Fermatの二平方定理(Fermat's two-square theorem)とは、素数 $p$ が 2 つの平方数の和 $p=a^2+b^2$ で書けるための必要十分条件は $p=2$ または $p\equiv1\pmod4$ である、という定理である。たとえば $5=1^2+2^2$ は書けるが $7$ は書けない。$p\equiv3\pmod4$ なら書けないことは平方数を $4$ で割った余りが $0,1$ に限ることから従い、$p\equiv1\pmod4$ なら書けることには、Zagier の対合による証明や、$m^2\equiv-1\pmod p$ を満たす $m$ と鳩の巣原理による証明がある。素数の表し方は順序と符号を除いて一意である。正の整数 $n$ が 2 つの平方数の和で書けることと、$4$ で割って $3$ 余る素因数の指数がすべて偶数であることは同値である。
前提知識: 素数, 合同式, 平方数, Fermatの小定理
2 つの平方数の和で書ける素数を小さい順に探してみる。
$$
5=1^2+2^2,\quad 13=2^2+3^2,\quad 17=1^2+4^2,\quad 29=2^2+5^2,\quad 37=1^2+6^2,\quad 41=4^2+5^2
$$
は書けるが、$3,7,11,19,23,31,43$ はどう組み合わせても書けない。たとえば $7$ から $7$ 以下の平方数 $0,1,4$ を引いた $7,6,3$ はどれも平方数でない。書ける奇素数 $5,13,17,29,37,41$ はどれも $4$ で割って $1$ 余り、書けない $3,7,11,19,23,31,43$ はどれも $4$ で割って $3$ 余る。この観察が例外なく正しいこと、すなわち奇素数が 2 つの平方数の和になるかどうかは $4$ で割った余りだけで決まることを述べるのが、Fermat の二平方定理である。
「$4$ で割って $3$ 余れば書けない」の側は、平方数を $4$ で割った余りが $0$ か $1$ しかないことから直ちに分かる(prop-fermat-two-sq-mod-four)。難しいのは逆の「$4$ で割って $1$ 余れば必ず書ける」の側で、$p$ がどれほど大きくても $a^2+b^2=p$ となる $a,b$ が存在することを示さなければならない。本記事ではこの向きに、平方数と合同式の初等的な性質だけを使う 2 通りの完全な証明を与える。Gauss整数の素因数分解を使う証明は同記事にある。
以下、$p$ はつねに素数を表す。整数 $n$ が 2 つの平方数の和で書ける とは、$n=a^2+b^2$ を満たす整数 $a,b$ が存在することをいう($a$ や $b$ が $0$ でもよい)。
$n\equiv3\pmod4$ を満たす整数 $n$ は、2 つの平方数の和で書けない。特に $p\equiv3\pmod4$ を満たす素数 $p$ は 2 つの平方数の和で書けない。
整数 $a$ が偶数なら $a=2k$ として $a^2=4k^2\equiv0\pmod4$、奇数なら $a=2k+1$ として $a^2=4(k^2+k)+1\equiv1\pmod4$ である。よって $a^2+b^2$ を $4$ で割った余りは $0+0$、$0+1$、$1+1$ のいずれか、すなわち $0,1,2$ のいずれかであり、$3$ にはならない。
次の補題は、$p\equiv1\pmod4$ の場合に $-1$ が法 $p$ で平方数と合同になること($-1$ が $p$ を法とする平方剰余であること)を述べる。
$p$ を奇素数とする。$m^2\equiv-1\pmod p$ を満たす整数 $m$ が存在することと、$p\equiv1\pmod4$ であることは同値である。
$m^2\equiv-1\pmod p$ とする。$p\nmid m$ なので、Fermatの小定理により $m^{p-1}\equiv1\pmod p$ である。一方 $p-1$ は偶数なので $m^{p-1}=(m^2)^{(p-1)/2}\equiv(-1)^{(p-1)/2}\pmod p$ である。よって $(-1)^{(p-1)/2}\equiv1\pmod p$ であり、$p\geq3$ より $-1\not\equiv1\pmod p$ だから $(-1)^{(p-1)/2}=1$、すなわち $(p-1)/2$ は偶数で $p\equiv1\pmod4$ である。
