$H$ は 3 つの円の上にあるので $\lvert\vec u_A\rvert=\lvert\vec u_B\rvert=\lvert\vec u_C\rvert=r$ である。prf-jhn-main の段 1 の式は
$$ \vec a=\vec h+\vec u_B+\vec u_C,\qquad \vec b=\vec h+\vec u_C+\vec u_A,\qquad \vec c=\vec h+\vec u_A+\vec u_B $$
と書ける。
段 2($A$ からの垂線)。$\vec h-\vec a=-(\vec u_B+\vec u_C)$、$\vec b-\vec c=\vec u_C-\vec u_B$ なので
$$ (\vec h-\vec a)\cdot(\vec b-\vec c)=-(\vec u_C+\vec u_B)\cdot(\vec u_C-\vec u_B)=-\bigl(\lvert\vec u_C\rvert^2-\lvert\vec u_B\rvert^2\bigr)=-(r^2-r^2)=0 $$
である。2 つ目の等号は、展開すると $\vec u_B\cdot\vec u_C$ と $-\vec u_C\cdot\vec u_B$ が打ち消し合うことによる。よって $H$ は、$A$ を通り $BC$ に垂直な直線($A$ からの垂線)の上にある。
段 3($B$ からの垂線)。同じく $\vec h-\vec b=-(\vec u_C+\vec u_A)$、$\vec c-\vec a=\vec u_A-\vec u_C$ から
$$ (\vec h-\vec b)\cdot(\vec c-\vec a)=-\bigl(\lvert\vec u_A\rvert^2-\lvert\vec u_C\rvert^2\bigr)=0 $$
で、$H$ は $B$ からの垂線の上にある。
段 4(結論)。三角形の 2 本の垂線の交点はただ 1 つで、それが垂心である(三角形の垂心)。よって $H$ は三角形 $ABC$ の垂心である。$\square$

証明で使ったのは「3 つの円の半径が等しい」ことだけである。段 2 の内積は $r^2-r^2$ の形をしていて、半径が違えば $0$ にならない(ex-jhn-cx-radius)。

Johnson の三角形

def-jhn-config の状況で、次が成り立つ。
(1) Johnson の三角形 $J_AJ_BJ_C$ の外接円は、中心 $H$、半径 $r$ の円である。
(2) 三角形 $ABC$ と三角形 $J_AJ_BJ_C$ は合同で、$BC=J_BJ_C$、$CA=J_CJ_A$、$AB=J_AJ_B$ である。

差のベクトルを比べる
  1. $HJ_A=HJ_B=HJ_C=r$ で、$J_A$、$J_B$、$J_C$ は相異なる。prf-jhn-main の段 3 と同じく、3 点は三角形をつくり、その外接円は中心 $H$、半径 $r$ の円である。
  2. prf-jhn-main の段 1 の式を引くと
    $$ \vec b-\vec c=(\vec j_C+\vec j_A-\vec h)-(\vec j_A+\vec j_B-\vec h)=\vec j_C-\vec j_B $$
    なので $BC=J_BJ_C$ である。同じく $\vec c-\vec a=\vec j_A-\vec j_C$、$\vec a-\vec b=\vec j_B-\vec j_A$ から $CA=J_CJ_A$、$AB=J_AJ_B$ である。3 辺がそれぞれ等しいので、2 つの三角形は合同である。$\square$

ex-jhn-start では、$BC=\sqrt{81+9}=\sqrt{90}$、$J_BJ_C=\sqrt{81+9}=\sqrt{90}$ である。三角形 $J_AJ_BJ_C$ の 3 頂点 $(3,4)$、$(-5,0)$、$(4,-3)$ は、三角形の垂心 の例「外接円の上の 3 点から垂心を求める」の三角形と同じで、そこでは垂心が $(2,1)$ だった。この記事では同じ点 $(2,1)$ が三角形 $ABC$ の外心として現れている。この一致の理由は rem-jhn-symmetry で見る。

鈍角三角形になる場合

$H(0,0)$、$r=5$ で、中心を $J_A(5,0)$、$J_B(0,5)$、$J_C(-3,4)$ にとる。thm-jhn-main と lem-jhn-rhombus から
$$ A=J_B+J_C=(-3,9),\qquad B=J_C+J_A=(2,4),\qquad C=J_A+J_B=(5,5),\qquad O=J_A+J_B+J_C=(2,9) $$
である。確かめると $OA^2=25+0$、$OB^2=0+25$、$OC^2=9+16$ で、どれも $25$ である。
頂点 $B$ の角は $\overrightarrow{BA}\cdot\overrightarrow{BC}=(-5,5)\cdot(3,1)=-15+5=-10<0$ なので鈍角である。三角形 $ABC$ は鈍角三角形で、垂心 $H(0,0)$ は三角形の外にある。それでも $H$ は垂心である。たとえば $A$ からの垂線について $\overrightarrow{AH}\cdot\overrightarrow{CB}=(3,-9)\cdot(-3,-1)=-9+9=0$ である。

