完備Boole代数(complete Boolean algebra)とは、任意の部分集合が上限と下限をもつBoole代数であり、冪集合や位相空間の正則開集合全体がその例で、無限分配律 $a\wedge\bigvee S=\bigvee_{s\in S}(a\wedge s)$ が成り立つ。$\sigma$-完備で可算鎖条件をもつBoole代数は完備であり、Lebesgue測度の測度代数はこれにより完備になる一方、無限の完備Boole代数は連続体以上の濃度をもつ。分離的な強制概念は完備Boole代数に稠密に埋め込むことができ(Boole完備化)、埋め込み先は同型を除いて一意である。強制法では、言明の真理値をこの代数の元として扱うのに使われる。
Boole代数 $B$ が完備(complete)であるとは、$B$ のどの部分集合にも上限と下限があることをいう。有限の Boole 代数や冪集合 $\mathcal P(X)$ は完備である。一方、無限の Boole 代数は一般には完備でない。たとえば自然数全体 $\omega$ の有限部分集合と補有限部分集合からなる Boole 代数では、偶数の一点集合をすべて集めた族に上限がない(ex-cba-finite-cofinite)。
完備 Boole 代数は、無限個の「または」「かつ」をとれる Boole 代数である。位相空間の正則開集合全体 $\operatorname{RO}(X)$ と、測度 $0$ の差を無視した可測集合の代数(測度代数)が代表例である。強制法では、強制概念を完備 Boole 代数に稠密に埋め込み、言明の「真理値」をその元として扱う見方がある。この記事では、完備性の基本的な性質(無限分配律、$\sigma$-完備性と可算鎖条件からの完備性、無限の完備 Boole 代数の濃度)を証明する。さらに、分離的な強制概念は完備 Boole 代数に稠密に埋め込めること、その埋め込み先が同型を除いて一意であることを証明する。
以下、Boole 代数 $B$ の補元を $\neg b$ と書く(Boole代数 の記事の $b'$)。順序は $a\le b\iff a\wedge b=a$ で定め、$B^+:=B\setminus\{0\}$ とおく。Boole代数 の命題「補元の一意性と基本法則」により、$\neg\neg b=b$ であり、$a\le b\iff a\wedge\neg b=0$、$a\le b\iff\neg b\le\neg a$ が成り立つ。
Boole 代数 $B$ と部分集合 $S\subset B$ について、$S$ の上界のうち最小のものを $S$ の上限といい $\bigvee S$ と書く。下界のうち最大のものを下限といい $\bigwedge S$ と書く。
完備 Boole 代数とは、順序集合として完備束である Boole 代数のことである。上限の存在だけを確かめれば十分である。補元をとる写像 $b\mapsto\neg b$ は順序を逆にする全単射なので、$\bigvee\{\neg s\mid s\in S\}$ が存在すれば、その補元が $S$ の下限になる(prop-cba-distributive の 2)。空集合については $\bigvee\emptyset=0$、$\bigwedge\emptyset=1$ である。
集合 $X$ の冪集合 $\mathcal P(X)$ は、和集合を上限、共通部分を下限として完備 Boole 代数である(冪集合 の命題「冪集合は完備Boolean代数である」)。有限の Boole 代数は完備である。有限部分集合 $\{s_1,\dots,s_n\}$ の上限は $s_1\vee\cdots\vee s_n$ だからである。
位相空間 $X$ の正則開集合全体 $\operatorname{RO}(X)$ は、$\bigvee_iU_i=\operatorname{int}\overline{\bigcup_iU_i}$、$\bigwedge_iU_i=\operatorname{int}\bigcap_iU_i$ として完備 Boole 代数である(正則開集合 の定理「正則開集合のなす完備 Boole 代数」)。上限は和集合ではない。たとえば $\operatorname{RO}(\mathbb R)$ で $(0,1)\vee(1,2)=(0,2)$ である。
$\operatorname{RO}(\mathbb R)$ には原子がない。空でない正則開集合 $U$ は開区間 $(s,t)$($s< t$)を含み、$m=(s+t)/2$ とおくと $(s,m)$ と $(m,t)$ は $U$ に含まれる、互いに交わらない空でない正則開集合だからである。
$\omega$ の部分集合のうち、有限であるか補集合が有限であるもの全体 $\mathcal F$ は、集合の演算について Boole 代数である(Boole代数 の例「有限集合と補有限集合」)。$S=\{\{2n\}\mid n\in\omega\}$ は $\mathcal F$ の中に上限をもたない。
実際、$S$ の上界 $U\in\mathcal F$ はすべての偶数を含むので無限であり、補有限である。補有限な $U$ は奇数 $m$ を含み、$U\setminus\{m\}$ も補有限で $S$ の上界であって、$U$ より真に小さい。よって最小の上界はない。$S$ は可算なので、$\mathcal F$ は $\sigma$-完備でもない。
