共終数とは、すべての順序数について定まる順序数のことである。順序数 $\alpha$ の共終数 のことを $\mathrm{cf}(\alpha)$ と表記する。
順序数 $\alpha$ の共終数 $\mathrm{cf}(\alpha)$ とは、以下の性質を満たす順序数 $\beta$ のなかで最小のものをいう。
集合論において、共終数の概念は非常に基本的である。共終数についての基本的な組合せ論的原理のひとつに、「濃度 $\kappa$ 未満の集合の族 $\mathcal{A}=\{A_i\}$ について、$\bigcup_{A_i\in \mathcal{A}}A_i$ が濃度 $\kappa$ 以上を持つならば、族 $\mathcal{A}$ の濃度は $\mathrm{cf}(\kappa)$ 以上である」がある。
この原理により基数 $\kappa$ の後続基数 $\kappa^+$ について、$\mathrm{cf}(\kappa^+)=\kappa^+$ が成り立つことが言える。ここで、共終数のアイデアを用いて示せる最も簡単な結果として、「自然数 $1\leq n$ について、写像 $f:\omega\to\omega_n$ は常に有界である」がある。これは $\omega\lt\mathrm{cf}(\omega_n)=\omega_n$ であることより従う。