開かつ閉集合

同義語:clopen set

概要

開かつ閉集合(clopen set)とは、位相空間論において、開集合であり、かつ同時に閉集合でもあるような集合のことである。位相空間の公理より、全体集合と空集合は常にこの性質を持つが、それ以外の開かつ閉集合が存在するかどうかは空間の「連結性」と深く関わっている。英語では "closed" と "open" を合成した "clopen" という造語で呼ばれることが多い。

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定義

位相空間 $X$ の部分集合 $A$開かつ閉集合(clopen set / closed-open set)であるとは、以下の2条件を同時に満たすことをいう。

  1. $A$開集合である。
  2. $A$閉集合である(すなわち、補集合 $X \setminus A$ が開集合である)。

自明な例

位相空間の定義(開集合系の公理)により、以下の2つの集合はどのような空間においても常に開かつ閉集合である。

  • 空集合 $\emptyset$
  • 全体集合 $X$
    これらを自明な開かつ閉集合と呼ぶ。

連結性との関係

開かつ閉集合の存在は、空間が「つながっているか、分かれているか」という連結性の定義そのものである。

位相空間 $X$連結(connected)であるとは、$X$ における開かつ閉集合が、自明なもの($\emptyset$$X$)に限られることをいう。

逆に言えば、もし空間 $X$ に自明でない開かつ閉集合 $A$$\emptyset \neq A \subsetneq X$)が存在するならば、空間は $A$$A^c$ という互いに交わらない2つの開集合によって分断されていることになり、非連結となる。

具体例

  • 非連結な空間の例:
    実数直線 $\mathbb{R}$ から区間 $[1, 2]$ を取り除いた空間 $X = [0, 1] \cup [2, 3]$ を考える(相対位相を入れる)。
    このとき、部分集合 $A = [0, 1]$$X$ の開集合であり、かつ閉集合でもある。
    • $A = [0, 1] = X \cap (-1, 1.5)$ なので開集合。
    • $A = [0, 1] = X \cap [-1, 1.5]$ なので閉集合。
      したがって、$A$$X$ の開かつ閉集合である。
  • 有理数集合:
    実数直線上の有理数全体の集合 $\mathbb{Q}$ において、集合 $A = \{ q \in \mathbb{Q} \mid q^2 < 2 \}$ (つまり $\mathbb{Q} \cap (-\sqrt{2}, \sqrt{2})$)を考える。
    $\sqrt{2}$ は無理数であるため、この範囲の境界は $\mathbb{Q}$ 内には存在しない。したがって $A$$\mathbb{Q}$ 内で開かつ閉集合となる。
    このように、任意の一点集合以外に連結成分を持たない空間を完全不連結空間という。
  • 離散空間:
    離散空間においては、すべての部分集合が開集合である。したがって、すべての部分集合は(補集合も開集合なので)閉集合でもある。
    つまり、離散空間のすべての部分集合は開かつ閉集合である。

関連項目