Nevanlinnaの第一主要定理(Nevanlinna's first main theorem)とは、$\mathbb C$ 上の定数でない有理型関数 $f$ と値 $a$ について、円周 $\lvert z\rvert=r$ 上で $f$ が $a$ に近づく度合い $m_f(a,r)$ と、円板内で $a$ をとる回数を重み付きで数えた $N_f(a,r)$ の和が、$a$ によらない特性関数 $T_f(r)$ と有界な差しかないという定理である。Jensen の公式を $f-a$ に当てて得られ、どの値もとる回数が $T_f(r)+O(1)$ を超えないことを含む。特性関数は 1 次分数変換で有界な差しか変わらず、Cartan の恒等式により $\log r$ の単調な凸関数で、$T_f(r)=O(\log r)$ となるのは $f$ が有理関数のときに限る。
前提知識: 有理型関数, Jensenの公式, Nevanlinna理論, 凸関数
Nevanlinnaの第一主要定理(Nevanlinna's first main theorem)とは、複素平面全体で有理型な定数でない関数 $f$ と値 $a$ について、半径 $r$ の円周上で $f$ が $a$ に近づく度合い $m_f(a,r)$ と、円板の中で $f$ が $a$ をとる回数 $N_f(a,r)$ の和が、$a$ によらない量 $T_f(r)$ と有界な差しかないこと
$$
m_f(a,r)+N_f(a,r)=T_f(r)+O(1)
$$
を述べる定理である。$T_f(r)$ を $f$ の特性関数という。
この定理は Jensenの公式 を $f-a$ に当てて書き直すだけで得られるが、Nevanlinna理論 のすべての出発点になる。特性関数 $T_f(r)$ は、多項式なら $(\deg f)\log r+O(1)$、$e^z$ なら $r/\pi$ のように $f$ の複雑さを測る量で、どの値 $a$ についても「近づく度合い」と「とる回数」の配分を変えるだけで総量は有界な差を除いて変わらない。
この記事では、(1) 第一主要定理を誤差の定数まで込めて証明する、(2) 特性関数の基本的な性質(積・和・1 次分数変換での振る舞い)を示す、(3) Cartan の恒等式により $T_f(r)$ が $\log r$ の凸な増加関数であることを証明する、(4) $T_f(r)=O(\log r)$ となるのは $f$ が有理関数のときに限ることを証明する。値の個数の下からの評価は Nevanlinnaの第二主要定理 で扱う。
以下、$f$ は $\mathbb C$ 上の有理型関数とする。$t\ge0$ について $\log^+t:=\max(\log t,0)$($\log^+0:=0$、$\log^+(+\infty):=+\infty$)とおく。$a\in\mathbb C\cup\{\infty\}$ と $z\in\mathbb C$ について、$\nu_z(f,a)$ を、$a\in\mathbb C$ なら $f-a$ の $z$ での零点の位数、$a=\infty$ なら $f$ の $z$ での極の位数とする(零点・極でなければ $0$)。$f$ が定数 $a$ でなければ、$\nu_z(f,a)>0$ となる $z$ は集積しない。
$f$ を定数でない有理型関数、$r>0$ とする。
これらは Nevanlinna理論 の定義「近接関数・個数関数・特性関数」と同じで、Voj11 Definition 4.1・4.2・4.4(p. 123)とも同じである。定数関数 $f=b$ についても $m_f(\infty,r)=\log^+\lvert b\rvert$、$N_f(\infty,r)=0$ として $T_f(r)=\log^+\lvert b\rvert$ と定める。$r\ge1$ なら $N_f(a,r)\ge0$ である。
Jensenの公式 は、恒等的に $0$ でない $f$ と $r>0$ について
$$
\frac1{2\pi}\int_0^{2\pi}\log\lvert f(re^{i\theta})\rvert\,d\theta=\log\lvert c_f\rvert+N_f(0,r)-N_f(\infty,r)\qquad(\mathrm J)
$$
と書ける($c_fz^k$ は $f$ の $0$ での Laurent 展開の最初の項)。$u>0$ について $\log u=\log^+u-\log^+(1/u)$ なので、左辺は $m_f(\infty,r)-m_f(0,r)$ に等しい。
$\log^+$ について次の 2 つの不等式を使う。$s,u\ge0$ について
$$
\log^+(su)\le\log^+s+\log^+u,\qquad\log^+(s+u)\le\log^+s+\log^+u+\log2 \qquad(1)
$$
である。前者は $su\le\max(s,1)\max(u,1)$、後者は $s+u\le2\max(s,u,1)$ による。