$\omega_1$ の部分集合のうち、可算であるか補集合が可算であるもの全体 $\mathcal C$ は、集合の演算について Boole 代数である。$\mathcal C$ は $\sigma$-完備である。可算個の元の和集合は、すべて可算なら可算であり、補可算なものを一つでも含めば補可算なので $\mathcal C$ に属し、それが上限になるからである。
しかし $\mathcal C$ は完備でない。$L\subset\omega_1$ を極限順序数全体とし、$S=\{\{\alpha\}\mid\alpha\in L\}$ とおく。$S$ の上界 $U\in\mathcal C$ は非可算な $L$ を含むので補可算である。後続順序数全体 $\omega_1\setminus L$ は非可算なので、$U\cap(\omega_1\setminus L)$ は空でない。その元 $\beta$ をとると、$U\setminus\{\beta\}$ も補可算で $S$ の上界であり、$U$ より真に小さい。よって $S$ は上限をもたない。
$B$ を Boole 代数、$S\subset B$ を上限 $b=\bigvee S$ をもつ部分集合とする。
要点:1 は $s=(a\wedge s)\vee(\neg a\wedge s)$ と分けて、上界 $u$ について $a\wedge b\le a\wedge u$ を示す。2 は補元をとると順序が逆になることから従う。
1:$s\le b$ から $a\wedge s\le a\wedge b$ なので、$a\wedge b$ は上界である。$u$ を $\{a\wedge s\}$ の任意の上界とする。各 $s\in S$ について、分配律により $s=(a\wedge s)\vee(\neg a\wedge s)\le u\vee\neg a$ である。よって $b\le u\vee\neg a$ であり、 $$ a\wedge b\le a\wedge(u\vee\neg a)=(a\wedge u)\vee(a\wedge\neg a)=a\wedge u\le u $$ となる。したがって $a\wedge b$ が最小の上界である。
2:$c\in B$ について、$c\le\neg s$ は $s\le\neg c$ と同値である(順序の反転と $\neg\neg c=c$)。よって $c$ が $\{\neg s\}$ の下界であることと、$\neg c$ が $S$ の上界であることは同値であり、さらに $b\le\neg c$、すなわち $c\le\neg b$ と同値である。$\neg b$ 自身も下界なので、$\neg b$ が最大の下界である。$\square$
完備 Boole 代数の点列 $(x_n)_{n\in\omega}$ について、
$$
\limsup_n x_n:=\bigwedge_{n}\bigvee_{m\ge n}x_m,\qquad \liminf_n x_n:=\bigvee_n\bigwedge_{m\ge n}x_m
$$
と定める。$B=\mathcal P(X)$ では、$\limsup_nx_n$ は無限個の $n$ について $x_n$ に属する点の全体、$\liminf_nx_n$ はある番号から先のすべての $x_n$ に属する点の全体であり、集合列の上極限と下極限と一致する。任意の $n,k$ について $\bigwedge_{m\ge n}x_m\le x_{\max(n,k)}\le\bigvee_{m\ge k}x_m$ なので、$\liminf_nx_n\le\limsup_nx_n$ である。Alexandroff立方体は $\mathcal P(\omega)$ 上のこの $\limsup$ による収束から定まる位相と結びついている。
$B^+$ の部分集合 $A$ で、相異なる 2 元 $a,a'$ がつねに $a\wedge a'=0$ を満たすものを $B$ の反鎖という。$B$ の反鎖がすべて可算であるとき、$B$ は可算鎖条件をもつという。これは強制概念 $(B^+,\le)$ の可算鎖条件と同じである(強制概念 の例「空でない集合を条件とする強制」により、$B^+$ で両立することは交わりが $0$ でないことと同値である)。
$\sigma$-完備で可算鎖条件をもつ Boole 代数は完備である。
$S\subset B$ を任意にとり、$D=\{d\in B^+\mid (\exists s\in S)\ d\le s\}$ とおく。$D$ に含まれる反鎖の全体は包含について帰納的順序集合なので(反鎖の鎖の和集合は反鎖)、Zornの補題により $D$ に含まれる極大な反鎖 $A$ がある。可算鎖条件により $A$ は可算であり、$\sigma$-完備性により $a=\bigvee A$ が存在する。$a=\bigvee S$ を示す。
