戸田の括弧積(Toda bracket)とは、安定幹の元 $\alpha\in\pi_a^{\mathrm S}$、$\beta\in\pi_b^{\mathrm S}$、$\gamma\in\pi_c^{\mathrm S}$($a,b,c\ge0$)で $\alpha\beta=\beta\gamma=0$ となるものから、2 つの零ホモトピーを貼って作る $\pi_{a+b+c+1}^{\mathrm S}$ の部分集合 $\langle\alpha,\beta,\gamma\rangle$ である。これは部分群 $\alpha\cdot\pi_{b+c+1}^{\mathrm S}+\pi_{a+b+1}^{\mathrm S}\cdot\gamma$ の剰余類で、この部分群が $0$ なら 1 つの元に決まる。積が $0$ という関係から新しい元を作るのに使われる。
戸田の括弧積(Toda bracket)とは、安定幹の元 $\alpha\in\pi_a^{\mathrm S}$、$\beta\in\pi_b^{\mathrm S}$、$\gamma\in\pi_c^{\mathrm S}$($a,b,c\ge0$)で合成の積 $\alpha\beta$ と $\beta\gamma$ がともに $0$ になるものから、2 つの零ホモトピーを貼り合わせて作る $\pi_{a+b+c+1}^{\mathrm S}$ の部分集合 $\langle\alpha,\beta,\gamma\rangle$ のことである。零ホモトピーの選び方によって値は変わるが、その全体は部分群 $\alpha\cdot\pi_{b+c+1}^{\mathrm S}+\pi_{a+b+1}^{\mathrm S}\cdot\gamma$ のちょうど 1 つの剰余類になる(thm-toda-indeterminacy)。名前は戸田宏(Hirosi Toda)にちなむ。
安定幹の積は 0 になることが多い。$\alpha\beta=0$ という関係から、合成だけでは得られない新しい元を取り出すのが括弧積であり、球面のホモトピー群の計算で元に名前を付けたり関係を記述したりするのに使われる(ex-toda-single)。
$S^m:=I^m/\partial I^m$ とし、$\pi_m(Z)$ を基点付き写像 $S^m\to Z$ の基点付きホモトピー類とみる。和は第 1 座標で 2 つに分けて定める。懸垂準同型 $E$ は $f\mapsto f^+$、$f^+[u,r]:=[f(u),r]$(座標を右に足す)で与えられ、安定幹 $\pi_k^{\mathrm S}$ とその積は 安定ホモトピー群 の定義「安定ホモトピー群」と命題「安定幹の環構造」のとおりとする。とくに $\alpha\in\pi_i^{\mathrm S}$、$\beta\in\pi_j^{\mathrm S}$ を $f\colon S^{i+j+n}\to S^{j+n}$、$g\colon S^{j+n}\to S^n$ で表すと $\alpha\beta=[g\circ f]$ であり($\alpha$ を先に施す)、$\alpha\beta=(-1)^{ij}\beta\alpha$ である。同記事の定理「安定範囲」により、$n\ge k+2$($k\ge0$)なら $\pi_{n+k}(S^n)\to\pi_k^{\mathrm S}$ は同型である。
$a,b,c\ge0$ を固定し、$N\ge a+b+c+3$ のとき段 $N$ は安定であるという。このとき
$$
W:=S^{N+a+b+c},\quad X:=S^{N+b+c},\quad Y:=S^{N+c},\quad Z:=S^N
$$
とおく。以下に現れる群 $\pi_{N+a+b+c}(Y)$、$\pi_{N+b+c}(Z)$、$\pi_{N+a+b+c+1}(Y)$、$\pi_{N+b+c+1}(Z)$、$\pi_{N+a+b+c+1}(Z)$ はすべて安定範囲にある。
基点付き空間 $U,V$($U$ はコンパクト Hausdorff)について、基点付き写像 $U\to V$ の空間にコンパクト開位相を入れたものを $\mathcal M(U,V)$、定値写像を $c$ と書く。コンパクト開位相 の定理「指数法則」により、$\mathcal M(U,V)$ の道は基点付きホモトピー $U\wedge I_+\to V$ と、道の端点を止めたホモトピーは 2 変数のホモトピーと一対一に対応する。道 $\lambda$ の逆を $\bar\lambda$、道の連結を $\lambda\cdot\mu$($\lambda$ が先)と書く。基点付き写像 $k\colon V\to V'$、$l\colon U'\to U$ は合成により連続写像 $k_*\colon\mathcal M(U,V)\to\mathcal M(U,V')$、$l^*\colon\mathcal M(U,V)\to\mathcal M(U',V)$ を誘導する(同記事の命題「固定した写像との合成」)。
