非原子的測度(atomless measure)とは、原子、すなわち測度が正で、どう 2 つに分けても一方の測度が $0$ になる可測集合をもたない測度のことである。非原子的測度は、測度有限な集合 $A$(σ-有限なら任意の $A$)の部分集合の測度として $0$ から $\mu(A)$ までのすべての値をとる(Sierpiński の定理)。$\mathbb{R}^n$ の Borel 集合の上の σ-有限な測度では、非原子的であることは 1 点集合の測度がすべて $0$ であることと同値で、Lebesgue 測度や正規分布は非原子的である。σ-有限な測度は可算個の原子と非原子的な部分に分かれる。
前提知識: 測度, σ-代数, Lebesgue測度
数え上げ測度では 1 点が測度 $1$ をもち、1 点はそれ以上分けられない。一方 Lebesgue 測度では、どんな集合も測度の小さい部分に細かく切り分けられ、区間 $[0,1]$ からは $0$ と $1$ のあいだの任意の測度をもつ部分集合を取り出せる。この違いを捉えるのが原子(atom)、すなわち測度の意味でそれ以上分けられない集合の概念であり、原子をもたない測度を非原子的測度(atomless measure)という。
この記事では、原子と非原子的測度を定義し、非原子的測度が $0$ から全体の測度までのすべての値をとること(Sierpiński の定理)を証明する。また、$\mathbb{R}^n$ の Borel 集合の上の σ-有限な測度では、非原子的であることと 1 点集合の測度がすべて $0$ であることが同値であることを示し、σ-有限な測度が原子の部分と非原子的な部分に分かれること、$L^p$ 空間と一様可積分性への応用を述べる。
以下、$(X,\mathcal{S},\mu)$ を測度空間とし、「$B\subset A$」と書くときは $B\in\mathcal{S}$ とする。
$A\in\mathcal{S}$ が $\mu$ の原子であるとは、$\mu(A)>0$ であり、すべての $B\subset A$ について $\mu(B)=0$ または $\mu(A\setminus B)=0$ が成り立つことをいう。$\mu$ が原子をもたないとき、$\mu$ を非原子的測度という。
原子の定義は Lp空間の反射性 の記事の定義「原子」と同じである。$A$ が原子でないこと($\mu(A)>0$ のとき)は、$\mu(B)>0$ かつ $\mu(A\setminus B)>0$ となる $B\subset A$ があること、すなわち $A$ を測度正の 2 つの部分に分けられることである。原子であるかどうかは、どの集合の測度が $0$ であるかだけで決まる。
$\mu$ が σ-有限なら、原子 $A$ の測度は有限であり、$A$ の部分集合の測度は $0$ か $\mu(A)$ のどちらかである(Lp空間の反射性 の記事の補題「原子の上の可測関数」の 1。後者は $\mu(B)+\mu(A\setminus B)=\mu(A)<\infty$ による)。
非原子的測度は、英語で atomless measure、non-atomic measure、diffuse measure ともいう(Bre11 p. 129 の脚注 6 は diffuse を「原子をもたない」の意味で使う)。ただし、「可算集合の測度がすべて $0$ であること」を nonatomic と呼ぶ本もある(Sal20 p. 124)。この 2 つの意味は一般には一致しない(ex-nam-cocountable)が、$\mathbb{R}^n$ の Borel 集合の上の σ-有限な測度では一致する(thm-nam-euclid と可算加法性による)。
点 $a\in X$ の Dirac 測度 $\delta_a$(測度 の記事の例「Dirac測度と重み付きの点の和」)では、$a$ を含む可測集合はすべて原子である。$\mathbb{N}$ 上の数え上げ測度では各 1 点集合が原子であり、原子は 1 点集合だけである(2 点以上の集合は 1 点とその残りに分けられる)。
$X$ を非可算集合、$\mathcal{C}$ を可算集合と補集合が可算な集合の全体とし、可算集合に $0$、補集合が可算な集合に $1$ を与える確率測度 $\mu$ を考える(測度 の記事の例「点の測度がすべて 0 の確率測度」)。1 点集合(さらに可算集合)の測度はすべて $0$ である。しかし $B\in\mathcal{C}$ は可算($\mu(B)=0$)か補集合が可算($\mu(X\setminus B)=0$)のどちらかなので、$X$ は原子である。満たす性質は「1 点集合の測度が $0$」、満たさない性質は「原子をもたない」であり、前者から後者は従わない。