$a$ が $S$ の上界であること:$s\in S$ で $d:=s\wedge\neg a\ne0$ とする。$d\le s$ なので $d\in D$ である。$x\in A$ なら $x\le a$ なので $x\wedge d\le a\wedge\neg a=0$ である。また $d\in A$ とすると $d\le a$ かつ $d\le\neg a$ から $d=0$ となるので、$d\notin A$ である。よって $A\cup\{d\}$ は $A$ より大きい $D$ の中の反鎖であり、極大性に反する。したがって $s\wedge\neg a=0$、すなわち $s\le a$ である。
最小であること:$u$ を $S$ の上界とする。各 $x\in A$ はある $s\in S$ について $x\le s\le u$ なので、$a=\bigvee A\le u$ である。$\square$
$[0,1]$ のBorel集合全体を $\Sigma$、Lebesgue測度を $\lambda$ とする。$A,A'\in\Sigma$ について $\lambda(A\triangle A')=0$ のとき $A\sim A'$ と定めると、$\sim$ は和・共通部分・補集合と両立する同値関係である。商 $\mathcal M=\Sigma/{\sim}$ は $[A]\vee[A']=[A\cup A']$ などで Boole 代数になり、$[A]\le[A']\iff\lambda(A\setminus A')=0$ である。これを測度代数という。
この $\mathcal M$ は $\sigma$-完備で($[\bigcup_nA_n]$ が可算個の $[A_n]$ の上限)、可算鎖条件をもつ($\lambda(A_i)>1/k$ となる反鎖の元は $k$ 個未満)。
完備性は可算な Boole 代数では起こりにくい。次の命題により、可算な完備 Boole 代数は有限である。特に Boole代数 の例「反例:原子をもたない Boole 代数」の可算な Boole 代数は完備でない。
$B$ を無限の完備 Boole 代数とする。このとき $B$ は無限個の元からなる反鎖を含み、$|B|\ge2^{\aleph_0}$ である。
要点:$B$ を $d$ と $\neg d$ の下に分ける操作を繰り返して、互いに交わらない $0$ でない元 $a_0,a_1,\dots$ を作り、$\omega$ の部分集合 $T$ に上限 $\bigvee_{n\in T}a_n$ を対応させる。無限分配律により、この対応は単射である。
$c\in B$ に対し $B{\restriction}c=\{x\in B\mid x\le c\}$ とおく。$0< d< c$ なら、$x\mapsto(x\wedge d,\ x\wedge c\wedge\neg d)$ は $B{\restriction}c$ から $B{\restriction}d\times B{\restriction}(c\wedge\neg d)$ への単射である(分配律により $x=(x\wedge d)\vee(x\wedge c\wedge\neg d)$)。よって $B{\restriction}c$ が無限なら、$B{\restriction}d$ と $B{\restriction}(c\wedge\neg d)$ の少なくとも一方は無限である。
$c_0=1$ とし、$B{\restriction}c_n$ が無限になるように $c_n$ を選んだとする。$B{\restriction}c_n$ は無限なので $0< d< c_n$ となる $d$ がある。$d$ と $c_n\wedge\neg d$ のうち下の部分が無限な方を $c_{n+1}$、もう一方を $a_n$ とする。$c_n\wedge\neg d=0$ なら $c_n\le d$ となって $d< c_n$ に反するので、$a_n\ne0$ である。$a_n\wedge c_{n+1}=d\wedge c_n\wedge\neg d=0$ であり、$m>n$ なら $a_m\le c_m\le c_{n+1}$ なので $a_m\wedge a_n=0$ である。よって $\{a_n\}_{n\in\omega}$ は無限の反鎖である。
$T\subset\omega$ に対して $b_T=\bigvee\{a_n\mid n\in T\}$ とおく。prop-cba-distributive の 1 により $a_k\wedge b_T=\bigvee_{n\in T}(a_k\wedge a_n)$ であり、これは $k\in T$ なら $a_k$、$k\notin T$ なら $0$ である。よって $T\ne T'$ なら $b_T\ne b_{T'}$ であり、$T\mapsto b_T$ は $\mathcal P(\omega)$ から $B$ への単射である。$\square$
強制概念 $\mathbb P=(P,\le,\mathbf 1)$(強制概念。$p\le q$ を「$p$ は $q$ より強い」と読む)を完備 Boole 代数の中に密に置く。
$B$ を完備 Boole 代数とする。写像 $e\colon P\to B^+$ が稠密埋め込みであるとは、次の 2 条件を満たすことをいう。
