Banachの不動点定理(Banach fixed-point theorem)とは、空でない完備距離空間 $X$ の上の写像 $T$ が、ある $0\le k<1$ についてつねに $d(T(x),T(y))\le k\,d(x,y)$ を満たす縮小写像ならば、$T$ はただ 1 つの不動点をもつという定理で、縮小写像の原理ともいう。どの点から始めても反復 $x_{n+1}=T(x_n)$ は不動点に収束し、誤差は $k^n/(1-k)$ に比例する速さで小さくなる。完備性や共通の $k<1$ を外すと不動点がなくなりうる。方程式を不動点問題に書き直すことで、積分方程式や Kepler の方程式の解、常微分方程式の Picard–Lindelöf の定理、逆関数定理が導かれる。
前提知識: 完備距離空間, Lipschitz連続, 不動点
Banach の不動点定理(Banach fixed-point theorem)は、空でない完備距離空間の上で距離をつねに一定の $k<1$ 倍以下に縮める写像が、ただ 1 つの不動点をもつという定理である。縮小写像の原理(contraction mapping principle)ともいう。どの点から出発しても反復 $x_{n+1}=T(x_n)$ が不動点に収束し、その誤差は等比数列 $k^n$ の速さで小さくなる。
方程式を「$x=T(x)$」の形に書き直し、$T$ が縮小写像になるような空間と距離を見つければ、解の存在・一意性・近似の方法・誤差の評価が一度に得られる。この記事では定理を証明し、条件を外すと何が起こるかを反例で確かめたうえで、局所版・パラメータ付きの版・コンパクト空間での版を示す。応用として、Kepler の方程式と非線形の積分方程式を記事内で解き、常微分方程式の Picard–Lindelöf の定理と逆関数定理がこの定理からどう導かれるかを見出しで引く。高校で学ぶ漸化式の極限(縮小写像と漸化式)は、この定理の 1 次元の場合にあたる。
$(X,d)$ を距離空間とする。写像 $T\colon X\to X$ が 縮小写像 であるとは、定数 $0\le k<1$ が存在して、すべての $x,y\in X$ で
$$
d\bigl(T(x),T(y)\bigr)\le k\,d(x,y)
$$
が成り立つことをいう。$k$ を 縮小率 という。点 $x^\ast$ が $T(x^\ast)=x^\ast$ を満たすとき、$x^\ast$ を $T$ の 不動点 という。
縮小写像は Lipschitz 定数 $k<1$ の Lipschitz連続 な写像であり、とくに連続である。
$(X,d)$ を空でない完備距離空間、$T\colon X\to X$ を縮小率 $k$ の縮小写像とする。
段 1(隣り合う項の距離).$d(x_{j+1},x_j)=d\bigl(T(x_j),T(x_{j-1})\bigr)\le k\,d(x_j,x_{j-1})$ なので、帰納法により $d(x_{j+1},x_j)\le k^j\,d(x_1,x_0)$ である。
段 2(Cauchy 列).$m>n$ なら、三角不等式と段 1 から
$$
d(x_m,x_n)\le\sum_{j=n}^{m-1}d(x_{j+1},x_j)\le\sum_{j=n}^{\infty}k^j\,d(x_1,x_0)=\frac{k^n}{1-k}\,d(x_1,x_0)
$$
である。$0\le k<1$ より $k^n\to0$ なので、$(x_n)$ は Cauchy 列である。$X$ は完備なので、ある $x^\ast\in X$ に収束する。
段 3(不動点).$T$ は連続なので $T(x^\ast)=\lim_nT(x_n)=\lim_nx_{n+1}=x^\ast$ である。
段 4(一意性).$y^\ast$ も不動点なら $d(x^\ast,y^\ast)=d\bigl(T(x^\ast),T(y^\ast)\bigr)\le k\,d(x^\ast,y^\ast)$ なので $(1-k)\,d(x^\ast,y^\ast)\le0$、すなわち $x^\ast=y^\ast$ である。