$[0,1]$ の Borel 集合 $E$ に、Lebesgue 測度 $\lambda(E)$ が正なら $\infty$、$0$ なら $0$ を与える測度を $\mu=\infty\cdot\lambda$ とする(互いに交わらない和の $\lambda$-測度が正であることと、どれかの項の $\lambda$-測度が正であることは同値なので、測度である)。$\mu(E)>0$ のとき、$\lambda$ は非原子的なので(thm-nam-euclid)、thm-nam-sierpinski により $\lambda(B)=\lambda(E)/2$ となる $B\subset E$ があり、$\mu(B)=\mu(E\setminus B)=\infty>0$ である。よって $\mu$ は非原子的だが、とる値は $0$ と $\infty$ だけである。$\mu$ は σ-有限でない(測度有限な集合は $\lambda$-零集合で、その可算個の和も $\lambda$-零集合)。
$\mu$ を非原子的とし、$E\in\mathcal{S}$ が $0<\mu(E)<\infty$ をみたすとする。任意の $\eta>0$ に対し、$0<\mu(F)\le\eta$ となる $F\subset E$ がある。
$E_0:=E$ とおく。$0<\mu(E_j)<\infty$ のとき、$E_j$ は原子でないので、$\mu(B)>0$ かつ $\mu(E_j\setminus B)>0$ となる $B\subset E_j$ がある。$\mu(B)+\mu(E_j\setminus B)=\mu(E_j)$ なので、$B$ と $E_j\setminus B$ のうち測度の小さい方(等しければ $B$)を $E_{j+1}$ とすると $0<\mu(E_{j+1})\le\mu(E_j)/2$ である。よって $0<\mu(E_j)\le2^{-j}\mu(E)$ であり、$2^{-j}\mu(E)\le\eta$ となる $j$ で $F:=E_j$ とすればよい。$\square$
$\mu$ を非原子的とし、$A\in\mathcal{S}$ とする。$\mu(A)<\infty$ であるか、$\mu$ が σ-有限であるとする。このとき、任意の $t\in[0,\mu(A)]$ に対し、$\mu(B)=t$ となる $B\subset A$ がある。すなわち $\{\mu(B)\mid B\subset A\}=[0,\mu(A)]$ である。
まず $\mu(A)<\infty$ とする。$B_0:=\emptyset$ から始めて、$\mu(B_k)\le t$ をみたす $A$ の部分集合の増加列を作る。$B_k$ が得られたら
$$
s_k:=\sup\{\mu(C)\mid C\subset A\setminus B_k,\ \mu(B_k)+\mu(C)\le t\}
$$
とおき($C=\emptyset$ が候補なので $s_k\ge0$)、$\mu(C_k)\ge s_k/2$ となる候補 $C_k$ を選んで $B_{k+1}:=B_k\cup C_k$ とする。$C_k$ は $B_k$ と交わらないので $\mu(B_{k+1})=\mu(B_k)+\mu(C_k)\le t$ である。
$B:=\bigcup_kB_k$ とおくと、下からの連続性(測度 の記事の定理「測度の連続性」)により $\mu(B)=\lim_k\mu(B_k)\le t$ である。$C_k$ は互いに交わらないので $\sum_k\mu(C_k)=\mu(B)<\infty$ であり、$\mu(C_k)\to0$、したがって $s_k\le2\mu(C_k)\to0$ である。
$\mu(B)< t$ と仮定する。$\mu(A\setminus B)=\mu(A)-\mu(B)\ge t-\mu(B)>0$ であり、$\mu(A\setminus B)<\infty$ なので、lem-nam-small により $0<\mu(C)\le t-\mu(B)$ となる $C\subset A\setminus B$ がある。各 $k$ で $C\subset A\setminus B_k$ かつ $\mu(B_k)+\mu(C)\le\mu(B)+\mu(C)\le t$ なので $s_k\ge\mu(C)>0$ となり、$s_k\to0$ に矛盾する。よって $\mu(B)=t$ である。