これは 強制概念 の定義「稠密埋め込み」で、埋め込み先を強制概念 $(B^+,\le)$ としたものである。同じ記事の定理「稠密埋め込みが保つもの」により、$p,q$ が両立することと $e(p)\wedge e(q)\ne0$ は同値である。
ある Boole 代数 $B$ への写像 $e\colon P\to B^+$ が def-cba-completion の 1・2 を満たすなら、$\mathbb P$ は分離的である。すなわち、$p\not\le q$ ならば、$r\le p$ かつ $r$ と $q$ が両立しない $r$ がある。
$p\not\le q$ とすると、1 により $e(p)\not\le e(q)$、すなわち $e(p)\wedge\neg e(q)\ne0$ である。2 により $e(r)\le e(p)\wedge\neg e(q)$ となる $r$ がある。1 により $r\le p$ である。$s\le r$ かつ $s\le q$ となる $s$ があれば $e(s)\le e(q)\wedge\neg e(q)=0$ となり、$e(s)\in B^+$ に反する。よって $r$ と $q$ は両立しない。$\square$
分離的でない強制概念も、強制概念 の定理「分離的な商」で分離的な半順序に取り替えれば、ジェネリックフィルターを変えずに次の定理を当てはめられる。
$\mathbb P$ を分離的な強制概念とする。$P$ の部分集合 $U$ で「$p\in U$ かつ $q\le p$ なら $q\in U$」を満たすものを開集合とする位相を $P$ に入れ、$B=\operatorname{RO}(P)$、$e(p)=N_p:=\{q\in P\mid q\le p\}$ とおく。このとき $B$ は完備 Boole 代数であり、$e\colon P\to B^+$ は稠密埋め込みである。
下に閉じた集合の任意の和集合と共通部分は下に閉じているので、これは位相である。$N_p$ は $p$ を含む最小の開集合である。したがって $q\in\overline A$ は $N_q\cap A\ne\emptyset$ と同値であり、$q\in\operatorname{int}A$ は $N_q\subset A$ と同値である。これを使うと
$$
\operatorname{int}\overline{N_p}=\{q\in P\mid r\le q\text{ を満たす任意の }r\text{ が }p\text{ と両立する}\}
$$
である。$q\le p$ ならば $r\le q$ はすべて $p$ より強く、$p$ と両立する。$q\not\le p$ ならば、分離性により $p$ と両立しない $r\le q$ がある。よって $\operatorname{int}\overline{N_p}=N_p$ であり、$N_p$ は正則開集合で、$p\in N_p$ だから $N_p\in B^+$ である。
$B$ が完備 Boole 代数であることは ex-cba-regular-open による。条件 1:$p\le q$ なら $N_p\subset N_q$ であり、逆に $N_p\subset N_q$ なら $p\in N_q$、すなわち $p\le q$ である。条件 2:空でない正則開集合 $U$ から $p\in U$ をとると、$U$ は開集合なので $N_p\subset U$ である。$\square$
分離的とは限らない $\mathbb P$ に同じ位相を入れると、$p\mapsto\operatorname{int}\overline{N_p}$ は条件 2 と「$p\le q\Rightarrow$ 像の順序」を満たし、両立しない 2 条件を交わりが $0$ の 2 元に移す。これが Kun80 Chapter II の Lemma 3.3(pp. 63–64)の構成である。$\operatorname{int}\overline{N_p}$ は、強制概念 の定理「分離的な商」の関係 $\preceq$ で $q\preceq p$ となる $q$ の全体と一致する。
$e_1\colon P\to B_1^+$、$e_2\colon P\to B_2^+$ を完備 Boole 代数への稠密埋め込みとする。このとき $\varphi\circ e_1=e_2$ を満たす Boole 代数の同型 $\varphi\colon B_1\to B_2$ がただ一つある。
まず、稠密埋め込み $e\colon P\to B^+$ について、各 $b\in B$ は $b=\bigvee\{e(p)\mid e(p)\le b\}$ を満たす。右辺を $c$ とおくと $c\le b$ である。$b\wedge\neg c\ne0$ なら、条件 2 により $e(p)\le b\wedge\neg c$ となる $p$ があり、$e(p)\le b$ から $e(p)\le c$ となるので $e(p)\le c\wedge\neg c=0$ となって矛盾する。よって $b=c$ である。
$\varphi(b)=\bigvee\{e_2(p)\mid e_1(p)\le b\}$、$\psi(b')=\bigvee\{e_1(p)\mid e_2(p)\le b'\}$ とおく。$q\in P$、$b\in B_1$ について