$U=S^M$ と基点付き空間 $V$ について、ループ $\lambda$ に基点付き写像 $\lambda^\flat\colon S^{1+M}\to V$、$\lambda^\flat[t,u]:=\lambda(t)(u)$ を対応させると、群の同型 $\pi_1(\mathcal M(S^M,V),c)\cong\pi_{1+M}(V)$ が得られる。この同型のもとで、$k_*$ は $k$ との合成 $\ell\mapsto k\circ\ell$ に、$l^*$($l\colon S^{M'}\to S^M$)は $\ell\mapsto\ell\circ(1\wedge l)$ に対応する。ここで $1\wedge l\colon S^{1+M'}\to S^{1+M}$、$[t,u]\mapsto[t,l(u)]$ である。
指数法則により、$c$ を始点と終点とするループは、$I\times S^M\to V$ で $\partial I\times S^M$ と $I\times\{\ast\}$ を基点へ送る写像、すなわち $S^{1+M}=I^{1+M}/\partial I^{1+M}$ からの基点付き写像と一対一に対応し、端点を止めたホモトピーは基点付きホモトピーに対応する。ループの連結は第 1 座標 $t$ で 2 つに分けた写像に対応するので、群の演算も一致する。$k_*$、$l^*$ の対応は $\lambda^\flat$ の式から直ちに従う。$\square$
$1+M\ge2$ なので $\pi_1(\mathcal M(S^M,V),c)$ は可換群である。
$\alpha\in\pi_a^{\mathrm S}$、$\beta\in\pi_b^{\mathrm S}$、$\gamma\in\pi_c^{\mathrm S}$ が $\alpha\beta=0$、$\beta\gamma=0$ を満たすとする。安定な段 $N$ で $\alpha,\beta,\gamma$ をそれぞれ基点付き写像 $f\colon W\to X$、$g\colon X\to Y$、$h\colon Y\to Z$ で表し、$\mathcal M(W,Y)$ の $gf$ から $c$ への道 $P$($gf$ の零ホモトピー)と、$\mathcal M(X,Z)$ の $hg$ から $c$ への道 $Q$ をとる。$f^*Q$ と $h_*P$ はどちらも $\mathcal M(W,Z)$ の $hgf$ から $c$ への道なので、
$$
\theta(P,Q):=\overline{f^*Q}\cdot h_*P
$$
は $c$ のループである。lem-toda-loop でその類を $\pi_{N+a+b+c+1}(Z)$ の元とみなし、その安定幹 $\pi_{a+b+c+1}^{\mathrm S}$ での類を $\{f,g,h;P,Q\}$ と書く。すべての安定な段 $N$、代表 $f,g,h$、道 $P,Q$ にわたる $\{f,g,h;P,Q\}$ の集合を戸田の括弧積 $\langle\alpha,\beta,\gamma\rangle$ という。
段 $N$ は安定なので、$gf$ と $hg$ は $0$ の元 $\alpha\beta$、$\beta\gamma$ を表すことから零ホモトピックであり、$P,Q$ は存在する。式で書けば、$\theta(P,Q)^\flat[t,u]$ は $t\le\frac12$ で $Q(1-2t)(f(u))$、$t\ge\frac12$ で $h(P(2t-1)(u))$ である。$t\le\frac12$ の半分は $Q$ が与える錐 $CX\to Z$ と $f$ の錐の合成、$t\ge\frac12$ の半分は $P$ が与える錐 $CW\to Y$ と $h$ の合成であり、2 つの錐を $t=\frac12$ の $W$ で貼り合わせて懸垂の上の写像を作っている。Hat02 p. 387 は、基点を考えない錐と懸垂で同じ形の写像を定義している。
$a,b,c\ge0$ と、$\alpha\beta=0$、$\beta\gamma=0$ を満たす $\alpha\in\pi_a^{\mathrm S}$、$\beta\in\pi_b^{\mathrm S}$、$\gamma\in\pi_c^{\mathrm S}$ について、$\langle\alpha,\beta,\gamma\rangle$ は $\pi_{a+b+c+1}^{\mathrm S}$ の部分群