段 5(評価).段 2 の不等式で $m\to\infty$ とすると、距離の連続性から 2 の第 1 の評価を得る。3 は、$d(x,x^\ast)\le d\bigl(x,T(x)\bigr)+d\bigl(T(x),T(x^\ast)\bigr)\le d\bigl(x,T(x)\bigr)+k\,d(x,x^\ast)$ を移項すればよい。2 の第 2 の評価は、3 を $x=x_{n-1}$ に使った $d(x_{n-1},x^\ast)\le d(x_n,x_{n-1})/(1-k)$ と $d(x_n,x^\ast)\le k\,d(x_{n-1},x^\ast)$ を合わせて得られる。$\square$
2 の第 1 の評価は、反復を始める前に必要な回数を見積もるのに使い、第 2 の評価は、計算した最後の 2 項の差から誤差を見積もるのに使う。同じ主張と証明は 完備距離空間 の定理「縮小写像の不動点定理」と 不動点 の定理「完備距離空間の収縮写像定理」にもあり、閉区間の上の場合は 縮小写像と漸化式 の定理「縮小写像による収束」である。
$0\le e<1$ と $M\in\mathbb{R}$ について、方程式
$$
E-e\sin E=M
$$
はただ 1 つの実数解 $E$ をもつ。これは楕円軌道を回る天体の位置を時刻から求めるときの方程式で、$e$ が軌道の離心率である。$T(E):=M+e\sin E$ とおくと、平均値の定理から $|\sin a-\sin b|\le|a-b|$ なので(平均値の定理 の系「導関数の上界による評価」)、$|T(a)-T(b)|\le e|a-b|$ である。$\mathbb{R}$ は完備なので、thm-bfp-main により $T$ の不動点、すなわち方程式の解がただ 1 つある。
$e=1/2$、$M=1$、$E_0=1$ から反復すると、$E_1\approx1.42074$、$E_2\approx1.49438$、$E_3\approx1.49854$、$E_4\approx1.49870$ となる。2 の第 2 の評価により $|E_3-E^\ast|\le\frac{1/2}{1/2}|E_3-E_2|\approx0.0042$ である。実際の解は $E^\ast\approx1.498701$ で、収束は評価より速い。解の近くでは $|T'(E)|=e|\cos E|$ が $0.04$ 程度と小さいためである。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| $X$ の完備性 | $X=(0,1]$、$T(x)=x/2$ | 不動点が存在する |
| 共通の縮小率 $k<1$($x\ne y$ で $d(T(x),T(y))< d(x,y)$ だけを仮定) | $X=[1,\infty)$、$T(x)=x+1/x$ | 不動点が存在する |
| $k<1$($k=1$ を許す) | $X=\mathbb{R}$、$T(x)=x+1$ | 不動点が存在する |
| $k<1$($k=1$ を許す) | $X=\mathbb{R}$、$T(x)=x$ | 不動点がただ 1 つ |
| $T(X)\subset X$ | $X=[1,2]$、$T(x)=x/2$(値は $[1/2,1]$) | $X$ の中に不動点が存在する |
1 行目:$|x/2-y/2|=\frac12|x-y|$ で縮小率 $1/2$ の縮小写像だが、$x/2=x$ となるのは $x=0\notin X$ だけである。$(0,1]$ は完備でない($1/n$ は Cauchy 列だが $X$ の中に極限をもたない)。
2 行目:$x\ge1$ なら $x+1/x\ge2$ なので $T(X)\subset X$ である。$1\le x< y$ なら
$$
T(y)-T(x)=(y-x)\Bigl(1-\frac1{xy}\Bigr)
$$
で、$xy>1$ より $0< T(y)-T(x)< y-x$ となる。しかし $x+1/x=x$ となる $x$ はない。$x,y$ を大きくとると $1-1/(xy)$ は $1$ にいくらでも近づくので、共通の $k<1$ はとれない。$X$ は $\mathbb{R}$ の閉集合なので完備である。
3・4 行目:平行移動 $x\mapsto x+1$ と恒等写像はどちらも距離を保つ($k=1$)。前者は不動点をもたず、後者はすべての点が不動点である。