$f$ を定数でない $\mathbb C$ 上の有理型関数、$a\in\mathbb C$ とし、$c_{f-a}$ を $f-a$ の $0$ での Laurent 展開の最初の係数とする。すべての $r>0$ について
$$
\Bigl\lvert T_f(r)-m_f(a,r)-N_f(a,r)-\log\lvert c_{f-a}\rvert\Bigr\rvert\le\log^+\lvert a\rvert+\log2
$$
が成り立つ。特に $T_f(r)=m_f(a,r)+N_f(a,r)+O(1)$ で、$O(1)$ の定数は $f$ と $a$ だけによる。$a=0$ については誤差なしに
$$
T_f(r)=m_f(0,r)+N_f(0,r)+\log\lvert c_f\rvert
$$
が成り立つ。
$g:=f-a$ は恒等的に $0$ でない。(J) を $g$ に当て、左辺を $m_g(\infty,r)-m_g(0,r)$ と書き直す。$m_g(0,r)=m_f(a,r)$ であり、$g$ の零点は $f$ の $a$ 点と、$g$ の極は $f$ の極と重複度込みで一致するので、$N_g(0,r)=N_f(a,r)$、$N_g(\infty,r)=N_f(\infty,r)$ である。よって
$$
m_g(\infty,r)+N_f(\infty,r)=m_f(a,r)+N_f(a,r)+\log\lvert c_{f-a}\rvert \qquad(2)
$$
である。$a=0$ なら $g=f$ で、左辺は $T_f(r)$ そのものなので最後の主張を得る。
一般の $a$ では、$\lvert f\rvert\le\lvert f-a\rvert+\lvert a\rvert$ と $\lvert f-a\rvert\le\lvert f\rvert+\lvert a\rvert$ に (1) の後者を当てると、円周上の各点で
$$
\bigl\lvert\log^+\lvert f-a\rvert-\log^+\lvert f\rvert\bigr\rvert\le\log^+\lvert a\rvert+\log2
$$
であり、平均をとって $\lvert m_g(\infty,r)-m_f(\infty,r)\rvert\le\log^+\lvert a\rvert+\log2$ である。(2) の左辺の $m_g(\infty,r)$ を $m_f(\infty,r)$ に替えると $T_f(r)$ になるので、主張を得る。$\square$
主張は Voj11 Theorem 4.6(p. 124)と同じである。$a=\infty$ については $T_f(r)=m_f(\infty,r)+N_f(\infty,r)$ が定義そのものなので、第一主要定理は Riemann 球面 $\mathbb C\cup\{\infty\}$ のすべての値について「近づく度合い+とる回数=特性関数+有界」と言える。
$f(z)=e^z$ では $\lvert f(re^{i\theta})\rvert=e^{r\cos\theta}$ なので $m_f(\infty,r)=\frac1{2\pi}\int_{-\pi/2}^{\pi/2}r\cos\theta\,d\theta=\frac r\pi$ で、極はないから $T_f(r)=\frac r\pi$ である。$a=0$ では $N_f(0,r)=0$、$m_f(0,r)=\frac1{2\pi}\int\max(-r\cos\theta,0)\,d\theta=\frac r\pi$ で、$c_f=1$ なので第一主要定理の $a=0$ の式が等号で成り立つ。$e^z$ は $0$ を一度もとらないが、そのぶん円周の左半分で $0$ にきわめて近い値をとる。
$f$ を定数でない有理型関数とする。
1 は thm-nfm-main と $m_f(a,r)\ge0$ による。2:極でない点 $z_0$ をとり $a:=f(z_0)$ とすると $\nu_{z_0}(f,a)\ge1$ なので、$r>\max(\lvert z_0\rvert,1)$ で $N_f(a,r)\ge\log r-\log^+\lvert z_0\rvert$ である($z_0=0$ なら $\nu_0\log r\ge\log r$)。thm-nfm-main から $T_f(r)\ge N_f(a,r)+\log\lvert c_{f-a}\rvert-\log^+\lvert a\rvert-\log2$ で、右辺は $\log r$ から定数を引いたもの以上である。$1\le r\le\max(\lvert z_0\rvert,1)$ では $T_f(r)\ge0$ なので、定数を大きくとれば $r\ge1$ の全体で成り立つ。$\square$
1 は、どの値 $a$ も、とる回数(重み付き)が $T_f(r)$ を定数以上には超えないことを述べている。下からの評価は一般にはなく、$e^z$ では $N_f(0,r)=0$ である。どれだけ多くの値で $N_f(a,r)$ が $T_f(r)$ より小さくなりうるかを制限するのが Nevanlinnaの第二主要定理 である。