$$
I(\alpha,\beta,\gamma):=\alpha\cdot\pi_{b+c+1}^{\mathrm S}+\pi_{a+b+1}^{\mathrm S}\cdot\gamma
$$
の剰余類であり、空でない。さらに、1 つの安定な段 $N$ と 1 組の代表 $f,g,h$ を固定しても、$P,Q$ を動かした $\{f,g,h;P,Q\}$ の全体はすでに $\langle\alpha,\beta,\gamma\rangle$ に等しい。
1 組の代表での値. 安定な段 $N$ と代表 $f,g,h$、道 $P_0,Q_0$ を 1 組固定する。基本亜群 の命題「基本亜群は亜群である」により、$gf$ から $c$ への道 $P$ は、端点を止めて $P_0\cdot\mu$($\mu:=\overline{P_0}\cdot P$ は $c$ のループ)にホモトピックであり、逆に $c$ の任意のループ $\mu$ について $P_0\cdot\mu$ はそのような道である。$Q$ についても同様に $Q\simeq Q_0\cdot\nu$ と書ける。$h_*$ と $f^*$ は連続写像なので、道の連結・逆・端点を止めたホモトピーを保ち、
$$
\theta(P_0\cdot\mu,\,Q_0\cdot\nu)=\overline{f^*Q_0\cdot f^*\nu}\cdot h_*P_0\cdot h_*\mu\simeq\overline{f^*\nu}\cdot\theta(P_0,Q_0)\cdot h_*\mu
$$
である。可換群 $\pi_1(\mathcal M(W,Z),c)$ で書けば $[\theta(P,Q)]=[\theta(P_0,Q_0)]-f^*[\nu]+h_*[\mu]$ であり、$\mu,\nu$ は任意のループなので、$P,Q$ を動かした類の全体は
$$
[\theta(P_0,Q_0)]+h_*\pi_1(\mathcal M(W,Y),c)+f^*\pi_1(\mathcal M(X,Z),c)
$$
にちょうど等しい。
部分群の読み替え. lem-toda-loop により、$h_*\pi_1(\mathcal M(W,Y),c)$ は $\ell\in\pi_{N+a+b+c+1}(Y)$ についての $h\circ\ell$ の全体であり、段は安定なので $\ell$ の安定類は $\pi_{a+b+1}^{\mathrm S}$ 全体を動き、$h\circ\ell$ の安定類はその積 $[\ell]\gamma$ である。よってその像は $\pi_{a+b+1}^{\mathrm S}\cdot\gamma$ である。同様に $f^*\pi_1(\mathcal M(X,Z),c)$ は $m\in\pi_{N+b+c+1}(Z)$ についての $m\circ(1\wedge f)$ の全体で、$1\wedge f$ は $(-1)^a\alpha$ を表すので(下の折りたたみ)、像は $\alpha\cdot\pi_{b+c+1}^{\mathrm S}$ である。したがって、固定した代表での値の全体は $\{f,g,h;P_0,Q_0\}+I(\alpha,\beta,\gamma)$ である。
選び方によらないこと. 代表をホモトピックな写像に替えても値の全体は変わらず、段を $N$ から $N+1$ に上げると、懸垂した代表と零ホモトピーから同じ安定類が得られる(下の折りたたみ)。安定な段では代表は基点付きホモトピーを除いて一意なので、各段の値の全体は同じ部分群 $I(\alpha,\beta,\gamma)$ の剰余類で、隣り合う段の剰余類は元を共有するから一致する。よって $\langle\alpha,\beta,\gamma\rangle$ はそのどれとも等しい。$\square$
$1\wedge f$ の安定類.$\tau_U\colon S^{1+M}\to S^{M+1}$、$[t,u]\mapsto[u,t]$ とおくと $1\wedge f=\tau_X^{-1}\circ f^+\circ\tau_W$ である。$\tau_U$ は第 1 座標を最後へ回す置換で、符号は $(-1)^M$ である。安定ホモトピー群 の命題「安定幹の環構造」の証明の段落「座標の入れ替え」により、奇置換を前から合成すると類は $-1$ 倍になり、後ろから合成すると第 1 座標の反転 $\rho_1$ との合成にホモトピックになる。$\rho_1$ は安定に $-\iota$ を表すので、双線形性から後ろの奇置換も安定類を $-1$ 倍にする。$W$ と $X$ の次元の差は $a$ なので、$1\wedge f$ の安定類は $(-1)^a\alpha$ である。