5 行目:$T$ は縮小率 $1/2$ で、$[1,2]$ は完備だが、$T(x)=x/2\le1$ は $x=2$ 以外で $X$ の外に出る。$T(2)=1\ne2$ であり、$X$ の中に不動点はない。
応用では、写像が空間全体ではなく 1 点の近くでだけ縮小写像になることが多い。中心をあまり動かさなければ、閉球が自分自身に写ることを確かめられる。
$(X,d)$ を完備距離空間、$c\in X$、$r>0$ とし、$B:=\{x\in X: d(x,c)\le r\}$ とおく。写像 $T\colon B\to X$ が、ある $0\le k<1$ についてすべての $x,y\in B$ で $d(T(x),T(y))\le k\,d(x,y)$ を満たし、さらに
$$
d\bigl(T(c),c\bigr)\le(1-k)\,r
$$
を満たすとする。このとき $T(B)\subset B$ であり、$T$ は $B$ の中にただ 1 つの不動点をもつ。
$x\in B$ なら $d(T(x),c)\le d(T(x),T(c))+d(T(c),c)\le kr+(1-k)r=r$ なので、$T(x)\in B$ である。$B$ は閉集合なので、完備な $X$ の閉部分集合として完備である(完備距離空間 の命題「閉部分集合と完備性」)。$c\in B$ なので $B$ は空でない。よって $T\colon B\to B$ に thm-bfp-main を使えばよい。$\square$
$(X,d)$ を空でない完備距離空間、$(S,\rho)$ を距離空間とし、写像 $T\colon S\times X\to X$ が次を満たすとする。
$p(s)$ は thm-bfp-main の 1 により定まる。$s,t\in S$ とし、thm-bfp-main の 3 を写像 $T(s,\cdot)$ と点 $x=p(t)$ に使うと、
$$
d\bigl(p(t),p(s)\bigr)\le\frac{d\bigl(p(t),T(s,p(t))\bigr)}{1-k}=\frac{d\bigl(T(t,p(t)),T(s,p(t))\bigr)}{1-k}
$$
である。等号では $p(t)=T(t,p(t))$ を使った。$t$ を固定して $s\to t$ とすると、$s\mapsto T(s,p(t))$ の連続性から右辺は $0$ に近づくので、$p$ は $t$ で連続である。Lipschitz の場合は右辺が $L\rho(s,t)/(1-k)$ 以下になる。$\square$
ex-bfp-kepler で $M$ をパラメータとみると、$|T(M,E)-T(M',E)|=|M-M'|$ なので、解 $E(M)$ は $|E(M)-E(M')|\le|M-M'|/(1-e)$ を満たす。常微分方程式の解が初期値に連続に依存すること(常微分方程式 の定理「初期値への連続依存性」)も、同じ仕組みで理解できる。
共通の縮小率 $k<1$ がなくても、異なる 2 点の距離をつねに真に縮める写像なら、空間がコンパクトのとき不動点が存在する。2 行目の反例の $[1,\infty)$ はコンパクトでない。
$(X,d)$ を空でないコンパクト距離空間、$T\colon X\to X$ を、$x\ne y$ ならつねに $d(T(x),T(y))< d(x,y)$ を満たす写像とする。このとき $T$ はただ 1 つの不動点 $x^\ast$ をもち、任意の $x_0$ からの反復列 $x_{n+1}=T(x_n)$ は $x^\ast$ に収束する。
$T$ は $d(T(x),T(y))\le d(x,y)$ を満たすので連続である。$g(x):=d(x,T(x))$ とおくと、
$$
|g(x)-g(y)|\le d(x,y)+d\bigl(T(x),T(y)\bigr)\le2\,d(x,y)
$$
なので $g$ は連続で、コンパクトな $X$ の上で最小値をとる(半連続性 の定理「コンパクト空間上の極値」)。最小点を $x^\ast$ とする。$T(x^\ast)\ne x^\ast$ なら $g(T(x^\ast))=d(T(x^\ast),T(T(x^\ast)))< d(x^\ast,T(x^\ast))=g(x^\ast)$ となって最小性に反する。よって $x^\ast$ は不動点である。不動点が 2 つ $x^\ast\ne y^\ast$ あれば $d(x^\ast,y^\ast)=d(T(x^\ast),T(y^\ast))< d(x^\ast,y^\ast)$ となって矛盾する。