次に $\mu$ が σ-有限で $\mu(A)=\infty$ とする。$t=\infty$ なら $B=A$ とすればよい。$t<\infty$ なら、測度有限な可測集合の増加列 $X_k\uparrow X$ をとると $\mu(A\cap X_k)\to\mu(A)=\infty$ なので、$\mu(A\cap X_k)\ge t$ となる $k$ がある。$A\cap X_k$ に前段を使えばよい。$\square$
証明では $C_k$ を可算回つづけて選んでいる(従属選択公理。従属選択公理)。
$\mu$ を非原子的とし、$A\in\mathcal{S}$ が $\mu(A)<\infty$ をみたすとする。任意の正の整数 $n$ に対し、$A$ は互いに交わらない $A_1,\dots,A_n\in\mathcal{S}$ の和で、$\mu(A_i)=\mu(A)/n$($i=1,\dots,n$)となるものに分けられる。
$n$ についての帰納法による。$n=1$ なら $A_1=A$ とする。$n\ge2$ なら、thm-nam-sierpinski により $\mu(A_1)=\mu(A)/n$ となる $A_1\subset A$ をとる。$A':=A\setminus A_1$ は $\mu(A')=(n-1)\mu(A)/n$ をみたすので、帰納法の仮定により $A'$ を測度 $\mu(A')/(n-1)=\mu(A)/n$ の $n-1$ 個の集合に分ければよい。$\square$
$\mathbb{R}^n$ の Borel 集合の上の測度では、原子は本質的に 1 点である。
$\mu$ を $\mathbb{R}^n$ の Borel 集合全体の上の σ-有限な測度とする。
1:σ-有限性から $0<\mu(A)<\infty$ であり、$A$ の Borel 部分集合の測度は $0$ か $\mu(A)$ である(節「定義」の後の説明)。座標 $i\in\{1,\dots,n\}$ を固定し、$F(t):=\mu(A\cap\{x\mid x_i\le t\})$ とおく。$F$ は単調非減少で、値は $0$ か $\mu(A)$ であり、測度の連続性($\mu(A)<\infty$ なので上からの連続性も使える)により $t\to\infty$ で $\mu(A)$、$t\to-\infty$ で $0$ に近づき、右連続である。値が 2 つしかないので、$t$ が十分大きければ $F(t)=\mu(A)$、十分小さければ $F(t)=0$ であり、$s_i:=\inf\{t\mid F(t)=\mu(A)\}$ は実数である。右連続性から $F(s_i)=\mu(A)$、$\mu(A\cap\{x_i< s_i\})=\lim_mF(s_i-1/m)=0$ である。したがって $\mu(A\setminus\{x_i=s_i\})=0$ である。$p:=(s_1,\dots,s_n)$ とおくと $A\setminus\{p\}\subset\bigcup_{i=1}^n(A\setminus\{x_i=s_i\})$ は零集合なので、$\mu(A\cap\{p\})=\mu(A)>0$ となり、$p\in A$、$\mu(\{p\})=\mu(A)$ である。
2:ある $x$ で $\mu(\{x\})>0$ なら、$\{x\}$ の部分集合は $\emptyset$ と $\{x\}$ だけなので $\{x\}$ は原子である。逆に原子 $A$ があれば、1 の $p$ で $\mu(\{p\})>0$ である。$\square$
$\mathbb{R}^n$ の Lebesgue 測度 $\lambda_n$ は σ-有限で、1 点集合の測度は $0$ なので、Borel 集合の上で非原子的である。Lebesgue 可測集合 $A$ が $\lambda_n$ の原子なら、$\lambda_n(A\setminus A_0)=0$ となる Borel 集合 $A_0\subset A$(Lebesgue 可測集合の上の $\lambda_n$ は Borel 集合の上の $\lambda_n$ の完備化である。Carathéodoryの拡張定理 の記事の節「Lebesgue–Stieltjes 測度と Euclid 空間の Lebesgue 測度」)も Borel 集合の上の原子になるので、Lebesgue 可測集合の上でも非原子的である。とくに thm-nam-sierpinski により、$\lambda_n(A)=1$ の集合からは測度 $1/3$ の部分集合が取り出せる。$\mathbb{R}$ 上の標準正規分布のように密度をもつ確率測度も、1 点の測度が $0$ なので非原子的である。