鈍角三角形の場合。3 つの円の共有点 H は三角形 ABC の外にあるが、外接円(赤い破線)の半径はやはり 5 で、H は垂心である 鈍角三角形の場合。3 つの円の共有点 H は三角形 ABC の外にあるが、外接円(赤い破線)の半径はやはり 5 で、H は垂心である
ex-jhn-start の三角形 $ABC$ は、3 つの角について $\overrightarrow{AB}\cdot\overrightarrow{AC}=20$、$\overrightarrow{BC}\cdot\overrightarrow{BA}=60$、$\overrightarrow{CA}\cdot\overrightarrow{CB}=30$ がどれも正なので鋭角三角形で、$H$ は三角形の内部にある。thm-jhn-main の証明は、三角形が鋭角か鈍角かを使っていない。

逆向き:三角形から Johnson の円を作る

cor-jhn-orthocenter により、Johnson の円の共有点は垂心である。逆に、三角形とその垂心から出発すると、Johnson の円が作れる。

垂心を通る 3 つの円

三角形 $ABC$ の外心を $O$、外接円の半径を $R$、垂心を $H$ とし、$H$ は $A$、$B$、$C$ のどれとも異なるとする。$O$ を直線 $BC$、$CA$、$AB$ に関して折り返した点を $J_A$、$J_B$、$J_C$ とする。このとき、中心 $J_A$、$J_B$、$J_C$、半径 $R$ の 3 つの円は三角形 $ABC$ の Johnson の円である。特に、三角形 $HBC$、$HCA$、$HAB$ の外接円の半径はどれも $R$ である。

外心を原点にとる

要点:外心 $O$ を原点にとると、$O$ を $BC$ で折り返した点は $\vec j_A=\vec b+\vec c$、垂心は $\vec h=\vec a+\vec b+\vec c$(三角形の垂心 の定理「外心を原点にしたときの垂心」)である。すると $\vec h-\vec j_A=\vec a$、$\vec b-\vec j_A=-\vec c$、$\vec c-\vec j_A=-\vec b$ の長さはどれも $R$ で、円 $J_A$ は $H$、$B$、$C$ を通る。ほかの 2 つの円も同じで、あとは def-jhn-config の条件を確かめればよい。

詳しい証明を開く

方針:外心を原点にとると垂心が $\vec h=\vec a+\vec b+\vec c$ と書けることを使い、距離を計算する。

段 1(折り返した点)。$O$ を原点にとる。$\lvert\vec a\rvert=\lvert\vec b\rvert=\lvert\vec c\rvert=R$ である。$O$ から直線 $BC$ に下ろした垂線の足は、辺 $BC$ の中点 $\dfrac{\vec b+\vec c}2$ である(二等辺三角形 $OBC$ の頂点から底辺に下ろした垂線は、底辺を二等分する)。$O$ を $BC$ に関して折り返した点は、$O$ と足を結ぶ線分を 2 倍にのばした点なので

$$\vec j_A=2\cdot\frac{\vec b+\vec c}2=\vec b+\vec c$$

である。同じく $\vec j_B=\vec c+\vec a$、$\vec j_C=\vec a+\vec b$ である。

段 2(垂心)。外心を原点にとると、垂心は $\vec h=\vec a+\vec b+\vec c$ である(三角形の垂心 の定理「外心を原点にしたときの垂心」)。

段 3(距離)。段 1・段 2 から

$$\vec h-\vec j_A=\vec a,\qquad \vec b-\vec j_A=-\vec c,\qquad \vec c-\vec j_A=-\vec b$$

で、長さはどれも $R$ である。よって中心 $J_A$、半径 $R$ の円は $H$、$B$、$C$ を通る。同じく、中心 $J_B$ の円は $H$、$C$、$A$ を、中心 $J_C$ の円は $H$、$A$、$B$ を通る。