収束を示す。$a_n:=d(x_n,x^\ast)$ は $a_{n+1}=d(T(x_n),T(x^\ast))\le a_n$ を満たすので、ある $a\ge0$ に単調に収束する。コンパクト距離空間は点列コンパクトなので(点列コンパクト の定理「距離空間における同値性」)、部分列 $x_{n_j}$ がある $z$ に収束する。$d(z,x^\ast)=\lim_ja_{n_j}=a$、$d(T(z),x^\ast)=\lim_jd(x_{n_j+1},x^\ast)=a$ である($T$ と距離の連続性による)。$z\ne x^\ast$ なら $a=d(T(z),T(x^\ast))< d(z,x^\ast)=a$ となって矛盾するので、$z=x^\ast$、$a=0$ である。$\square$
このほか、$T$ 自身は縮小写像でなくても、ある反復 $T^m$ が縮小写像なら $T$ はただ 1 つの不動点をもつ(不動点 の命題「ある反復が収縮なら元も不動点を持つ」)。
関数を点とみなす空間 $C([a,b])$(上限ノルム $\|u\|_\infty=\max|u|$)は完備であり(Banach空間 の命題「有界連続関数の空間の完備性」)、積分方程式はこの空間の上の不動点問題になる。以下、値は $\mathbb{K}=\mathbb{R}$ または $\mathbb{C}$ にとる。
$k\colon[a,b]^2\to\mathbb{K}$ を連続関数とし、$M:=\max|k|$ とおく。$f\colon[a,b]\times\mathbb{K}\to\mathbb{K}$ は連続で、ある $L\ge0$ についてすべての $t$ と $u,v$ で $|f(t,u)-f(t,v)|\le L|u-v|$ を満たすとする。$g\in C([a,b])$、$\lambda\in\mathbb{K}$ が
$$
|\lambda|\,M\,L\,(b-a)<1
$$
を満たすなら、
$$
u(x)=g(x)+\lambda\int_a^bk(x,t)\,f\bigl(t,u(t)\bigr)\,dt\qquad(x\in[a,b])
$$
を満たす $u\in C([a,b])$ がただ 1 つ存在し、任意の $u_0\in C([a,b])$ から右辺を繰り返し当てはめた関数列は $u$ に一様収束する。
$X:=C([a,b])$ とし、$u\in X$ に対して右辺を $\Phi(u)(x)$ とおく。
段 1($\Phi(u)\in X$).$w(t):=f(t,u(t))$ は連続関数の合成なので連続である。$k$ はコンパクト集合 $[a,b]^2$ の上で一様連続なので(一様連続 の定理「Heine–Cantorの定理」)、$\varepsilon>0$ に対し $\delta>0$ を、$|x-y|< \delta$ ならすべての $t$ で $|k(x,t)-k(y,t)|< \varepsilon$ となるようにとれる。このとき
$$
\Bigl|\int_a^b\bigl(k(x,t)-k(y,t)\bigr)w(t)\,dt\Bigr|\le\varepsilon\,(b-a)\,\|w\|_\infty
$$
なので $\Phi(u)$ は連続である。
段 2(縮小).$u,v\in X$ なら、すべての $x$ で
$$
\bigl|\Phi(u)(x)-\Phi(v)(x)\bigr|\le|\lambda|\int_a^bM\,L\,|u(t)-v(t)|\,dt\le|\lambda|\,M\,L\,(b-a)\,\|u-v\|_\infty
$$
である。左辺の $x$ についての最大をとると、$\Phi$ は縮小率 $|\lambda|ML(b-a)<1$ の縮小写像である。
段 3.$X$ は空でない完備距離空間なので、thm-bfp-main により $\Phi$ はただ 1 つの不動点 $u$ をもち、反復列は上限ノルムで、すなわち一様に $u$ に収束する。$\square$