代表の取り替え.$\varphi$ を $\mathcal M(W,X)$ の $f$ から $f'$ への道とする。$gf$ から $c$ への道 $P$ と $P':=\overline{g_*\varphi}\cdot P$ は、$gf'$ から $c$ への道の類の間の全単射を与える。$(s,\tau)\mapsto Q(\tau)\circ\varphi(s)$ は(随伴 $(s,\tau,w)\mapsto Q(\tau)(\varphi(s)(w))$ が連続なので)$\mathcal M(W,Z)$ の正方形で、四辺は $h_*g_*\varphi$、$c$、$f^*Q$、$f'^*Q$ である。基本亜群 の補題「正方形の補題」から $h_*g_*\varphi\cdot f'^*Q\simeq f^*Q$ となり、$\theta(P',Q)$($f'$ で作る)$=\overline{h_*g_*\varphi\cdot f'^*Q}\cdot h_*P\simeq\theta(P,Q)$ である。$g$ を道 $\psi$ で $g'$ に替えるときは、$P':=\overline{f^*\psi}\cdot P$、$Q':=\overline{h_*\psi}\cdot Q$ とすると $f^*h_*=h_*f^*$ から $\theta(P',Q')\simeq\overline{f^*Q}\cdot f^*h_*\psi\cdot\overline{f^*h_*\psi}\cdot h_*P\simeq\theta(P,Q)$ である。$h$ を道 $\chi$ で $h'$ に替えるときは、$Q':=\overline{g^*\chi}\cdot Q$ とし、正方形 $(s,\tau)\mapsto\chi(s)\circ P(\tau)$ から $h'_*P\simeq\overline{f^*g^*\chi}\cdot h_*P$ を得て、$\theta(P,Q')\simeq\overline{f^*Q}\cdot f^*g^*\chi\cdot\overline{f^*g^*\chi}\cdot h_*P\simeq\theta(P,Q)$ である。どの場合も道の類の対応は全単射なので、値の全体は等しい。
段の取り替え.$f^+,g^+,h^+$ は段 $N+1$ で $\alpha,\beta,\gamma$ を表し、$P^+(s):=P(s)^+$、$Q^+(s):=Q(s)^+$ は $(gf)^+=g^+f^+$、$(hg)^+=h^+g^+$ の零ホモトピーである。$\theta(P^+,Q^+)^\flat[t,u,r]=[\theta(P,Q)^\flat[t,u],r]$ なので $\theta(P^+,Q^+)^\flat=(\theta(P,Q)^\flat)^+$ であり、両者の安定類は等しい。
1 つの元に決まるのは $I(\alpha,\beta,\gamma)=0$ のときに限る。Hat02 p. 387 も、括弧積の値が安定幹の部分群の剰余類を動くことを述べている。
thm-toda-indeterminacy の仮定のもとで、$\delta\in\pi_d^{\mathrm S}$($d\ge0$)について $\langle\alpha,\beta,\gamma\rangle\cdot\delta\subset\langle\alpha,\beta,\gamma\delta\rangle$ である。右辺は $\beta(\gamma\delta)=(\beta\gamma)\delta=0$ により定義される。
$N-d\ge a+b+c+d+3$ となる $N$ をとると、$N$ は $(a,b,c)$ について、$N-d$ は $(a,b,c+d)$ について安定である。段 $N$ の代表 $f,g,h$ と、$\delta$ を表す $k\colon S^N\to S^{N-d}$ をとると、$f,g,kh$ は段 $N-d$ で $\alpha,\beta,\gamma\delta$ を表し、使う球面 $W,X,Y$ は同じである。$gf$ の零ホモトピー $P$ と $hg$ の零ホモトピー $Q$ について、$k_*Q$ は $(kh)g$ の零ホモトピーで、
$$
\overline{f^*k_*Q}\cdot(kh)_*P=k_*\bigl(\overline{f^*Q}\cdot h_*P\bigr)=k_*\theta(P,Q)
$$
である。lem-toda-loop により左辺の類は $k\circ\theta(P,Q)^\flat$ で、その安定類は $\{f,g,h;P,Q\}\cdot\delta$ である。thm-toda-indeterminacy の後半により、$\langle\alpha,\beta,\gamma\rangle$ のすべての元はこの段とこの代表の $\{f,g,h;P,Q\}$ として得られるので、主張が従う。$\square$
