強正則グラフ

同義語:strongly regular graph強正則グラフのパラメータPaleyグラフPaley graph会議グラフconference graph

概要

強正則グラフ(strongly regular graph)とは、完全グラフでも辺のないグラフでもない $v$ 頂点の $k$ 正則グラフで、隣接する 2 頂点の共通の隣接頂点がつねに $\lambda$ 個、隣接しない 2 頂点の共通の隣接頂点がつねに $\mu$ 個であるもののことである。隣接行列は $A^2=kI+\lambda A+\mu(J-I-A)$ をみたし、固有値は $k$ のほかに 2 つだけで、その値と重複度はパラメータから決まる。重複度が整数という条件はパラメータを強く絞り、三角形も四角形もないものは頂点数 $5,10,50,3250$ に限られる。有限体 $\mathbb F_q$($q\equiv1\pmod4$)の平方元の差で辺を引く Paley グラフは $(q,\frac{q-1}2,\frac{q-5}4,\frac{q-1}4)$ の強正則グラフである。

$$\newcommand{C}[0]{\mathbb{C}} \newcommand{div}[0]{\mathbin{÷}} \newcommand{N}[0]{\mathbb{N}} \newcommand{Q}[0]{\mathbb{Q}} \newcommand{R}[0]{\mathbb{R}} \newcommand{Z}[0]{\mathbb{Z}} $$

前提知識: グラフ, 隣接行列, 固有値, スペクトル定理, 有限体

強正則グラフ(strongly regular graph)とは、すべての頂点の次数が $k$ で、隣接する 2 頂点の共通の隣接頂点がつねに $\lambda$ 個、隣接しない 2 頂点の共通の隣接頂点がつねに $\mu$ 個であるような有限の単純グラフのことである。頂点数 $v$ と合わせた 4 つの数 $(v,k,\lambda,\mu)$ をそのパラメータという。五角形、Petersen グラフ、$3\times3$ の格子、有限体の平方元で辺を引く Paley グラフなどが例である。
強正則グラフの隣接行列 $A$ は、単位行列 $I$ とすべての成分が $1$ の行列 $J$ を使った 2 次式
$$ A^2=kI+\lambda A+\mu(J-I-A) $$
をみたす。このため固有値は $k$ のほかに 2 つしかなく、その値と重複度はパラメータから計算できる。重複度は 0 以上の整数でなければならないので、パラメータには強い整数条件がかかる。この記事の主定理はこの固有値と重複度の公式であり、記事の中で完全に証明する。応用として、Paley グラフが強正則であることと、三角形も四角形ももたない強正則グラフの頂点数が $5,10,50,3250$ に限られることを証明する。

定義

この記事のグラフは有限の単純グラフ(ループも多重辺もない無向グラフ)とする。頂点 $x$ に隣接する頂点の集合を $\Gamma(x)$ と書く。$I$ は単位行列、$J$ はすべての成分が $1$ の行列、$\mathbf 1$ はすべての成分が $1$ のベクトルである。

強正則グラフ

$v$ 頂点のグラフ $\Gamma$ が、完全グラフでも辺のないグラフでもなく、次の 3 条件をみたすとき、$\Gamma$ を パラメータ $(v,k,\lambda,\mu)$ の強正則グラフ といい、$\mathrm{srg}(v,k,\lambda,\mu)$ と書く。

  1. 各頂点はちょうど $k$ 個の頂点と隣接する($k$ 正則)。
  2. 隣接する 2 頂点 $x,y$ について $|\Gamma(x)\cap\Gamma(y)|=\lambda$ である。
  3. 隣接しない相異なる 2 頂点 $x,y$ について $|\Gamma(x)\cap\Gamma(y)|=\mu$ である。

完全グラフと辺のないグラフを除くのは、隣接する対と隣接しない対の両方があって $\lambda$ と $\mu$ がともに意味をもつようにするためである(BH11 §9.1、p. 113)。定義から $0\le\lambda\le k-1$、$0\le\mu\le k$ である。
4 つのパラメータは独立ではない。頂点 $x$ を 1 つ固定し、$\Gamma(x)$ と、$x$ に隣接しない頂点の集合との間の辺を 2 通りに数えると
$$ k(k-\lambda-1)=\mu(v-k-1) $$
が得られる(Conway's 99-graph problem の記事の命題「パラメータの基本関係」。BH11 Theorem 9.1.3 (i)、p. 116)。

小さい例

次はどれも強正則グラフである(BH11 §9.1.1、pp. 113–114。パラメータは計算機でも確かめた)。

グラフ$(v,k,\lambda,\mu)$
四角形 $C_4$$(4,2,0,2)$
五角形 $C_5$$(5,2,0,1)$
$3\times3$ の格子(2 つの三角形の直積)$(9,4,1,2)$
Petersen グラフ$(10,3,0,1)$
$m\times m$ の格子 $L_2(m)$($m\ge2$)$(m^2,\ 2(m-1),\ m-2,\ 2)$
三角グラフ $T(m)$($m$ 元集合の 2 元部分集合、1 元を共有すれば隣接、$m\ge4$)$(\binom m2,\ 2(m-2),\ m-2,\ 4)$
完全多部グラフ $K_{m\times a}$($m,a\ge2$)$(ma,\ (m-1)a,\ (m-2)a,\ (m-1)a)$
完全グラフの非交和 $mK_a$($m,a\ge2$)$(ma,\ a-1,\ a-2,\ 0)$