$$
e_2(q)\le\varphi(b)\iff e_1(q)\le b\qquad(*)
$$
を示す。「$\Leftarrow$」は定義による。「$\Rightarrow$」:$e_1(q)\not\le b$ とすると $e_1(q)\wedge\neg b\ne0$ なので、$e_1(r)\le e_1(q)\wedge\neg b$ となる $r$ がある。$r\le q$ なので $e_2(r)\le e_2(q)\le\varphi(b)$ である。prop-cba-distributive の 1 により $e_2(r)=\bigvee\{e_2(r)\wedge e_2(p)\mid e_1(p)\le b\}\ne0$ なので、$e_1(p)\le b$ かつ $e_2(r)\wedge e_2(p)\ne0$ となる $p$ がある。$e_2$ の条件 2 と 1 により $s\le r$、$s\le p$ となる $s$ があり、$e_1(s)\le e_1(r)\wedge e_1(p)\le\neg b\wedge b=0$ となって矛盾する。
$(*)$ と最初の段落から $\psi(\varphi(b))=\bigvee\{e_1(q)\mid e_1(q)\le b\}=b$ であり、対称に $\varphi(\psi(b'))=b'$ である。$\varphi,\psi$ は順序を保つので、$\varphi$ は順序同型である。Boole 代数の演算は順序から決まる($\wedge,\vee$ は下限と上限、$\neg b$ は $b\wedge c=0$ かつ $b\vee c=1$ となる唯一の $c$)ので、$\varphi$ は Boole 代数の同型である。$p\le q\iff e_1(p)\le e_1(q)$ と $e_2$ の条件 1 から $\varphi(e_1(q))=\bigvee\{e_2(p)\mid p\le q\}=e_2(q)$ である。一意性:同型 $\chi$ が $\chi\circ e_1=e_2$ を満たせば、上限を保つので $\chi(b)=\chi\bigl(\bigvee\{e_1(p)\mid e_1(p)\le b\}\bigr)=\varphi(b)$ である。$\square$
$0\ne1$ である Boole 代数 $B$ そのものを半順序集合として切断で完備化すると、$B^+=B\setminus\{0\}$ の Boole 完備化と順序同型な完備 Boole 代数が得られる(Dedekind–MacNeille完備化 の系「Boole代数の切断による完備化」)。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 可算鎖条件(thm-cba-ccc) | 可算集合と補可算集合の代数 $\mathcal C$ | 完備であること |
| $\sigma$-完備性(thm-cba-ccc) | 有限集合と補有限集合の代数 $\mathcal F$ | 完備であること |
| 完備性(prop-cba-cardinality) | 有限集合と補有限集合の代数 $\mathcal F$ | 濃度が $2^{\aleph_0}$ 以上であること |
| 分離性(thm-cba-completion-existence) | 三元の鎖 $b< a< \mathbf 1$ | 順序を反映する稠密埋め込みがあること |
1 行目:$\mathcal C$ は ex-cba-countable-cocountable により $\sigma$-完備で完備でない。一点集合 $\{\alpha\}$($\alpha<\omega_1$)は非可算な反鎖をなすので、可算鎖条件をもたない。
2・3 行目:$\mathcal F$ は可算なので可算鎖条件をもつ。ex-cba-finite-cofinite により $\sigma$-完備でなく、完備でない。$\mathcal F$ は無限だが可算であり、$2^{\aleph_0}$ 以上の濃度をもたない。
4 行目:$P=\{\mathbf 1,a,b\}$ を $b< a< \mathbf 1$ の鎖とする。$a\not\le b$ だが $a$ の強化 $a,b$ はどちらも $b$ と両立するので、分離的でない(強制概念 の例「分離的でない強制概念」)。prop-cba-separative-necessary により、どの Boole 代数にも条件 1・2 を満たす写像はない。実際、thm-cba-completion-existence の位相では開集合は $\emptyset,\{b\},\{a,b\},P$ であり、$\overline{\{b\}}=P$ なので $\operatorname{int}\overline{N_p}=P$ がすべての $p$ について成り立つ。$\operatorname{RO}(P)=\{\emptyset,P\}$ で、$a$ と $b$ の像は等しい。
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