Duo環

概要

Duo環は、可換とは限らない環の中で可換環に比較的近い性質が成り立つクラスである。完全環の特徴づけに関するBass予想が成り立つクラスとしてよく知られる他、準Frobenius環に関する性質についても可換環の場合に似た性質が成り立つ。

$$\newcommand{cat}[0]{\mathcal{C}} \newcommand{commring}[0]{A} \newcommand{domain}[0]{\commring} \newcommand{func}[3]{{#1}\colon{#2}\rightarrow{#3}} \newcommand{ideal}[0]{I} \newcommand{idealgen}[2]{\langle #1 \rangle_{#2}} \newcommand{morph}[3]{{#1}\colon{#2}\rightarrow{#3}} \newcommand{ring}[0]{R} \newcommand{sexseq}[3]{\zeroobj\rightarrow{#1}\rightarrow{#2}\rightarrow{#3}\rightarrow\zeroobj} \newcommand{zeroobj}[0]{0} $$

本稿では環は可換とは限らないが結合的かつ分配的であるとする。

Duo環(Duo ring)

$\ring$ が左Duo環であるとは、$\ring$ の左イデアル $\ideal$ につき、$\ideal\ring=\ideal$ が成り立つことをいう。

換言すれば、任意の左イデアルが両側イデアルであるとき、またその時に限りその環は左Duoであると呼ぶ。同様にして右Duo環も定義される。

Duo環(Duo ring)

$\ring$ がDuo環であるとは、左Duo環かつ右Duo環であることをいう。