$\mu$ を σ-有限とする。互いに交わらない $\mu$ の原子の列 $A_1,A_2,\ldots$(有限個や $0$ 個でもよい)があって、$D:=X\setminus\bigcup_iA_i$ への制限 $\mu_D(E):=\mu(E\cap D)$ は非原子的である。
要点:原子の可算個の和で、測度(を有限にしたもの)が最大になるものをとる。その外に原子が残れば、それを加えて測度を増やせる。
互いに交わらない測度有限な $X_k$($k\ge1$)で $X=\bigcup_kX_k$ となるものをとり、$\nu(E):=\sum_k2^{-k}\mu(E\cap X_k)/(1+\mu(X_k))$ とおく。$\nu$ は有限測度で、$\nu(E)=0$ と $\mu(E)=0$ は同値なので、$\nu$ の原子と $\mu$ の原子は一致する。原子の可算個の和の全体を $\mathcal{U}$ とし、$s:=\sup\{\nu(U)\mid U\in\mathcal{U}\}\le\nu(X)<\infty$ とおく。$\nu(U_m)\to s$ となる $U_m\in\mathcal{U}$ をとると $U:=\bigcup_mU_m\in\mathcal{U}$ で $\nu(U)=s$ である。
$U=\bigcup_iA'_i$($A'_i$ は原子)と書き、$A''_i:=A'_i\setminus(A'_1\cup\dots\cup A'_{i-1})$ とおく。$A''_i$ の部分集合 $C$ について、$A'_i$ が原子なので $\mu(C)=0$ または $\mu(A'_i\setminus C)=0$ であり、後者なら $\mu(A''_i\setminus C)=0$ である。よって $\mu(A''_i)>0$ なら $A''_i$ は原子である。測度 $0$ の $A''_i$ を除いたものを $A_1,A_2,\ldots$ とすると、$D=X\setminus U$ との差は零集合だけである(除いた $A''_i$ の和は零集合で、$\mu_D$ を変えない)。
$D$ と $X\setminus U$ の差は零集合なので、$\mu_D$ は $\mu':=\mu_{X\setminus U}$ に等しい。$\mu'$ が原子 $E$ をもつとして矛盾を導く。$F:=E\setminus U$ とおくと $\mu(F)=\mu'(E)>0$ であり、$B\subset F$ について $\mu(B)=\mu'(B)$、$\mu(F\setminus B)=\mu'(E\setminus B)$ なので、$F$ は $\mu$ の原子である。$F$ は $U$ と交わらないので $U\cup F\in\mathcal{U}$ で $\nu(U\cup F)=s+\nu(F)>s$ となり、$s$ の定義に反する。$\square$
$D$ の測度が $0$ のとき、$\mu$ は純粋に原子的であるという。$\mathbb{N}$ 上の数え上げ測度は純粋に原子的であり、Lebesgue 測度と Dirac 測度の和 $\lambda_1+\delta_0$ では原子は $0$ を含む Lebesgue 零集合(たとえば $\{0\}$)であり、$A_1=\{0\}$ とすると $D=\mathbb{R}\setminus\{0\}$ の上に Lebesgue 測度が残る。
$\mu$ が σ-有限で非原子的、$\mu(X)>0$ ならば、$X$ は有限個の原子で覆われない(原子が 1 つもなく、$0$ 個の原子で覆われるのは $\mu(X)=0$ のときだけである)。したがって Lp空間の反射性 の記事の定理「端点での反射性」により、$L^1(X,\mu)$ と $L^\infty(X,\mu)$ は反射的でなく、同記事のその後の説明により、すべての $1\le p\le\infty$ で $L^p(X,\mu)$ は無限次元である。
一様可積分性 の記事の定義「一様可積分性」の 3 条件 (a)($L^1$ ノルムの有界性)、(b)(測度の小さい集合の上の積分が一様に小さい)、(c)(測度有限な集合の外の積分が一様に小さい)について、非原子的なら (a) は (b) と (c) から従う。