$f_1,f_2,f$ を $\mathbb C$ 上の有理型関数とし、$r>0$ とする。
1.極の位数について $\nu_z(f_1f_2,\infty)\le\nu_z(f_1,\infty)+\nu_z(f_2,\infty)$、$\nu_z(f_1+f_2,\infty)\le\max_i\nu_z(f_i,\infty)$ なので $N_{f_1f_2}(\infty,r)$、$N_{f_1+f_2}(\infty,r)$ はどちらも $N_{f_1}(\infty,r)+N_{f_2}(\infty,r)$ 以下である($r\ge1$ なので、重み $\log(r/\lvert z\rvert)$($0<\lvert z\rvert< r$)と $\log r$($z=0$)はどれも $0$ 以上)。近接関数は (1) を円周上で平均すればよい。
2.$\log^+(u^n)=n\log^+u$、$\nu_z(f^n,\infty)=n\,\nu_z(f,\infty)$ による。
3.$T_{1/f}(r)=m_f(0,r)+N_f(0,r)$ なので、thm-nfm-main の $a=0$ の式である。
4.$\gamma=0$ なら $g=\frac\alpha\delta f+\frac\beta\delta$ で、1 を $g$ と $f=\frac\delta\alpha\bigl(g-\frac\beta\delta\bigr)$ の両方に当てると(定数 $b$ の特性関数は $\log^+\lvert b\rvert$)、$r\ge1$ で $\lvert T_g-T_f\rvert$ は有界である。$\gamma\ne0$ なら $g=\frac\alpha\gamma-\frac{\alpha\delta-\beta\gamma}{\gamma(\gamma f+\delta)}$ なので、$g$ は $f$ に 1 次式・逆数・1 次式を順に施したものである。逆数については 3 を使う($f$ が定数でないので途中の関数は恒等的に $0$ でない)。$\square$
4 から、特性関数は Riemann 球面の座標の取り方によらず定数の差を除いて決まる。この意味で $T_f(r)$ は「$f$ を Riemann 球面への写像とみたときの大きさ」である。
近接関数 $m_f(a,r)$ は $r$ について単調とは限らない(反例の表)。しかし特性関数は単調で、しかも $\log r$ の凸関数である。これは、$T_f(r)$ を単位円周上の値 $a=e^{i\varphi}$ にわたる個数関数の平均として書けることから従う。
$f$ を定数でない $\mathbb C$ 上の有理型関数で $f(0)\ne\infty$ とする。すべての $r>0$ について
$$
T_f(r)=\frac1{2\pi}\int_0^{2\pi}N_f(e^{i\varphi},r)\,d\varphi+\log^+\lvert f(0)\rvert
$$
が成り立つ。
1 次式の平均.Jensenの公式 の補題「1 次式の対数の円周平均」(半径 $1$ の場合)により、すべての $w\in\mathbb C$ について
$$
\frac1{2\pi}\int_0^{2\pi}\log\lvert w-e^{i\varphi}\rvert\,d\varphi=\log\max(1,\lvert w\rvert)=\log^+\lvert w\rvert \qquad(3)
$$
である。
各 $\varphi$ での Jensen の公式.$f$ は定数でないので $f-e^{i\varphi}$ は恒等的に $0$ でない。$e^{i\varphi}\ne f(0)$ なら(そうでない $\varphi$ は $[0,2\pi)$ に高々 1 つ)、$c_{f-e^{i\varphi}}=f(0)-e^{i\varphi}$ なので、(J) から
$$
\frac1{2\pi}\int_0^{2\pi}\log\lvert f(re^{i\theta})-e^{i\varphi}\rvert\,d\theta=\log\lvert f(0)-e^{i\varphi}\rvert+N_f(e^{i\varphi},r)-N_f(\infty,r)
$$
である($N_{f-e^{i\varphi}}(\infty,r)=N_f(\infty,r)$)。