逆に $p=4k+1$($k\geq1$)とする。$\mathbb{Z}/p\mathbb{Z}$ は体であり(有限体)、体の上の次数 $d\geq1$ の多項式の根は $d$ 個以下である。したがって $x^{2k}-1$ の根は $\mathbb{Z}/p\mathbb{Z}$ に $2k$ 個以下しかなく、$2k<4k=p-1$ なので、$a^{2k}\not\equiv1\pmod p$ を満たす $a\in\{1,2,\dots,p-1\}$ がある。$m:=a^k$ とおくと、Fermat の小定理により
$$
(m^2-1)(m^2+1)=m^4-1=a^{4k}-1=a^{p-1}-1\equiv0\pmod p
$$
である。$m^2-1=a^{2k}-1\not\equiv0\pmod p$ であり、$p$ は素数なので $p\mid m^2+1$、すなわち $m^2\equiv-1\pmod p$ である。
$p\equiv1\pmod4$ のとき、$m=\left(\frac{p-1}{2}\right)!$ が $m^2\equiv-1\pmod p$ を満たすこともよく知られている。これは Wilsonの定理 $(p-1)!\equiv-1\pmod p$ から、$k$ と $p-k$ を組にして得られる。たとえば $p=13$ では $6!=720=13\cdot55+5$ で、$5^2=25\equiv-1\pmod{13}$ である。
素数 $p$ が 2 つの平方数の和 $p=a^2+b^2$($a,b\in\mathbb{Z}$)で書けることと、$p=2$ または $p\equiv1\pmod4$ であることは同値である。特に、奇素数 $p$ が 2 つの平方数の和で書けることと $p\equiv1\pmod4$ であることは同値である。
$p=2=1^2+1^2$ は書ける。奇素数 $p$ は $4$ で割って $1$ か $3$ 余り、$p\equiv3\pmod4$ なら書けないことは prop-fermat-two-sq-mod-four で示した。したがって、残るのは「$p\equiv1\pmod4$ なら書ける」ことだけである。以下の 2 つの証明はどちらもこの向きを示す。
$p\equiv1\pmod4$ とし、正の整数の 3 つ組の集合
$$
S:=\{(x,y,z)\in\mathbb{Z}_{>0}^3\mid x^2+4yz=p\}
$$
を考える。$S$ の元の成分はどれも $p$ 未満なので、$S$ は有限集合である。
段階 1:$S$ 上の写像 $f\colon S\to S$ を次で定める。
$$
f(x,y,z):=\begin{cases}(x+2z,\ z,\ y-x-z) & (x< y-z\ \text{のとき}),\\ (2y-x,\ y,\ x-y+z) & (y-z< x<2y\ \text{のとき}),\\ (x-2y,\ x-y+z,\ y) & (x>2y\ \text{のとき}).\end{cases}
$$
境目の場合は起こらない。実際、$x=y-z$ なら $p=(y-z)^2+4yz=(y+z)^2$ は平方数になり、$x=2y$ なら $p=4y^2+4yz=4y(y+z)$ は偶数になって、どちらも $p$ が奇素数であることに反する。よって $S$ の各元はちょうど 1 つの場合に属する。
各場合の値が $S$ に属することを確かめる。第 1 の場合、$(x+2z)^2+4z(y-x-z)=x^2+4yz$ で、$y-x-z>0$ である。第 2 の場合、$(2y-x)^2+4y(x-y+z)=x^2+4yz$ で、$2y-x>0$、$x-y+z>0$ である。第 3 の場合、$(x-2y)^2+4(x-y+z)y=x^2+4yz$ で、$x-2y>0$、$x-y+z>x-2y>0$ である。
$f\circ f$ が恒等写像であることを確かめる。第 1 の場合の値 $(x',y',z')=(x+2z,z,y-x-z)$ は $x'-2y'=x>0$ を満たすので第 3 の場合に属し、$f(x',y',z')=(x'-2y',\,x'-y'+z',\,y')=(x,y,z)$ である。第 3 の場合の値 $(x',y',z')=(x-2y,\,x-y+z,\,y)$ は $y'-z'=x-2y+z>x'$ を満たすので第 1 の場合に属し、同様に計算して $f(x',y',z')=(x,y,z)$ である。第 2 の場合の値 $(x',y',z')=(2y-x,\,y,\,x-y+z)$ は $y'-z'=2y-x-z< x'<2y'$ を満たすので第 2 の場合に属し、$f(x',y',z')=(x,y,z)$ である。よって $f$ は対合である。