段 4(def-jhn-config の条件)。$\vec j_A-\vec j_B=\vec b-\vec a\ne\vec 0$ などから、中心は相異なる(条件 (i))。3 つの円は $H$ を通る(条件 (ii))。円 $J_B$ と円 $J_C$ はどちらも $H$ と $A$ を通り、$H\ne A$ なので、$H$ 以外の交点 $A$ をもつ(条件 (iii))。異なる 2 つの円の共有点は 2 個以下なので、$H$ 以外の交点は $A$ だけである。ほかの 2 組も同じである。よって 3 つの円は三角形 $ABC$ の Johnson の円である。円 $J_A$ は $H$、$B$、$C$ を通る半径 $R$ の円なので、三角形 $HBC$ の外接円である。$\square$

ex-jhn-start で確かめる。$O(2,1)$ を $BC$ に関して折り返すと、$\vec b+\vec c-\vec o=(7-2-2,\ 1+4-1)=(3,4)$ で、これは $J_A$ である(外心が原点でないので、prop-jhn-converse の要点の式 $\vec j_A=\vec b+\vec c$ で各点から $\vec o$ を引き、$\vec j_A=\vec b+\vec c-\vec o$ として計算した)。
三角形の外接円、Johnson の円、九点円(九点円)を並べる。$O$ を原点にとり、$N$ を線分 $OH$ の中点とする。

外接円Johnson の円(円 $J_A$)九点円
半径$R$$R$$\dfrac R2$
中心$O$$O$ を $BC$ で折り返した点 $J_A$$OH$ の中点 $N$
中心の位置ベクトル$\vec 0$$\vec b+\vec c$$\dfrac{\vec a+\vec b+\vec c}2$
通る点$A,B,C$$H,B,C$辺の中点、垂線の足など 9 点
何の外接円か三角形 $ABC$三角形 $HBC$中点の三角形
三角形から Johnson の円を求める

三角形 $A(0,0)$、$B(4,0)$、$C(1,3)$ の外心は $O(2,1)$、垂心は $H(1,1)$ である(三角形の垂心 の例と同じ三角形)。Johnson の円の中心 $J_A$、$J_B$、$J_C$ と半径を求め、円 $J_A$ が $H$、$B$、$C$ を通ることを確かめよ。

解答を開く

外接円の半径は $R=OA=\sqrt{4+1}=\sqrt5$ である。prop-jhn-converse の証明の式 $\vec j_A=\vec b+\vec c$ は、外心が原点でないときは $\vec j_A=\vec b+\vec c-\vec o$ となる。よって

$$J_A=(4+1-2,\ 0+3-1)=(3,2),\qquad J_B=(1+0-2,\ 3+0-1)=(-1,2),\qquad J_C=(0+4-2,\ 0+0-1)=(2,-1)$$

で、半径はどれも $\sqrt5$ である。円 $J_A$ について、$H(1,1)$ までの距離の 2 乗は $4+1=5$、$B(4,0)$ までは $1+4=5$、$C(1,3)$ までは $4+1=5$ で、3 点を通る。thm-jhn-main の式でも $\vec j_A+\vec j_B+\vec j_C-2\vec h=(3-1+2-2,\ 2+2-1-2)=(2,1)$ となり、外心 $O$ にもどる。

大学数学で見る:点対称と垂心系

thm-jhn-main の式は、図形全体が 1 つの点に関して点対称であることを表している。

九点円の中心に関する点対称

$N$ を線分 $OH$ の中点とし、$N$ に関する点対称($N$ を中心とする $180^\circ$ の回転)を $\sigma$ とする。$\sigma$ は点 $X$ を、$N$ が線分 $X\sigma(X)$ の中点になる点に移すので、位置ベクトルでは
$$ \sigma(\vec x)=2\vec n-\vec x=\vec o+\vec h-\vec x $$
である。prf-jhn-main の式を代入すると
$$ \sigma(\vec j_A)=(\vec j_A+\vec j_B+\vec j_C-2\vec h)+\vec h-\vec j_A=\vec j_B+\vec j_C-\vec h=\vec a $$
で、$\sigma(J_A)=A$ である。同じく $\sigma(J_B)=B$、$\sigma(J_C)=C$、$\sigma(H)=O$ である。点対称は 2 回続けるともとにもどるので、$\sigma(A)=J_A$、$\sigma(O)=H$ でもある。
つまり、8 つの点 $A,B,C,O$ と $J_A,J_B,J_C,H$ は、$\sigma$ で入れかわる。Johnson の三角形の外接円(中心 $H$、半径 $r$)は三角形 $ABC$ の外接円(中心 $O$、半径 $r$)に移るので、thm-jhn-main の「半径が等しい」は、点対称で円が合同な円に移ることの言いかえである。また $N$ は $OH$ の中点なので、九点円 の定理により三角形 $ABC$ の九点円の中心である。