$m\times m$ の格子は、頂点を $\{1,\dots,m\}^2$ とし、行か列の一方だけが一致する 2 点を隣接させたグラフである。隣接する 2 点は同じ行(または列)の残りの $m-2$ 点を共通の隣接頂点にもち、行も列も違う 2 点 $(a,b),(c,d)$ の共通の隣接頂点は $(a,d),(c,b)$ の 2 点である。$T(5)$ は Petersen グラフの補グラフである。

行列による特徴づけ

$\mathbf 1$ に直交する固有ベクトルをもつ固有値を、$A$ の 制限された固有値(restricted eigenvalue)と呼ぶ(BH11 §9.1.3、p. 115)。

強正則グラフの行列による特徴づけ

$v$ 頂点のグラフ $\Gamma$ が完全グラフでも辺のないグラフでもないとし、隣接行列を $A$ とする。次は同値である。

  1. $\Gamma$ はある $k,\lambda,\mu$ について $\mathrm{srg}(v,k,\lambda,\mu)$ である。
  2. ある実数 $k,\lambda,\mu$ について $A^2=(\lambda-\mu)A+(k-\mu)I+\mu J$ である。
  3. $\Gamma$ は正則で、$A$ の制限された固有値はちょうど 2 つである。

$(A^2)_{xy}=\sum_zA_{xz}A_{zy}$ は、$x=y$ なら $x$ の次数、$x\neq y$ なら $x,y$ の共通の隣接頂点の個数である(隣接行列 の記事の定理「隣接行列の冪と歩道の数」)。
1 ⇒ 2.1 のもとで、$A^2$ の対角成分は $k$、隣接する対の成分は $\lambda$、隣接しない対の成分は $\mu$ なので、$A^2=kI+\lambda A+\mu(J-I-A)$ であり、右辺を整理すると 2 の形になる。
2 ⇒ 1.2 の両辺の成分を比べる。対角成分から各頂点の次数は $k$ である。隣接する $x\neq y$ では $A_{xy}=1$ なので共通の隣接頂点は $(\lambda-\mu)+\mu=\lambda$ 個、隣接しない $x\neq y$ では $\mu$ 個である。これらは個数なので整数であり、1 が成り立つ。
2 ⇒ 3.2 ⇒ 1 により $\Gamma$ は $k$ 正則なので $A\mathbf 1=k\mathbf 1$ であり、$A$ は対称なので $\mathbf 1^\perp$ を $A$ 自身に写す($x\perp\mathbf 1$ なら $\mathbf 1^{\mathsf T}Ax=(A\mathbf 1)^{\mathsf T}x=0$)。$A$ の $\mathbf 1^\perp$ への制限も対称なので、$\mathbf 1^\perp$ は $A$ の固有ベクトルからなる基底をもつ(スペクトル定理)。$\theta$ を制限された固有値、$u\perp\mathbf 1$ を固有ベクトルとすると $Ju=0$ なので、2 の両辺を $u$ に作用させて
$$ \theta^2=(\lambda-\mu)\theta+(k-\mu) $$
を得る。判別式は $\Delta:=(\lambda-\mu)^2+4(k-\mu)$ である。$\mu\le k$ なので $\Delta\ge0$ であり、$\Delta=0$ なら $\lambda=\mu=k$ となって $\lambda\le k-1$ に反するから、$\Delta>0$ である。よって制限された固有値は 2 つの相異なる実数 $r>s$ のどちらかである。もし一方、例えば $r$ だけが現れるなら、$A$ は $\mathbf 1^\perp$ の上で $r$ 倍、$\mathbf 1$ の上で $k$ 倍なので $A=rI+\frac{k-r}vJ$ となり、非対角成分がすべて等しいから $\Gamma$ は完全グラフか辺のないグラフになって仮定に反する。$s$ だけの場合も同じである。よって制限された固有値はちょうど 2 つである。
3 ⇒ 2.$\Gamma$ を $c$ 正則とし、制限された固有値を $r,s$ とする。$A\mathbf 1=c\mathbf 1$ なので、上と同じく $\mathbf 1^\perp$ は $A$ で保たれ、固有ベクトルからなる基底をもつ。その固有値は制限された固有値なので $r$ か $s$ であり、$(A-rI)(A-sI)$ は $\mathbf 1^\perp$ の上で $0$ である。また $(A-rI)(A-sI)\mathbf 1=(c-r)(c-s)\mathbf 1$ である。$J$ も $\mathbf 1^\perp$ の上で $0$、$J\mathbf 1=v\mathbf 1$ なので、$\mathbb R^v=\langle\mathbf 1\rangle\oplus\mathbf 1^\perp$ の両方の上で比べて $(A-rI)(A-sI)=\frac{(c-r)(c-s)}vJ$ である。展開すると $A^2=(r+s)A-rsI+\frac{(c-r)(c-s)}vJ$ であり、2 の形に書ける。$\square$