段階 2:$f$ の不動点を求める。第 1 の場合の値は $x'=x+2z\neq x$、第 3 の場合の値は $x'=x-2y\neq x$ なので、不動点は第 2 の場合にしかなく、$2y-x=x$、すなわち $x=y$ である。このとき $p=x^2+4xz=x(x+4z)$ で、$x+4z>1$ なので $p$ が素数であることから $x=1$、$z=(p-1)/4$ である。逆に $(1,1,(p-1)/4)$ は $S$ に属し(ここで $p\equiv1\pmod4$ を使う)、$y-z<1<2$ なので第 2 の場合に属して $f$ で動かない。したがって $f$ の不動点はちょうど 1 個である。
段階 3:対合 $f$ は、不動点でない $S$ の元を $\{s,f(s)\}$ という 2 元の組に分ける。よって $\#S$ は不動点の個数 $1$ と偶奇が一致し、奇数である。
段階 4:$g(x,y,z):=(x,z,y)$ も $S$ 上の対合である。段階 3 と同じ理由で、$g$ の不動点の個数は $\#S$ と偶奇が一致するので奇数であり、特に $0$ でない。$g$ の不動点 $(x,y,y)$ をとれば
$$
p=x^2+4y^2=x^2+(2y)^2
$$
であり、$p$ は 2 つの平方数の和である。
まず次の事実(Thue の補題)を示す:$p$ を素数、$m$ を整数、$k:=\lfloor\sqrt p\rfloor$ とするとき、$(a,b)\neq(0,0)$、$|a|\leq k$、$|b|\leq k$、$a\equiv mb\pmod p$ を満たす整数の組 $(a,b)$が存在する。
$p\equiv1\pmod4$ とし、lem-fermat-two-sq-minus-one により $m^2\equiv-1\pmod p$ となる整数 $m$ をとる。$p$ は素数なので平方数でなく、$k<\sqrt p< k+1$ である。
$0\leq u,v\leq k$ を満たす整数の組 $(u,v)$ は $(k+1)^2>p$ 個ある。それぞれの組に $u-mv$ を $p$ で割った余りを対応させると、余りは $p$ 通りしかないので、鳩の巣原理により異なる 2 組 $(u_1,v_1)\neq(u_2,v_2)$ で $u_1-mv_1\equiv u_2-mv_2\pmod p$ となるものがある。$a:=u_1-u_2$、$b:=v_1-v_2$ とおくと、$(a,b)\neq(0,0)$、$|a|\leq k$、$|b|\leq k$ であり、$a\equiv mb\pmod p$ である(これで Thue の補題が示された)。したがって
$$
a^2+b^2\equiv m^2b^2+b^2=(m^2+1)b^2\equiv0\pmod p
$$
である。一方 $0< a^2+b^2\leq2k^2<2p$ なので、$p$ の倍数である $a^2+b^2$ は $p$ に等しい。
$4$ で割って $1$ 余る素数が 2 つの平方数の和であることは、Girard が 1625 年に、Fermat がその少し後に認識していた。Fermat は、この性質をもたない素数があればより小さいそのような素数があるという無限降下法で証明できると述べたが、証明は残していない。最初の完全な証明は Euler による(1749 年。Dickson の原本第 2 巻の序文 pp. viii–ix と第 VI 章 pp. 225–230 Dic20)。
上の Zagier の証明は Zag90 による(Crisman の PDF 版の §13.6、Proposition 13.6.1、p. 233 にも解説がある Cri24)。Thue の補題の証明は、鳩の巣原理の代わりに連分数で $a,b$ を見つけることもでき(Stein の PDF 版の §5.7、Lemma 5.7.5 と Theorem 5.7.1 の証明、pp. 119–120 Ste17)、Minkowskiの格子点定理で見つけることもできる(Clark の講義ノートの第 13 章 §2.1、pp. 166–167 Cla)。Gauss整数の環 $\mathbb{Z}[i]$ が一意分解整域であることを使うと、$p\equiv1\pmod4$ の素数は $p=(a+bi)(a-bi)$ と分解し、そこから $p=a^2+b^2$ が得られる(同記事の系「Fermat の二平方定理」。Clark の講義ノートの第 3 章 §2–4(Theorem 3.4)と §5(Theorem 3.10)、pp. 45–53 も同じ筋である Cla)。