$(X,\mathcal{S},\mu)$ を σ-有限で非原子的な測度空間とする。$\mathcal{F}\subset L^1(X,\mu)$ が (b) と (c) をみたせば、$\mathcal{F}$ は (a) もみたす。
(c) を $\varepsilon=1$ で使い、$\mu(\omega)<\infty$ で、すべての $f\in\mathcal{F}$ について $\int_{X\setminus\omega}\lvert f\rvert\,d\mu<1$ となる $\omega$ をとる。(b) を $\varepsilon=1$ で使って $\delta>0$ をとる。$\mu(\omega)/n<\delta$ となる正の整数 $n$ をとり、cor-nam-partition で $\omega$ を測度 $\mu(\omega)/n$ の $n$ 個の集合 $A_1,\dots,A_n$ に分ける。各 $A_i$ の上で $\int_{A_i}\lvert f\rvert\,d\mu<1$ なので、すべての $f\in\mathcal{F}$ について
$$
\|f\|_1=\int_{X\setminus\omega}\lvert f\rvert\,d\mu+\sum_{i=1}^n\int_{A_i}\lvert f\rvert\,d\mu<1+n
$$
であり、(a) が成り立つ。$\square$
一様可積分性 の記事の命題「Lebesgue測度での (a) の自動性」は、Lebesgue 測度についてこの命題を座標を使って示したものである。原子があると結論は成り立たない:1 点 $X=\{a\}$、$\mu(\{a\})=1$、$\mathcal{F}=\{n1_X\mid n\ge1\}$ とすると、$\delta=1/2$ なら $\mu(E)<\delta$ となる $E$ は $\emptyset$ だけなので (b) は成り立ち、$\omega=X$ で (c) も成り立つが、$\|n1_X\|_1=n$ は有界でない。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| 原子をもたないこと | $\mathbb{R}$ の Borel 集合の上の $\delta_0$、$A=\mathbb{R}$ | thm-nam-sierpinski(値 $1/2$ をとらない) |
| $\mu(A)<\infty$ または σ-有限 | ex-nam-infinite($\infty\cdot\lambda$) | thm-nam-sierpinski(値 $1$ をとらない) |
| σ-代数が $\mathbb{R}^n$ の Borel 集合全体であること | ex-nam-cocountable($X=\mathbb{R}$) | thm-nam-euclid の 2(1 点の測度は $0$ だが原子がある) |
| 原子をもたないこと | 1 点の確率空間と $\mathcal{F}=\{n1_X\}$ | prop-nam-ui |
1 行目:$\delta_0$ の値は $0$ と $1$ だけである。2 行目:$\mu([0,1])=\infty$ で $t=1$ とすると、$\mu$ の値は $0$ と $\infty$ だけである。3 行目:$X=\mathbb{R}$ の可算・補可算 σ-代数は Borel 集合全体ではなく(たとえば $[0,1]$ を含まない)、測度は確率測度なので σ-有限である。
非原子的測度の値域が区間になることは Sierpiński の定理と呼ばれる。Sierpiński Sie22 p. 241 の定理は、$\mathbb{R}^m$ の有界集合 $E_0$ の Lebesgue 可測部分集合の上で定義された加法的な集合関数が、集合の直径とともに $0$ に近づくなら、2 つの値のあいだの値をすべてとることを示している。そこでの集合関数は有限な実数値(負の値も許す)で有限加法的なものであり、thm-nam-sierpinski は原典の定理そのものではなく、同じ型の結論を抽象的な測度空間の非原子的測度について述べた形である。Bre11 Exercise 4.36 の脚注 6(p. 129)は、非原子的な(diffuse な)測度空間では一様可積分性の (a) が (b) と (c) から従うことを証明なしに述べており、prop-nam-ui はその証明である。
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