点対称から分かるほかのことを開く
  • 三角形 $J_AJ_BJ_C$ は三角形 $ABC$ に移る(cor-jhn-triangle の合同)。
  • 垂心は垂心に移る(点対称は直角を保つ)。三角形 $ABC$ の垂心は $H$ なので、三角形 $J_AJ_BJ_C$ の垂心は $\sigma(H)=O$ である。ex-jhn-start で、三角形 $J_AJ_BJ_C$ の垂心が $(2,1)=O$ になったのはこのためである。
  • 九点円は $\sigma$ で自分自身に移る(中心 $N$ の円は、$N$ に関する点対称で変わらない)。三角形 $ABC$ と Johnson の三角形は、同じ九点円をもつ。

中心 N に関する点対称で、Johnson の三角形 JAJBJC(青)と三角形 ABC(赤)が入れかわり、H と O も入れかわる。灰色の円は共通の九点円 中心 N に関する点対称で、Johnson の三角形 JAJBJC(青)と三角形 ABC(赤)が入れかわり、H と O も入れかわる。灰色の円は共通の九点円
ex-jhn-start では $N=\left(1,\dfrac12\right)$ で、たとえば $J_A(3,4)$ と $A(-1,-3)$ の中点は $\left(1,\dfrac12\right)$ である。九点円の半径は $\dfrac52$ で、辺 $AB$ の中点 $\left(3,-1\right)$ までの距離の 2 乗は $4+\dfrac94=\dfrac{25}4$ である。

垂心系と 4 つの外接円

cor-jhn-orthocenter より $H$ は三角形 $ABC$ の垂心で、$H$ は $A$、$B$、$C$ のどれとも異なる(条件 (iii))。三角形の垂心 の命題「垂心系」により、4 点 $H,A,B,C$ のどれも、残りの 3 点がつくる三角形の垂心である。このような 4 点を 垂心系 という。Johnson の円は、4 つの三角形 $ABC$、$HBC$、$HCA$、$HAB$ のうち後の 3 つの外接円で、thm-jhn-main は、残りの 1 つ $ABC$ の外接円も同じ半径をもつと言っている。

4 点の立場が対等であることを開く

4 点の立場は対等なので、4 つの三角形の外接円はどれも半径 $r$ である。どの 3 つを Johnson の円とみても、残りの 1 つが thm-jhn-main の円になる。たとえば三角形 $HBC$ から見ると、垂心は $A$ で、円 $J_B$($H$、$C$、$A$ を通る)、円 $J_C$($H$、$A$、$B$ を通る)と三角形 $ABC$ の外接円($A$、$B$、$C$ を通る)が $A$ を共有する半径 $r$ の 3 つの円になり、2 つずつの $A$ 以外の交点は $H$、$B$、$C$ である。九点円 の命題「垂心系の九点円」は、同じ 4 つの三角形が九点円を共有することを示している。

3 つの円の半径が等しくない場合には、交点が 6 つになり、それらを組にした三角形の外接円の半径と 3 つの円の半径の関係を調べる一般化がある(Wei26 に Mackenzie の一般化として紹介がある。この記事では扱わない)。

例と反例

thm-jhn-main の仮定を外すと、外接円の半径が $r$ にならない。

外す条件反例成り立たなくなること
3 つの円の半径が等しい半径 $5$、$2$、$1$ の 3 つの円が原点を通る外接円の半径が円の半径に等しい、$H$ は垂心
3 つの円が 1 点を通る(条件 (ii))半径 $5$、中心 $(0,0)$、$(8,0)$、$(4,6)$交点の三角形の外接円の半径が $5$
$H$ 以外の交点がある(条件 (iii))中心 $(5,0)$ と $(-5,0)$ の円が原点で接する$A$ が決まらず、三角形ができない
反例:半径が違う 3 つの円

中心 $J_A(3,4)$、$J_B(-2,0)$、$J_C(0,-1)$、半径 $5$、$2$、$1$ の 3 つの円は、どれも原点 $H$ を通る。方程式は $x^2+y^2-6x-8y=0$、$x^2+y^2+4x=0$、$x^2+y^2+2y=0$ である。
円 $J_B$ と円 $J_C$ の式を引くと $4x-2y=0$、$y=2x$ で、$x^2+4x^2+4x=0$ から $H$ 以外の交点は $A\left(-\dfrac45,-\dfrac85\right)$ である。同じ計算で $B\left(\dfrac{15}{17},-\dfrac9{17}\right)$、$C\left(-\dfrac{64}{41},\dfrac{80}{41}\right)$ となる。
(1) 3 点を通る円の中心は $\left(-\dfrac45,\dfrac9{35}\right)$、半径は $\dfrac{13}7\approx1.857$ で、$5$、$2$、$1$ のどれとも違う。
(2) $H$ は三角形 $ABC$ の垂心ではない。