素数の 2 平方和の表し方は、順序と符号の違いを除いてただ 1 通りである。次の証明は $\mathbb{Z}[i]$ を使わず、恒等式
$$
(a^2+b^2)(c^2+d^2)=(ac-bd)^2+(ad+bc)^2
$$
(両辺を展開すれば確かめられる。Brahmagupta–Fibonacci の恒等式と呼ばれる)だけを使う。
素数 $p$ が $p=a^2+b^2=c^2+d^2$($a,b,c,d$ は正の整数)と表されるならば、$(c,d)=(a,b)$ または $(c,d)=(b,a)$ である。
$d'$ が $a$ と $b$ の正の公約数なら $d'^2\mid p$ なので $d'=1$ であり、$\gcd(a,b)=1$ である(最大公約数)。同様に $\gcd(c,d)=1$ である。また $p$ は平方数でないので、$a,b,c,d$ はいずれも $\sqrt p$ より小さい。
$$
(ad-bc)(ad+bc)=a^2d^2-b^2c^2=a^2(c^2+d^2)-c^2(a^2+b^2)=(a^2-c^2)p
$$
なので、$p$ は $ad-bc$ か $ad+bc$ を割り切る(素数の記事の補題「Euclidの補題」)。
$p\mid ad-bc$ の場合:$|ad-bc|<\sqrt p\cdot\sqrt p=p$ なので $ad=bc$ である。$a\mid bc$ と $\gcd(a,b)=1$ から $a\mid c$ であり(互いに素)、$c\mid ad$ と $\gcd(c,d)=1$ から $c\mid a$ である。よって $a=c$ で、$ad=bc$ から $b=d$ である。
$p\mid ad+bc$ の場合:$0< ad+bc<2p$ なので $ad+bc=p$ である。上の恒等式から $p^2=(ac-bd)^2+p^2$ となり、$ac=bd$ である。前の場合と同様に $a\mid d$ かつ $d\mid a$ となり、$a=d$、$b=c$ である。
$p=13$ について $x^2+4yz=13$ を満たす正の整数の組を数えると、$x=1$ のとき $yz=3$、$x=3$ のとき $yz=1$ で、
$$
S=\{(1,1,3),\ (1,3,1),\ (3,1,1)\}
$$
である。Zagier の写像 $f$ は $(1,1,3)$ を動かさず(第 2 の場合)、$(1,3,1)$ を第 1 の場合として $(3,1,1)$ に移す。入れ替え $g(x,y,z)=(x,z,y)$ の不動点は $(3,1,1)$ で、$13=3^2+(2\cdot1)^2=9+4$ が得られる。
Thue の補題の証明では、$m=5$ が $5^2=25\equiv-1\pmod{13}$ を満たし、$k=\lfloor\sqrt{13}\rfloor=3$ である。$|a|,|b|\leq3$ で $a\equiv5b\pmod{13}$ となる組を探すと、$b=2$ のとき $5b=10\equiv-3$ なので $(a,b)=(-3,2)$ が見つかり、$(-3)^2+2^2=13$ である。
$21=3\cdot7$ は $21\equiv1\pmod4$ を満たすが、$21-0,\ 21-1,\ 21-4,\ 21-9,\ 21-16$ すなわち $21,20,17,12,5$ はどれも平方数でないので、2 つの平方数の和で書けない。$21$ は「$4$ で割って $1$ 余る」を満たすが「素数」を満たさず、含意「$n\equiv1\pmod4$ なら $n$ は 2 つの平方数の和である」を破る。合成数については、thm-fermat-two-sq-general のように素因数分解を見る必要がある。
