弱コンパクト基数(weakly compact cardinal)とは、非可算基数のうち、その二元部分集合を任意に二色に分けても、基数と同じ大きさの単色集合が得られるものである。到達不能基数で木性質を持つことと同値であり、任意の弱コンパクト基数は Mahlo基数になる。可測基数は弱コンパクト基数の例である。
弱コンパクト基数(weakly compact cardinal)とは、非可算基数のうち、二元組を二色に塗ると、その基数と同じ大きさの単色集合が必ず得られるものをいう。この分割性は、高い木が長い枝を持つという性質や、無限の論理式を許す言語のコンパクト性とも結び付く(Jec03 Definition 9.8、Lemma 9.26、Theorem 17.13)。
$[\kappa]^2$ は $\kappa$ の二元部分集合全体を表す。写像 $c:[\kappa]^2\to\{0,1\}$ を二色塗りと考える。$H\subseteq\kappa$ が $c$ について単色であるとは、$c$ が $[H]^2$ 上で定数になることをいう。
非可算基数 $\kappa$ が弱コンパクトであるとは、任意の写像 $c:[\kappa]^2\to\{0,1\}$ に対し、$|H|=\kappa$ となる単色集合 $H\subseteq\kappa$ が存在することをいう。この分割関係を $\kappa\to(\kappa)^2_2$ と書く。
たとえば単色集合が二元組ごとに色 $0$ を持つなら、$H$ の異なる任意の二元を取っても色は常に $0$ である。単に一つの色を持つ二元組が $\kappa$ 個あるという条件ではない。
木 $T$ は、各節点の先行節点が整列している順序集合である。$\kappa$-木とは、高さが $\kappa$ で、各段の節点数が $\kappa$ より小さい木をいう。その枝が長さ $\kappa$ を持つとき、共終枝と呼ぶ。$\kappa$ の木性質は、すべての $\kappa$-木が共終枝を持つという主張である。
非可算基数 $\kappa$ について、次は同値である。
弱コンパクト性から到達不能性が従うのは Jec03 Lemma 9.9、木性質との対応は同書 Lemma 9.26 による。従って、到達不能基数を一つ取るだけでは弱コンパクト性は保証されない。高さ $\kappa$ の木で、すべての段が小さいにもかかわらず共終枝がないものがあれば、木性質は失敗する。
弱コンパクト基数 $\kappa$ は Mahlo基数である。さらに $\kappa$ 未満の Mahlo基数全体が $\kappa$ で定常になる(Jec03 Corollary 17.19)。このため弱コンパクト性は、単に $\kappa$ 自身が到達不能であることより強く、その下にある巨大基数の分布にも制約を与える。
「弱」という語は可測基数など、さらに強いコンパクト性や測度に関する性質との対比による。任意の可測基数は弱コンパクトである(Jec03 Theorem 17.10)。
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