$\varphi$ について平均する.左辺の被積分関数 $h(\theta,\varphi):=\log\lvert f(re^{i\theta})-e^{i\varphi}\rvert$ は $[0,2\pi]^2$ で可積分である。実際、$w=f(re^{i\theta})$($\theta$ は $f$ の極でない有限個を除く)について $\log^+\lvert w-e^{i\varphi}\rvert\le\log^+\lvert w\rvert+\log2$ であり、$w=\rho e^{i\psi}$ とすると $e^{i\varphi}$ から直線 $\mathbb Re^{i\psi}$ までの距離は $\lvert\sin(\varphi-\psi)\rvert$ なので $\log^+\frac1{\lvert w-e^{i\varphi}\rvert}\le\log^+\frac1{\lvert\sin(\varphi-\psi)\rvert}$ で、この右辺の $\varphi$ についての積分は $\psi$ によらない有限値である。よって Fubiniの定理 により積分の順序を替えてよい。(3) により左辺の $\varphi$ についての平均は $\frac1{2\pi}\int\log^+\lvert f(re^{i\theta})\rvert\,d\theta=m_f(\infty,r)$、右辺の第 1 項の平均は $\log^+\lvert f(0)\rvert$ である。したがって
$$
m_f(\infty,r)=\log^+\lvert f(0)\rvert+\frac1{2\pi}\int_0^{2\pi}N_f(e^{i\varphi},r)\,d\varphi-N_f(\infty,r)
$$
で、$N_f(\infty,r)$ を移項すれば主張を得る。$\square$
$f$ を定数でない $\mathbb C$ 上の有理型関数とする。$t\mapsto T_f(e^t)$ は $\mathbb R$ 上の単調非減少な凸関数である。特に $T_f(r)$ は $r$ について単調非減少である。
まず $f(0)\ne\infty$ とする。$a\in\mathbb C$ を固定すると、$t=\log r$ について
$$
N_f(a,e^t)=\sum_{z\ne0}\nu_z(f,a)\max\bigl(t-\log\lvert z\rvert,0\bigr)+\nu_0(f,a)\,t
$$
である。各項は $t$ の単調非減少な凸関数で、$t$ が有界な範囲では正の項は有限個なので、和も単調非減少な凸関数である。単調非減少な凸関数を $\varphi$ について平均したもの(thm-nfm-cartan の積分で、各 $t$ で有限)も単調非減少な凸関数であり、定数 $\log^+\lvert f(0)\rvert$ を足しても変わらない。
$f(0)=\infty$ なら、$1/f$ は $0$ で $0$ をとり、prop-nfm-algebra の 3 により $T_f(r)=T_{1/f}(r)+\log\lvert c_f\rvert$ である。前段を $1/f$ に当てればよい。$\square$
この等式は H. Cartan の名で呼ばれる。凸性から、$T_f(e^t)$ の右微分係数は単調非減少である。次の節ではこれを使う。
$f$ を定数でない $\mathbb C$ 上の有理型関数とする。
1.$p:=\deg P$、$q:=\deg Q$ とする。$f$ の極は $Q$ の零点で、重複度の合計は $q$ である。$r$ がすべての極の絶対値より大きければ、$N_f(\infty,r)=q\log r-\sum_{b}\nu_b(f,\infty)\log\lvert b\rvert$($b\ne0$ の極にわたる和)で、$q\log r+O(1)$ である。$\lvert z\rvert\to\infty$ で $f(z)=cz^{p-q}(1+o(1))$($c\ne0$)なので、$p>q$ なら円周上で一様に $\log^+\lvert f\rvert=(p-q)\log r+O(1)$、$p\le q$ なら $\lvert f\rvert$ は有界で $m_f(\infty,r)=O(1)$ である。合わせて $T_f(r)=(q+\max(p-q,0))\log r+O(1)=d\log r+O(1)$ である。
2.極は有限個.$r\ge r_0\ (\ge1)$ で $T_f(r)\le C\log r$ とする。$\rho\ge1$ をとり、$\lvert z\rvert<\rho$ の極の位数の合計を $k$ とする。$r>\rho$ では各極の重みは $\log(r/\lvert z\rvert)\ge\log(r/\rho)$($z=0$ なら $\log r\ge\log(r/\rho)$)なので、$k\log(r/\rho)\le N_f(\infty,r)\le T_f(r)\le C\log r$ である。$r\to\infty$ として $k\le C$ である。$\rho$ は任意なので、極の位数の合計は $C$ 以下で、極は有限個である。
整関数に直す.極を重複度込みで根にもつ多項式 $Q_0$ をとり、$g:=Q_0f$ とおくと、$g$ は整関数で恒等的に $0$ でない。prop-nfm-algebra の 1 と 1 の場合(多項式)から $T_g(r)\le T_{Q_0}(r)+T_f(r)\le C'\log r$($r\ge r_0$)である。