$65=5\cdot13$ は $65=1^2+8^2=4^2+7^2$ と、順序と符号を除いても 2 通りに表される。$65$ は 2 つの平方数の和であるが素数でなく、prop-fermat-two-sq-unique の結論「表し方はただ 1 通り」を破る。2 通りの表示は、$5=1^2+2^2$ と $13=2^2+3^2$ に上の恒等式を $(a,b,c,d)=(1,2,2,3)$ と $(1,2,3,2)$ で適用して得られる:$(2-6)^2+(3+4)^2=65$、$(3-4)^2+(2+6)^2=65$。
素数の場合の定理から、どの正の整数が 2 つの平方数の和になるかが完全に分かる。
正の整数 $n$ が 2 つの平方数の和で書けることと、$n$ の素因数分解において、$4$ で割って $3$ 余る各素数 $q$ の指数が偶数であることは同値である。
まず次を示す:$q\equiv3\pmod4$ を満たす素数 $q$ が $a^2+b^2$ を割り切るならば、$q\mid a$ かつ $q\mid b$ である。実際、$q\nmid a$ なら $aa'\equiv1\pmod q$ となる整数 $a'$ があり、$a^2+b^2\equiv0$ に $a'^2$ を掛けると $(ba')^2\equiv-1\pmod q$ となって、lem-fermat-two-sq-minus-one に反する。よって $q\mid a$ であり、$q\mid b^2$ から $q\mid b$ である。
必要性を $n$ に関する強い数学的帰納法で示す。$n=a^2+b^2$ とし、$q\equiv3\pmod4$ を $n$ を割り切る素数とする。上により $q\mid a$、$q\mid b$ なので、$n':=n/q^2=(a/q)^2+(b/q)^2$ は $n$ より小さい正の整数で、2 つの平方数の和である。帰納法の仮定により $n'$ における $q$ の指数は偶数であり、$n$ における指数はそれに $2$ を足したものなので偶数である。$n$ を割り切らない $q$ については指数 $0$ で偶数である。
十分性を示す。上の恒等式により、2 つの平方数の和で書ける整数どうしの積はまた 2 つの平方数の和で書ける。$n=2^e\prod_ip_i^{f_i}\prod_jq_j^{2g_j}$($p_i\equiv1$、$q_j\equiv3\pmod4$)とすると、$1=1^2+0^2$、$2=1^2+1^2$、$p_i$ は thm-fermat-two-sq により、$q_j^{2g_j}=(q_j^{g_j})^2+0^2$ はいずれも 2 つの平方数の和なので、$n$ もそうである。
たとえば $45=3^2\cdot5=6^2+3^2$、$9=3^2+0^2$ は書けるが、$2001=3\cdot23\cdot29$ は素因数 $3$ の指数が $1$ なので書けない(Stein の PDF 版の §5.7、Theorem 5.7.1 の直後の例、p. 117 Ste17)。
正の整数 $n$ について、$a^2+b^2=n$ を満たす整数の組 $(a,b)$(順序と符号を区別する)の個数を $r_2(n)$ とすると、
$$
r_2(n)=4\bigl(d_1(n)-d_3(n)\bigr)
$$
が成り立つ。ここで $d_1(n)$、$d_3(n)$ は $n$ の正の約数のうち $4$ で割ってそれぞれ $1$、$3$ 余るものの個数である。この公式は Jacobi が 1829 年に楕円関数から導き、のちに算術的な証明も与えられた(Dickson の原本第 2 巻の序文 p. ix と第 VI 章 pp. 235–236 Dic20)。たとえば $n=25$ の約数 $1,5,25$ はすべて $4$ で割って $1$ 余るので $r_2(25)=12$ であり、実際 $(0,\pm5)$、$(\pm5,0)$、$(\pm3,\pm4)$、$(\pm4,\pm3)$ の 12 組である。素数 $p\equiv1\pmod4$ では $r_2(p)=8$ で、これは prop-fermat-two-sq-unique と整合する(1 通りの表示 $\{a,b\}$ から順序と符号で 8 組が得られる)。
4 個の平方数を使えば、$4$ で割った余りによらずすべての非負整数が表される(Lagrangeの四平方定理)。3 個では表せない整数があり、$4$ を法とする議論の代わりに $8$ を法とする議論が現れる(平方数 の記事の系「法 4・法 8 の剰余の応用」)。
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