この定理は BH11 Theorem 9.1.2(p. 115)にある。ただし同書の条件 (iii) には「正則」が書かれておらず、証明の (iii) ⇒ (ii) は $(A-rI)(A-sI)$ が $J$ の定数倍になることを、正則性を使って導いている。正則性は外せない(後の節「反例と注意」の表の 4 行目)。連結なグラフでは、隣接行列 の記事の定理「最大固有値と次数」により $k$ 正則なら $k$ の重複度は $1$ なので、次がしたがう。

相異なる固有値が 3 つの正則グラフ

連結な正則グラフ $\Gamma$ が完全グラフでないとき、$\Gamma$ が強正則であることと、$\Gamma$ の相異なる固有値がちょうど 3 つであることは同値である。

$\Gamma$ は $k$ 正則かつ連結なので、固有値 $k$ の固有空間は $\langle\mathbf 1\rangle$ であり、$k$ の重複度は $1$ である。$\mathbf 1^\perp$ は固有ベクトルからなる基底をもち、その固有値は $k$ と異なる($k$ の固有ベクトルは $\mathbf 1$ の定数倍に限るから)。よって制限された固有値は $k$ 以外の固有値全体と一致し、相異なる固有値の個数は制限された固有値の個数に $1$ を足したものである。連結で完全グラフでないので辺もある。thm-srg-matrix の 1 ⇔ 3 から主張がしたがう。$\square$

主定理:固有値と重複度

固有値と重複度

$\Gamma$ を $\mathrm{srg}(v,k,\lambda,\mu)$ とし、制限された固有値を $r>s$、その重複度を $f,g$ とする。$A$ の固有値は、$\mathbf 1$ に属する $k$ と、$r$($f$ 個)、$s$($g$ 個)からなり、次が成り立つ。

  1. $r+s=\lambda-\mu$、$rs=\mu-k$。すなわち $r,s=\dfrac{(\lambda-\mu)\pm\sqrt{(\lambda-\mu)^2+4(k-\mu)}}2$ である。
  2. $f,\ g=\dfrac12\Bigl(v-1\mp\dfrac{(r+s)(v-1)+2k}{r-s}\Bigr)$($f$ が $-$、$g$ が $+$)であり、$f,g$ は正の整数である。
  3. $r$ と $s$ の一方が整数でなければ、$f=g$ であり、ある正の整数 $t$ について $(v,k,\lambda,\mu)=(4t+1,\ 2t,\ t-1,\ t)$ である。

固有値の全体.$\Gamma$ は $k$ 正則なので $A\mathbf 1=k\mathbf 1$ である。$\mathbf 1^\perp$ は $A$ の固有ベクトルからなる基底をもち(prf-srg-matrix の 2 ⇒ 3 と同じ理由)、その固有値は thm-srg-matrix により $r$ か $s$ で、どちらも現れる。$\mathbb R^v=\langle\mathbf 1\rangle\oplus\mathbf 1^\perp$ なので、$A$ の固有値は重複度をこめて $k,\ r^{(f)},\ s^{(g)}$ であり(右肩は個数)、$f,g\ge1$ は正の整数である。
1.$r,s$ は prf-srg-matrix の 2 次方程式 $\theta^2-(\lambda-\mu)\theta-(k-\mu)=0$ の 2 根なので、根と係数の関係から $r+s=\lambda-\mu$、$rs=-(k-\mu)=\mu-k$ である。
2.固有値の個数から $f+g=v-1$ である。$A$ の対角成分は $0$ なので、固有値の和(トレースと固有値)について
$$ 0=\operatorname{tr}A=k+fr+gs=k+\frac{(r+s)(f+g)}2+\frac{(r-s)(f-g)}2 $$
である。$f+g=v-1$ を代入して $f-g=-\dfrac{(r+s)(v-1)+2k}{r-s}$ を得る。$f=\frac12\bigl((f+g)+(f-g)\bigr)$、$g=\frac12\bigl((f+g)-(f-g)\bigr)$ から 2 の式を得る。
3.$r-s=\sqrt\Delta$、$\Delta=(\lambda-\mu)^2+4(k-\mu)$ は正の整数である。$\Delta$ が平方数なら、$r,s=\frac{(\lambda-\mu)\pm\sqrt\Delta}2$ は有理数で、整数係数の最高次係数 $1$ の多項式 $\theta^2-(\lambda-\mu)\theta-(k-\mu)$ の根なので整数である。よって $r$ か $s$ が整数でないなら $\Delta$ は平方数でなく、$\sqrt\Delta$ は無理数である。2 の計算から
$$ (f-g)\sqrt\Delta=-\bigl((\lambda-\mu)(v-1)+2k\bigr) $$
で、右辺は整数、左辺は $f-g\neq0$ なら無理数なので、$f=g$ かつ $(\mu-\lambda)(v-1)=2k$ である。$\Gamma$ は辺をもち完全グラフでないので $0< k< v-1$、すなわち $0< 2k< 2(v-1)$ であり、整数 $\mu-\lambda$ は $0<\mu-\lambda<2$ をみたすから $\mu-\lambda=1$、$v-1=2k$ である。これをパラメータの基本関係 $k(k-\lambda-1)=\mu(v-k-1)=\mu k$ に代入すると $k-\lambda-1=\mu=\lambda+1$、すなわち $k=2\lambda+2=2\mu$ である。$t:=\mu$ とおくと $k=2t$、$\lambda=t-1$、$v=2k+1=4t+1$ で、$k\ge1$ から $t\ge1$ である。$\square$