最大値を特性関数で抑える.$r\ge\max(r_0,1)$ とし、$g$ の零点が円周上にない $R\in[2r,2r+1]$ をとる(零点は可算個)。$\lvert z\rvert=r$、$g(z)\ne0$ について、Poisson–Jensen の公式(Jensenの公式 の注意「Poisson–Jensen の公式」)を半径 $R$ で使う。零点 $a$($\lvert a\rvert< R$)の項は $\lvert R^2-\bar az\rvert^2-R^2\lvert z-a\rvert^2=(R^2-\lvert a\rvert^2)(R^2-\lvert z\rvert^2)>0$ から $-\log\bigl\lvert\frac{R^2-\bar az}{R(z-a)}\bigr\rvert<0$ であり、Poisson 核 $\operatorname{Re}\frac{Re^{i\theta}+z}{Re^{i\theta}-z}=\frac{R^2-r^2}{\lvert Re^{i\theta}-z\rvert^2}$ は $0$ 以上 $\frac{R+r}{R-r}\le4$ 以下である。よって
$$
\log\lvert g(z)\rvert\le\frac1{2\pi}\int_0^{2\pi}\frac{R^2-r^2}{\lvert Re^{i\theta}-z\rvert^2}\log^+\lvert g(Re^{i\theta})\rvert\,d\theta\le4\,m_g(\infty,R)\le4\,T_g(2r+1)
$$
である(最後に cor-nfm-convex の単調性を使った)。したがって $\lvert z\rvert=r$ で $\lvert g(z)\rvert\le(2r+1)^{4C'}\le(3r)^{4C'}$ である。
多項式であること.$g(z)=\sum_na_nz^n$ とすると、Taylor 係数の Cauchy の評価(Cauchyの積分公式)により $\lvert a_n\rvert\le(3r)^{4C'}r^{-n}$ で、$n>4C'$ なら $r\to\infty$ として $a_n=0$ である。よって $g$ は多項式で、$f=g/Q_0$ は有理関数である。
3.$\phi(t):=T_f(e^t)$ は凸なので(cor-nfm-convex)、右微分係数 $\phi'_+(t)$ は単調非減少である。$\phi'_+$ が有界なら $\phi(t)\le\phi(0)+Kt$($t\ge0$)となり、$T_f(r)=O(\log r)$ と 2 から $f$ は有理関数である。よって $f$ が有理関数でなければ $\phi'_+(t)\to\infty$ であり、$\phi(t)/t\to\infty$ である。$\square$
1 を弱めた形(有理関数なら $T_f(r)=O(\log r)$)と 2 は Voj11 p. 124 で述べられている(2 には Hayman の本の定理を使う略証がある)。この記事の 2 の証明は、極を払ったあと Poisson–Jensen の公式で最大値を特性関数で抑えるものである。
| 外す条件・替える主張 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| thm-nfm-main の $m_f$ の項 | $e^z$、$a=0$ | $T_f(r)=N_f(a,r)+O(1)$ |
| 単調性を $m_f(a,r)$ に | $f(z)=z$、$a=0$ | $m_f(a,r)$ が $r$ について単調非減少 |
| 凸性の変数 $\log r$ を $r$ に | $f(z)=z$ | $r\mapsto T_f(r)$ が $r\ge1$ で凸 |
| thm-nfm-rational の 2 の $O(\log r)$ を $O(r)$ に | $e^z$ | $T_f(r)=O(r)$ なら有理関数 |
| $f$ が定数でない | $f=a$(定数) | $m_f(a,r)$ が有限 |
各行の確認を示す。
1 行目:ex-nfm-exp により $N_f(0,r)=0$、$T_f(r)=r/\pi$ で、差は有界でない。
2 行目:$m_f(0,r)=\frac1{2\pi}\int\log^+\frac1r\,d\theta=\log^+\frac1r$ は $0< r< 1$ で $r$ について狭義に減少する。
3 行目:$T_f(r)=\log^+r$ は $r>1$ で $\log r$ に等しく、2 階導関数 $-1/r^2$ が負なので $r$ の凸関数ではない($\log r$ の関数としては 1 次式で凸)。
4 行目:$T_f(r)=r/\pi=O(r)$ だが $e^z$ は有理関数でない。
5 行目:$f=a$ なら被積分関数 $\log^+\frac1{\lvert f-a\rvert}$ が恒等的に $+\infty$ である。
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