$u(x)=1+\dfrac12\displaystyle\int_0^1xt\,u(t)\,dt$ を考える。$k(x,t)=xt$、$f(t,u)=u$、$\lambda=1/2$ で、$M=L=b-a=1$ なので $|\lambda|ML(b-a)=1/2<1$ であり、解はただ 1 つである。右辺は $1+cx$($c$ は定数)の形なので $u(x)=1+cx$ とおくと、$c=\frac12\int_0^1t(1+ct)\,dt=\frac14+\frac c6$ から $c=\frac3{10}$ を得る。よって解は $u(x)=1+\frac{3x}{10}$ である。$u_0=1$ から反復すると $u_1=1+\frac x4$、$u_2=1+\frac{7x}{24}$ と、係数は $\frac3{10}$ に近づいていく。
積分の範囲が $[a,x]$ の Volterra 型の線形方程式なら、縮小の条件 $|\lambda|M(b-a)<1$ がなくても、すべての $\lambda$ でただ 1 つの解がある(関数解析 の定理「Volterra 型積分方程式の一意可解性」)。
初期値問題 $x'=f(t,x)$、$x(t_0)=x_0$ は、積分方程式
$$
x(t)=x_0+\int_{t_0}^tf\bigl(s,x(s)\bigr)\,ds
$$
と同値である(常微分方程式 の補題「積分方程式への書き換え」)。右辺を $K(x)$ とおくと、$f$ が $x$ について Lipschitz 条件(定数 $L$)を満たし $|f|\le M$ のとき、初期値の近くにとどまる連続関数の集合の上で $K$ は自分自身への写像になる。さらに重み付きの距離 $\max_te^{-2L|t-t_0|}|x(t)-y(t)|$ を入れると、$K$ は縮小率 $1/2$ の縮小写像になる。こうして thm-bfp-main から解の存在と一意性が従う。詳しい証明は Picard–Lindelöfの定理 の定理「Picard–Lindelöf の定理」の証明にあり、反復 $K^n(x_0)$ は Picard の逐次近似(同じ記事の定義「Picard の逐次近似」)である。重みを付けることで、時間の区間を短くしなくても縮小率を $1$ より小さくできる。
$C^1$ 級写像 $f\colon\mathbb{R}^n\to\mathbb{R}^n$ の微分 $A:=Df(a)$ が正則なら、方程式 $f(x)=y$ は
$$
x=\varphi_y(x):=x+A^{-1}\bigl(y-f(x)\bigr)
$$
と同値である。$D\varphi_y(x)=I-A^{-1}Df(x)$ は $x=a$ で零写像なので、$a$ の十分小さい閉球の上で $\|D\varphi_y\|\le1/2$ となり、平均値の不等式から $\varphi_y$ は縮小率 $1/2$ の縮小写像になる。$y$ が $f(a)$ に近ければ中心 $a$ の移動 $|\varphi_y(a)-a|=|A^{-1}(y-f(a))|$ も小さいので、prop-bfp-ball の形の議論で $f(x)=y$ がその球の中にただ 1 つの解をもつ。これが 逆関数定理 の定理「逆関数定理」の証明の中心であり、同じ記事の補題「縮小写像の原理」「凸開集合上の平均値の不等式」が使われる。Banach 空間の間の写像の陰関数定理でも、陰関数の存在と連続性が、thm-bfp-parameter と同じ形の、パラメータ付きの縮小写像で証明される(LS90 Ch. 4 §9 Theorem 9.3、pp. 230–231。この記事では証明しない)。
定理の証明と局所版、パラメータ付きの版は LS90 Ch. 4 §9(Theorem 9.1、Corollary 1–4、Theorem 9.2、pp. 228–230)にある。thm-bfp-parameter の評価は、そこでの Corollary 3・4 の議論を距離の不等式の形にまとめたものである。関数解析の中での位置づけは Bre11 Theorem 5.7(p. 138)を参照。
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