この定理は BH11 Theorem 9.1.3(p. 116)にあり、証明はそれに従って細部を補った。3 の場合 $(4t+1,2t,t-1,t)$ を 半分の場合(half case)といい、そのグラフを 会議グラフ(conference graph)とも呼ぶ(BH11 §9.1.6、p. 116)。
2 の $f,g$ が正の整数になることを 整数性条件(BH の用語では rationality conditions)という。パラメータの基本関係と並んで、存在しうるパラメータを大きく絞り込む。

固有値の計算
グラフ$(v,k,\lambda,\mu)$$r,\ s$$f,\ g$
$C_5$$(5,2,0,1)$$\frac{-1\pm\sqrt5}2$$2,\ 2$
$3\times3$ の格子$(9,4,1,2)$$1,\ -2$$4,\ 4$
Petersen$(10,3,0,1)$$1,\ -2$$5,\ 4$
$L_2(4)$$(16,6,2,2)$$2,\ -2$$6,\ 9$
$T(5)$$(10,6,3,4)$$1,\ -2$$4,\ 5$

例えば Petersen グラフでは $r+s=-1$、$rs=-2$ から $r=1$、$s=-2$ であり、$f-g=-\frac{(-1)\cdot9+6}{3}=1$、$f+g=9$ から $f=5$、$g=4$ である。これは 隣接行列 の記事の例「Petersen グラフ」の計算と一致する。$C_5$ は $t=1$ の半分の場合で、固有値は無理数である。表の値はすべて計算機で固有値を直接求めて確かめた。

整数性条件は必要条件にすぎない。固有空間への射影の成分ごとの 2 乗を調べると、さらにパラメータを退けられることがある。

$\mathrm{srg}(28,9,0,4)$ は存在しない

パラメータ $(28,9,0,4)$ は基本関係 $9\cdot8=4\cdot18$ と整数性条件($r=1$、$s=-5$、$f=21$、$g=6$)をみたすが、$\mathrm{srg}(28,9,0,4)$ は存在しない。

存在したとして隣接行列を $A$ とする。thm-srg-matrix の 2 により $A^2=-4A+5I+4J$ である。$E:=\frac1{84}(A-I)(A-9I)$ は、$\mathbf 1$ と固有値 $1$ の固有ベクトルを $0$ に、固有値 $-5$ の固有ベクトルを $\frac{(-6)(-14)}{84}=1$ 倍に写すので、固有値 $-5$ の固有空間 $V$ への直交射影である。$A^2$ の式を代入すると $E=\frac1{84}(14I-14A+4J)$ で、$E$ の成分は対角が $\frac3{14}$、隣接する対が $-\frac5{42}$、隣接しない対が $\frac1{21}$ である。
成分ごとに 2 乗した行列を $F$($F_{xy}=E_{xy}^2$)とすると、成分は $\frac{81}{1764}$、$\frac{25}{1764}$、$\frac4{1764}$ なので $F=\frac1{1764}(77I+21A+4J)$ である。$Au=-5u$、$u\perp\mathbf 1$、$u\neq0$ なら $Fu=\frac{77-105}{1764}u=-\frac1{63}u$ で、$F$ は負の固有値をもつ。
一方 $F$ は半正定値である。

理由を開く

$V$ の正規直交基底 $e_1,\dots,e_6$ をとると $E=\sum_ae_ae_a^{\mathsf T}$ で、$E_{xy}=\sum_ae_a(x)e_a(y)$ である。成分ごとの積 $w_{ab}:=(e_a(x)e_b(x))_x$ を使うと $F_{xy}=\bigl(\sum_ae_a(x)e_a(y)\bigr)^2=\sum_{a,b}w_{ab}(x)w_{ab}(y)$、すなわち $F=\sum_{a,b}w_{ab}w_{ab}^{\mathsf T}$ である。よって任意の $z$ で $z^{\mathsf T}Fz=\sum_{a,b}(w_{ab}^{\mathsf T}z)^2\ge0$ であり、$F$ の固有値は $0$ 以上である。この矛盾から、$\mathrm{srg}(28,9,0,4)$ は存在しない。$\square$