(2) と、補題が崩れることの確認を開く

$(\vec h-\vec a)\cdot(\vec b-\vec c)=-\dfrac{1404}{697}\ne0$ なので、$H$ は $A$ からの垂線の上にない。また $\vec h+\vec a=\left(-\dfrac45,-\dfrac85\right)$ だが $\vec j_B+\vec j_C=(-2,-1)$ で、lem-jhn-rhombus の式も成り立たない。

反例:1 点を通らない 3 つの円

半径 $5$、中心 $(0,0)$、$(8,0)$、$(4,6)$ の 3 つの円は、共有点をもたない。共有点があるとすると、その点は 3 つの中心から距離 $5$ にあるので、中心がつくる三角形の外心で外接円の半径が $5$ になるはずだが、実際の外心は $\left(4,\dfrac53\right)$、半径は $\dfrac{13}3$ である。2 つずつの交点は 6 つある。

6 つの交点を開く(小数第 3 位まで)
  • 中心 $(0,0)$ と $(8,0)$ の円:$(4,3)$ と $(4,-3)$
  • 中心 $(8,0)$ と $(4,6)$ の円:$(3.118,\ 1.078)$ と $(8.882,\ 4.922)$
  • 中心 $(4,6)$ と $(0,0)$ の円:$(4.882,\ 1.078)$ と $(-0.882,\ 4.922)$

3 つの中心がつくる三角形の重心 $(4,2)$ に近い方の 3 点 $(4,3)$、$(4.882,\ 1.078)$、$(3.118,\ 1.078)$ を通る円の半径は約 $1.163$、遠い方の 3 点を通る円の半径は約 $5.465$ である。どちらも $5$ ではない。

半径 5、2、1 の 3 つの円が原点を通るとき、交点 A、B、C を通る円の半径は 13/7 になる 半径 5、2、1 の 3 つの円が原点を通るとき、交点 A、B、C を通る円の半径は 13/7 になる
半径 5 の 3 つの円が 1 点を通らないとき、内側の 3 つの交点を通る円も外側の 3 つの交点を通る円も半径 5 にならない 半径 5 の 3 つの円が 1 点を通らないとき、内側の 3 つの交点を通る円も外側の 3 つの交点を通る円も半径 5 にならない
反例:共有点で接する 2 つの円

中心 $(5,0)$ と $(-5,0)$、半径 $5$ の 2 つの円は、どちらも原点を通る。方程式 $x^2+y^2-10x=0$、$x^2+y^2+10x=0$ を引くと $x=0$ で、代入すると $y^2=0$ となり、共有点は原点だけである(2 つの円は原点で接する)。3 つ目の円(たとえば中心 $(0,5)$、半径 $5$)を加えても、この 2 つの円の「$H$ 以外の交点」がないので、def-jhn-config の $A$ が決まらない。lem-jhn-rhombus の式 $\vec a=\vec j_B+\vec j_C-\vec h$ を形式的に使うと $\vec a=\vec 0$、つまり $A=H$ になり、cor-jhn-orthocenter で使った「$H$ から出る垂線」の意味がなくなる。

さらに先へ

  • 3 つの円の共有点を通る円の話として、Miquelの定理 がある。三角形の 3 辺の上に 1 点ずつとると、頂点と両隣の 2 点を通る 3 つの円は 1 点を通る。Johnson の定理とは逆に、「1 点を通る」ことが結論になっている。
  • 2 つの円の共通弦(交点を結ぶ直線)は、2 つの円の根軸である(根軸と根心)。Johnson の円の 3 本の共通弦 $HA$、$HB$、$HC$ は根心 $H$ で交わる。cor-jhn-orthocenter は、この 3 本が三角形 $ABC$ の垂線でもあることを言っている(共通弦は中心線に垂直で、中心線 $J_BJ_C$ は cor-jhn-triangle の証明から $BC$ に平行である)。
  • 3 つの円に接する円を求める問題は Apolloniusの問題 で扱う。Johnson の定理と同じく、2 つの円の式を引いて 1 次式にする計算が主役になる。

関連項目

参考文献

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