$\beta=0$ なら、$g$ を定値写像にとると $gf=c$、$hg=c$ で、定値の道 $P,Q$ について $\theta(P,Q)$ は定値ループなので $0\in\langle\alpha,0,\gamma\rangle$ であり、thm-toda-indeterminacy により $\langle\alpha,0,\gamma\rangle=I(\alpha,0,\gamma)$ である。とくに $\iota:=[\mathrm{id}]\in\pi_0^{\mathrm S}$ について $\langle\iota,0,\iota\rangle=\pi_{b+1}^{\mathrm S}$ であり、$b=0$ では $\pi_1^{\mathrm S}\cong\mathbb Z/2$(Hat02 p. 339 の表の $\pi_4(S^3)$ と 安定ホモトピー群 の定理「安定範囲」)の 2 元からなる。$\alpha=0$ でも、$f$ を定値写像にとると $gf=c$ なので $P$ を定値の道にとれて、$f^*Q$ と $h_*P$ が定値の道になるので $0\in\langle0,\beta,\gamma\rangle=\pi_{a+b+1}^{\mathrm S}\cdot\gamma$ である。
$\eta\in\pi_1^{\mathrm S}$、$\nu\in\pi_3^{\mathrm S}$ を Hopf 写像 $S^3\to S^2$、$S^7\to S^4$ の類とする(Hopf写像、Hat02 p. 385)。Hat02 p. 339 の表と 安定ホモトピー群 の定理「安定範囲」により $\pi_4^{\mathrm S}\cong\pi_{10}(S^6)=0$、$\pi_5^{\mathrm S}\cong\pi_{12}(S^7)=0$ である。よって $\nu\eta=\eta\nu=0$ で $\langle\nu,\eta,\nu\rangle\subset\pi_8^{\mathrm S}$ が定義され、$I(\nu,\eta,\nu)=\nu\cdot\pi_5^{\mathrm S}+\pi_5^{\mathrm S}\cdot\nu=0$ なので 1 つの元からなる。Hat02 p. 388 は、安定幹の 2 成分で $\bar\nu=\langle\nu,\eta,\nu\rangle$ と書いている(この記事では証明しない)。同様に、$\pi_1^{\mathrm S}\cong\mathbb Z/2$ から $(2\iota)\eta=\eta(2\iota)=2\eta=0$ で、$\pi_2^{\mathrm S}\cong\pi_6(S^4)\cong\mathbb Z/2$ から $I(2\iota,\eta,2\iota)=2\pi_2^{\mathrm S}=0$ なので、$\langle2\iota,\eta,2\iota\rangle$ は $\pi_2^{\mathrm S}$ の 1 つの元からなる。
| 外す条件 | 反例 | 成り立たなくなること |
|---|---|---|
| def-toda-bracket の $\alpha\beta=0$ | $\alpha=\beta=\iota$、$\gamma=0$ | 括弧積が定義されること |
| thm-toda-indeterminacy の後半の「安定な段」 | 段 $N=1$、$a=b=c=0$、$\alpha=\gamma=\iota$、$\beta=0$ | 1 つの段の値の全体が $\langle\alpha,\beta,\gamma\rangle$ に等しいこと |
1 行目:$\beta\gamma=\iota\cdot0=0$ だが、$\alpha\beta=\iota\neq0$($\pi_0^{\mathrm S}\cong\mathbb Z$)なので、どの安定な段でも $gf$ は零ホモトピックでなく、道 $P$ がとれない。2 行目:$W=X=Y=Z=S^1$ で、lem-toda-loop により $\theta(P,Q)$ の類は $\pi_2(S^1)=0$ に入る(Hat02 p. 339 の表)ので、段 $1$ の値の全体は $\{0\}$ である。一方 ex-toda-zero により $\langle\iota,0,\iota\rangle=\pi_1^{\mathrm S}\cong\mathbb Z/2$ である。
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