BH11 §9.1.8(p. 118)は、このパラメータが Krein 条件と絶対上界によって退けられると述べている。上の証明は、Krein 条件の考え方(射影の成分ごとの積が半正定値であること)をこのパラメータに当てはめて計算したものである。

Paley グラフ

$q$ を $q\equiv1\pmod4$ をみたす素数冪とし、$\mathbb F_q$ を位数 $q$ の有限体とする。$\mathbb F_q^\times$ の元で、ある $y\in\mathbb F_q^\times$ の 2 乗になるものを 平方元、そうでないものを 非平方元 という。

Paley グラフの定義

$\mathbb F_q$ の元を頂点とし、$x\neq y$ を $x-y$ が平方元であるときに隣接させたグラフを Paley グラフ といい、$\mathrm{Paley}(q)$ と書く。

$x-y$ が平方元であることと $y-x=(-1)(x-y)$ が平方元であることが同値でないと、この定義は無向グラフを定めない。次の補題で、$q\equiv1\pmod4$ ならそれが同値であることを確かめる。

平方指標

$q$ を奇数の素数冪とし、$\chi\colon\mathbb F_q\to\{0,1,-1\}$ を、$\chi(0)=0$、平方元で $1$、非平方元で $-1$ と定める。

  1. $\chi(xy)=\chi(x)\chi(y)$ であり、平方元と非平方元はちょうど $\frac{q-1}2$ 個ずつある。とくに $\sum_{x\in\mathbb F_q}\chi(x)=0$ である。
  2. $\chi(-1)=1$ であることと $q\equiv1\pmod4$ は同値である。
  3. $a\neq0$ なら $\displaystyle\sum_{z\in\mathbb F_q}\chi(z)\chi(z-a)=-1$ である。

1:有限体 の記事の定理「有限体の乗法群の構造」により $\mathbb F_q^\times$ は位数 $q-1$ の巡回群なので、生成元 $\gamma$ をとる。$\gamma^j$ が平方元であることと $j$ が偶数であることは同値である($\gamma^j=(\gamma^i)^2$ なら $j\equiv2i\pmod{q-1}$ で、$q-1$ は偶数なので $j$ は偶数)。よって $\chi(\gamma^j)=(-1)^j$ であり、$\chi(\gamma^i\gamma^j)=(-1)^{i+j}=\chi(\gamma^i)\chi(\gamma^j)$ である。$0$ を含む場合は両辺が $0$ である。$j=0,\dots,q-2$ のうち偶数と奇数は $\frac{q-1}2$ 個ずつなので、平方元と非平方元も $\frac{q-1}2$ 個ずつである。
2:$-1$ は位数 $2$ の元なので $-1=\gamma^{(q-1)/2}$ であり、$\chi(-1)=(-1)^{(q-1)/2}$ である。これが $1$ であることは $\frac{q-1}2$ が偶数、すなわち $q\equiv1\pmod4$ であることと同値である。
3:$z=0$ と $z=a$ の項は $0$ である。$z\neq0$ では、1 により $\chi(z)\chi(z-a)=\chi\bigl(z^2(1-az^{-1})\bigr)=\chi(z)^2\,\chi(1-az^{-1})=\chi(1-az^{-1})$ である。$z$ が $\mathbb F_q^\times$ を動くと、$w=1-az^{-1}$ は $\mathbb F_q\setminus\{1\}$ をちょうど 1 回ずつ動く($z=a(1-w)^{-1}$ と戻せる)。よって和は $\sum_{w\neq1}\chi(w)=0-\chi(1)=-1$ である。$\square$

$q=p$ が素数のとき、$\chi$ は Legendre記号 $\bigl(\frac{\cdot}{p}\bigr)$ にほかならない。

Paley グラフは強正則

$q=4t+1$ を素数冪とすると、$\mathrm{Paley}(q)$ は $\mathrm{srg}(4t+1,\ 2t,\ t-1,\ t)$ である。固有値は $2t$ と $\frac{-1\pm\sqrt q}2$(重複度はどちらも $2t$)である。

lem-srg-quadratic-character の 2 により $\chi(-1)=1$ なので $\chi(y-x)=\chi(x-y)$ であり、隣接関係は対称である。頂点 $x$ に隣接する頂点 $z$ は $z-x$ が平方元となるもので、1 によりちょうど $\frac{q-1}2=2t$ 個ある。平方元も非平方元もあるので、完全グラフでも辺のないグラフでもない。
相異なる $x,y$ の共通の隣接頂点の個数を数える。$z\notin\{x,y\}$ について、$\frac14\bigl(1+\chi(z-x)\bigr)\bigl(1+\chi(z-y)\bigr)$ は、$z-x$ と $z-y$ がともに平方元なら $1$、そうでなければ $0$ である。よって
$$ |\Gamma(x)\cap\Gamma(y)|=\frac14\sum_{z\neq x,y}\Bigl(1+\chi(z-x)+\chi(z-y)+\chi(z-x)\chi(z-y)\Bigr) $$
である。各項を計算する。$\sum_{z\neq x,y}1=q-2$ である。1 により $\sum_{z}\chi(z-x)=0$ なので、$\sum_{z\neq x,y}\chi(z-x)=-\chi(0)-\chi(y-x)=-\chi(x-y)$、同様に $\sum_{z\neq x,y}\chi(z-y)=-\chi(x-y)$ である。最後の和は $z=x,y$ の項が $0$ なので、$w=z-x$ とおいて 3 を $a=y-x$ で使うと $-1$ である。合わせて
$$ |\Gamma(x)\cap\Gamma(y)|=\frac{q-3-2\chi(x-y)}4 $$
である。$x,y$ が隣接するなら $\chi(x-y)=1$ で $\frac{q-5}4=t-1$、隣接しないなら $\chi(x-y)=-1$ で $\frac{q-1}4=t$ である。
固有値は、thm-srg-spectrum の 1 により $r+s=-1$、$rs=t-2t=-t$ から $r,s=\frac{-1\pm\sqrt{1+4t}}2=\frac{-1\pm\sqrt q}2$ であり、2 により $f-g=-\frac{(-1)\cdot4t+4t}{\sqrt q}=0$、$f+g=4t$ から $f=g=2t$ である。$\square$

この命題は BH11 Proposition 9.1.1(pp. 114–115)にあり、共通の隣接頂点の数え方はそこでの計算を展開したものである。$\mathrm{Paley}(q)$ は半分の場合の例である。

Paley グラフの例
  • $\mathrm{Paley}(5)$:平方元は $\{1,4\}=\{\pm1\}$ なので、$x$ と $x\pm1$ を結んだ五角形 $C_5$ である。
  • $\mathrm{Paley}(9)$:$\mathbb F_9=\mathbb F_3[i]$($i^2=-1$)の平方元は $\{\pm1,\pm i\}$ で、$3\times3$ の格子と同型である(Conway's 99-graph problem の記事の例「9 頂点の例」)。
  • $\mathrm{Paley}(13)$:平方元は $\{1,3,4,9,10,12\}$ で、$\mathrm{srg}(13,6,2,3)$、固有値は $6$ と $\frac{-1\pm\sqrt{13}}2$(各 $6$ 個)である。各頂点の隣接頂点の上の誘導部分グラフは六角形である(BH11 p. 114。計算機で確かめた)。
  • 非平方元 $c$ をかける写像 $x\mapsto cx$ は、$x-y$ が平方元であることを $c(x-y)$ が非平方元であることに写すので、$\mathrm{Paley}(q)$ からその補グラフへの同型である(BH11 §9.1.1 (viii)、p. 114)。

応用:三角形も四角形もない強正則グラフ

$\lambda=0$ は三角形がないこと、$\mu=1$ は長さ 4 の閉路がないことを意味する(隣接しない 2 頂点の共通の隣接頂点が 2 個あれば四角形ができる)。整数性条件だけで、このようなパラメータは 4 組に限られる。

Hoffman–Singleton の定理

$\mathrm{srg}(v,k,0,1)$ が存在するなら、$(v,k)$ は $(5,2)$、$(10,3)$、$(50,7)$、$(3250,57)$ のいずれかである。

基本関係 $k(k-1)=v-k-1$ から $v=k^2+1$ である。辺があり $\mu=1$ なので $k\ge2$ である($k=1$ なら $K_2$ の非交和で $\mu=0$)。thm-srg-spectrum の 1 から $r+s=-1$、$rs=1-k$ である。
$r,s$ が整数でない場合.3 により $(v,k,0,1)=(4t+1,2t,t-1,t)$ で、$t-1=0$ から $t=1$、$(v,k)=(5,2)$ である。
$r,s$ が整数の場合.$r>s$、$r+s=-1$ なので $r\ge0$ で $s=-r-1$、$k=1-rs=r^2+r+1$ である。2 の計算から $(f-g)(r-s)=-\bigl((r+s)(v-1)+2k\bigr)=k^2-2k$、すなわち
$$ (2r+1)(f-g)=k(k-2) $$
である。$m:=2r+1$ とおくと $4k=m^2+3$、$4(k-2)=m^2-5$ なので $16k(k-2)=(m^2+3)(m^2-5)$ であり、$m$ は $16k(k-2)$ を割り切るから、$(m^2+3)(m^2-5)\equiv3\cdot(-5)=-15\pmod m$ により $m$ は $15$ を割り切る。よって $m\in\{1,3,5,15\}$、$r\in\{0,1,2,7\}$ である。$r=0$ なら $k=1$ で $k\ge2$ に反する。$r=1,2,7$ は $k=3,7,57$、$v=k^2+1=10,50,3250$ を与える。$\square$

この定理は BH11 Theorem 9.1.5(p. 117)にある。$(5,2)$・$(10,3)$・$(50,7)$ は五角形・Petersen グラフ・Hoffman–Singleton グラフでそれぞれただ 1 つ実現され、$(3250,57)$ の存在は分かっていない(BH11 p. 117)。これらは直径 2 の Moore グラフと呼ばれるものである。同じ方法で $\mathrm{srg}(v,k,1,2)$ のパラメータを 5 組に絞り込む議論が Conway's 99-graph problem の記事の定理「パラメータ $(n,k,1,2)$ の候補」にある。

補グラフと原始性

補グラフのパラメータ

$\mathrm{srg}(v,k,\lambda,\mu)$ の補グラフは $\mathrm{srg}(v,\ v-k-1,\ v-2k+\mu-2,\ v-2k+\lambda)$ である。

補グラフの隣接行列は $\bar A=J-I-A$ である。$AJ=JA=kJ$、$J^2=vJ$ と thm-srg-matrix の 2 の式を使って展開し、最後に $A=J-I-\bar A$ を代入すると
$$ \bar A^2=(\mu-\lambda-2)\bar A+(k-\lambda-1)I+(v-2k+\lambda)J $$
となる。

展開の計算を開く

$\bar A^2=J^2-2J-2AJ+I+2A+A^2=(v-2-2k)J+I+2A+(\lambda-\mu)A+(k-\mu)I+\mu J$ で、これは $(v-2-2k+\mu)J+(1+k-\mu)I+(2+\lambda-\mu)A$ である。$A=J-I-\bar A$ を代入すると、$J$ の係数は $v-2k+\lambda$、$I$ の係数は $(1+k-\mu)-(2+\lambda-\mu)=k-\lambda-1$、$\bar A$ の係数は $\mu-\lambda-2$ になる。


補グラフも完全グラフでも辺のないグラフでもないので、thm-srg-matrix の 2 ⇒ 1 と同じ成分の比較により、補グラフは $\bar\mu=v-2k+\lambda$、$\bar\lambda-\bar\mu=\mu-\lambda-2$、$\bar k-\bar\mu=k-\lambda-1$ の強正則グラフである。これを解いて $\bar k=v-k-1$、$\bar\lambda=v-2k+\mu-2$ を得る。$\square$

この命題は BH11 §9.1.1(p. 114)に述べられている。例えば Petersen グラフの補グラフは $\mathrm{srg}(10,6,3,4)$ で、$T(5)$ と一致する。

連結でない強正則グラフ

$\Gamma$ を $\mathrm{srg}(v,k,\lambda,\mu)$ とする。

  1. $\Gamma$ が連結でないことと $\mu=0$ は同値であり、このとき $\Gamma$ は完全グラフ $K_{k+1}$ の非交和である。
  2. $\Gamma$ と補グラフがともに連結なら、制限された固有値は $k>r>0$、$s<-1$ をみたす。

1:連結でなければ、異なる連結成分の 2 頂点は隣接せず共通の隣接頂点ももたないので $\mu=0$ である。逆に $\mu=0$ とすると、$x\sim y\sim z$、$x\neq z$ なら $y$ は $x,z$ の共通の隣接頂点なので $x\sim z$ である。よって「一致するか隣接する」は同値関係で、各連結成分は完全グラフであり、$k$ 正則なので $K_{k+1}$ である。完全グラフでないので成分は 2 つ以上あり、連結でない。
2:補グラフが連結なので、1 を補グラフ(prop-srg-complement)に使うと $\bar\mu=v-2k+\lambda\neq0$ である。一方 $\mu=k$ なら、基本関係から $k(k-\lambda-1)=k(v-k-1)$、$k>0$ なので $\lambda=2k-v$、すなわち $\bar\mu=0$ となる。よって $\mu\neq k$、すなわち $\mu< k$ で、$rs=\mu-k<0$ から $r>0>s$ である。$\Gamma$ は連結なので固有値 $k$ の重複度は $1$ で(隣接行列 の記事の定理「最大固有値と次数」)、$r\neq k$、$|r|\le k$ から $r< k$ である。最後に $(r+1)(s+1)=rs+(r+s)+1=\lambda-k+1$ である。$\lambda=k-1$ なら、1 の証明と同様に隣接する頂点の隣接頂点どうしが隣接して各連結成分が完全グラフになり、連結性と完全グラフでないことに反する。よって $\lambda< k-1$、$(r+1)(s+1)<0$ で、$r+1>0$ から $s<-1$ である。$\square$

$\Gamma$ と補グラフがともに連結なとき、$\Gamma$ を 原始的(primitive)という。1 を補グラフに使うと、補グラフが連結でないのは $\Gamma$ が完全多部グラフ $K_{m\times a}$ のときである(BH11 §9.1.4、pp. 115–116 に同じ内容がある)。

反例と注意

外す条件・替える条件反例成り立たなくなること
共通の隣接頂点の個数が一定であること(正則だけにする)六角形 $C_6$、立方体 $Q_3$隣接しない対の共通の隣接頂点が $C_6$ では $0$ か $1$、$Q_3$ では $0$ か $2$ で、$\mu$ が定まらない
正則であること($\lambda,\mu$ は一定)3 つの三角形を 1 頂点で貼り合わせた風車グラフ$\lambda=\mu=1$ だが次数が $6$ と $2$ で、強正則でない
cor-srg-three-eigenvalues で正則であること星 $K_{1,4}$連結で相異なる固有値は $2,0,-2$ の 3 つだが、正則でないので強正則でない
thm-srg-matrix の 3 で正則であることPetersen グラフに、10 頂点すべてと隣接する頂点を 1 つ加えたグラフ制限された固有値は $1,-2$ のちょうど 2 つだが、次数が $4$ と $10$ で強正則でない
整数性条件(基本関係だけにする)$(v,k,\lambda,\mu)=(7,3,0,2)$基本関係 $3\cdot2=2\cdot3$ はみたすが、$f=3+\frac{3\sqrt2}4$ が整数でなく、このグラフは存在しない
整数性条件で十分か$(28,9,0,4)$$f,g=21,6$ で整数だが、存在しない(prop-srg-28)
パラメータで同型が決まるか$L_2(4)$ と Shrikhande グラフどちらも $\mathrm{srg}(16,6,2,2)$ だが同型でない
Paley グラフで $q\equiv1\pmod4$$q=7$$-1$ が非平方元で、「$x-y$ が平方元」は対称な関係でなく、無向グラフを定めない
反例の確認

各行で破れている条件と、成り立たなくなることを確かめる。

各行の確認を開く

1 行目:$C_6$ の頂点 $0,\dots,5$ で、$0$ と $2$ の共通の隣接頂点は $1$ だけ、$0$ と $3$ の共通の隣接頂点はない。$Q_3$ では距離 2 の対は 2 個、距離 3 の対は $0$ 個の共通の隣接頂点をもつ。

2 行目:中心の頂点は他の 6 頂点すべてに隣接し、ほかの頂点は中心と三角形の相手の 2 頂点に隣接する。隣接しない 2 頂点の共通の隣接頂点は中心だけである。$\mu=1$ なので、Conway's 99-graph problem の記事の命題「共通近傍数が一定なグラフの正則性」($\mu\ge2$ を仮定する)の外にある。

3 行目:$K_{1,4}$ の固有値は $2,0,0,0,-2$ である(隣接行列 の記事の例「完全グラフと完全二部グラフ」)。$\mathbf 1$ は固有ベクトルでない。

4 行目:Petersen グラフの固有ベクトルで $\mathbf 1$ に直交するもの(固有値 $1$ が 5 次元、$-2$ が 4 次元)は、加えた頂点の成分を $0$ にしても固有ベクトルのままである(加えた頂点の行は成分の和を与え、それが $0$ だから)。よって $1$ と $-2$ は制限された固有値である。ほかに、Petersen グラフの頂点で $1$、加えた頂点で $2$ のベクトルは固有値 $5$ の固有ベクトル($3+2=5$、$10=5\cdot2$)であり、Petersen グラフの頂点で $1$、加えた頂点で $-5$ のベクトルは固有値 $-2$ の固有ベクトルである。これで $5+5+1=11$ 次元がそろい、固有値は $5,\ 1^{(5)},\ (-2)^{(5)}$ である(計算機でも確かめた)。固有値 $5$ の固有空間は 1 次元で $\mathbf 1$ に直交しないので、制限された固有値はちょうど $1$ と $-2$ の 2 つである。

5 行目:$\Delta=(0-2)^2+4(3-2)=8$ で、$r,s=-1\pm\sqrt2$ は整数でない。thm-srg-spectrum の 3 によれば半分の場合でなければならないが、$\mu-\lambda=2\neq1$ である。

6 行目:prop-srg-28 で証明した。整数性条件は固有値の個数と跡だけから出る条件である。証明では、それに加えて、射影 $E$ の成分が対角・隣接・非隣接の 3 種類の値しかとらないことと、成分ごとの 2 乗が半正定値であることを使った。

7 行目:Shrikhande グラフは、$\mathbb Z/4\times\mathbb Z/4$ を頂点とし、差が $\pm(1,0)$、$\pm(0,1)$、$\pm(1,1)$ の 2 点を結んだグラフとして作れる。各頂点の隣接頂点の上の誘導部分グラフは、$L_2(4)$ では 2 つの三角形、Shrikhande グラフでは六角形なので、同型でない(BH11 Theorem 9.2.1 と p. 123 の説明。パラメータと非同型は計算機でも確かめた)。

8 行目:$\mathbb F_7$ の平方元は $1,2,4$ で、$-1=6$ は含まれない。$1-0=1$ は平方元だが $0-1=6$ は非平方元である。

$\mathrm{srg}(99,14,1,2)$ や $\mathrm{srg}(3250,57,0,1)$ のように、知られているすべての条件をみたしながら存在するかどうか分かっていないパラメータも多い。前者は Conway の 99 グラフ問題である(Conway's 99-graph problem)。

関連項目

参考文献

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